【感動する話】家に帰る途中お腹を空かせた貧乏少年に私のお弁当をあげた→13年後ある場所で見覚えのある青年が…その姿を見てまさか…【泣ける話】【いい話】

はいこれ今日の弁当持って帰っていいから ねいつもありがとうござい ます私は大学時代お弁当屋でバイトをして いた夜閉店の時間になると店長が売れ残っ たお弁当をくれて1人暮らしだった自分に はとてもありがたかっ た当時バイト先から自宅のアパートまでは 中の公園の中を突っ切って帰っていた夜な ので人通りは少なかったが街灯があって 明るかったので怖くはなかっ たそこでバイト帰りに時々見かける少年が いた年齢は10歳ぐらいで髪は ボサボサボロボロの汚れた服を着て額には 赤く大きな痣があっ たその子はいつも水場で水を飲んでばかり い たこんな時間に小学生が1人で外にいる なんてといつも心配な気持ちで見てい た親は家にいないのだろうかそれとも子供 が夜に出歩いていても何も言わない親なの だろう かある夜その少年がゴミ箱を漁っているの を見かけ た私は思わず声をかけた ねえ 君お腹空いてるのすると少年は私をじっと 見つめ黙ったままでこくりと頷いただっ たらお弁当 食べる私は手に持っていたお弁当の袋を彼 の目の前に差し出し た食べていい の私お弁当屋さんでてるのこれは売れ残っ たお弁当だから君に あげる夕食に食べようと思ってもらってき たけれど別に自分の分は後でコンビニで 買えば いいそう思って私は少年にお弁当を手渡し た少年はありがとうと言ってベンチに座り お弁当を食べ始めた私はその隣に腰かけて 彼がお弁当を食べる様子を見ていたうわあ おかずがいっぱい入ってる ね少年はとても美味しそうにガツガツと 大きな口でお弁当を食べて いる君のお家はこの近く うんと少年は 答えるお家の人は今いないのかな お母さんがいるよでも病気で寝てるそうな ん だ詳しく話を聞いてみると少年は母親と 2人暮らしで父親は幼い頃に亡くなった そう だ母親は最近病気になり働けなくなって しまい家にはあまりお金がなく食事もお腹 いっぱい食べられないということだった 足りない時はこの公園に水を飲みに来て いるのだそうだ家の水道台を気にしての こと らしいそんな水ばっかり飲んでたらお腹 壊すわよそうだ明日からはお母さんの分も 合わせて2人分お弁当持ってきてあげるね えいい のやった 少年は嬉しそうに手を叩いて喜んでい たその後少年を家まで送り届けた少年の家 は地区何十年も経っていそうなボロボロの アパートだっ たじゃあ明日からはここに持ってきて あげるからね私はそう約束して少年と別れ た次の日アルバイト帰りにお弁当を持って 約束少年の家へ行くとお母さんが出てきて くれ た息子から話は聞きましたお気遣い本当に どもありがとうござい ます汚い家ですが上がってお茶でも どうぞそう言われ私は家に上がらせて もらっ た部屋には昨日の少年がい たお姉さんがらし よ母親は少年を啓介と呼んでい たそれから彼女は私に名前を尋ね たあなたのお名前 は千春ですと私が言うと千春さん素敵なお 名前ねと微笑んでくれた彼女はゆみ子さん と言ったゆみ子さんは今日はつより体調が いいようで啓介君に友達がいない話や あまり学校へ行けていないことなどを話し てくれたそれ以来私は毎日啓介君の家にお 弁当を届けたバイトが休みの日もバイト先 に残り物をもらいに行ったそしてついでに 啓介君の宿題を見てあげたりゆみこさんの 体調が悪い時は洗い物や洗濯掃除などを 伝ってあげたりもし た何から何まですみませ んとゆみこさんはいつも恐縮していた気に なさらないでください啓介君といると弟が できたみたいで楽しいんですよ私1人っこ なの で本当に彼は弟のように私になついてくれ て学校であったことなどをよく話してくれ た友達がない悩みなんかも話してくれて 笑顔で挨拶して何でもいいから話しかけて ごらんそうアドバイスしたら本当に友達が できたようでそれ以来学校をあまり休ま なくなったそうだそしてあっという間に1 年が経った私は大学を卒業し就職すること になっ た就職先の会社は今の自宅からは距離が あるので引っ越さなければならなくなり ゆみ子さんと啓介君の家に挨拶に行っ た毎日毎日お世話になって本当にもう千春 さんには感謝しています何のお礼もでき ないままで申し訳ないわ ね彼女は涙を浮かべていたその頃には ゆみ子さんの病気は回復していて働ける ようになっていたので私は少しほっとして いたほら啓介もお礼言って啓介君は部屋の 奥で丸くなったままこちらに出てこなかっ た鳴き声だけが聞こえて くる私は彼のとろに行き頭を撫でながら 別れを告げ た啓介君今までありがとうねまた遊ぼうね う そうして私はお弁当屋のバイトを辞め ゆみ子さんと啓介君に別れを告げて会社が ある町の近くに引っ越したそれからは仕事 が忙しく時間的なゆりもなくなりそれ以来 2人とは会うことはなかっ たあれから13年が経ち私は35歳になっ た結婚していて夫はいるが子供はい ない夫は子供ができないのは私のせいだと 暴言を吐く会社が倒産して職を失ってから というもの夫は変わってしまっ たお酒を飲むといつも暴力を振るうように なりそれにギャンブルも止まらなくなって 貯金もギャンブルにつぎ込んで しまうだから生活費は私が働い給料から 出しているのだが時々私の財布からお金を 抜き取って持っていって しまうおかげでいつも近鉄状態で借金も 抱えてい た私が別れたいと言うとまた暴力を振れる その日も私は夫から逃げるように夜の公園 で1人ベンチに座ってい たするとみ で水を飲んでいる男性が見えた私は不に 騎士感を感じていた男性は水を飲み終わる と顔をあげ口元をタオルで拭った額に 大きな痣があるその顔には見覚えがあっ た啓介君だ間違い ない私がじっと見ていると彼も私の方を見 て目があった 私はとっさに顔を背けただけど彼は私の方 に近づいてき て千春お姉ちゃんと私を呼ん だ啓介君だよね私は両手で口元を隠して いっ た夫に殴られて切れた口や傷ついた方を見 られたくはなかっ た春お姉ちゃん 全然変わってなくてびっくりしたよ久し ぶりだね 元気もしかして今この辺に住んでる の啓介君は嬉しそうな声で超尋ねてき た彼はすごく背が伸びて体格も良くなって い たうんそうな の俺も最近この近くに引っ越してきたんだ よ すごい偶然だね彼はジョギングの最中だっ たそう だゆみこさんは一緒な の母さんは2年前に亡くなったん だゆみこさんは病気が再発して2年前に 打開してしまったそう だ母さんは最後まで千春お姉ちゃんが来て くれてあの時は本当に助かったってずっと 言ってたよ そうだった のところで千春お姉ちゃんはこんなところ で何してた の散歩してたところなの私はそう嘘をつい ただけどけす君は急に私の手首を掴むと顔 から手を引き剥がしていっ たこの毛がどうした の仕方なく私は訳を話したすると啓介君は まるで自分のことのように怒ってくれ たそんな男早く別れちまえ よでも別れるって言うとすごく怒る のだったら俺が言ってやる よ啓介君はあれから奨学金をもらいながら 猛勉強をしたようで今は弁護士になってい た昔散々になったからさ協力させてほしい んだ今の俺があるのは千春お姉ちゃんの おかげだからちゃんとご飯を食べれて健康 に元気に育ったのも学校に行けたのも千春 お姉ちゃんのおかげだよそれに弁護士に なったのだってお姉ちゃんみたいに困っ てる人を助けられる人になりたかったから なんだだから俺お姉ちゃんに恩返しがし たいんだよ その晩は彼のアパートに止めてもらうこと になっ た家に帰ればまた殴られるから だ啓介君は1人暮らしだったまだ独身の ようだ千春お姉ちゃん風呂先に入っていい よもうおばさんなんだからお姉ちゃんは やめて よおばさんだなんて言うなよ千春さんは まだ若いよ [音楽] ありがとうそれにしてもけす君大きくなっ た ね当たり前だろもう25歳なんだから何か スポーツやってるの大学時代にレスリング を少しやってたよ今はジョギングと筋トレ だけその夜は私はソファーでいいと言った のに介君がソファーで寝て私は介君の ベッドで眠った次の日は役所に離婚届けの 用紙をもらいに行き半分に記入をして夫の とへ持って行っ た私が帰宅すると夫は今までどこ行ってた んだと怒ったが啓介君が現れ名刺を 差し出すと弁護士だと分かり大人しくなっ たいざ離婚の話を切り出すと俺は離婚 なんかしない と騒ぎ出したとっとと出ていけと夫が啓介 君の胸ぐらを掴むすると彼はその夫の腕を 掴んでひねりあげ たたたたた 