全文一挙 012 「 殺され半蔵 ,」,完,銭形平次捕物控,より, 青空文庫,収録, 朗読,by,D.J.イグサ,井草新太郎,
[音楽] [音楽] ご視聴ありがとうございますこれよりお 届けいたします作品は野村古道作銭形平治 物控えより殺され 半蔵 1932年昭和7年オール 読み物それでは本文を どうぞ殺され 半蔵第1 章平治少し骨の折れる仕事だが引き受けて はくれまか若い緑木の笹の新三郎はぴ不の 銭形兵器にこんな調子で話しかけました口 はってことを申すようでえるやがお頼みと ありはどんなことでもどんな先代から厄介 になっている銭形の兵治としては首をくれ と言われても断られた義理ではありません それに平もの新三郎に劣らず若さと覇気と 感激性を持っていた頃のことです他では ない先ほど1人の老女が訪ねてきて大変な ことを頼んでいったんだへ四や北町の小い 手どの250国を半で暗証旗本の有名な 家柄だその方が中風で弟の滝三郎というの が貢献をしているがどうも 面白くないことがあるえというのは手殿は 講義へお届け済みの病人半身不随で身動き も自由でないのを幸い手のつけようのない 包頭もで一時感動までされた弟の滝を親子 が乗り込み兄の手殿を土蔵の中に押し込め て犬猫のようなひどい目に合わせ自分が兄 の家を乗っ取ってせがれ文郎にを継がせる つもりらしいというのだへえ不定野郎が あったもんで足のとへ来たのはテ殿の娘 なえをわのうから育てたかというUBで 用事に囲つけて土蔵の中に入り込み時々テ 殿に頼まれてここまで隠れてやってきたと いうのだ へえそら少し気の毒でございますが旗本の 騒動を方へ出るのは少し筋違いじゃござい ませんかその通りだわしは旗本は若年より の支配で町方よりでは手の出し用がないと 言うと手殿もそれは100も承知だがこれ が間違って高義の耳に入ると小長池は火事 太り締まりで断絶になる手殿にしてはそれ が何より心配だ幸いわしの仙台が手殿と 歌いともだたご友達という以上に好意で 暴虐の思いがあったからその友情にすがっ て頼みたいとこうブの口から言われるのだ 弟の滝郎は武芸も学問もないが幹治だけは 人の3人前もあるから何をやり出すか わからない後に暗示られるのは年頃になっ た娘の波江筋違いは役も承知だが町方の手 でなんとかして若年よりや青めの耳に入れ ずにタサ郎を取って押さえわしを土蔵の中 から救い出してくれればそれにこした喜び はないというのだ平治なんとか工夫はない ものだろうか全くこれは折り入っての頼み でした笹の新三郎を思わず膝を進めて敷の 外にうまる兵士の手をいだきたいような 様子です よく上がりやしたなんとか取得工夫やって みましょうが手は旗本屋敷と言うと うっかり手は出せませんしばらくお待ち くださいますように平二は思い定めかねた ような難しい顔をあげましたがなんとか やってみましょうという以上は事件の解決 まで決して手を緩めない兵治の日頃をよく 知っている新三郎はもうすっかり大船に 乗った気持ちでの物の名人と歌われた男の 顔を頼もしく見つめまし た第2 章しかしこの時ほど平治もじったことが ありません手っ取り早く言えば小池に 入り込む工夫も何もつかぬうち肝心の生証 の老女かは死体になってしまったのです それは八丁堀の役宅によき笹の新三郎を 訪ねたある日の晩でしたにわかの発さで 町内の医者も間に合わず息を引き取って しまいましたが水で頭を冷やしたので枕も 毛もぐっしょり濡れているほどこにも異常 はなかったのでたけのこ湾先生の見立ては 卒中ということで深く索するものもなく 猫の子のように手軽に葬られてしまいまし た最もかのせがれの安蔵というのは同じ 屋敷に中原暴行をしておりますこれは 