【感動する話】貧乏で独身40歳小さな自転車屋を経営している俺。ある日、来店した美人女性客から自転車の修理を受けた。その後、俺の人生は180度変わる事に…【いい話・泣ける話・朗読・有料級・涙腺崩壊】

ガタガタと店のシャッターを叩く音が するはっして顔を見合わせ たバタバタと足音がして店の裏側に人が 回ってき たどうも1人ではない背の高い男のよう だっ たいつものように朝の身作を終えると俺は アパートを出て商店街に向かい店の シャッターを開けた 4月の青い空が雲間から覗いて いる俺は中里よし40 歳地元の商店街で俺の父が残した小さな 自転車屋を経営して いるおはようござい ます水希さんがミニバンから降りてきた パーっと心が明るく なる彼女は隣の店舗の花屋の主人だ 俺はいつも仕入れた花を下ろすのを手伝っ ている今日は八上明日は切り花と曜日に よって 違う八上はもちろんだが切り花でも箱詰で 難箱もとなるとなかなかに重いの だ店で使う水を入れたバケツも1つ2つ じゃないから見た目の綺麗さに比べ花屋は 相当に重労働だと思う いつもありがとうござい ますそう言ってにっこり 笑う彼女の笑顔は俺の毎朝のビタミン剤 だしばらくすると昨日の余り物ですけどと 言って小さな花束が 届くこれも毎朝の恒例で殺風景な俺の店の 雰囲気をがらりと変えて くれるそして俺が礼にコーヒーを差し出し しお互いの1日が始まるの だ彼女はここで店を開いて3年に なる大きな店ではないが1人だから なかなか忙しそう だここは元々はうちの店と合わせて1つの 店舗 だ父が店をやっていた頃は広い自転車屋 だっ た子供の補助輪付きの自転車からママチリ おじさんたち向けのものまでずらりと並ん で いるだんだんとネットで何でも買える時代 になりまたこの町の外れに大型の ショッピングモールも登場してもう自転車 屋だけが自転車を売る時代では ない父は店を分割し半分を貸し店舗にし た最初に入ったのは建築事務所その後パン 屋が入りカフェにに変わり水希さんが今の 店主 だ不思議とみんなここで店を構えていた人 はここを出る時にはさらに大きく発展して いる建築事務所は自分の事務所を立てたし パン屋は駅前で店舗 拡大カフェは俺の店の向い側に移転して 座席を増やし繁盛している しそのうち水希さんも出ていってしまう だろう かそう思いながら俺はなかなか声をかけ られずに いるだから40にもなって独身なの だ分かってはいるが彼女は俺より7歳も 若い開業の挨拶に来た時なんか女子大生か と思ったくらい だ美しいものに触れている人は美しくなる のかもしれ 俺なんか薄汚れた親父にしか見えない だろう勇気を出して一歩彼女に近づいたと してそれを迷惑だと思われたら次の日から は二おろしを手伝うどころか顔を合わせる のも辛く なる挙句の果てに店を移転されたら元も子 も ないそれを考えるとせめてでこうして毎日 さやかなやり取りがあるだけで十分だと 思ってしまうの だ当たって砕けるくらいなら当たらなくて いいから見てい たい水希さんはその名の通り見上げる花な の だ自転車屋はそうそうお客が来る店では ないが地元の学生やサラリーマンが通勤に 使っているから不具合があると朝でも来客 が ある預けて行って帰りに引き取りに来る人 もいるがその場で直して乗っていきたい人 のために店は朝から開けるようにしてい た土日になると今度はサイクリング客が 増えるこの町には大きな川があり土手沿い がサイクリングコースになって いる川沿いには桜を始め季節の木や草花が 花を 咲かせ子供からお年寄りまで人気の場所 だ川部を見下ろす絶好な場所に人気の カフェやレストランも並び休日は県外から も人が 来る自転車屋というのはあちこちにある ものでもないから休日にも平日にも客を 