夫は叫んで手を離した争うのでしたら暴力 に訴えるのではなくそちらも弁護士を つつけるなりして ください介君は夫を見してそう 私はその日荷物をまとめて家を出たでも 行く当てもないしホテルに泊まるお金も ない当てにしていた友人が急な出張になっ て家に行けなくなってしまったの だどう しよう私が途方にくれていると彼が言っ たしばらくの間うちに泊まるえ いいの迷惑じゃ ない私がそう言うと啓介君はなぜか顔を 赤くし たあんまり長いになるとちょっと困るかな そのどうしても意識しちゃうから さその言葉に私は驚いた異性として意識し てる なんて急にこんなこと言って ごめんでも俺本気なんだよあんなガキの頃 の出会いだったけどさずっと千春さんに 憧れてて忘れられなかっ た大人になったら迎えに行こうって思って たのに連絡取れなくなっちゃった からだから今こうして再開できてすごく 嬉しくてさ頬を赤くしてうきがちに言う 啓介君君はまるであの頃のままの少年 みたいですごく可愛かっ たこんなおばさんになっちゃった私でも いいのか な言っただろう千春さんはおばさんなんか じゃないっ て うんその後夫との離婚は無事成立し た証拠として怪我をした時の写真を撮って あったのでそれが有利に働いたそう だ啓介君とはあれ以来恋人としてお 付き合いして いる休みの日にデートしたりお互いの家に 生きしたりして楽しく過ごしているそして 再開して1年が経った頃啓介君は私に プロポーズしてくれ た千春さん子供の頃からずっとずっと好き だった どうか俺と結婚して くださいまっすぐに瞳を見つめて言う あんな幼い少年だった彼がこんなに たくましくなって改めて心がドキドキした 私は彼の手を握り答え たはいこちらこそよろしくお願いし ますすると介君は私を抱きしめたまま しまったきっとゆみ子さんも私たちのこと を祝福してくれて いる彼のこと一生大切にします啓介君の手 を握りしめながら私は心の中で彼の天国の お母さんに誓っ [音楽] た私たちは30歳の時に結婚してそれから 20年間夫婦生活を共にし た初めて夫と会ったのはその結婚のわずか 1ヶ月 前私の幼馴染みがセッティングしてくれた 食事会で初めて顔を合わせ た人見知りの激しい私は長年彼もできずに 休みの日はもっぱら昔から好きだった油絵 を描いて過ごしてい たそんな私のこと小学生の時から仲の 良かった幼馴染みの理科はずっと心配して い たねえ会社に気になる人とかいないの そろそろ好きな人でも作ってお付き合いで もしたら彼氏できたらいろんなところに 一緒に出かけたりして1人よりも楽しい から うんでも男の人ってなんか苦手だし 1人で絵を描いている方が話さなくていい から楽だ しそんなことばっかり言ってるとあっと いう間におばさんなんて呼ばれるように なっちゃうんだから ね私はとにかく人付き合いが苦手だったの で彼が欲しいなんて思ってもいなかったし 結婚することにも興味がまるでなかっ たそんな私の反応をたようにリカは言った 私の会社にすごくいい人がいるのかなに ぴったりの優しい人だから今度の休みの日 に一緒に食事でもしようよ ね うーん強引な理科に押されるように頷いて しまっ た私は幼い頃から人の顔も見られないほど の人知で人と目を合わせることも苦手だっ た特に男性を前にすると緊張して何も話せ なくなって しまうでも幼馴染みの理科がそんな私の ことを心配してくれてセッティングして くれたのだ から1度食事に行くくらいなら頑張って みようそう思ってその日を迎え た初めまして吉田正斗です初めて聞く彼の 声は優しく穏やかそうな人だったリとして いて落ち着いたその男性は私を包み込む ようなまなざしで見たリカが目くばせをし てくる私は慌てて小さい声 で初めましてというのが精一杯だっ た食事中はずっと緊張していていつもの ようにうまく話すことはできなかったでも ドキドキとする鼓動はいつもと違っていた のが わかる私はこの日初めて自分から相手と目 を合わせたいと思っ たこんなことは初めてだきっとこれが人目 漏れなのかとそう思っ た正斗さんも私のことを気に入ってくれた ようでその後はトト拍子に話が進み私たち は付き合うことになっ た最初の頃は会う度に緊張していたが彼も 何かと気遣ってくれて何度か回数を重ねる うちに2人で会うことにも慣れていっ た彼とのデートはとても楽しく仕事帰りに 待ち合わせしてご飯を食べに行ったり たまにはおしゃれな場に連れて行って もらうこともあった 休みの日には美術館や本屋さんに立ち寄っ たり彼とは趣味も話もぴったりあった そして私は1人で絵を描いている時には 知らなかった好きな人と好きなことを 分かち合う楽しみを経験したそれはとても 豊かな時間だっ たしばらくして彼からプロポーズを受けて 私たちのが決まっ たお互いの両親とかけがえのない友人を 小人数呼びさやかだけれど幸せな結婚式を 迎えることができ た両親も幼馴染みの理科も私たちを見て涙 を流して喜んでくれ た愛を誓い合ったその日は私の人生の中で とても大切なけえのない思い出の1日にな たそれからもう20年子供にも恵まれて 幸せな家庭を気づいてい た1人息子の慶太は18の時に状況して 育児を終えた私は夫と2人で静かな時を 過ごしてい たこうして幸せに今まで来れたのも夫の おかげだと感謝して いるこれからも夫と2人で今後の人生を 楽しく暮らしていき たいそう思っていた矢崎のことだっ た別れて ほしいその言葉を最初に聞いた時はそれが 一体どういう意味なのか全くわからなかっ た困惑してその場で固まっている私に夫は すま ない気になる女性がいるんだ付き合って いるわけでも何かあるわけでもないんだが こんな気持ちで一緒にいることはできない から なテーブルに置かれた離婚届けを直視する ことはできなかっ た ちょっとあまりに急で気持ちがついてこれ ない の私はそう言って次の日まで時間をもらう ことにし た夫に好きな人がいたなんてそんなこと 気づきもしなかっ たでも考えてみるとここ最近は平日に休み を取って出かけていたことが何回かあった 私も仕事をしているから気に止めることは なかったけれどもしかしたらその女性と 会っていたのかもしれ ない1度決めたら最後までやり直す頑固な ところが夫には 優しいけれどたまにどうしても引かない時 が あるそんな時と同じ空気を感じたこんな 重大なことだ夫だって相当な決心があって 言っているのは分かって いるそんな状況で結婚生活を引き続き送る のはお互いのためにならないだろうそう 思って私は翌日離婚届けにし た夫からは今後のためにとまとまったお金 を渡されて家も私に譲られた毎月の生活費 も今までと変わらず支払うという夫は今 までありがとうと言って少し涙ぐみながら 何十年も夫を見送りそして迎えたドアを 開けて家を出ていった それからしばらくは夫がいない生活が現実 に思えなくて今日にでも帰ってくるんじゃ ないかとふと思う日が続い た公園を散歩しても隣にはあの人がいない 家でテレビを見ていても一緒に笑い合う こともでき ないあの人がいないと私の人生はこんなに もわせていくのか とそう思っ た息子の慶太には私から連絡したがさほど 驚く様子も なく親父はきまぐれだからと苦笑いをして あっさりと離婚を受け入れていた子供の方 が割り切りが早いのかもしれないと思っ たそこからの一年の月日は私にとってただ 寂しいものだった この家には思い出が詰まりすぎて いる結婚した当初はマンションに住んでい て人見だった私はご近所さんとうまくいか ず夫と一緒に探した中古の一軒屋は床が きしむような古い物件だったけれどよく 言えば趣きがあり私も夫もこの家が気に 入ってここに引っ越すことに決め た部屋を見渡すと夫と一緒に選んだ家具や 壁紙柱には息子の背丈が掘りまれ床には 息子の誕生日ケーキのロソを落とした時に できた焦げ跡が 残る私は思い出が詰まったこの家を離れる 気は全くなかった全てが愛しすぎるから だこの家がなくなってしまったら夫や息子 と過ごした幸せな日々までしてしまうよう な気がしたそれにもしかしたら夫が帰って きてくれるかもしれないと今思うとそんな 期待がわずかにあったかもしれ ない私は離婚した後も夫のことを忘れる ことはできなかっ たそんなある日のこと1本の電話がかかっ てきた夜も12時を回っているこんな時間 に誰 かしらもしもしあ母さん 俺その声は息子だっ たこんな遅い時間にどうしたの息子から 電話なんて 珍しいなんとなく嫌な予感がしたあのさ 親父のことなんだけど具合悪いみたい でもう先が長くないかもしれないって聞い