一刻者の母親と違って恐ろしい道楽者酔え ば必ず大地にひっくり返ってさあ殺せと わめくので殺され安とあだ名を取った男 です母が長年中金を励んだおかげで 持て余されながらも首にならず小池に介さ れておりますがその日も日のあるうちから 飲みまって母親の死目にも合わないという 情けないあ様 ですそれからいく日か経ちましたある日 四谷の小池を密かに見張らせている子分の がっぱが帰ってきたてね親分妙なことが あるやよ気臭い顔をしておりますなんで 蜂こんなことを言うと親分に笑われそう ですがげにこの足も聞いたんでなんだよ そり早くいっちまいな笑っちゃいけません よ階段なんですようん面白そうだな平常 怪談話などには耳も傾けない兵ですが よくよく手がかりが欲しかったものか 不思議に乗り気になってガラっパチを促し ます小池の屋敷から毎晩女の悲鳴が聞こえ るって長年は大さいすよ うんバヤさんが死んだばかりだから多分お 化けだろうって言いますが誰も姿を見た わけじゃありませ んてめえも聞いたのかべ聞きましたよ かれこれ4つ過ぎでしたが長年の物好きな 人たちと一緒に路地をへって毛屋敷の兵の 外にいると泣くような恨むような何とも 言えない女の悲鳴が身振りまでしなくっ たっていいやおぼろ好きで生暖かい晩 あんな声を聞かされちゃ全くたりません声 の元を突き止めたから 潜り込むとかなんとかしてそんな上げには 生きはしませんやびは旗本屋敷で下手に 潜り込んで見つかるとぶれもとくるお化け に手打ちにされるのが怖かったんだろうへ ち なしガラッパをからかいながらも平二は ふぶかと腕をこきましたこの間から集めた 色々な情報を頭の中にまとめてみると 何かしらそこに捨ておきがい重大性が匂い ますカンパチ今晩1つ付き合ねえかへどこ いばかだな飲む話じゃねえ化け物大治だよ へえ第3章その晩四谷北町の小長池の兵の 外へ行った平二とガラッパはわざと長内の 人目を避けて八県庁の方から行き止まりの 袋路地を屋敷の横で回ってみました草も林 もしりあった千つに近い屋敷でここまでは 手が回らなかったか兵もつ子も崩れて 野良犬の真似をすれば人間がくぐりこめ ないこともありませ ん8こっからるんだ上か野分見つかったら 100年目ですぜ馬鹿だな相手は旗だと 思うと遠慮もあるが投手は病人で異性を 振っているのは湯より他には何にも知ら ねえ弟の滝三郎とそのせがれの文五郎と いう役者みたいな男だ見つかったって命に かかるようなことあるものかなるほど ね2人は小声で無駄をながら寺の裏を通っ て小の奥へ深く入って行きました物が みんな銀ねずに見えるようなおぼろの桜月 を女の悲鳴が聞こえなくともなんとなく 階段めかしい道具立てです おぶんしガラっパチはいつのまにやら兵の 袖を抑えておりましたあれですよあの声 です よ兵治も気がついておりました小達の 向こう屋敷の裏手の辺り月の光が淀んだ ように青白く見えるのは多分咲きかけた桜 でしょうちょうどその中から世にも 物々しい女の鳴き声が苦悩に引きちぎられ ながら大大に聞こえるのでしたぶあれです よ黙らねえか 言外もなく道するガラッパの手を振りもっ て平二は忍び足にその声の方へ近づきまし た大丈夫すかやぶほらお化けや狐なら驚き はしねえ人間だよそれもわけ娘の声だ [音楽] へえ2人は四つばにならないばかり絶対に 足音を忍ばせてどうやらこうやら小だちの 外へ出ました海の底のような真珠色の おぼろ月 よ半開きの桜の下にハツが見えて湯げの下 に何やら白いものがうまっております娘だ ぶあれが波江という娘ですすてそれは 美しいし耳元にさくガっパチを洗いのける ように平二はなおも辺りを見回しました 幸い子の尽きるところから少し回ると 物置きの裏へ入って井戸のすぐそばまで そのひしが伸びております2人はもう躊躇 しませんでした [音楽] 第4 章なえ少しは懲りた かにげの音がして井戸端へ物影が刺します 叔父の滝三郎が庭木戸を開けて出てきたの でしょう娘は鳴き声を飲みました桜の間 から落ちる月の光がイに縛られた娘の体を 人魚のように青白く照らしておりますここ まで見届けると兵とガラッパは思わず久し の影に目をそらせました娘の体がしらしら と見えたのは着物や光線のせいではなく半 裸体にされてひしひしと荒縄に縛り上げ られているためだったのです振り乱した髪 が美しい顔から首筋へ見るのごとく絡んで 真珠色の子がひくひくと荒縄の下にうめく 様はいいを重ない恐ろしい美白でしたなえ まだ首を振るかわけのわからぬやつ じゃ兄はあの通り明日をも知れぬ命だ鳥 急いで周元のさきぼし講義へお届けを 済まさなければ小の家に傷が つく文五郎もそのつもりですっかり用意を 整えているのに何が気に入らなくてお前は 冠を振るの だ十がみの武士とも町人ともつかぬ男旗本 の次男に生まれて一度はヤザに身を 持ち崩すたのが中年過ぎてから武家に 舞い戻って欲ばかり深くなったといった 心持ちが姿にも顔にも言葉遣いにも現れて おり ます他に言いかわしたとこでもあるという のか江は縛られたままに首を振りました それとも文郎が気に入らんというの か今度は娘の首がまっすぐに立ってそれを 否定しようともしませんどうだ波江返事を せぬか いあの父様がはっきりお許しくだされ ば罠なく声涙に濡れて苦痛に歪められて わずかにこう聞き取れ ます兄は中風でロレも回らないあり様だ 許すも許さぬもないいえそれでもバカな ことを言うのはいい加減にするがいい冒険 のこの叔父が言いつけるのだ病人などを 引き合いに出すことはないどうだ波江返答 を聞こう次第によっては明日にも修SAW もさせいや修SAWより先に親類方の同意 を得て講義へお届けを済ませなければなら ぬ遺はあるまいないえおじ様嫌でござい ます父上様直々なお言葉がないうち はどうしても五城をはきか仕方があるまい もう一攻め だ滝郎は姉を鳴らしていっぱい組み上げ まし たなえ少しは涼しい ぞ頭の上に高々とかざしたずべを返すと さっと銀色の滝が娘の頭上 へ波江は流しの板の上に叩きのめされまし た一杯の水が乙女の全身を洗って乱れる 黒髪も青白い体も赤い腰巻きもそのまま 巻き上がり そうそれを見るとたまりかねたガッパ 離れ物置きの闇から飛び出そうとするのも 兵は大船折りではじめにしながらバカ黙っ てみるんだ一生懸命に囁き ます第5章続いて2杯3倍娘は滝に打たれ た女業者のように流しの板にく折れて声も 立てずにのた打ち回り ます荒縄に縛り上げられて濡れた乙女の 肉身がひひと痙攣する様は生めかしくも 痛ましいものでしたが五十男の欲の深そう な滝三郎にはそんな情緒が動きそうもあり ませ んごっぱ浴びせると滝三郎は疲れを休める ともなく流の上に立って娘の顔を覗きまし たどうだ波今度は痛い目に会う ぞなるほど兼ねて用意をしたものか後ろ 越しから馬の鞭を抜いて後出に構えており ますこれほどの騒ぎにも方向人1人顔を 出さないのは多少言含められているの でしょう桜の下はくにあえぐ娘の鳴き声 ばかり長内にお化け騒ぎをさせた裏がしさ で夜の空気に断続しておりますなえまだ 承知せぬなしぶい女だ滝三郎の手には高々 と鞭が光りまし た1つ2つ処女のシ村に小気味よくなると それをきっかけのように父上しばらく にを押し開いて飛び出したものがあります 田舎芝居の2枚目といった顔も体も瓢型の 男バタバタとにげの音をさせて井戸端へ 飛びつくと娘を後ろ身に囲って 立ちふさがりました言うまでもなく滝三郎 