【朗読】金史良「天馬」(青空文庫)【字幕付】

テマ禁止料1ある重苦しい雲の垂れ込めた 日の朝形状での有名なクは新町浦工事の とある勝家からミスらしい風father の小説家原流がゴミゴミしたロジへ 投げ出されるように出てきたいかにも彼は 弱ったという風にしばらく門前に佇んで 一体どこから本町通りへ抜け出たものかと 試案していたがいきなりつかつかと前の片 の工事へって言ったけれど界隈が界隈だけ に地にはうような軒並のいがみ合っている 入り組んだ工事のどこをどう通れば抜け出 られるか開目検討がつかない右に折れるか と思えばまた座の方へ入っていくやっと左 から出ていくとまた路地は2つに分れて打 展望になるといった具合である何か深い 物思いに沈んで彼はテクテク歩き続けたが 袋工事などに突き当たってはっと思い辺り を見回したりした前と言わず横と言わず 大門に赤や青のペキを塗りたくったいずれ も土壁が今にも崩れ出しそうな家ばかりで あるこうしてまた黙々と折り返し方々脱い 歩く中に等々彼は迷い込んでしまったのだ そう早くもない時刻だがどの工事も ひっそりとして時々朝帰りの客が決まり悪 そうに肩をすぼめてラと通りすぎるどこと も知らず迷い込んだ塩売じいさんはやけに 塩やい塩やいと叫び回っていた玄竜は ようやく酸査に分れたところまで出てくる と ゆっくり緑を1本取り出して加え辺りを 見回しつつ不機嫌層に何かをぶつくさ呟い たどうも気に食わぬ女を抱いたものだと 思ったら帰り道にさえこんなに手こずるワ と彼はぶるのだっただがそれよりも先ほど から彼の心の一宮にはどうしても払い のけることのできない黒い雲のわだかまり があるのだ時々それは強く胸を締めつける ようでさえある実に彼はあるのっぴきなら ぬ事情からこの2日の中に発を剃りお寺へ 修行に参らねばならぬ身の上だっ たそれゆしの喜びもこれでおしまいかと 思えば興奮のあり昨夜相方の頬をメロンだ メロンだと叫んでかぶりついたのであるが 女はこういう天外な芸術家を理解しようと はせずにびっくりして飛び出したのである 彼はそんな不快なことを思い出して畜生 いまいましいと再びつぶやきつつとにかく 一応小高いところまで出てみねばなる舞と 考えを決めいくらか坂になっている工事を 指してまたとぼとぼ歩き出したやはり 突き当たったりくねりくねり曲がったりし つつようやく坂の上陽春間というそれも青 ペキ塗りの大門の前までたどり着いた辺り 一面数百線と坂をなして密集している の消化の屋根が右にも左にも上にも 下にも波打っている生暖かい初夏の風に 吹かれつつ誰かの歌にあるような我今参上 に立つといった格好でしばしつきたって いるとひたひたと寄せてくるやるせない 寂しさをどうすることもできなかった 男たちが魚佐師少女たちの強制が高らかに 響き返っていた咲夜の消化界隈とも思われ ないほど当たり破神感としているだがこの 満ち溢れるイイエの中に何千という若い女 が洗いざらしのいのよにゴロゴロしている のに自分は2日もすれば薄ぐらい尿光寺の 中で寝起きせねばならないのか元龍はそこ で2本目のタバコを取り出して火をつけ ふうと煙を吹き上げたぼーっと加ろに霞ん でほど遠く西の彼方に天主教会道の高く そびえ立った長老が見えそこらあたりに 高層建築が氷山のように村だっている まさに彼の行こうとする目標だそれにして もさてどこから下りていったものだろうか と神戸を巡らしたと思うと彼は我れ知らず 薬と笑った朝鮮家の屋根屋を超えて南の麓 の方を眺めた時本町5丁目と思われる辺り に黒い変圧器をいくつものせた異様な電神 柱が太めにづいたのだそれはいつだったか 尿病院を探してさい歩いた時そこに去る ところの広告がぶら下がっていたことを急 に思い出したからであるそうだあれを目印 にして下りていけばいいと彼は自分に言っ た本町通りといえば形状では1番繁華な 内地人長日本人町でそれは永遠と東西に 