て さ病院に入院してるんだ会いに行って もらえないか な涙声で話す息子からのその言葉に私は 衝撃を受け た翌日詰め込めるものをバッグに入れ息子 から聞いた病院に向かった体は丈夫で病気 なんて今まで1度もしてこなかったのに この1年で急に何か状態が悪化したのか 病院へ向かうタクシーの中であれこれと 考えてしまい疑問と悲しさと久しぶりに 会うことへの不安とそんなものが 入り混じって涙が溢れてきたその病院は とても綺麗なところで数年前にできた ばかりの大きな総合病院だっ た受付前の待合室で待っていると息子が 迎えに来てくれた 数年ぶりに会った息子はなんだか たくましく立派な男性になってい た親父の部屋はこっちだよと息子が手を 引いてくれた5階の1番奥の個室のドアを ノックし た病気なんてどういうことなんだろう心配 だでもあの人に会うのが怖いやっぱり会い たくない でも会いたいそんな思いで胸がいっぱい だっ た父さん入るよ あああの人の声が聞こえた今までに聞いた ことがないかい元夫の声私はもう涙が こぼれそうになっていた失礼しますと 引き戸を開き部屋を見ると真ん中のベッド に横たわる正斗さんとは思えないほどの 痩せ細った姿がそこにあっ た私はその場で泣き崩れてしまっ たしばらく泣いている と久しぶりだ なこっちに来てくれと正さんは言った私は 息子に支えてもらいながら彼のベッドの そばへ行き力なくよけながら椅子に座ると 正斗さんはか細い声で話を始め たいきなり君を1人にして本当にすま なかった な私はボロボロと涙が流れて彼の顔がよく 見えなかっ た実は1年前に会社の健康診断で病気が 見つかって ねその後査を受けたんだが命に関わると 言われて ねショックを受けた夫は何よりも愛しい妻 が自分がいなくなったらどうなってしまう のかと心配しそれなら一層早く別れて次に 支えてくれる人を見つけてもらいたいそう 思ったそう だしばらく沈黙が続いた後私は思わず呟い た もうばっかじゃない の彼も息子も目をまんまるにして驚いて いる様子だっっ た私はねあなたと別れた後もあなたのこと を忘れられずにいたのこの1年間は寂しく て辛くて苦しい毎日だっ たでもそれ以上に苦しそうな今のあなたを 見たらどうしたらいいかわからないじゃ ない私は彼に思いの竹をぶつけさらに続け たそういうことだったら置いていかないで 欲しかった の何があっても最後まで一緒にいて 支え合うのが夫婦 でしょうどんなことがあっても最後の日 まであなたといられるあなたの力になれる ことが私の幸せなんだ から結婚する時誓ったじゃない辞める時も 健やかなる時にも伴侶愛しうい美しむっ て苦しい時でもお互い支え合って生きて いくために私たち結婚したんだ [音楽] もの斗さんの方には涙が次から次に流れ 落ちてい た私の幸せについて1番に考えてくれた 気持ちも分かる のでもそれは私にとっての幸せではない からすすりなく私を見てゆっくりと たどたどしく言っ たすまなかったお前をおいて出ていっ て結局は1番苦しめしまっ た本当に本当に すまう私たちは初めて手をついだ時のよう にお互いの手を互いに包み込ん だ正斗さんの手は痩せ細り私の手の方が 大きいくらいだっ たそれから私は思い出の詰まった私たちの 家に戻ってきてもらい息子と一緒に病気の 彼をたいと病院の先生に話したお医者様を 納得させるのは大変だったが私と息子が 必死に伝える姿を見て先生も納得してくれ たそして通院で治療を進めることになっ た渡された薬を持ち息子と彼と我がへ帰っ た正斗さんは家に着くと本当はずっとこの 家に帰りたかったと私に伝えてくれ たうんお帰り なさい私は慶太と2人で正斗さんを迎え たその後は息子も実家に近い職場に転職を して家族3人での生活が始まった私は可動 式のベッドを買って寝起きが少しでも楽に なるよう工夫し病院でもらった料理の本を 見て食事を作った適切なお世話の仕方は 訪問看護の人からも教えてもらっ た毎晩正さんが好きな小説を眠る前には 読んであげて気持ちよさそうに眠る寝顔を 見ると気持ちが安らい だ病院に行く時は息子が有給を取って家族 3人で一緒に病院へ行っ た正さんは入院していた頃より 顔色も良くなりご飯も食べれるようになっ てい たあのまま病院にいるより良かったとそう 思っ た君のご飯がやっぱり 美味しいいつもありがとうとたくさん私に 嬉しい言葉を言ってくれてい たまるで離れてしまった1年間を埋める ようだっ たそうして数年が過ぎ当初聞いていた月 よりも随分長い期間この家で家族一緒に 時間を過ごすことができ た最後の日は正さんにとって優しい最後 だったと 思う寝たきりになった正さんに私と息子は 声をかけ続け た お父さん ありがとうこの家に帰ってきてくれて ありがとうそう伝えるとかかに夫が微笑ん だような気がし たそうして夫の体は静かにその役目を終え た私もいつかはこの世を離れる日が来る だろうでも安心してね天国に行ったらすぐ に会いに行くからねその時は私の大好き だった笑顔をまた見せてくれたら嬉しい な私は今両親が残してくれたラーメン屋を 1人で切りもりして いる私が学生の頃に母が病気でなくなり父 は男で1つでこのお店をやりながら私を 育ててくれ た長年の疲れが蓄積していたのか父は3年 前に突然心臓発作を起こして それからは私がラーメン屋を引き継いで いる学生の頃からずっとお店でアルバイト をしていたので仕事内容は一通り分かって いたけれど女性が1人でラーメン屋を 切りもりするのは体力的にとても大変だっ た経営的にも近に何件か新しいラーメン屋 ができてからはお客さんが減ってしまって いて苦しい状況だっ たお客さんが1人2人なんて日も ある昔父がいた頃には冗談 でこの店も廃業寸前だなんて笑って話して いたが今は本気で来月もやっていけるか どうかが心配に なるそんなある日お店の閉店時間を迎えて 外の看板を室内に入れようとしていた時の こと 店に向かって中学生くらいの男の子が歩い てき た最初は暗がりで誰だか分からなかったが よく見るとその顔にはなんとなく見覚えが あっ たあのこんばんはえりさん えあら久しぶり誰かと思ったら翔太じゃ ない翔太は私の兄の子供だ 正確には兄の前菜の子だっ た兄は前菜と離婚する時に前菜の連を 引き取っ た兄とは血がつがっていない子だが前菜が 浮気をして子供を置いて出ていったので兄 がその子を育てることになったの だもちろん兄は自分の本当の子のように 愛情をかけて育ててい たその後同じく離婚歴がある持ちの女性と 再婚したのだが兄は数年前にバイクで事故 を起こしてこの世去ってしまっ たこんなところで何やってるの中に入って 入って翔太はうんと元気なく頷いてお店の 扉を開い たこんな時間にどうしたのあそうだ夕食は まだ食べてない あら大変まずは食事し ましょうそう言って私はラーメンを1杯 作って正太の目の前に置いたはい特性 ラーメン よのりメンマを入れてチャーシューは5枚 卵は2個入りだ醤油のいい香りが店内を 漂ううわあうまそう 翔太はものすごい勢いで食べていた どんどん食べなさいねほらご飯もあるから ねよかったらお代わりもあるからじゃあ 遠慮なくご飯のお代わりくださいはい はい食事を終えた翔太は空腹だったお腹も 落ち着いたようでお水をコップ1杯一気に 飲んだ後ここに来た経緯を話してくれた 翔太の話では兄が高いしてからしばらく すると母親のかなさんが自分の実の娘の 咲子ちゃんだけを出来合いし翔太には きつく当たるようになっていっ た2歳年上の咲子ちゃんは何をするのも 容量が良く母親は逐一翔太と比較してくる んだそう だかなさんはとんでもない教育ママらしく 毎晩その日の勉強やお稽古について確認を してくると いう今日は1日どうだった の私はピアノのレッスンと宿題をしました そうピアノは明日ママに聞かせてね翔太は えっと今日は部活と塾と学校の宿題はそれ はまだかなまだかなてもう夜じゃないの 学校から帰ったらすぐにやるようにいつも 言ってるでしょう全くお姉ちゃんはできる のにあなたは何度言ってもだめ ね宿題一応教科書は開いたんだけど難し くっ てそんなこと言ってるからあなたはいつも テストであんなひどい点数しか取れないの よさき子を見習ってちょうだい なんでもなく咲子ちゃんとは対象的に翔太 は容量があまり良くなく勉強は苦手で部活 で運動している方が好き らしい男の子なんてそれが普通だと思うの だ けれどしかしかなさんはとにかく勉強させ たいようだった彼女は子供の頃に施設で 育ったと昔兄から聞いてい たもしかすると早くから仕事そうして勉強 