迎えてしまうとなんとなく休むのが悪い気 になってしまう そんなわけで俺は自分の店ながら一体いつ 休みを取ったらいいのかそんなことも決め られず毎日店を開けてい た地元だから友達はいるがサラリーマンと は休みが合わ ない40にもなると家族サービスで忙しく 俺とは話も合わ ないどうせ1人で家にいるんならと暇を 持て余して働いているだけ だ俺は自転車の修理や組み立ては集中して 黙々と できる親父に似て職人気質なの だ我ながらこの商売には向いていると 思う恋愛の方はさっぱりだけどなと思い つつ店の奥で在庫補充をしていると これお 願いと声がし た修理ですかパンクか なそう言いながら出ていくと逆行で人の顔 はよく見えないがちょっとクールな感じの ショートカットの女性だっ たよく光る自転車が目に止まっ た瞬時にえと目を疑っ た修理なんて何もないけど預かっとい てそう言って俺が店頭まで行く前に 走り去っていくえ ちょっと倒れそうになる自転車を抱え俺は 固まってしまっ たおいおいちょっと待ってくれ よ俺は焦ってその自転車を恐る恐る 持ち上げ店の奥まで移動させた こ れっておじさん自転車が変な音するん ですはいはいちょっと待っ て俺は慌てて本来なら靴を脱いで上がる はずの休憩室にその自転車を乗り上げドア を閉めて店に出ていっ た高校生の自転車を直して送り出すと俺は そのま 店のシャッターを閉め た店のドアも休憩室も中からロックし部屋 の電気をつけてじっくりと自転車を眺め たこれ は俺はしばらく眺めていたが思い立って 新しい手袋をはめじっくりと自転車を調べ てみ たどう見ても本物じゃないか これそう思った途端腰が抜けて座り込ん だ見知らぬ女性が乗り捨てていった自転車 は世界に15台もないゴールデンウィンド だ24系の金目 フレーム500個のブルーダイヤモンドに 600個のグリーンサファイアサドルは ワニの 川金コーティングされたマウンテンバイク で1億円はくだらないと聞いて いるネットで見てこんなものを買う人も いるんだなと思っていた が買ったばかりか商店街を乗り回し古び 自転車園に乗り捨てていっ た俺はもう度さっきのシーンを思い返して みる修理なんて何もないけど預かっとい て30代だ 張のある声でやり手のキャリアウーマンと いう感じだっ たあとは何も覚えていないし名前も住所も 連絡先も聞いてい ない言われた通り預かるとしてもこんな ものを店先に並べるわけにはいか ない傷をつけたり誰かに盗まれでもしたら 大変なことに なるかと言ってのように銀行に預けるわけ にもいか ない若い女性が1億出してこんな自転車を 欲しがるの かいやいや世の中の金持ちはなんだって手 に入れたがるしこの世には純金のポケモン カードやバルタン星人だって いるだがそもそも彼女は本当に持ち主なの だろう かもしこれが でここにあることが発覚したら俺はどう なるん だろう頼まれたと言ったところで証拠 なんか何も ないまさか俺が新犯人に仕立てあげられ たりはしないのだろう かこんな形でなかったら思う存分な出回し またとない機会だと喜んで眺めるはずなの に俺は金の自転車をに呆然と座り込んでい た輝く自転車には全くそわない古い 部屋俺は壁に持たれて部屋を見渡しため息 をつい たここは昔俺の家の茶の間だった奥に台所 と風呂場が ある2階は今倉庫になっているが元々は 両親の寝室と俺の部屋だ 向いの店はカフェが入っているが元々は母 の実家で祖父母がやおやを営んでい たうんよく戦火から逃れたこの界隈はとか いいながら昔からの商店街がそのまま残っ て いる子供の頃から幼馴染みだった父と 母年頃になって結婚し工場勤だった父は やがてを継い だ長男として当然だと思っていた らしい母は昔から体が弱くなかなか子供が できなかっ たよく知っている中とはいえ親父の両親は 