細長くつっているようやく店の出口を 探し当てそこから本町5長明玄竜が のっそり現れてたのはもう10時過ぎ通り には人影も多く割り方賑やかだった彼は 文人でも管理でも誰か親しい人に会いたい ものだと思いながら目尻を下げややうき 加減で通りの真中をガニ股で歩き出した あるいは彼自身が言っているように本当に 柔道所以上のためにこすぎるほどの方が へこみこんでいるのかは知らないがガニ股 はあの妙な伝神柱を知るようになって以来 のことだったことに救いのないような孤独 と深い有門の中にとらわれている今の彼で あるけれど等々明治成果の近くに来るまで ついぞ誰1人にも会うことができなかった その時ふとこの目好みで開かれた咲夜の 会合のことが思い出される こそ朝鮮文化の恐ろしいダだと叫んで皿を 投げてきた評論仮名色の鋭い顔がすっと ひらめいて見える彼は思いぶかにその 入り口の前に立ち止まると変青臭い野郎 やっこ今こぶタバコでとにやり薄笑いを 浮かべたそれからどれ1つ入ってやるかな という気になったらしく急に胸を張り肩を 怒らして慌ただしげに扉を押して入って いった ホールの中はガランドですみっこにわずか 2人の外交員風の男が向い合ってひそひそ 何かを話し合っているキリである玄竜は その真中の方へむに進んでいきどっかり 座り込むと旧時の女の子を手招き寄せ しばらくじっと顔を見上げていたが女の子 が君悪気にあむを見るなり突然叫んだ コーヒー女の子はびっっくりして飛んで いったではすっかり満足して似たっと笑い を浮かべお尻をあげると今度はどういう つもりか調理場の硬い犬のように入って いくやひずみませんねと総合を崩し手を ぴょこんと差し出したおしりを1つこう いった馴れ馴れしく見るに調理人たちは 当に自分を知っているに違いないと思って いるわけで あろう聖ほが党は昨夜2階で起こった負傷 事件を知っているので原をを覚えてい たちょうど朝鮮文人たちの会合があって 何かをみんなが熱心に討論しあっている ところへ片隅で突然原becaがケラケラ 笑い立てたかと思うと彼は1人の若い男 から突然皿を投げつけられ頭を打たれて 倒れたが仰向けになったままなもふくされ たようにケラケラと笑うのを止めなかった その場で理名食というその若い男は障害の 角で石の警官にされていった調理人たちは その石場の原料のふてぶてしさに随分 驚かされたがまたこういう調理場のような 変なところへ彼が現れてみるといよいよ 面食らって軽減そうにお互い顔を見合わせ た誰とて笑うものもなくただ1人が驚いた ように首を振っておしりはないという仕草 をしたと彼は1度デリと横目でみんなを 睨みつけいきなりネズミのように水道の肩 へ飛んでいってザーザー水をぶっぱなした かと思うと頭を突き出してふふ水を浴び ながら顔を洗うのだった皆は天からあけに 取られたが彼がへへへとテレクそうに笑い つつ出ていった時きちいじろかと先の1人 は首をひねったのであるいや下流だ原 becaだよそうだあれに違いない小説家 の流だよとうとみんなは口に合いながら 食器の出し口に寄りて覗き出した見れば 玄竜はもう自分の席に帰って長棒において あった長官をわしづかみにして顔や首筋を 拭いているのだった彼はちらっと流し目で 調理人たちが爪より自分の方に目を注いで いるのを見やるとすっかりいい気になって 真っ黒く濡れてしわくちゃになった新聞を ポンと覆うように宅の上へ投げたそこで 何気なしにれに目をやったところ髪の1つ のひの肩を大きな1匹の南京ムシが のそのそは回っているのを見て目を見張っ た思わず彼はニコリと笑いを浮かべ心持ち 体を乗り出したのである南京虫はあまり日 をむさぼりすすったのであろうか急に 逃げ腰になってはいるが赤く膨れ上がり すぎて足が言うことを聞かぬらしく体を やましている形だった時々滑って転げ落ち になるが指先を持っていけばまた慌てて 逃げ出すのだった元々彼は南京虫が好きで