や習い事に専念することができなかったの かもしれ ない将来苦労しないためにもママの言う ことを聞きなさいが口癖だそうだもうした もうちょっとちゃんとしてくれるかな あんたがダメなおかげで私まで当たりさ れるから困るな よかなさんに怒られた後には咲子ちゃん からもダメ出しがあるそう ごめんでもさ人には得意なことがそれぞれ 違うんだから勉強が全てじゃないって思う んだ けどとにかくママの言う通りにしてれば 機嫌も悪くならないし言うこと聞いてれば いいんだ よかなさんは翔太と咲子ちゃんが中学に 進学してからはより熱心に自分の理想を 2人に押し付けるようになっていた 感情的になる日も多くなっていきその保先 は成績の悪い正太に向けられるようになっ た注意されればされるほど勉強に身が入ら なくなり正太の成績はどんどん落ちていっ た翔太この成績は 何もう高校受験なのよこんな成績で一体 どこの校に行くつもりなのその日もかな さんは感情的に正太を問い詰め たおく高校へは行きたくありません お母さん聞いて僕ね料理が好きなんだ将来 料理人になるための専門学校に通い たいそんな日々の中でたった1つの太の 楽しみは料理だっ たかさんはよく人で土日も朝から働いてい たのでそんな日は翔太は昼食や夕食は自分 で食事を作って食べてい た料理をしている間は成績のことも母親の ことも父親がいない寂しさも全部忘れる ことができ たそれにたまに咲子ちゃんにも食事を作っ てあげるとおいしいと言って喜ば れる人が笑顔になるのがとても嬉しかった そうだだから翔太は料理の道に進みたいと 思っ たふざけたこと言うんじゃないの お姉ちゃんはしっかり南関高校に入学した のよあんたも同じようにしなくてどうする の僕とお姉ちゃんは違うん だいくら説明してもかなさんは翔太の話に 耳を傾けることはなかった していい高校に行きなさいお父さんだって そう願ってる わ嫌だよ料理の道に進みたいどうして 分かってくれないんだそうやってわがまま ばかり言うならもういいわ言うこと聞け ないなら出て行き なさい翔太は学校の鞄をひっつかとその まま家を出 たそうしてそのまま行く当てもなく街を 徘徊していてふと昔よく兄に連れられてき たこのラーメン屋のことを思い出して足を 運んだそう だ教育ママってやつね私にはさっぱり わからない けどうちには出来のいい姉ちゃんさえいれ ばそれでいいんだ から翔太はぷいっと顔を背けていっ たそんなこと言わないで今頃きとすごく 心配してるわ よそんなことはないと思います よ連絡しづらいなら私からするからそう 言って携帯電話を出してショタに電話番号 を入力してもらったあもしもしかなさん ですかお久しぶりです実は先ほどから翔太 がお店に来てましてね家から追い出されて たなんていうもんですからしけのつもだと 思うんですけど本人も反省しているので そろそろ家に帰らせてあげてもいいです かうちに翔太という子はいませ んちょっとかなさんそういう言い方は良く ないんじゃないですか母親がそんな言い方 したら娘さんへの教育にも良くないんじゃ ないです か出来合いする実の子の話をされて腹が 立ったのか逆上するように彼女が言っ たそこまで言うならあなたが育てたらどう 私はもう知りませんそう言い残して ガチャンと大きな音を立てて電話は切られ た信じられな何よあれしばらくうちにいれ ばいいよ今日から翔太はうちの子 よこうして私はその日から彼の面倒をこと になっ たそんな状態にも関わらず翔太は置いて くれることに感謝だと言いながらラーメン 屋の仕込みや準備を手伝ってくれ た料理が好きだというだけあって熱心に下 準備に取りかかり翔太はとても楽しそう だったまだ高校生になる前だというのに 大きな順動鍋をひょいっと持ち上げる姿を 見て驚いたそしてある時翔太が驚くべき ことを言っ たラーメンて奥が深いなんだかすごく興味 が湧いてきたあのこのままここで修行させ てくれませんかそれに父さんがいつもじい ちゃんのラーメンは世界一だって言ってい まし たこのお店がなくなったら父さんもじい ちゃんも天国で寂しい気持ちになると思う んですそんなの悲しいじゃないです かこのお店をグレードアップさせて2人に 笑顔になってもらいましょうよ [音楽] え私はそろそろお店を閉めようと思ってい たくらいだったのに勢いよく前向きに話す 正太を見て自分が恥ずかしくなってしまっ た父が残してくれた大切なお店だ たえだめでも最後の日まで精一杯やり たいそう思い翔太と一緒に店の再建に 尽くすことにし たこうして翔太はラーメンの道に足を 踏み入れたのだっ た翔太はラーメン好きな兄に連れられて 各地のラーメンを食べ歩いていたそう だ優しい性格とは反対に味には厳しくて かなりうるさく たでもその下は頼りになるそのおかげで スープや麺の味の改良はどんどん進み先代 の父のラーメンはバージョンアップされ [音楽] た翔太は料理のセンスも抜群でサイド メニューの試作にも取りかかり膨大な レシピが出来上がった過去にないメニュー の充実ぶりには目を見張るものがあった それそれからラーメンの味だけではなくお 店の全般を見直していっ た薄暗くてふさが強調される店内は明るさ が目立つようにして店頭の外観や看板は DIYを駆使してできるだけお金はかけず に安く回収を進めたチラシやクーポン券を 作ってお店や駅の前で配ったりもし た新しくホームページを立ち上げてSNS を活用し集客にも力を入れたすると次第に 客足が伸び始めたかと思うと日に日に 口コミでお客さんが増えていきお昼には 長打の列ができるようになっ たここまでわずか数ヶ月か翔太は本当に 頑張ったと 思うそんな忙しい日々を送っていたある日 のこと まさかの人物が現れ た こんばんは お母さんやってきたのは翔太の母親 だ久しぶりに会ったけれどもこんなに貧相 な顔だっただろう かさあ翔太家に帰り ましょうこのラーメン屋を立て直したそう じゃないのこのお店今代表版らしいわね 素晴らしいわ自慢の息子だわお母さんと 一緒に新しくお店をやりましょう ねかなさんはうろな目で正太を見つめ ながら話し たあなた何なんですか今までほったらかし ておい て私の声など耳に入らない様子で彼女は 続け た私気がついたのよ本当に優秀な子はお 金儲けができだって勉強ができるだけじゃ だめなのさあお母さんと一緒に行き ましょう今更なんだよ行かないよ私は たまらなくなってかなさんに言っ たあなたが欲しかったのは望み通りになる お人形でしょ翔太もお姉さんの咲子ちゃん も1人の人間なんですあなたの思い通りに なんてなりませんよ そう言い放つと母親はブツブツ言いながら ラーメン屋を出ていってしまっ たその後かなさんは娘の咲子ちゃんに つぎ込んだ借金が膨れ上がり返済ができず 会社のお金を横領したのが見つかり捕まっ てしまっ た姉の咲子ちゃんはメンタル的に不調に なり病院に入院していたが母親とと離れて 心の健康を少しずつ取り戻していっ たそして両用後は翔太と一緒にラーメン屋 のお店で従業員として働くことになっ たいらっしゃい ませうーんどうしようか な醤油ラーメン1つくださいはい醤油 ラーメン喜ん でこの餃子もおいしそうニニ入ってないん だなら仕事中でも大丈夫ねこの餃子もお 願いしますはい餃子1つ喜んであこっちの 餃子は私が焼きます今日も店内はお客さん でいっぱいで活気に溢れて いる翔太も今ではすっかり貫禄ある店長に なって いる咲子ちゃんはだいぶ接客にも慣れてき たよう だ私たちは今3人で暮らしていて私は翔太 と咲子ちゃんの面倒を見て いるお店はあれからずっと好調で翔太と 咲子ちゃんのおかげで若いお客さんも随分 増え た父さんも兄さんもお店がこんなに繁盛 するようになったことに驚いているかも しれ ないそしてきっと喜んでいるはずだ今年中 には2店舗目もオープンの予定が決まった これからも3人で力を合わせてラーメ屋を 大きくしていきたいと思って いるどうしてそんな金の使い方をするん だ私のお金なんだからどう使おうと勝手 でしょ結婚して 半年私は心身共に限界を迎えようとしてい た彼女の金遣いの荒さが原因で結婚して からは毎日のように喧嘩が耐えなかっ た社長令嬢の彼女は結婚祝いと称して親 から莫大なお金をもらってい たそのお金を使って新居のインテリアや 家具を揃えたり洋服やバッグや靴を買っ たりしてい た食事は作らず百貨点でお惣をを毎日買っ てい た部屋の掃除も私が昼間仕事で家にいない ことをいいことに勝手にハウスキーパーを 呼んでい たどうして俺の言うことを分かってくれ ないんだよ必要ないものは買わなくても いいだろうと言っているだけだそもそも お前は働いてすらいないじゃない か専業主婦になっていいって言ったのは あなたでしょう 私の妻は結婚と同時に専業主婦になった 子供が欲しかった私は彼女がそれを見込ん で仕事を辞めたと思ったのだがどうも違う みたいだっ たそれからしばらくすると私が仕事で 忙しくなり家に帰れない日が続いたすると 彼女は1人で寂しかったのか外出が増えて いったん ども注意はしたが彼女は聞く耳を持た なかっ たある日泥酔した彼女が女友達に抱き抱え られながら帰ってき たタクシーの領収書を見て驚い たそんな遠いところから乗ってきたのかと 起こるとまた私のお金なんだからいいじゃ ないと いうそのまま喧嘩になり もう我慢ができなかった私は今まで頭の中 で何度も何度も繰り返されたその言葉を ついに口にしてしまった離婚しよう えなん で君と素敵な家庭を気づきたいから結婚し たんだよ今のままじゃお互いのためになら ない よじゃあ私はどうすればいいのよ もう大人なんだそんなの自分で考え なさい妻を怒鳴りつけて私は家を飛び出し たその時はもう彼女と一緒にいることその ものが私にとって苦痛だったから だ私はそのまま実家へと電車に揺られて 向かってい た出会った頃は一緒にいるだけで幸せだっ たのにな 外を歩いていると自然とため息が出て くる私は妻と出会った頃のことを思い出し てい た課長コピーできましたよそれからお茶の おわりいります かありがとういつも気が聞く ね彼女は短期の派遣社員として私の会社に 入社してきた若いのに驚くほど気が効いて 10歳以上も年が違うはずの私はすっかり 彼女の魅力に取り憑かれてい たその私みたいなおじさんが君を食事に 誘ったらやっぱりおかしいかなえお食事 ですか課長 と嫌なら断ってくれ いえ誘ってくれてありがとうござい ます彼女は明るく微笑んで私の誘いを了承 してくれ た ありがとうそその課長とお食事なんて ちょっと緊張します私も緊張してる よそれから私たちは食事に何度か行っ たお支払いはしなくてもいいんですかいい よ私が誘ったんだ から彼女はいつもそう言って私のことを 気遣ってくれてい たいつもありがとうございますそして ちょっとしたプレゼントも私にくれ たいいのかいネクタイなんてもらっちゃっ て勘違いしちゃいそうだなっておじさんが 何言ってるんだって感じだなすまない冗談 だよいえあの勘違いじゃありませんから えそれから私と妻は正式に付き合い出し たそして私たちは急速に惹かれ席を入れた の だけれどその後に彼女の実家の会社の仕事 が大当たりしたこともあり役員で名をつね ていた彼女にもかなりのお金が入ってき たそこから妻の浪費癖が顔を出してきた [音楽] 彼女の金に対する執着のなさは凄まじい ものがあってその価値観の違いに納得が できなかっ たそうして離婚はあっさりと決まって彼女 は実家へと帰って行っ た彼女は私と結婚して何を求めていたん だろう問いかけてもここにいない彼女が 答えてくれることはない 見つからない答えを考えても仕方が ないそれから私は何度か両親の進めで 見合いもした何人かの女性とデートもした がその旅に別れた妻のことが頭をよぎるの だ初めて肉じゃが作ってみたんだけどどう かなうんすごくおいしい よ彼女の笑顔が頭の中にきついている どんな女性と一緒にいても頭を巡るのは 別れた妻のこと ばかりどうしてこれほどまでに私は彼女の ことを忘れられないのだろうかあんなに 最悪な別れ方をしたの にそうねなんでかしら ね常連のスナックのママが水割りを作り ながら首を しげるいい思い出もあったからじゃないの はい どうぞ目の前に出されたウイスキーを ごくりと一口飲ん だそれから数 年間誰とも再婚することなく私は独身の まま過ごし たなかなかこの年になると女性との出会い もそうあるわけでは ないそんなある日のことその日は私の 誕生日だっ た妻からバースデーカードが届いたの だお誕生日おめでとう あの頃は本当にごめんなさいそして本当に ありがとうあなたからもらった掛け替えの ないものは大切にし ますかけがえのない もの一体何のことだ 思い出 か私は別れた時に妻にわずかばかりの貯金 を渡しただけで彼女には何も送ってい ない尋ねようにも手紙の封筒には送り主の 住所すら記載されてい ない彼女の知人や実家の連絡先はもう わから ないあいつも年を取って今更のように反省 でもしたのだろうか そんなことを思ってその手紙を書斎の机の 中に入れたままにしてい たその日はいつものように仕事の帰りに スナックに寄っ た こんばんはするとママがカウンターの奥 から駆け寄ってきたいらっしゃいあねえ 昨日お客さんから聞いたんだけど別れた奥 さんのお父さんの会社って動産したみたい ね AB正司だったわよね え本当 か彼女のことが気になったあんな世間知ら ずの彼女がお金に苦労したことのない彼女 がどうなってしまっているんだと気になっ たそれから3年後のことだった私の元に ある手紙が送られてきたのだそれは 差し出し人のていない真っ白な封筒に入っ てい た私は妙な騎士感を覚え妻の手紙のことを 思い出したそしてその手紙を読んで驚愕し た初めまして 突然のお手紙申し訳ありません私はあなた の息子 です私の息子だっ てその文字を何度も読んでしまった 私と彼女の間には子供はいないはず だ一体どういうことなのだろう か手紙を読み進めるにつれ私は驚きの事実 を知った母はあなたと離婚してすぐに僕を 見守っていることに気がつきましたでも あなたにそのことを打ち上げる勇気がなく 今日まで来てしまったの です母はにかかってい ます命に関わるかもしれないと今日意から 話がありまし たどうか一目でいいので会ってあげて くださいそして手紙にはとある病院の住所 と部屋番号が記載されたメモが入ってい たここに妻が入院しているということ だろう か私は導かれるようにその病院へと向かっ ていっ たその病院は彼女の実家から近く大きな 総合病院だっ た受付で入院島がある場所を聞いてメモに ある病室を 探すここだ な私は緊張しながらもドアに手をかけた するとベッドに横たわる彼女がびっくりし た様子で言った どうしてあなたがここ にその姿を見て私は心底驚い た元妻はげっそりと痩せてしまって白髪も シも増えて別人のようだっ た昔のおかはまるでなかっ た君の息子から手紙をもらった よ賢二がまさか 彼女は大きく目を 見開き私をじっと見つめて くる再婚したわけではないみたいだ ね はい賢二はあなたの子 です彼女は私と別れた後何があったのかを 話してくれ た離婚してすぐ彼女は自分が妊娠している ことに気がついた らしいでも彼女はは別れた後で子供ができ たことを私に知らせることはなかっ た生活日は親が面倒を見てくれていたから 問題なかったのもちろん子供には父親が 必要だとも思った わでもあなたがお見合いをしたって人に 聞いていた からどうしていいか分からなくなって しまったのよ彼女はわっと涙を流して両手 でその顔を追っ た驚いたけれどもういいよ今は体調が悪い んだからそれ以上考え込まないで くれ現実が飲み込めないままそういうのが 精一杯だっ た彼は元気なのか え私のために進学も諦めて働いてく いでもそれがとても不便に感じられ て彼女はまた顔をくしゃくしゃにして泣い て いる私にバースデーカードを送ってきたの は私が不思議に思って聞く と本当にどうかしてたわあなたに迷惑を かけるつもりはなかったのよ ただあの子を私に授けてくれてありがとう て突然伝えたくなったの よ彼女は父親の会社が倒産してからは一気 に貧乏になり借金も作ってしまって相当 生活も苦しかったそう だ仕事もなかなか決まらずにファミレスで アルバイトをしながら生活費を稼いでいた らしいファミレスなんて彼女は言ったこと もなかったんじゃないだろうか 実家が倒産した後は女で1つでおそらく 相当苦労したのだろうと 思うそのやれた姿は決して病気のためだけ ではない だろう私は彼女がかわいそうに思えてきて そっと彼女を抱きしめてい た見た目ではそこまで分からなかったが 彼女の体はガリガリで少し力を入れると 折れてしまいそうだっ たそんなキシな体で息子を育て母親として 生きてきたの か俺 も健二に父親として何かしてやり たいごめん なさいあなたに今まで頼ることができなく て君はわがままだけどこと決めたら堅くに 譲らない人だったからね 本当はもっと素直になればよかったと後悔 してい ます彼女は俯いたまま小さな声で言っ た賢二に会えるか なもちろんよもうすぐあの子もここに来る の私の胸は緊張して張り裂けそうだっ た存在も知らなかった息子との初対面だ 彼は私のことを受け入れてくれるだろう かそしてその時はあっさりとやってき た母さん大丈夫 病室のドアを開けてやってきたのは私と よく似た若者だっ たいや口元あたりは彼女にだろうか父さん です か彼も私と同じことと思ったようでじっと 私の顔を驚いた様子で見つめてい たはい君の父親 です私は微笑んでい た彼もまた私に微笑んでくれ たそれから私たちは妻を間に挟んでこの 10数年間お互いに何があったのかを 語り合っ た私はずっと彼女のことを忘れられなかっ たのは確かだし再開できたことと息子に 会えたことには感謝してい たどうやら息子は俺のことは以前から彼女 に聞いてはいた らしいただ貧乏になった今連絡したら虫が 良すぎると思われるのが嫌だったそう だでも母親が病気になり命に関わると聞い て母親がこの世からいなくなる前にどうし ても3人で会いたかったと言ってい たそれから家で母のパジャマやタオルを 部屋で探していたら箱が出てきてその中に 2人の写真がたくさんあったんです母も 未だに父さんのことが忘れられないんだっ て思ってそれで手紙を書く決心がつきまし た を話す息子のことを彼女はまっすぐ見つめ てい た私ねお金がなくなって大切なものに気が ついた の本当に大切なものはお金じゃ買えないっ て当たり前のこと に彼女はそう言って大粒の涙をこぼし たあなたとも本当はただ幸せに暮らし たかっただけなの よ気がつけただけでも十分だ私は彼女の ことを抱きしめ たそれからは病院に毎日のように通って 様子を見に行っ た息子とも会えるのが楽しみだっ た彼女はしばらく病生活を続けて手術を 繰り返し奇跡的に回復しついに退院する ことになった あなたそんなに緊張しない でそうだよ父さん顔も体も勝ちこちだ よ家族写真なんて撮るのは初めてだから なそう言って背筋を伸ばしてまっすぐ立っ たはいそれじゃあ取りますよ皆さんいい 笑顔です [音楽] ね私はその後再婚しはあげていないがまず は3人で家族写真を撮ることにし た息子と妻とは離れていた時間が長かった けれどこれからはゆっくりとその時間の 隙間を埋めていきたいと思って [音楽] いるテレビから聞こえてくる天気予報では 今日の東京地方は晴れ時々曇り俺は洗面所 の鏡に向かい髭の剃り残しがないか確認 する俺は社員30名あまりの小さな会社の 営業部長だそして今日は我が者の社運を かけた大口の相談がある日だっ た会社はここ数年業績が伸び悩み大きな 赤字を抱えてい たこのままでは倒産してしまう社員一同が 頭を抱えてい たそこに舞い込んだチャンスが今回の大手 企業との相談 だ俺はそのプレゼを任されてい た会社がまだ小さかった頃に入射して20 年創業メンバーと共に手を取り合い身を子 にして働いて会社を大きくしてき たそんな思い入れのある大事な会社を潰す なんて 会ってはならないこと だ俺はこの日のためにワイシャツもスーツ も慎重し気合い十分に挑んでいたそして 最後に妻が結婚記念日にプレゼントして くれたネクタイを結びスマホを手に取って 妻にLINEを送っ た10歳年下の妻の香りは今市内の総合 病院に入院している彼女は年前から前例の 少ない難病に犯されているの だ俺は仕事が忙しくて週末にしか見舞いに 行けないが平日はこうしてメールや通話で 連絡を取り合って いる香りには相談の話はしてあった行って きますと伝えると頑張ってねと返信が帰っ てき たこの間電話で話した時に妻はこんな大事 な時にあなたを支えてあげれなくてごめん なさい ねと気にしている様子だったじゃあ相談の 当日は頑張れって気合いのトコメールを 送ってくれと笑いながら話してい たもうこんな時間 だいつも使わない高級な厚手の皮のバッグ を選んで俺が持っている中で1番金額が 高いブランドの靴を履いたみの準備は完璧 だ資料は昨日夜中までかかって見直しをし たここ数ヶ月の間何日もかけて寝る間 おしんで準備してきた自信を持ってあとは 発表するだけ だ気合も十分な中いつもの満員電車を 乗り継いで会社へと向かったオフィスに 到着すると隣の席の同僚の田島に声をかけ おはよう たああおはようさが今日はいよいよ例の 相談だ な田島は俺と同期入社した営業部の事情 だ頑張れよと田島が言ったその時俺の スマートフォンの着信音が鳴った画面を 見ると香りが入院している総合病院の文字 が嫌な予感がする 俺が電話に出ると電話口の相手の女性は 言ったさが香さんのご主人ですかたった今 香りさんの容態が急変しまして非常に危険 な状態 です現在集中治療室で治療中 です危険な状態っってすぐに病院に来て ください香りが死んでしまうまさか そんなついさっきLINEしたばかりなん だ ぞ突然の知らせに俺は動揺してい た電話を切った俺に田島が話しかけてくる さがどうした顔色が悪いぞ香りちゃんに 何かあったの か 田島香り が香りの容態が急変したってえ それなら早く病院に行かない とでも今日はこれから大事な相談がバカ 野郎そんなこと言ってる場合か今行かない ともう2度とかおりちゃんに会えないかも しれないんだ ぞ田島は俺の両方を掴んで 揺さぶるだけど今日の相談がダメになっ たら会社はどうなるんだよ俺が行かない 俺じゃないと誰にも代わりは勤まらないん だぞ今日の相談が失敗したら会社は潰れて しまう俺たちで頑張ってここまで大きくし てきた会社が倒産してしまっ たら社員の家族友ども数十人の人が路頭に 迷って しまう俺1人だけの都合でそんな事態を 招くわけにはいかない そんな大勢の人に迷惑はかけられ ないだ けど俺が相談に行っている間に香りが死ん でしまっ たら最悪の事態を考えて米神に冷たい汗を かい た心の中で葛藤を続ける俺に田島が声を かけて くる迷ってる場合か相談には俺が代わりに 行くから お前は早く病院に行けサモないと一生後悔 することになる ぞだけど田島お前プレゼンの内容知らない だろもう相談まで時間がないんだぞ準備 する時間もないのに代わりなんてできるの か大丈夫だっって俺だって営業歴20年の ベテランなんだ ぞお前はそんなこと心配しないでかおり ちゃんに会いに 行けかおりちゃんにまだ言いたいことある ん だろう香りに言いたい ことそうだまだ伝えていないことが ある俺と結婚してくれて ありがとう今まで一緒にいてくれて俺を 愛してくれてありがとうて伝えなく ちゃ今までは照れ臭くてなかなか口にでき なかった言葉をちゃんと伝えたいそれに 香りが苦しんでいるのにそばにいてやれ ないなんて辛 すぎるせめて最後の瞬間は心細くないよう に手を握っていてやり たいとにかく相談のことは俺に任せて おけ田島のその言葉に背中を押されて俺は 席を立ち たありがとう 田島よろしく頼んだ ぞプレゼン資料を田島に託して俺は妻が いる病院へと向かった駅から病院まで走っ て行き集中治療室の前まで行くそこにいた 看護師さんに尋ねたすみませんさが香りの 容態はすると看護師さんが答えたさがさん ですかここにはいらっしゃいませんよ え俺は体中の血の気が引くのを感じた頭の 中が真っ白に なるそんな俺に看護師さんは言ったさが さんなら先ほど治療が終わりまして一般の 病室に戻られましたよそれを聞いた俺は 弾かれたように病室に向かう廊下は走ら ないで ください看護師さんの声が後ろの方から 聞こえるがそんなことにかってはいられ なかっ た病室に入るとベッドの上で香りが眠って い た 香り俺は恐る恐る声をかけたすると閉じ られていた香りの目がパチリと開いた 香り俺の顔を見ると香りはいつもの笑顔に なった みよさんどうした の今日は大事な相談があったんじゃないの 大丈夫な の香りよかっ た俺はベッドの前に膝まずくと香りの手を 両手で握っ たお前はついさっきまで聖子の境を彷徨っ てたんだ よ俺がそう言うと香りは驚てい た香りが助かってよかっ たまた会えてよかっ たアンドの涙が俺の方に 流れるすると香りもつられて泣き出し たみよさん私のことはもう大丈夫だから あなたは早く正に行っ て香りはそう言ってくれ た俺はから香りの態が安定したと聞き安心 して取引先の会社へと向かった電車の中で 腕時計を見ると相談開始の時刻はとくに 過ぎていた今更言ってももう遅いかもしれ ないそんな不安が胸によぎるだがもしかし たらまだ間に合うかもしれ ない一筋の望みにかけて俺は取引先の会社 のビルの前に立っていたその時ちょうど中 から田島が出てくるのが見え たもう相談は終わったの