病弱な母の様子を見ているから結婚には 反対したよう だ逆に母の実家は近くに嫁入りしてくれる なら安心だというので是非2と頭を下げた と聞いて いる親父にとって色白でやかな母は初恋の 人 だ近所の同級生たちに羨ましがられながら 家庭を持っ ただが俺が生まれたのはそこから15年も 後のこと だ体が弱いから無理に産むこともないと 治療もせずこのまま2人で暮らそうと思っ ていたと いうそれでも結婚が早かったから30代の 後半で親になったが結局母は腎臓を悪くし て60代で 亡くなり父も80を迎えることなく他し たその頃隣はまだ水希さんが入る前で秋 店舗になっていた 父はいつもいい人が来ればいいんだがなと 言っていてそれがどこか結婚相手を探して いるように聞こえ妙な気がしたもの だ流行りのマウンテンバイクを扱うことも ない地味な街の自転車 屋黙々と作業をして母が込めば料理も作り 入院すると毎日自転車で見舞にってい た言葉少なく静かだが真面目で家族思いの 父と優しくて情深い 母早く結婚しろと大学も出ないうちから 言われまだまだと思っていたが結局その 願いを叶えることもなく行かれてしまっ た父がいたあの頃を今も懐かしく思い出す 俺は子供の頃から店に出入りして父の作業 を見るのが好きだっ たお父さんのお手伝いなのと笑って声を かける買い物帰りのおばちゃん たち家を立てて同居が決まったからとお嫁 さんのママチリを買いに行ったおじい さん入学祝いに娘を連れて自転車を選びに 来た我が夫婦 団地屋マンションの住民はどんどん 入れ替わり商店街の街並も変わったがこの 店でこの商売を続けることが唯一今の俺が できる親高校のような気がして いるそれなのに何が起きようとしているの だろう トントン突然裏口のドアをノックされ た中里さん お出かけです か水希さん だはっとして時計を見るともうお昼を過ぎ て いる回転するやいなやいきなりシャッター を閉めたから何事かと思ったのかもしれ ない2度ほどノックされたが俺は返事が できなかっ たとはいえこのまま雲隠れしているわけに もいかない 夕方には組み立てた自転車を受け取りに客 が 来る俺は部屋を出てシャッターを閉めた まま息を潜めて作業を始め た昼食はいつも外に食べに行っていたが まさかあれを置いて出かけるわけにはいか ないだが出前を取ったら今度は水さんに イスがばれて しまうは息をついてすきっ腹にコーヒーを 流し込み作業を 進める3時過ぎになっていくら何でも店を 開けなければと焦っ た休憩室は裏口があるから店にいると誰か が侵入してもわから ない俺は自転車を2階に運びあげることに し た廊下に置いてブルーシートで覆い窓の鍵 を何度も確認して下に降り たシャッターを開けると水希さんがやって き た ああいらしたんですかよかっ た急にお店が閉まってるから何かあったの かと思って心配したんですあ ええ昨日聞いた嘘も出てこない情けな 俺お食べましたいや まだあよかったさっきアレンジメントを 予約されてたお客様がサンドイッチを たくさんくれてよかったら召し上がって ください深層開店のパンヤさんだそう ですそう言ってサンドイッチを差し出して くれ たなんだか顔色が悪いですけど大丈夫です かえああ平気ですありがとうござい ますカカップスープなんですけどよかっ たら一緒 にはいどう も彼女が出ていくなり思わず大きなため息 が出 た自転車の受け渡しにママチャリのパンク チェーンの交換と仕事はしているが頭は2 階に飛んで いるままさ誰かがヘリでやってきて2階の 窓を叩き割り自転車を釣り上げていきはし ない か回答ルパンじゃあるまいしありもしない ことすら本気で考えて心配して しまうなんと言っても1億超だ弁償なんて ことになったらこんな古店舗を売り払った くらいじゃまかないきれ ないそれよりもいやそれもそれだがあの 持ち主が現れてくれなかったら俺はどうし たらいいのだろういやそうなったらもう 堂々と警察に相談 だなんなら今からで もいやでも明日にでも来るかもしれないの に勝手に警察沙汰なんかにしたらそれは それで問題になるかもしれ ない突然あと思っ たもしかしたらさっきシャッターを閉めて いる間に来ていたとし たら高級自転車だと知って店を閉めて とんずらしたと思われてはいないだろう かそうなると俺はどうなるんだ預かった はずがまさか俺が強盗犯嘘 だろルパンに怯えるどころか俺が逮捕され かねないの かととにかくとにかく店は営業しなければ なら ないいつまたあの預け主が来ても待って ましたと言ってとっとと手渡すの だあんな高級費直家に見れるだけでもレア なのに俺にはもうすっかり厄介も だあの金ピカチリンコのせいで俺は アパートに戻ることもでき ない自転車を置いてはいけない 持ち運ぶなんて無理 だ今日1日これで乗り越えたとして明日 からはどうしろって言うんだ よ突きあかりの中光る自転車を眺めながら 俺は眠れぬ夜を過ごし た次の日はっと目覚めてそっと2階の窓 から下を 覗く水希さんが番を止めて仕入れてきた花 を下ろしている 今日は切り花の入荷だから水揚げをするの に大量の水が いるバケツを運ぶのを手伝ってやらなけれ ば俺は急いで下に降りて裏口から表に回っ たおはようございますあらどうしたんです かお店で寝たんです かああはいなんか組み立てに間がかかって 面倒 でレジャーシーズンだから忙しいですよ ねあごめんすぐ来る よそう言って俺は裏口に飛んで行ったこの ドアに鍵をかけるのを忘れたの だドタバタと2階に上がり自転車の無事を 確認してまた 降りるそういえば俺はまだ顔も洗って ないため息をついてシンクで顔を洗い歯を 磨いて髪を溶かし たなんだかやっぱりお疲れみたいですね いやなんかね調子が悪いか なもう大丈夫ですから回転準備して くださいそう言われて店に 戻るもうここにいる以外 俺が落ち着ける場所など ない毎朝のコーヒーを飲む気もなくなり よくもあんなものを手に入れて喜んで 暮らせるものだなと思ってしまっ たこの店で背中を丸めて作業をしていた 親父が思い出さ れる世の中にはあんな高級品を乗り回す人 もいるのに親父は聞かざることもなく仕事 と看病と家事に追われ 心配するなと俺を励ましてくれ た母が高いしてもその姿は変わらなかっ たもし父がいたら生きてこんなものを見る 日が来るとはなあと目を輝かせたかもしれ ない宝石のついた自転車なんてねえと母は ため行き混じりに眺めた だろう俺は1度 も誰が喜ぶことなんてしてやれなかった なふと言葉にしてしまったら一層自分の 情けなさが身にしみて目の奥がじんわりと し た中里 さん突然店のドアが開いて俺は驚いて 振り向い たその行走に水希さんの方がびっくりして たじろいで いるごめんなさい 驚かせちゃっていやいや これトルコ教 ですお母様がお好きだったっていう入荷し たばかりです飾って ください彼女がピンクと白のはげな花を 差し出し た ありがとう涙が滲んだ顔を見られたくなく て目を合わせられなかった 具合悪いんですかいえ大丈夫ですあ コーヒー大丈夫大丈夫です来客がない間は ゆっくりして ください彼女は笑顔で出ていったか俺はろ に礼も言えずじまいだっ たいつもだったら後からでもコーヒーを 差し入れて天気や仕入れの花の様子などを 聞いたりもしたのに今朝はコーヒーも入れ て ない俺は仕方なく作業を始めたが頭の中は いつあの女性が来てくれるかとそればかり を考え た物が物だけに持ち主を探しています なんて張り紙をするわけにもいか ないやっぱり警察なのかだがまだ事件と いうほどでもないから 