ある地べたにひっついてはく様子が自分の ざによく似ているとでも考えているの だろうかあるいはそのずぶさやずるさが 好ましく思われているのかもしれないそれ におやこれは今まで自分の首筋をはい回っ ていたのに違いないさてはあのメロン頬の 女からしわせられたやっこかなと思うと なぜかしらくすぶったいような腹立たしさ を感ずるのだった彼はいきなり肩をうねら せてひひひと笑ったがやっと思ってみると いつの間にやら南京虫はすごすご急いで 今度はひの裏の方へ逃げ隠れようとして いる彼は素早くその一端をつまみ上げて そっと裏返しいかにも白そうにあくまで その行方を見守ったところが物の23分も ぬ中に突然彼は目を向いて行産に驚きのっ た南京無はちょうどある1つの見出しの上 を通りながら一時一時を彼へそれとなく 読ませたのだ実に何ということか瞬間これ は天友とも言うべきいいチャンスだぞと彼 は思ってしまったキリストの復活だとも 考えたたえ学芸乱の一宮の小さな勝とは いえ彼とはそれこそ本当に波にならぬ進行 のある東京分団の作家田中が満州へ行く ついでに京城へ立ち寄って朝鮮ホテルに縮 しているということをそれは知らしていた のだ行かねばならん玄竜はブルと身を 振るわせて立ち上がると一旦重々しく肩を すめ出口に向かって南京虫のように動き 出した彼には固く念ずるところがあったの であるちょうど生品にコーヒーを運んで くる女の子とぶつかりそうになると ひったくるように茶碗を捉えあげて熱いの も構わずグイグイ飲み干し呆然となって いる女の子や調理人たちをしりめに あたふたと出ていくのだった本町通りは いくら午前中でも名好みあたりから通り 出口の方にかけては人々の軍でいつも氾濫 するほどにざと するそっかしく下駄を鳴らして歩く内地人 日本人以下同じや口をと開けて店先を 眺める白衣のおりさんや陳列窓に出した 目玉の動く人形にびっっくりし合う老婆 たちや買い物に出かける内地夫人ベルの音 もけたたましくかけていく自転車乗りの 小僧にわずか実践ばかりの運賃で荷物の 奪い合いをするち軍などで玄竜はこういう 人々の波をくぐるように急ぎ足で通り抜け 千金朝鮮銀行前の広場に出て立ち止まった 電車が茂行か自動車が軍をなして ロータリーを走り回っている彼は慌てふめ きつつ広場を突き渡って向かい側の静かな 長谷川町の方へ入っていったしばらく歩い ていくと右側に高い昔風の兵が続いて捕食 蒼然とした高層な大門が 立ち現れるそれをくって入れば広い庭園の 中に韓国時代どこかの国の皇子官であった とかいう立派な感があった玄竜はそこまで ほとんど無が夢中にたどり着くと胸を踊ら せつつ回転扉を押して追い込まれるように 入っていった田中君に取りついでください と彼は丁場の前に立ち現れるなり12分に 異言を作ろって口を切った僕玄竜と申し ます髪を綺麗にすいて分けたボは野郎まき やがったなと言った調子で彼の肩を上から 下へとじろじろ眺めてからお出かけですが 出かけた原familyはいかにも意外 らしげにしかも自分はそれを十分以外に 思ってもいい人だという風に一体誰とはあ ボイはイけされて恐縮したそのなんでも 雑誌者の方でしょうか雑誌者の方旗と悪い 予感に襲われてから慌ただしく問い返す原 の顔には明らかに老廃したような苛立た しい不安な影がかめ通ったそれはきっと 大村に違いない大村だとすればこれは大変 だと思ったのであるそれで咳込んで尋ねた 勇志の大村君じゃないんですかそれは 分かりませんよと今度は横合いの方から他 の中年のボイがまるで起こったように叫ん だ実際内地日本以下同じの芸術会から誰か 知名の人でも来るとぐーたらな文学崩れ たちがいかにも朝鮮の文人を代表するよう な面で押し掛けてくるのでボイたちは うんざりするのだった今も田中が大村や ある専門学校教授とに伴われ後には のそういった文学崩れを45人ぞろぞろ 従えて出ていった後である元龍はこにこう