か結果はどうなったんだ不安に思いながら 俺は田島に声をかけた 田島すると田島は俺に気づいて近寄ってき たさがかおりちゃんの容態は大丈夫だった か 心配そうな声で尋ねてくる田島に俺は 答える あおかげ様で奇跡的に回復して今は安定し てるすると田島はほっとした顔になっ たそうかよかった なそれより田島相談はどうなっ た気になっていたことを聞くと田島は深刻 な表情になった ああ実は なお前がせっかく時間をかけて準備して くれた資料役に立たなかった え田島の言葉を聞いて俺は愕然とし た内心覚悟はしていたけれどやはり ショックだっ たそそう かいや仕方ないよ お前のせいじゃ ないやっぱり急に資料だけ見てもそれに 合わせてプレゼンをするのは難しくてな グダグダになっちまったすま ん多島は俯いてそう言った 後顔を上げ俺の目を見て驚愕の一言を放っ ただが相談はまとまったぞ え本当かどういうことだ よ俺は首を傾けたすると田島は俺の肩を ポンと叩いていっ た実はな相手先の部長がかおりちゃんの ファンだったんだお前の奥さんが元 アイドルの花香りだって話したら今回の件 うちで契約してくれるになったなんだっ て本当なの かそう俺の妻の香りは若い頃人気アイドル グループのメンバーの1人だったのだ俺と 結婚してからは芸能界は引退して普通の 専業主婦として生活してい た田島のやつ大事な団の席でそんな話をし たのか は少し呆れたがだけど結果的にはそれが こうなしたってわけだいやあほら今日お前 が来れなかった理由を相手先の部長に正直 に説明してその流れでさ実はその奥さんは 昔アイドルだったって話になったんだ よそれで部長はかおりちゃんの歌や笑顔に 随分元気づけられたらしくて さ仕事がうまくいかなくて落ち込んだ時も かおりちゃんの存在に励まされたって涙 ながらに話していたよだからその恩返しが したいって言って今回うちとの契約を決め てくれたんだ よそうだったの かなんという偶然だろうか社運をかけた 相談でまさか妻に助けられるとは 思いもよらなかっ ただけどそんな偶然を相談の成功につなげ てくれた田島の営業技術にも感謝しなけれ ばなら ない 田島ありがとうないいってこと よそれから俺たち2人は会社へ戻り社長に 相談の結果を報告すると社長はとても喜ん でくれた これで我が者はどうにか倒産せずに済んだ 本当に良かっ た俺と田島は修業後行きつけの居酒屋で 正田の成功を祝い乾杯をし たそれから半年が経ち香りの病気は回復し なんとか退院することができ た例の取引先の部長とは仕事を通じて仲が 良くなりプライベートでも一緒に飲みに 行くような関係になっ た後で知ったことだがあの相談の日は プレゼンの資料を見てすぐにうちの会社に 仕事を頼もうと部長の中では決まっていた らしいそのことを聞いて少しほっとした もちろんかおりちゃんの話も本当だけどな と部長は照れたように笑って言っていた その年のクリスマスの日 でパーティーをすることになったすっかり 仲が良くなった取引先の部長も招き もちろん田島も呼んだ部長は香りに会えて とても喜んでくれ た初めまして香りさんお会いできて嬉しい です初めましていつも主人が大変お世話に なっており ます2人は硬い握手をかわした香りが作っ た料理を食べ酒を飲みながら部長は話して くれ た部長は中数年前精神的に参ってしまった 時期があったそうで彼は仕事で重大なミス をしてそれがきっかけで止み始め職場に 行けなくなっ た自ら命を立つことも考えてしまうくらい 辛い状況だったそう だそんな時香りの所属するアイドル グループに出会ってファンになり生きる 勇気をもらえたのだと いうあなたがいなかったら僕は今頃こうし て生きていなかったかもしれません僕に 生きる力を与えてくれてありがとうござい ますそれを聞いて香りは泣き出してしまっ た私の方こそそこまで行っていただけて とても嬉しいです あの頃頑張ってよかった ですそんな2人の様子を見ていて俺も少し もらい泣きしてしまっ たアイドルは人に夢と勇気を与える仕事だ と聞いたことがあるが本当にこんなことが あるんだなとつづく思っ たそれから3ヶ月後俺が仕事から帰るとお 帰りなさいとが駆け寄ってきた大事な話が あるのそう言ってソファーに座るよう促さ れる話って何あのね実は私妊娠した の香りは嬉しそうに言っ た本当にうん今日病院に行ってきたの妊娠 12週だっ てそうかよかったな 香り俺は嬉しさのあり香りを抱きしめた それから10年が経ち香りの病気はあれ 以来再発することはなくその後俺たちには 娘が生まれてい た見て見てお母さんこの振り付けどう 思うそう言い娘は右手でマイクを持ち歌い ながら左手をくるくると回した後で腰に手 を当ててふわふわのスカートをゆらゆらと 揺らしながら踊って いる今度学校の発表会で全校生徒の前で歌 を歌うことが決まったらしい振り付けは いいけどほらそこもっと笑顔笑顔さすが元 アイドル当たり前じゃ ない妻は少し驚けていっ た小学4年生になった娘は大きくなったら アイドルになるのが夢だと言っている妻が 昔活躍していた頃のDVDを見てお客さん がにこやかにその歌を聞いている様子に 感銘を受けたそう だ私もお母さんみたいにたくさんの人に歌 で元気を届け たいそれが娘の最近の口癖だ歌っている娘 の姿を見ながら 俺は妻と目を合わせて微笑ん だあこの写真湯の花そうの時の写真だ 懐かしい古い写真を見つけて私は微笑んで い たもう何年も前の写真だ なあなたと私が進行だった頃よ湯花は私と が新婚当初住んでいた場所だ今はもう 取り壊されてなくなっているその場所で 私たちは結婚してからの数年間を過ごして い た咲きさんお元気 かしらさあどうだろうねあれから何年も 経つから ね昔話に花を咲かせながら私たちは湯の花 でのことを思い出して お見合いで夫と知り合った私は結婚後は 専業主婦をしてい た夫は口数の少ない人だったが仕事は バリバリとこなすタイプで連日忙しくして いて家に帰ってくる時間も遅く私はいつも 1人で家にいることが多かっ たこの湯の花層にやってきてからは家事 以外にやることがない はああの人がもう少し家にいてくれれば いいの にでもまあ家にいても話さないから退屈な のには変わりないか な夫は基本無なので私が話しかけても ああとかうんとしか言わない次第にこちら も話しかけるのがおくになっていきしまい にはあなたご飯ですよくらいしか夫に声を かけることはなくなってい たそんな私にも数少ない話相手がいるお隣 さんの咲きさん だ咲きさん今日煮物をたくさん作ったから 持ってきまし た隣の家の呼び輪を鳴らし扉越しに咲さん に話しかける [音楽] あら ありがとう咲きさんはいつも変わらない 笑顔で私を迎えてくれ た聞いてくださいようちの旦那ね昨日も テレビの話をしたんですけどへえだけで 終わってしまって全然会話にならないん です よまあまあうちの主人もそんなものよ主人 なんてね私と会話するよりも1人でため息 ついている方が多いくらいよ仕事で疲れて いるのかしら ねこうやって夫たちの愚痴を言い合うこと 数十 回私と咲きさんはすっかり息統合してい た咲きさんのおタもあまり会話しないん です ねそうねむしろお前が喋りすぎだなんて 叱られてるわ [音楽] やだ ひどい彼女の旦那さんの言い分に少し呆れ て しまうだって話し相手だって6人いないの に旦那以外の誰とおしりすればいいん でしょう ねそうですねお隣の奥さんぐらいしかい ません ねそう言って私と咲さんは笑い合った だって夫よりも咲きさんと話している時間 の方が 多い私咲きさんと結婚した方がよかったか もあら冗談がお上手 ねそんなくだらないことを言い合って 私たちは会話に花を咲か せる彼女との何気ない一時が私にとっては 心のオアシスだっ たそんなある日の ことたたたなんだろうお腹がおかしい なあ私の体に異変が起きてい た体が妙に重く感じられ食欲も開かない 状況が続いてい たそのことを咲きさんに話すとこんなこと を言われ たおめでとう生まれたら抱かせて ね え私 妊娠そうね私の頃と状態がそっくりだから 多分そうだと思うのそうだ私が言っている 産婦人か親切でとてもいいの紹介する わ翌日私は咲きさんと一緒に産婦人家へ 行っ た彼女の言う通り私は妊娠していた さきさんやっぱり赤ちゃんができてました あらおめでとう生まれてきた子は大切にし て ね私の手をぎゅっと握りしめて咲さんは 一瞬悲しそうな表情をし た私はその咲きさんの顔がなんとなく気に なってい たその日の夜私は早速夫に妊娠の報告を