相手にしてもらえないかもしれ ないそれで下手に噂が広まってかって犯罪 が起きたりなんかしたら誰が責任を取って くれるん だろうこういっちゃなんだが犯罪を犯す 景観だっている世の中 だそんな世間をよくもあんな自転車で 走り回れたもん だ価値が分からない人なのか1億すらとも 思わないの かそもそも警察に預けるとしてもどうやっ てあれを持っていくん だ商店街を抜けた国道沿いに交番があるが 俺は免許はあっても車が ないアパートもここから資金距離で乗る 機会がないの だタクシーに頼む か途中で傷でもつけたらど偉いことになる のだが 俺は手も動かなくなり呆然としゃがみ込ん でいた らしい あの水希さんの声にはっとして立ち上がる とじんわりと立ちくらみがしたその表紙に 作業台に置きっぱなしになっていたトルコ 境が目に入ったまずい花瓶にさすはずだっ たの にそう思って彼女を見ると彼女の視線も鼻 に注がれていたあすみません 今これおかゆなんですけどよかったら胃腸 薬と風邪薬もお店にあったものです けどなんだか色々すみませ んそう言ったが今度は彼女が俺を見なかっ たなんだかご迷惑でした か昨日から私のことを避けてますよ ね私何か気に触ることをしてしまったん でしょう かそんなこといえいいんですこんなこと 言ったらますます気まずくなるのに変な こと言ってすみませ ん待って待てそうじゃないん だ立ち去ろうとする彼女を慌てて引き止め た 実 はちょっと待っ て俺は決意して店の鍵を閉め た中里 さん何をされるのかと思ったの だろう彼女が不安な声で俺を 呼ぶ2階にねすごいものがあるんだよ誰に も話せないでいたんだけどえ 俺は先に階段を上がり振り返って彼女を 待っ た彼女はちょっと緊張した持ちでそろそろ と階段を上がってき た廊下は昼間の日差しで眩しくブルー シートから現れた自転車はその光を反射さ せらしげに輝いて いるこれ はゴールデンウィンドっていう世界に15 代しかない だ1億円以上するん だ俺の言葉を聞いて水希さんは両手で口を 押え目をまんまくして驚いて いる買ったんですかまさか俺にはそんな金 も良くもない よ俺は全てを白場し彼女は安全として聞い てい た帰って全てを話してしまうと急に気が楽 になりこれはサファイアでこっちはダイヤ なんだよなんてまるで自分のもののように 説明してしまっ た確かにこんなの預けられたらどこにも 行けなくなります ねそうなんだよ不安で不安 でそれでだったんです ねそう言って笑ってくれた水さんの顔が 全てをしてくれた気がし たまだ何も解決していないというの にだが事情を理解し同じ思いでいてくれる 人がいるということは本当に気持ちが安定 しありがたかっ た俺は彼女のおかげでダッシュでアパート に帰りシャワーを済ませて着替えを持って 戻ってき た預け主が現れるまでここで暮らすのだ 食事は彼女が差し入れてくれ彼女のすめで cctvも設置し たとりあえず1週間待って持ち主が来 なければ警察に相談しようと2人で決め た交番までは私の晩に積んでいけば大丈夫 そう言われてまた1つ気が楽になっ たあの不安という鬱はどこへ行ったのか 水希さんが俺と秘密を共有してくれたこと で毎日の暮らしまで変わっ た休憩室を掃除しテーブルに花を飾ると また人が暮らす部屋になっ た夕飯は何がいいです か夕方になると彼女が店にやってきて俺に そう聞いて くれる俺は何でもいいけど 出かけることもできないんじゃ食べる 楽しみしかないでしょ今までお弁当や出前 ばかりで飽きてないですか私が作り ましょうか何でも言って くださいえそう はい俺昔から食べたいと思ってるものが あるんだ けど何ですか 言っていいものかと俺はためらってしまっ た自転車であんなに深刻だったのにこんな ことを頼んでる場合なのかとちょっと 