の一士文五郎妙にしじみますが男ぶりは とにかくすっかり板につきます茶立てすな いえ父様波江殿がかわいそうでございます どけどけ打つならどうぞ私を打って ください水とむとに打ち砕かれた半裸タの 娘を好ましそうに除きながら父の鞭から かって文五郎はとにかく声を絞りました ええ聞き分けのないあ父上 様第6 章 やぶこのまま黙ってけるんす かそうだよあの親子にバカな芝居を見せ られて指を加えて引き下がるんですか えよに絡んだ言い方だな蜂なにそういう わけじゃありませんがあんまり合原だから 親分が黙って見ていてくだされや足が 飛び出してあの2人を退治した上娘を 引っかいて逃げ出しますよバカあれは旗本 の屋敷内に起こった内緒事だ町方の御用 聞きがそんなおせかをしたらただじゃ住む めだって やぶそれが兵治のしたことと分かってみね 入れしたよの笹野様を始めひては行朝倉様 のご迷惑になる だろうそれとも旗本の屋敷へ物取りのよう に忍び込んで娘を誘拐した罪をてめえ1人 でしって立つ かそんなこと ぶまあいい自説を 待て平二とガラっパチはこう言いながら帳 の通りを歩いておりました北町ちょぼと 言うとの赤坂区ですが昔はこの辺りを一円 に四夜といったもの で江戸の切り絵には千駄ヶ谷へかけて四谷 の部に入っており ますところで ア死んだ馬のせれの殺され半蔵というヤザ な仲間が毎晩この辺りを飲み回っていると か言った な滝三郎がりこんだから誰もとめ手がねえ なとお袋が死んで少しやけになったん でしょう三門爆を打つ元手のネトはこの 辺りの飲み屋を門並荒らして歩いています よそいつを探してみようじゃないかあき ありやせん2人はそれから23元縄の連を 漁ると全くわけもなく見つかってしまい ました塔の殺され半蔵はとある飲みの奥に タル天人を決め込んで現国につけた塩を 舐めながら湯呑みで熱いのをきゅっとやっ ていたのです 兄いい機嫌だ ねガラっパチは横へ回ってポンと肩を叩く となを言いやがるてめえが奢った酒じゃ あるねえしいい加減だって悪い加減だって 文句言われるおえはね突っ込んでやがれま たんぼめ どうも恐ろしく悪い口です年の頃は 256顔も胸も酒に焼けておりますが ちょっと苦みましたいい 男水神の刷denganを左へ曲げて人を 睨みあげると少し三白眼になり ます少し話があるんだすまねえが兄 ちょっと顔を貸してくれ 下に行かすような器用なつじゃね泣き 上がれおかなんか使いやがったって酒は 飲ませねえぞまけめとても寄りません黙っ て見ていた兵はガラッパをかきのけるよに 半蔵のそばへ寄りました幸い店の中には誰 もいません兄小長様の屋敷にお化けが出 るって話を知ってるかい 何と 安三おめえそれじゃあ死んだお袋に住む めえぜ桜の下の井戸端に娘が毎晩裸で縛ら れて息も大々に攻められているのも知ら ないようなこっ ちゃ兵士の言葉は低いが恐ろしい効果を 表しまし たそれ本当かお前は一体誰 だ少しは座りましたが酔いもいくらか冷め たらしく天人様の足をほしてきっとなり ます誰が嘘をつくものか破れた兵の間から 潜ってすまねえが攻めDevを見てきた ものがあるんだあのまま掘っておくと娘は 死ぬ ぜあの悪童が無事で娘を叩いたり顔から水 をぶっかけながら セガと一緒になってこの家の後を取れと 言うんだみんな聞いたよ目でて話 さ従同士の夫婦が一組出来上がって小の家 は先週万成 さところで背があの家の跡を取ると邪魔に なるのは土蔵中に押し込められている 年寄りだ義の届が住めばたねうちにシャマ のように閉められるよそんそんなバカな ことがあるなのかお前はなんだ ちくしバカだかバカでねえか4つの目で見 て蹴ったんだ物はたし屋敷へ蹴って井戸端 を覗いてみるがいいあけ娘があられもねえ 