熊本市の条例で自転車のヘルメット着用が努力義務化されて1年。道路交通法の改正で今年の4月から全国でもヘルメット着用が努力義務となりました。街中ではヘルメットを着用して自転車に乗る人を見掛けることも増えてきましたが、熊本県内の着用率は8.3%と全国平均の13.5%を下回っています。「安全第一」を掲げる建設会社の「SYSKEN」。安全に自転車通勤をして欲しいと、半年ほど前から社員にヘルメットを着用して通勤するよう呼びかけています。自転車通勤をする井手さんも先月からヘルメットを着用して通勤をしています。
(SYSKEN井手淳貴さん)
「暑い時もありますし、髪型を気にする時も正直ありますけど、万が一の事があった時は頭が守られて大丈夫という安心感はあるのかなと思います」
現在、ヘルメットを着用して自転車通勤をしている社員は全体の3割ほど。着用率アップを図るために今月から始めたのが…
(SYSKEN福元秀典社長)
「(ヘルメットを購入した)社員の方には3000円を支給しようということで」
通勤用のヘルメット購入に3000円の補助金を出すという独自の制度を設けました。
(SYSKEN福元秀典社長)
「(県内の企業が取り組むことで)地域の文化を作っていく、そういう使命もあるんじゃないかなと思うんですね。来年の3月までにですね、ヘルメット着用60%をまずは一つ目のハードルとして達成していきたいと思ってます」
去年、熊本県内で自転車に乗っていて交通事故に遭い死亡したのは2人。2人共、ヘルメットを着用していませんでした。
こちらは自転車同士が出合い頭に衝突する事故を再現した実験の映像です。転倒したマネキンの頭部が地面に強く打ち付けられています。
(熊本県警本部交通事故防止総合対策室 吉良洋平室長補佐)
「警察庁の方が調査したものによりますと、交通事故において自転車で亡くなった方のうち6割は頭に致命傷を負っているというのがありますので、非常に大事かと思っていますし、ヘルメットを着けていた場合と着けていない場合によって、死亡率も2倍近く異なると言われていますので、着装が非常に必要かと考えています」
熊本市で自転車のヘルメット着用が努力義務化されて1年。義務化されたばかりの頃は6.3%と前月から約4%上昇するなど順調に着用率を伸ばしましたが、その後は横這い状態が続いています。着用率アップのカギを握るのが…
(熊本市自転車利用推進課 酒井伸二課長)
「全体的な定着を進めていくには高校生の着用が重要になってくると思っています」
先月、警察庁の調査で県内の着用率が8.5%だった熊本県。その調査で全国トップだったのが愛媛県です。愛媛県では自転車通学の高校生が亡くなる事故が相次いだため、8年前から通学時の着用を校則に盛り込むなど普及に向けた取り組みが続けられてきました。全体の着用率は59.9%ですが、中高生の着用率はほぼ100%です。熊本市でも高校生から着用を浸透させていこうとしています。今年度から4校を「熊本市自転車安全利用モデル校」に認定し、自転車通学をする生徒にヘルメット着用の啓発活動を行っています。
(真和高校 生徒会長)
「高校生が変わっていくことで自転車を利用する人がヘルメットをかぶらなきゃっていう責任感が安全性に繋がっていったりすると思いますので、高校生が中心となってヘルメット着用を呼びかけるっていうのは本当に素晴らしいことなんじゃないかなと思います」
(熊本県警本部交通事故防止総合対策室 吉良洋平室長補佐)
「まず事故に遭わない事とあわせて、事故に遭った場合の命を守るためのヘルメットと考えて頂ければと思います」

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