恥ずかしくなったの だそんなに難しい メニー いやどうなのか な何です か肉 じゃがえ あいや子供の頃好きでよく食べてたんだ けど弁当買っても入ってないし食堂でも あまりメニューにないなと思っ て彼女はおかしそうに笑ってよかったと 言ったよかった揚げ物じゃなくて私揚げ物 怖くてできないんです肉じゃがだったら 簡単ですお店閉めてスーパー寄って部屋で 作って持ってきますか 待っててもらっていいです かなんか申し訳ないねこんなことまで頼ん でそんなことない ですそう言って振り向いて笑った顔は今 まで見たどの笑顔より可愛かっ た肉じゃがは母がよく作ってくれた料理だ これを作るとニンジンもよく食べると言っ てカレーと並んで俺のための定番メニュー だっ たどうです かうまい美味しいよこの味が食べたかった ん だ ああよかったほっとしまし た子供の頃両親と食卓を囲んだ部屋で水希 さんと食べる 夕食1億の自転車を直に拝んだことよりも こっちのの方がよっぽど嬉しかっ た実はちょっと楽しくなってきたと言って もいいくらい だこのグリーンピースがいいんだよな なんか特別感あるでしょなきゃないでいい んだけどあると映え るっていう私職業柄彩りにはうるさいん ですそう言った彼女に改めてああそうか プロなんだよなとっ た食後にコーヒーを入れ俺は何で花屋を 始めたのか聞いてみた実はずっと気になっ ていたの だ私ね学校で孤独だったんです よ全く想定外の話が出てびっくりして俺は 彼女を見 た彼女は表情を暗くすることもなく淡々と 話を続けて 両親が離婚して母は2度目の人なんです 最初は父と3人だったんですけど弟が 生まれ て10歳も年が違うし男の子だし母にとっ ては自分のね初めての子だから可愛いのは 当たり前ですよ ねそれで私阻害感から抜け出せなく て意地悪されてるわけでもないのにのけ者 にされてる気がし て学校で友達にも今に母親に追い出される なんてからかわれ て本当にそうかもしれないって疑っ て子春期で父とも距離ができ て家族の中で自分だけ存在価値がないん じゃないかって思ってたん ですそれだけだったらせで終わったと思う んです けど6年生の修学旅行でね仙台に行ったん です よ1泊2日で戻ってきたら家に誰もいない のどうしたんだろうって思ったら3人で 大阪に遊びに行って台風の影響で新幹線が 止まったからあと1泊して帰る って 私それまで知らなかったんです何に も水希も旅行に行くんだからお父さんたち も行ってくるよって言ってくれてたら少し は違ったかもしれないの に私には一言も言わないで3人で出かけ て多分行って帰ってきてからも何もなかっ たことにしたんだろうなっ てそこからも家族には何も期待しなくなり まし た高校に入ってからはがむしゃらにバイト して寝る時以外は家を開けてまし たそしたらだんだん家族に対する不安も なくなったん ですそれだけ気持ちが離れたってことです よ ねもういてもいなくても構わない部屋代が かかるから自宅にいるだけって感じでした それでいろんなバイトをして花屋さんも 興味本院でやってみたんですけど花を 手入れしたりアレンジしてるだけでなんだ かすごく癒されたん です居酒屋でお客に絡まれたりコール センターで派閥争いに巻き込まれたり人の 中で働くのに疲れちゃってた からそれで貯めたお金でここを借りて今も 花を相手に暮らしているんです [音楽] でも転職じゃないお得意さもいるしセンス ある よと言った時だっ たガタガタと店のシャッターを叩く音が するはっとして2人で顔を見合わせ たバタバタ足音がして店の裏側に人が回っ てき たどうも1人ではないようだ 裏口のドアは上半分がガラスになっている アルミドアで勝手口の上には明りがついて いる背の高い男のようだっ たガチャガチャとドアノを回しながら ガラスを強く叩かれどちら様ですかと叫ぶ ように声をかけ た自転車を 返せえと驚くのが半分 後の半分はやっぱりなという感じだっ たどちら様でしょうかうさ早く自転車を 返せここにあるん だろお預かりした自転車はご本人にしか 渡せませ ん俺は家族なんだ よそういう証拠がないじゃないですか預け て行かれた方の身元も不明なんですご本人 以外は無理です 一瞬静かになった後ガシャーンと音がして ガラスが割れ水希さんの悲鳴が響い た部屋の中にブロックが転がっ た割れて枠に残ったガラスの破片をさらに 中に押し込むように2個目のブロックが 入れ込まれドアノを回されて男がずかずか と土足で入ってきた3人だった 早く自転車を 出せそう言って休憩室を横切り店に 入る誰かが明りをつけ急に店内が明るく なっ たやめてくださいという俺の声は店の商品 をひっくり返す音でかき消され たそれからのドタバタはあまり記憶に ない散乱する部品や展示品のが投げ飛ばさ れたのは覚えている が何を言って何をしたのかはまるでわから ない水希さん 逃げろそう叫んだが彼女がどこにいるのか もわから ない暴れる男ともみ合いになって俺は床に 倒され た外に逃げていて くれそう思いながら背中を蹴られて丸く なった しばらくしてドヤドヤと警官が入ってきて 騒ぎは収まったの だ水さんが階段を駆け上がり2階から警察 に電話をしてくれたのだっ た警察書で取り調べを受けことの次第を 説明し たその途中つかつかと1人の女性が入って きてガラスを割った男の頬を思いっきり 引っ叩いたあの人 だお巡りさんあの人ですよ預けた人 はと俺が言い終わる前 にふざけるのもいい加減にし てと警官もビビるくらいの一括が飛び男が 何か言う前にヒールで腹を蹴っ た慌てて止める警官騒ぐ男さらに叫ぶ女 そのままドラマにでも使って欲しいと思う ようなシーンだっ た俺は無事に釈放され たcctvをつけておいて本当に良かった と 思う自転車を預けた人はさ立子さんという 人で大手さ商事の若奥様だと いう確かにあの時もリとした雰囲気が醸し 出ていた 乗り込んできたのは彼女の夫で再起商事の 次の担て会長の長男で ある彼女の話ではこの夫が浪費と包頭で とにかく だらしなくこのままでは次男夫婦に次の座 を奪わ れる首都からなんとかうまく夫を操縦する ように言われているが思い通りになら ないのに勝手にあのゴールデンウィンドを 購入して今に飾り人を呼んでは自慢してい たと いう本当にご迷惑かけてごめん なさいもう見てるのも嫌になって夫が寝て いる間に車に積んで適当な場所で捨てて やろうと思って突発的に運び出して適当に 車走らせてねこの辺でいいやって車から 自転車て走ってた の初めての場所でどこをどう乗ったのか気 がついたら住宅街を抜けて商店街になって て自転車屋さんなら少しは価値が分かって ちゃんと保管してくれるんじゃないかって 気がし てそこまでは良かったんだけど私本当に 方向音痴なんですよ自転車預けた後 ダッシュで走って通りを抜けたところで タクシー拾って家に帰ったはいいけど車を どこに止めたのかも分からなくなってて私 もどうかしてたわね本当にごめん なさい結局ご主人は探偵を雇って俺の店を 探し当てた らしいでもまあ普段直家に見ることもない ものを見せてもらえたのは良かったです けど そんなこと言ってないで破損した店とキの 商品はどうしてくれるのかそこを突っ込ま ないといけないのにおひしな俺すかさ ずお店の方は私が責任を持って修繕いたし ますのでと言ってくれてほっとし たことが表向きになったら会社のイメージ ダウンにつがるだけでなく次男夫婦と義に ばれるのが何よりまずいという裏事情が あるリツ子さんはこの機会に立て直し ましょうなんて言い出して俺も水希さんも 