台風10号“自転車並み”で九州横断へ 熊本県内4人けが 総雨量500ミリ超の地点も

台風10号は、29日午後3時現在、長崎県雲仙市付近をおよそ15キロの速さで北にすすんでいます。

 台風10号の接近に伴って、熊本県内は、29日昼前から全域が、風速25メートル以上の暴風域に入っています。

 熊本県では、益城町で最大瞬間風速30.3メートルを観測するなど、14地点で今年一番の強い風が吹きました。

■最大瞬間風速
益城町 30.3m
宇城市 28.8m
人吉市 28.6m
水俣市 28.0m

 降り始めからの雨量は、湯前町で503.5ミリ、あさぎり町で318.5ミリとなっていて、30日正午までの24時間に予想される雨量は、多いところで400ミリとなっています。

■降り始めからの雨量(29日午後3時)
湯前町 503.5mm
あさぎり町 318.5mm
五木村 309.5mm
多良木町 227.5mm

 29日午後3時現在、上天草市や天草市の東部など8市町村に土砂災害警戒情報が発表されています。

■土砂災害警戒情報
上天草市、天草市東部、山都町東部、多良木町、水上村、相良村、五木村、あさぎり町

 また、県内45すべての市町村に避難所が開設され、1万人あまりが身を寄せています。

井上聖貴アナウンサー
「午前8時半過ぎの熊本市中心部です。この時間は普段通勤する方が多く行き交うのですが、けさはその姿がほとんどありません。大型商業施設は相次ぎ休業しています」

 空の便や海の便のほとんどが欠航となったほか、路線バスも30日まで運休。1万3910世帯が停電するなど影響が広がっています。

 4年前の熊本豪雨で被災した人吉市では

女性
「(屋根の)あれが全部上がって、これも全部とれて怖かったんです」

 熊本県氷川町では80代の女性が避難所から一時帰宅しようとした際に転倒し、右足の骨を折るなど、4人がけがをしています。

 台風は、この後、ゆっくりとしたスピードで、東よりに進路を変えながら、30日にかけて九州を横断する見込みです。予報円の中心付近を進みますと、30日未明にかけて熊本県に最も接近する見込みです。厳重に警戒してください。

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