姿で縛られていたら俺の湯のが本当だと 思え銃の大事も忘れて酒ばかり飲んで歩き やがって毎日あの子が死んだらてめえは腹 でも切らなきゃ住むめ ぜ兵の言葉 はさやき加減ですが勘で含めるように半蔵 の配布に食い込んでいきました ちくしどうするか 見れ半蔵は湯呑みをどに叩きつけると すっくと立ち上がりました急いで行って こい23人しても構わねえから娘を 引っかいでくるんだ ぜてめえたちもここを動くなと半蔵いい とも半蔵は外へ出ると少しよろめく足を 踏みしめて北町の方へさっと飛んで行き ますお感情は奥から飛び出す親父をほって おけ患者は俺が払ってやる兵は大を広げる 形に止めまし た親分どんなことになるでしょうと がらっぱち これはアゾの消えこんだ闇をいつまでも 見つめておりまし た第7章嬢 様井戸端で半裸タの娘を抱き上げた時は 半蔵もさすがに酔いが覚めてしまいました この悩ましいシーンはんだの半蔵にとって もあまりに痛々しい刺激だったの です安蔵 かにわかにしきいた娘は何より先に 浅ましい自分の体を見回しましたがいつの 間にかけたかこの匂いのする反転が荒縄の 上から引っかけられて裾は赤い腰巻きが月 の光にだ濡れ色を見せております振り仰ぐ と抱き上げた方の半蔵が駆け回り1つの たましい裸体になり白面の腹巻きの後ろ帯 に木刀を叩き込んで腰を切ろうとしている ところでしたお嬢様気がつきましたか なんてむったらしいことをしやがるん だろう半蔵はそう言いながら反転に包んだ 乙女を宝物のようにひっかえて裏口の方へ 足を移しました ぞどこは行く の波江は寒さにわきながらも月の光に半 ゾボの行手をすかします知れたことでさ こんな屋敷をおんでて安心なところへ隠し てあげますよそれはいいけないよ半蔵私が いなくなったら父親様がどう遊ばすだろう どんなことがあったって私はここを動か ないとんでもねえお嬢様があの文子の野郎 と忠言すると3日立たねえうちに旦那様が 殺され ます妙な男が足にそう教えたがどうも こいつは干しのようだそれでも私は父様を 見してる気にはなれ ないよった な殺され半蔵も脇の下で縛られたまま もがく娘を持て余すともなくしばらく 立ち止まりましたそんなことを言ったって お嬢様ここにじっとしていられたら殺さ れるか忠言するかな行けないよどうしても 私を連れ出そうというなら大きい声出して 人を呼ぶよ半蔵もこの上争うわけに行き ませんちょぼ立ち止まったところが土蔵の 前父親の手を閉じ込めている場所と気が つくとそれじゃあ旦那様に伺ってみ ましょう土蔵の窓は開いてるようだから 久しの下に入って鉄網を張った窓から声を かけようとすると 半蔵何もかも聞いた娘を頼むぞ波江もここ を出て自説を待てわしのことは心配するな 厳重な鉄にすがって髭だらけの顔が半分闇 の中ながら好見え ます父 様波江は半蔵の小に身を振るわせて下なき に泣きいるばかりです [音楽] 第8章波江は半ゾボと一緒にしばらく神田 の兵治の家に隠れました小長池は休暇にし ては親類も少なくこんな時打ち明けて力に なってくれるほどの人もなかったのです ですしかし兵の木山にもとんだ思惑違いが ありました波江を盗み出してムンゴ郎との 言も妨げさえすれば父手の命は大丈夫と 思ったのは大いで立多作の滝三郎は小池の 一人娘浪江は地居隊の中半と駆けたと 言いふらし半蔵やを動きの取れぬはめに 追い込んだ上3日経たないうちに当主哲は 娘の不始末も悲しむのあまり卒中を起こし て死んだと発表したのでし たまもなく親類合議という形にこらえおい の文五郎に後相続を願い出ましたその手順 はいかにも疾風人的で相手に息もつかせ ません暗証旗本の立派な家柄と祖先の手柄 をこごまと単眼所に書き添えたのですから 