中川の旅 〜起点から終点まで〜その4(最終回)ウシガエルの声

日本用水路観光協会では用水路だけでなく、
水辺の魅力を探して、川やその周辺の文化などを紹介していきます。
今回は中川の旅、その起点から終点までを辿ります。
今回はその4、中川の最終回です
松伏町田島の「田島橋」から最終地点である荒川との合流までをお届けします。

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<中川について>
埼玉県羽生市を起点とし、埼玉県及び東京都を南下して東京湾に注ぐ、
延長81キロメートル、 流域面積810平方キロメートルの利根川水系の一級河川です。
都内延長は22.2キロメートル(うち6.3キロメートルは国管理)です。

<河川名の由来>
利根川と荒川の間を流れるので中川と名付けられたといわれています。

<桜・菜の花の美しい中流部>
中川中流部、幸手市付近は権現堂堤の桜並木とで有名な観光スポットになっています。
また、自然護岸が残る流域には、古いモルタルの橋がいくつも架かり、
懐かしい風景が残っています。

<中川の七曲り>
東京都葛飾区の奥戸・新小岩地区を流れる中川の上平井水門上流部は、
大きく蛇行した箇所が約5キロメートル連続することから「七曲り(ななまがり)」
という通称名が付けられています。

<中川奥戸展望デッキ>(中川ビュースポット)
葛飾区の中川七曲り左岸、森永乳業付近には、
東京スカイツリー、葛飾ハープ橋、東京タワー等を一望できる箇所があり、
「中川奥戸展望デッキ」として整備され、地元住民に憩いの場として親しまれています。

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★吉川稲荷神社(拾壱軒稲荷神社)
吉川市拾壱軒408
赤岩村の新田として寛永年間(1624-1644)から開発が進められ、
元禄8年(1695)に村として成立した十一軒村の鎮守として祀られた、
二社の稲荷社のうちの一社で、当社は十一軒村上組の鎮守として奉斎されていたといいます。
明治45年十一軒村下組の稲荷社を合祀しています。

★サギコロニー
吉川市吉川二丁目
埼玉県有数のサギの繁殖地となっています
このコロニーでは、アオサギ、ダイサギ、 チュウサギ、コサギ、アマサギ、ゴイサギの 6種類が繁殖しています。

★新中川水管橋
越谷市東町5丁目
この水管橋は、広域第一水道用供給事業の一環として、新三郷浄水場から県南東部地域への給水のため設置されたたものです。
長さが258m、メインの役割となる水道管は2つあり、1本の外径は1371.6mm。送水量は1日あたり288410立方メートル
歩いて渡れる水道管橋の名の通り、
歩行者・自転車専用で、車、バイクは通行不可、24時間利用可能
※台風・強風時は閉鎖されます。

★三郷水門
三郷放水路西端(中川との合流箇所)に設置された水門。

★新大場川水門
東京都葛飾区、中川の下流から大場川の終点に設置された水門。
(中川からの逆流防止、幅20m×2門)。
大場川下流排水機場は、三郷放水路下流域(南側)の内水排除を分担し、
この地帯は平坦な低湿地を長距離にわたり貫流していたため流れが不良で、
水難はまぬがれぬ状況のため、大場川の屈曲路を直流に改めることからはじまり、
大正時代から改修工事が行われました。
現代は、第二大場川が開削されるとともに、中川と江戸川を連結させた三郷放水路が開かれ、治水の安定が図られています。

★西水元水辺の公園
葛飾区西水元3丁目1〜西水元1丁目5
水辺の自然と触れ合いのできる公園として整備
南端に「ワンド」があります。ワンドは干潮による水位の変化を利用した入江があり、
魚や昆虫の産卵場所、水辺で息づく生物らの生息地、隠れ場所としての役割を果たします。

★怪無池(けなしいけ)と青龍神社
東京都葛飾区高砂6丁目1
中川の土手のすぐそばにあり、境内には怪無池とよばれる中川が決壊してできた池があります。
かつて雨乞いの行事が行われ、水を司る神聖な場所とされており、
池をよごしたり水をかき出そうとすると悪いことが起こるいう言い伝えがあります。
「けがなしいけ」に通じることから「けががない」ようにと、
これから戦争に行く人がお参りに行ったそうです。

★中川親水テラス
中川は葛飾区の中央を蛇行して流れています。
「中川親水テラス」は川沿いの約8.8キロメートルの散歩道で、
荒川まで合流するまでのほとんどの場所にこの遊歩道が整備されています。

★入定塚
この入定塚は森市という行者の終焉の地です。彼はこの地の村人に大変尊敬された行者でした。
彼はある時、自己の天寿を悟り、お世話になった村人らの繁栄を祈願して入定しました。
入定とは、生きながらに墓穴に入り即身仏となって命を断つことです。
経文を唱え、鉦を打ち、その音は三日三晩続いたと伝えられます。
村人は彼の死を哀み、お地蔵さんを祀り供養しました。

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起点から終点まで中川を辿りました
上流・中流・下流で様々な表情を見せる中川
そこには貴重な自然が残り、
無数の生命が息づき、
多くの人々の暮らしがあります

こうした魅力の尽きない中川
この風景がこれからもずっと変わらずにいることを
願わずにはいられません

撮影日 2024年5月15日

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