台風10号 29日夜遅くから30日朝にかけて熊本県に最接近 (24/08/27 19:00)

台風10号は非常に強い勢力に発達し、その勢力を維持したまま九州に上陸する予想で、県内には29日夜遅くから30日朝にかけて最も近づきそうです。

この台風、県内接近時の時速は10キロ程度と「自転車並み」で影響が長びく恐れがあります。

非常に強い台風10号は午後6時現在ご覧の位置にあって1時間にゆっくりと北北西に進んでいるとみられます。

台風は、今後も北西に進んだあと進路を北寄りから北東寄りに変え、予報円の中心を進んだ場合、鹿児島県に上陸し熊本県には29日夜遅くから30日朝かけて最も近づく見込みです。

上陸直前の中心気圧は935ヘクトパスカルとなっています。

台風が「非常に強い勢力」で接近する理由は九州付近の海水温です。

現在、海水温は平年より2度ほど高い30度前後。

このため台風は勢力を落とすことなく九州に近づいているのです。

【熊本地方気象台 森崎 正嗣 統括予報官】
「台風の速度が遅いことから、長時間にわたって湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定となり大雨となる」

この台風のもう一つの特徴は移動速度。

県内接近時の時速は10キロと自転車並みでゆっくりと時間をかけて北上すると予想されています。

また、台風の外側を回る風がフェーン現象を引き起こし県内は甲佐町で最高気温38.2度を観測するなど今日も厳しい暑さとなりました。

こうした中、台風の接近に備える動きも出ています。

防災グッズを取り扱う熊本市内のホームセンターを取材する共に、防災の専門家に今できる備えについて話を聞きました。

【有田 和令 記者】
「台風の接近に備え、熊本市内のこちらのホームセンターでは、朝から多くの人が防災グッズを買い求めているということです」

熊本市中央区のホームセンター『DCM本山店』です。

店では、台風接近に備え特設コーナーを作り、土のう袋やブルーシートのほか、窓ガラスが飛び散るのを防ぐ専用のフィルムや養生テープなどを展開。

また、停電になった時に使うLEDライトなどの懐中電灯や乾電池なども並んでいます。

【買い物客】
「台風の備えで…。ちょっと窓ガラスが割れかけている所があるので、業者に頼むのもあれなので、飛散防止フィルムで補っておこうと思って怖いので備えておこうかなと思って」

【DCM本山店 荒川 ひかり副店長】
「朝から電話での問い合わせも多くて、養生テープが売れているという感じ」
「できるだけそれてほしいけど、備えはしておくと安心なので備えをしておいてほしい」

DCM本山店では、養生テープなどある程度、在庫は備えているものの、28日以降、品切れとなる可能性もあるとしています。

【防災システム研究所 山村武彦所長】
「あの台風はですね、予測できるリスクですから、その予測できるリスクは事前に多少の時間がありますから、その今、安全な時に、きちっとした準備、対策をしっかり取るということが大事。大事なのは「今」」

台風が接近する前に必要な備えとは?防災システム研究所の山村 武彦 所長に聞きました。

【防災システム研究所 山村 武彦 所長】
「ベランダにあるプランターや植木鉢や物干しざお、洗濯ばさみ。傘や雑巾、段ボールなどぬれて飛ぶとガラスを破壊することになるのでできるだけ室内に入れるか、固定することが大事」

山村所長は猛暑が続く今の時季、熱中症対策を含めた停電や断水への備えも必要だと話します。

【防災システム研究所 山村 武彦 所長】
「長期停電ということもありうる。エアコンが使えないとなればやっぱり熱中症が怖いので、その対策として保冷剤を凍らせておくとか、ハンディーファンを充電しておくとかペットボトルを凍らせて暑い時にはタオルを巻いて首筋に当てる。そういうことができるように今のうちに想像力を働かせて災害が発生して停電したり、断水したら、何が困るだろうか、命を守るために今きちんと準備してほしい」

では今後の警戒すべき点など気象予報士でもある郡司キャスターの解説です。

台風が予報円の中心を進んだ場合、熊本県の早い所では28日の昼前に風速15メートル以上の強風域に入り29日の昼前風速25メートル以上の暴風域に入る見込みです。

24時間の雨は多い所であさって夕方までが400ミリ、金曜日夕方までが300ミリと予想され場所によっては8月1カ月分の3倍以上の雨が2日間に降る可能性があります。

また波も、外海で28日は、5メートル29日は、6メートルでともにうねりを伴う見込みです。

台風が最も近づくのは29日の夜遅くから金曜日の朝にかけてとみられています。

台風の速度が遅いため影響は31日土曜日まで残る可能性があります。

今後も最新の情報を確認し台風接近に備えてください。

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