講義もこれはまず許す法に傾く でしょう雷名と違って旗本の死後相続は何 でもないことではありそれに弟の滝郎では 世間が許しませんがそのせがれの文五郎と なるといくらか多めに見る心持ちになり ますこりは放っちゃうけ ね銭形兵治も今更驚きましたが自分の両1 つでやったことでこの始末を笹の新三郎に 持っていくわけにも行かずまた持っていっ たところで旗本の名家の相続問題に町方 よりなどは口ばしを入れられるわけもあり ません半蔵も波も兵の心持ちや情を見て すっかり信頼しきっているこの頃です今更 ダメだったとは兵の下が腐っても言われた 義理ではなかったの です半蔵兄すまねえが人肌脱いじゃくれま か事件が切迫したある日兵は思い切った 様子でこう言いまし た何をやらかしゃいいんで ぶ半蔵もさすがに兵治の緊張した顔に 引き入れられてやぼの肩骨ぼ出してスボに 顎を撫で ます兄貴お嬢さんや粉池のために命を 投げ出しちゃうくるめかと 平二 へえ手っ取りバイクいや殺されてもらいて んだなんだそんなことか殺され半蔵と言わ れている俺だ自慢じゃねえが命だきゃ痛め をつけねえ本当か 兄貴殺されつけているんだ神兵することは ねえ冗談だか真面目だかわかりませんが ケロリたした顔には思いの他真剣な色が 動くようでもあり ます兄貴のおふさんと小長の旦那はどうも 滝親子に殺されたにそういねえが証拠と いうものが1つもねえ町人や百姓なら 見込みで縛ってひくてもあるが相手は旗本 屋敷に住んでいちゃ冷飯食いでもまさか そんな手荒なことはできねえで兄が 乗り込んでいっていつもの手で存分に単価 を切って思いきりやがらせを言うん だそいつはありがてえほら両院を下げたく てうずうずしてるんだあの悪親子の目で ふんぞりらしてくれるなら命なんか2つみ 投げ出しても いいそう来るだろうと思ったよだがこいつ は冗談やしれじゃあねえ乗り込んで単価を 切ったら最後間違なく殺される ぜいいともその殺しぶりを俺は影ながら見 てんだ兄貴のおふさんも小の旦那も卒中と いうことにになっちゃいるが2人とも髪が ぐっしょり濡れていたっていうし頭の てっぺんには少しばかり黒地が溜まってい たそうだどうも俺には腑に落ちねえこと ばかりやんだどうして殺したかが分かり さえすりゃ敵はきっと打って やる殺された上に敵まで打ってもらっちゃ すまねえ ななんという太平楽半蔵はこんなことを 本気で言ってケロリとしておりますその 代わり向こうへ行った以上は存分にやって くれなくちゃいけねえんだ ぜいいとも殺されに行く相談も隣の部屋で は波江が袖を噛んだり頬を抑えたり立って も座ってもいられない様子で聞いており まし た第9 章やい あの人殺し野郎の東辺僕はいるかい半ゾボ が小長池の大原関から怒鳴り込んだのは その日の有国 あ取り次ぎのヨニは半ゾボの顔を見ると奥 へ逃げ込んでしまいました女中橋ためは元 より寄りませ ん半蔵があって文句を言いに来たといえ やちの人殺し野郎とせがれの色きち野郎を 並べておいて土手っ腹へ風花を開けてやる ん だ半蔵は無人の教を行くがごとく部屋から 部屋を漁って行きました俺のお袋と旦那様 を殺したのはドイツだ出てき やがれ旗本屋敷にはそいありませんが滝 三郎も文五郎も無の弱もで元より半ゾほど のものを抑える気力もありませ んまあまあ半ぞ何をそんなに騒ぐん だそれでも見かねたか滝三郎は笑みこぼれ そうにニヤニヤしながら出てきますやい この野郎お嬢様を水攻めなんぞにしやがっ てその上このうを乗っとろってん だろう俺の玉が黒いうちはそんなことをさ せるもんか袋と旦那の敵を打ちに来たんだ 覚悟し やがれ半蔵は腹巻きも探って相口を 取り出すとネズミを狙う猫のように身構え