いう訪問の癖がひどくて毎日のようにお客 を尋ねてくるので暴たちでさえよほど彼を もてあましているわけだったいちいちそれ まで覚えておれませんからねえなるほど これはどうもへへへそうでしょうなと元龍 は言いつつ頭に手をやってひくつそうに 笑うのだったけれどどうしてもそのことが 気にかかってならないので多分大村君じゃ ないでしょうねそうですよきっとそうです よと何度も1人で強く 受けいれから急に首を突き出し手では奥の ロビーの肩をしながらちょっとソファーを 借りますぜと言うとくるりせを向けた そしてロビーは人を待つのに役立つことを 自分はこんなによく知っているぞと言わぬ ばかりの様子で肩を揺りつつゆっくりと ロビーの方へ向かって進んだそういえば彼 の小説にはいつもホテルやロビーとか ダンスホールサロン貴族夫人クロボ運転手 といったようなものがどっさり登場してい たところで彼は何を思い出したのかつと 立ち止まったと思うと振り返ってから叫ん だのである田中君が帰ったら1つ頼みます ぜえ僕は眠いんですよ2広々としたロビー のソファーに横になっていびきの音も高く 龍に45時間も心ゆくままに眠りを取った 玄竜は洋服の誇りを打ち払いつつぼそぼそ 起き上がったロビーの中はもうすらく ガランドである 両手を広げてゆっくりと伸びをしながら何 度もあびをやったすると急に彼は空腹を 感ずるばかりでなくなかなか田中が帰り そうもないので一応出ていこうと思って 寝ぼけた顔を突き出し丁場の方を伺ってみ たところがちょうどもっけの幸いに長場に は誰もいなかったので彼は素早くダトの ように抜けて外気の中へ飛び出したので あるもはや午後の日差しがうっすら寂し 大道に限りからっ風があちらこちらに誇り を吹き上げているどこかで安い食事を取っ てそれからひとまず田中徹が行っており そうなところを方々探し回るねばならない と彼は考えたけれど自分にもどういうわけ かははっきりわからないが彼は再び歩き 出しつつ怪しからんと行き道しげに呟いた おそらく田中が自分に挑戦へ来るからと いう知らせのはがき1枚もくれなたことを 言うのであろう確かに彼は自分が朝鮮に 帰って今は歴とした大家になっているなど とあれもないことを何度も言ってやった はずだのに我が形状は黄金通りを教会戦と してその北が純前たる朝鮮人外である 長谷川町から黄金通りへでサボリラの前へ 通りかかった時元龍はちょっとのだけに しようと首を突き入れ人当たり支援の中を 見渡したがその途端に割れ知らずニコリと 笑ったいっぱい人々の戸を巻いているさ中 に目も覚めるばかり真白く着飾った女流 詩人分そ玉がユのようにそそと座っていた のだ彼は急に幸福な気持ちになって転ぶ ようにその中へ入っていった有名な原 answerが現れたので人々はお互い つき合ったりぷっ吹き出したりわざと下げ ようにソポを向いたりしてい た人はちょうど若い大学生の恋人を待って いたところだがこういう中止の的の小説家 が自分の方へやってくる嬉しさについ何も かも忘れてしまいやや大きい目の唇を歪め て含み笑いながら彼を迎えたのだあらまあ げさ珍しいですことへへえこれはまた しごく面白いところでと近づくや玄竜は 彼女の向い側の方にどっかりと座り込んだ みんなの後期の目は一斉にこの2人の方へ 継がれた最も彼らはミナトックからもう 退屈していただが退屈といえば毎日のよう に退屈な連中ばかりであるいわゆるサボの 彼らもまた現在の朝鮮の社会が生んだ特別 な種族の1つで あろう少しばかり学問はあるが職は与え られず何もなすことがないので神でも クラークゲブ式に分けてみようといった 手合いとかあるいはどこかに製作費を出す ようなバカ息子はいないものかと首を ひねり合うちょび髭を生やした映画不良 やら何かこそこそとすみっこで企み合う 金山ブローカーたち現行用紙の束を片手に 持って歩かねば芸術化出ないと思い込んで いる低級な文学青年そういった連中ばかり