しようとお席犯を炊き夫の好きな唐揚げを 作って夫が仕事から帰るのを待ってい たお帰りなさいねえねえ今日は報告がある のあのね私妊娠したのよ今日病院に行っ たら3ヶ月ですって えそうか おめでとう 夫は相変わらず言葉少なくそう言っ たあなたの子なのよもうちょっと喜んで くれてもいいんじゃ ないその態度はどうかと思い夫に言い返す と本当に妊娠したのかと眉間にしを寄せて 答えるええ何よその言い方 ああ ごめんただ実感がわかなかっただけ でしどろもどろな様子でそう言って夫は私 のことをぎゅっと抱きしめてきたちょっと あなた俺たってちゃんと夫婦なんだなって 急に思ってさその 俺さ口べただからお前と結婚してから何を 話していいか分からなくてもしかしたら 無口な夫なにどう話せばいいか悩んでいた のかもしれ ないじゃあこれからは赤ちゃんの話をし ましょうあそうだ なそれから数ヶ月が経ち 私たち夫婦の間には少しずつ会話が増えて いっ たなあ生まれてくる子は男の子かな女の子 かなそう ねでもどちらでも嬉しい わ元気に生まれてくるんだぞ楽しみに待っ ているから なそっと夫が私のお腹に触れて話しかけて くれる このところ夫は仕事を早く切り上げて帰っ てくるようになっ た家では私と赤ちゃんの話ばかりをして いるそして咲さんと一緒にいても話題は 赤ちゃんのことばかりだっ たもうすぐ生まれてくるの ねそう言って咲きさんは大きくなった私の お腹をさすりながら優しく微笑ん だでも私には少し気になることがあっ た私が妊娠した時もこんな感じだった わポロリと自分の体験談を話してくれる咲 さんだけど私は彼女のお子さんを見かけた ことがなかっ たただなんとなくお子さんのことを聞き づらい雰囲気があって までこちらから問いかけることはなかっ たあのちょっとお伺いしたいことがあるん ですがそんな疑問を解消したくて私は 改まった口調で咲さんに言葉をかけてい た咲きさんのお子さんはそこまで話すと 彼女は口を開いて語り出した ああ話してなかったっけ子供は前の旦那の 実家にいるの え前の旦那 さんそれから咲きさんは自分の身に起きた 辛い出来事を話してくれ た咲きさんの最初の旦那さんは咲きさんと 幼い息子さんを残して早くに亡くなって しまったそう だ咲さんは息子さんを1人で育てようとし たけれどそれは叶わなかった 鳩だから私たちが引き取るって夫の実家に 無理やり ねギフトは言い争いになって険悪になって しまったからそれからは息子にも向この 両親にも会ってないの よ そんなあんまりな話だと思っ たお腹を痛めてうんだを取り上げられて しまうなんてひどすぎる もし私だったら悲しすぎて耐えられない そう思っ た私はしばらく考えた後咲きさんに言っ た あの会いに行きませんか えそんな無理よ合わせてくれっこないでも 言ってみないと分からないです よささんの両手を握りしめ私はじっと彼女 を見つめた一目でいいから成長した息子を この目で確かめ たいそうずっと思ってはいた の弱々しく答える彼女に向かって私は伝え た何も玄関からお邪魔することはありませ んよこっそり遠くから様子を伺えばいい じゃないです か不安そうな咲さんに私はにっこりと 笑いかけ た私の笑みに応じるように彼女は嬉しそう な笑顔を浮かべ たそう ねそれから私と咲さんは電車をいくつも 乗り継いで咲きさんの息子さんの元へと 向かっ た元旦那さんの実家は勇しある家柄らしく 家の門構えも立派だった 随分大きなおタクですね ええ道路に面した長い兵に囲まれたその 向こう側には芝生の庭が広がって いる門の間から覗くと小さな男の子が目の 前の植込みの前に 座り込み何やら草花を見てい たあの子亡くなった主人に目元がそっくり だわ じゃあ息子 さん多分そうだと思うわまさかこんなに 大きくなっている なんて当たり前のことだけれどなんだか 信じられ ない咲さんはその少年に釘付けになり ながら涙を浮かべてい た離れたのは3歳の時だったのでもうあの 子は私のことなんて覚えてないでしょう ね悲しげな顔をする咲さんを見て私は胸が いたん だ私は一瞬でもいいから彼女に息子さんと 会話をさせてあげたいそう思っ たあれここどこだろうさきさん道に迷っ ちゃいましたね困ったなあ え私の発言を聞いて咲きさんは驚いた顔を してい た私はわざと大きな声を出し門の中のその 少年に聞こえるように話し たするとその少年は声に反応して私たちの 方に向かって寄ってき たおばちゃんたち迷っちゃった のそうなの駅の方向が分からなくなっ ちゃって駅ならこの道をまっすぐ行った ところだ よ駅の方角を教えてくれる息子さんに咲 さんはゆっくりと声をかけ たあのちょっといいか な なに息子さんは不思議そうな顔でさきさん を見てい たお母さんははどうしているの かしらえおばちゃんママの知り合いあのね 分からないんだおばあちゃんは遠くに行っ ちゃったって言ってたあでもね僕写真を 持ってるんだよおばさんみたいな優しそう なお顔のママでね あれおばさん写真のママにチ似てるか も息子さんの言葉にみるみるうちに咲さん は涙を流してい たどうして泣いているの大丈夫 そうだこれあげるよだから元気出し て息子さんは柵の隙間から手を伸ばし咲 さんの前で手のひらを見せたするとその 小さな手のひには四つ葉のクローバーが 乗ってい たさっきお庭で見つけたんだこれあげる から泣かない で葉っぱが4つあるの見つけるといいこと があるんだって僕はまた探せばいいから おばちゃんにあげる ね ありがとう咲きさんはそのクローバーを 受け取った後息子さんを見つめながら言っ たあのねおばちゃんのいなくなった子供が 君にそっくりなん だ咲きさんがそう言うと息子さんはその 小さな手で彼女の手を握っ たそっ かおばちゃんも寂しい ね息子さんの言葉に咲さんは涙を抑えきれ ないだっ た私はそんな彼女の背中を優しく撫でてい た帰りの電車の中で私たち2人はさっき までのことを振り返ってい たごめんなさいねあんな風に泣いちゃっ て私こそ会おうなんて無茶なこと言って すみませんうんきっと会わない方が後悔し てたわあえてよかっ たあの子が立派に大人になってくれれば もう思い残すことは何も ないそう話す彼女の表情は心なしか すっきりとしているように見え たねあなたの赤ちゃん生まれたら抱かせて くれるもちろんですよ ありがとう楽しみだだ わ私もまた赤ちゃん欲しい なそう言って微笑む彼女の笑顔は晴れやか だっ たそれでその年の冬に大地が生まれたん だっ けそうよ大地が生まれて咲きさんは私の次 にあの子を抱きしめてくれた のそんな大地も小学生か彼女も今頃どうし てるか ね私たちの息子である大地を抱きしめて 微笑む咲さんの写真を夫は優しげに見つめ てい たその時玄関のドアが開く音がして塾から 帰ってきた大地が大きな声で言っ たただいまお母さん手紙が来てる よ大地が真っ白な封筒を片手に部屋に入っ てき たあらありがとう誰から かしらその差し出し人を見て私は目を 見開いたあら咲きさんからだわ え久しぶりじゃないか噂をすればだ な私たちが数年前に湯の花層から引っ越し をした後さんもに引っ越しをしてずっと 彼女とは会っていなかっ た毎年年賀城のやり取りだけはしていたが 今年は届いていなかったのでずっと 気がかりだっ た私は封筒を開けて便箋を取り出し早速 手紙を読ん だあら引っ越ししたんですすってどこに 行かれたのか な咲さんの手紙を読んで私は驚い たなんと咲さんは元旦那さんの実家に 引っ越したというの だ手紙にはその理由も綴られてい た疑実家の義父母が大病をし引き取った孫 の面倒を見切れなくなってしまった こと他に頼れる親戚もおらず話し合いの 結果咲さんたち夫婦が財産をもらうこと 引き換えに元旦那さんの実家を引き継ぐ ことになった らしいそんなこともあるもんなんだな本当 ね咲きさんも考えもしなかったと思う わでもそうなって正解だったと私は思って いた手紙に同封されていた写真には息子 さんと笑い合う彼女の姿が写っていたから だ 幸せそうだな咲き さん彼女の写真を見て私たちは微笑みあっ た封筒の中には四つ葉のクローバーを 押し花にして作ったしおりが一緒に入って い たそれから私たちは近いうちに彼女たち 家族に会いに行こうと話し合っ た電車を何本も乗りついて行った先に笑顔 のささんが いるあの時会った息子さんと一緒に楽し そうに万遍の笑を浮かべる彼女を想像して 私は心から温かな気持ちになれた [音楽]

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