ました危ねえそんなものを抜いちゃいけ ない半蔵気を沈めてよく聞いてくれ実は おめえの来るのを待っていたんだよくよく ぶち殺せれたかったんだろうそうじゃない 波江に後を取らせたいばかりに俺はどんな に気をもんだか知れしない波へのありか さえ分かれば俺はせがれを連れてここを出 ていく嘘も偽りも ない本当か 野郎波江に悪い噂が立って俺はどんなに 心配したことだろう小長の家を潰しちゃ 先祖様に対して住まないから無理な立ても こらえたがお前と波江が出てきさえすれば 俺とせがれはこの家に用事はない半蔵 間違ったことをしてくれる な滝三郎は誠に必SCの弁説を古いました 正直もの半蔵はいつの間にやらそれを信用 する気になって相口を荒巻に収めるとどっ かと座敷の真ん中に座り込んでしまった もの です第10 章その晩半蔵はすっかりいい心持ちになっ てしまいまし たかを仕立てて波江を迎えにやらせるとへ こらする滝三郎と文五郎を下めに見下ろし て何度に戸を巻いて平二のことも殺されに 来たことも忘れていたの です半蔵さんお風呂 は顔馴染みの女中がそう言ってくると少し 酔いの回った半蔵はフラフラと立ち上がり ました風呂と聞くと我慢のできない半蔵は 少し酔っていることなどは考えていません 雇い人の風呂場ではなく家族の風呂場へ 案内されて1度はあっと気がついたよでし たがすっかりいい心持ちになっていた半蔵 は思いなして少し酔った体を古家の中へ つりましたしかしこれが重大な罠でした 半蔵が不老家に全身を浸すとどこから現れ たか滝 三郎どうだ半蔵湯の加 はええちょうどいい安定で半分も言わせず 風呂の蓋ボルとはっと半ゾボの土へ何を し上がるんだ飛び上がるぼと下が行けませ ん蓋の一方の橋はせがれの文五郎が抑えて 風呂いっぱいの水の中へ半蔵をめり込ませ てしまいましたそこへ兵とガラッパが 飛び出したことは言うまでもありません ガラっパチが半死半しぼの半蔵を風呂桶 から助け出す間に兵はわけもなくタサを もってでえました人殺しの現場を抑えられ たのですからこれに弁解の余地もありませ ん土紛れに文五郎は逃げましたが滝郎は 小長池から人別を抜かれたままになってい たので縄を打ってその場から引立てました 後はもう話はありません毛には桃園のも から無用紙も入れて滝三郎の仕置きが住む と中元の逆月をあげさせまし た笹の新三郎や兵器の骨折りで家祖母族も 滞りなく運び何もかもめでたづくめになっ てから おう色々お骨折りでありがとうございまし た明日用事も済んだようだからしばらく旅 に出てきますよ殺され半蔵は不にこんな ことを兵に言いました どうしたんだ新夫婦がこれから兄貴に音 報じをしようという相談をしているよおし 飯しはありがてえがこんなヤな野郎がい ちゃ目障り だろうそれに足しにしても美しい新嫁ぶり を見せつけられちゃたまらねえ親分立ては 接しだ ぜ半蔵はこう言ってくるりとそを見せまし たそれっりこの男はどこへ行ったかわかり ませ ん人にも言えぬ淡い恋心を抱いて酔っ払っ てはさあ殺せをやって歩いていること でしょう野村子道作銭形平治物控えより 殺され半蔵 1932年昭和7年オール読み物 [音楽] はいご視聴ありがとうござい [音楽] ますOG
#銭形平次捕物控 #野村胡堂#銭形平次#井草新太郎
毎日、野村胡堂「銭形平次」15分くらいづつ、アップしています。
3~4日でまとめて、全文一挙,公開しています。
長編や過去のアーカイブスもたくさんあります。
☆野村胡堂 作 「池田大助捕物全集」ミリオン
「芝居の果,」全文一挙,「池田大助,捕物全集,7,」
「毒饅頭,」全文一挙,「池田大助,捕物全集,7,」
「三人妻,」全文一挙,「池田大助,捕物全集,6,」