業転し た口封じのためとはいえスケールが 違う再起商時は建築事業もしているから こんなことはたやすいん だろう さすが1億の自転車を買おうと思う人は 違うよな 俺は核の違いを思い知らされ た建築工事が終わるまでの仮店舗まで リツ子さんが取り計ってくれて俺たちは 商売を中断することなく新店舗の完成を 待っ たただ仮店舗も2人並んでというわけには いかなかったから店が終わってから2人で 外で夕食を取るようになりそのうち彼女の 部屋で手料理をご馳走になったりもし た半年後俺たちの店は深層オープンの日を 迎え店先を水希さんが花で飾っ た俺たちの同線を把握してとても使い勝手 のいい配置になり水希さんの重たい水運び も楽になっ た俺の方も台所や浴室を倉庫に変え収納や 陳列も合理的になり あまりの便利さに驚いて いるそして1番の話題は防弾ガラスに守ら れたあのゴールデンウィンド だリツ子さんの提案というか旦那さんから の依頼でうちの店に展示されることになっ たの だこのお互いショッピングは会長からも たっぷりとお叱りを受け手放すように釘を 刺された らしいリツ子さんと同じ だだがそんなつもりはさらさらないかと 言って乗り回すことも ない絵は見るためにあるけど自転車は乗る ためにあるのよ見るための自転車を買う なんて理解できない わりつ子さんのこの一言でご主人は展示 することを思いつきどうせなら自転車に 関心のある人たちに見てもらいたと俺に話 が来たの だ家族の目に止まるたびに色々言われるの を避けるためというのもある だろう俺がここで自転車屋を続ける間は 展示をするということで話がつい たこの世に値段が知れ渡っているから セキュリティは ばっちり回答ルパンも手は出 せまい高価なゴールデンウィンドがあると テレビの取材もやってきて噂の自転車を 見ようと週末は遠くからも客が来るように なっ た目に止まる店先の小さな八上や花束が よく売れるようになりカフェに立ち寄る人 も増えカフェの若夫婦からも感謝されて俺 と水希さんは料金フリーの特別客になっ た店の奥のテーブルからガラス越しに自転 車を眺めながら俺たちはコーヒーを飲んで い た店は3階建てになり俺はアパートを 引き払って店の上に住居を構えるつもり だ水希さんこれからも俺と一緒に食事して くれません か 食事だけです かいやいや色々 いや全部 我れながらこの冴えない男 ぶり水希さんは自転車に視線を向けたまま だあの自転 車 はいどんな人が乗るのかなって思ってたん です けど はいあんな高価なものを手に入れても幸せ かどうかはまた別なんです ねりつ子さんたちは何不自由なく暮らせ そうなのに ね 私高価なものなんてなくても一緒にいたい 人と一緒にいられればそれが幸せだと思う ん です 私これからも肉じゃが作ります ねちゃんとグリーンピース入り でこの時の笑顔を俺は一生忘れない だろう金の自転車がたに運んでくれた 幸福人生は2人乗りでかけていこうきっと 花に囲まれた明るい家庭になるはず [音楽] だOG [音楽]

【感動する話】貧乏で独身40歳小さな自転車屋を経営している俺。ある日、来店した美人女性客から自転車の修理を受けた。その後、俺の人生は180度変わる事に…【いい話・泣ける話・朗読・有料級・涙腺崩壊】

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※登場する人物は仮名です。実在する人物とは一切関係ありません。
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※このストーリーはフィクションです

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