福島県双葉町にある「東日本大震災・原子力災害伝承館」を訪ねるたびに、私は不思議な光景を目にします。

2011年3月11日の津波で破壊された民家の残骸が、まだ立っているのが伝承館の窓から見えるのです。近寄ると、津波が運んだ瓦礫が今なお周囲に散乱しているのがわかります。

しかし伝承館には何の説明も指示もありません。完全に無視しています。

外側には本物の震災と原発事故の被害物が残っているのに、展示物をあれこれ集めて「伝承する」というのは、どう考えても本末転倒です。

私は、その残骸になった家に住んでいた人たちが、震災・原発事故前はどんな暮らしをしていたのか、知りたいとずっと思っていました。そして震災と原発事故で何を失ったのか、教えてほしいと願っていました。

あちこち探し歩いたのですが、どうしても連絡先がわからない。

2023年になって、ある偶然から、その一人・志賀一郎さん(1945年生まれ)が宮城県名取市に避難移住しておられることを知りました。ご自宅を訪ねて、趣旨を直接ご説明して、ようやくビデオカメラの前でお話をしてくださることになりました。

今回はその前編を放送します。
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公共性と事態の深刻さを考えて、今回も無料で公開しました。
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1 Comment

  1. 貴重な動画ありがとうございます。日本政府は原子力を2050までに三倍に増やすにサインをしたとか。原子力事故被害がおきてるのにさ、人口減るのにさ、まだ増やすってさ。原子力ってなんなんだろう。泣けてくる。

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