「晒された女,」全文一挙,「池田大助,捕物全集,6
「江戸川橋」https://youtu.be/RnfmXcUb8-0
「化物退治」https://youtu.be/8BcPOD4kZOc
「覆面の敵」https://youtu.be/zSQ0jC2WcY8
「死骸の殺人」https://youtu.be/JcsXuSzEiRo
☆dd 銭形平次ミリオン
「桐の極印,」https://youtu.be/n1kvRyRVb6Q
「屠蘇の杯,」https://youtu.be/N4isZWAvHtw
「春宵,」https://youtu.be/xeD9vMo3URo
「娘と黒法師,」https://youtu.be/HYb_U5miwlE
「人違い×人,」https://youtu.be/IEAYGdW4hV4
「恋患い,」https://youtu.be/krtwT1Tlo6A
「夕立の女,」https://youtu.be/OA_MeooBCAE
「青葉の寮,」https://youtu.be/RaRMBRKc67g
「猿蟹合戦,」https://youtu.be/XcSODEHPWCg
「浮世絵の女,」https://youtu.be/CXF-4jRsR3I
☆「銭形平次」
「隠れん坊,」https://youtu.be/Yrovh6feCBw
「或る日の平次と八五郎,」全文一挙,「銭形平次捕物控」より, 青空文庫,未収録作品,
https://youtu.be/l3Ub3iv5a3E
29 https://youtu.be/OhJm5I5trLI
28 https://youtu.be/8h_IoW-iolk
1・イサナ—
周五郎長編「天地静大」。「風流太平記」は、80回で完結「愛妻日記」
「寝ぼけ署長」
吉川英治「三国志」野村胡堂 岡本綺堂
https://www.youtube.com/channel/UCyJ8uHaw7Y3MnDRrexck7dQ
2・イグ3朗読舎
周五郎短編 トルストイ「アンナカレーニナ」周五郎「新潮記」全巻
https://www.youtube.com/channel/UCoPq-tu22HmNNWxx1EvtXXA
3・dd朗読苑
勝海舟「氷川清話」周五郎短編
https://www.youtube.com/channel/UCHFGwtIERdlmaoXFv7KV_wg
4・朗読イオギ
周五郎 短編、「赤ひげ,音声改善版」 谷崎潤一郎 周五郎「正雪記」
https://www.youtube.com/channel/UCSw8_2yPtGB7gxnqfN1VBDw
5・朗読新館
吉川英治「神州天馬侠」、周五郎 短編、
https://www.youtube.com/channel/UCtEo6GWLMRWVmVzNF0SOX0g
6・西荻新生
「日本的霊性」
https://www.youtube.com/channel/UCSgsSGOWPqPnEOKcuQklVhQ
7・イグサ 朗読新館, 新生, 別邸
スタンダール「パルムの僧院」、めざせ週刊 朗読ニュース
https://www.youtube.com/channel/UCeRILppTNSqVGZ7SNLVvvfQ
イサナ
「人情武士道,」全文一挙,完, ,作,山本周五郎,※【解説,朗読】,by,イサナ,
https://youtu.be/3D1v07h-NPg
「氷川清話,9,」,勝海舟,述, 吉本襄, 撰,. 出版,明治三十一年(1898年),朗読,by,dd,朗読苑,※著作権終了済
「神州天馬侠,3,,第2篇,富士の山大名,1/2」,作,吉川英治,※【解説,朗読,】,by,朗読新館,