だがさすがに彼らも23時間以上も頑張っ ておれば話題は月頭も疲れていた檻なので 突然原answerが現れ美しい女流詩人 と思い合うようになったことは確かに興味 深いことにそういなかった経常の文化社会 で誰1人知らぬものはない2人が偶然揃い も揃って滞在したわけであるそれに文そた は玄竜にとっては単なる女流詩人ではない ということも彼らはよく知っていたので ある今日はまたどうなさいまして彼女は わざとはうように口元へ判決をを当てがっ た実は平の家したっと新町に行ってきたん ですよと言って玄竜はいかにも好奇心を そるようにニヤニヤと笑いを浮かべた無論 女流詩人はそのドイツ語の意味を知るよし もなかったのでえと目を丸くするや彼は いよいよ得意げに腹の川をよじらせつつ 笑うのだったそしてまた思い出したように ふふふと笑った大敗の限りをを宿した彼女 の頬には校長がほんのりと差し現れ縮れた 前々の神はゆらぐかのごと見えた玄竜は急 に痙攣でも起こしたようにこってぶっ食い めけで彼女の顔を凝視したカルスな女流 詩人分ソタは玄竜をこの上もなく尊敬して いるのだった彼はイじい歌の言葉ラテン語 やフランス語を知っているばかりか彼女の 好きな乱暴やボードレールともただ国籍を ことにしているだけにすぎないと彼女は 固く信じている玄竜はまた自分でもそう ぶき回っていた何しろ彼女は詩人としても 乱暴の歌をいくつかもじってみたくらいの ところであるがそれを元龍が23流の雑誌 に担ぎ上げて彼女の美貌と共にその前とを 歌ったのだ彼女がすっかり詩人になった 気取りで人の出版記念会とやらにはどう いうことがあっても出席するようになった のもそれ以来のことである彼女が目もまう ようなあやかな姿で会場に現れると元龍は いつもぶるっと立ち上がってこっちへ こっちへいらっしゃいと自分の旗へ連れて くるのだった彼女も初戦は現代の朝鮮が 生み出した不幸な女性の1人であるとも 言えようか口を開けば愛言葉である法権 ダハという若々しい熱情から女学校を出る なり結婚問題さえ振り東京にまで留学に 旅立った彼女だが内地で専門学校を出ると 同時にそつては自分が打破せねばならぬと 言いかつまた戦ったつもりの険性の復讐を 真っ先に彼女じ見受けねばならなかった 当時は結婚しようにも早婚のため妻を持た ぬ青年はどこにも見つけかららなかったの だあたら青春の知をいかがともすることが できずこうしてだんだん男たちと接触する 中にの道に落ち込んだだが彼女は己れこそ 真光から旧制度に反抗し新しい自由恋愛の 道を切り開く戦者だと思い込み次々と自分 の方から男を作っていくのだった玄竜も他 ならぬその相手の1人であるただ違うと すればそれは下流とだけは2人同士がお 互いの境地になれ合いすっかり満足し合っ ていることと言わねばなるま夕べの大村君 がまた僕んとへ来たんですよいいですか 大村君がウイスキーを持ってきたんですよ と原理は続け出した今夜中に書いてくれ なければどうしても帰らんと言ったような わけでしてねそれにはさすがに僕も弱り ましたよちょうど東京への現行を書いてい たところなんですから一寸素晴らしいもん ですぜDという一流雑誌に3月も前から せびられているやっこなんですよ期待し ますは女流詩人はこの上もなく感動して 小さな目を輝かした僕はも朝鮮後の捜索に は凝りました朝鮮後なんかクソくらえです だってそれは滅亡のジフですからねそこで 昨夜の会合のことを思い浮かべながら でたらめな見を切って見せた僕は東京分団 へ帰りざくつもりです東京の友人たちも皆 それを一生懸命に進めている ですけれどその実ふそのような女は昨夜明 好みで本当に朝鮮の文学を盛り立てている ような真摯な文人たちの間に会合があった ことを知っているわけがない原beca だってどこかでこの文人たちの集まりの ことを嗅ぎつけてほとんど会も終わる頃 のっそりと現れたのだがそこには彼を朝鮮 文化の恐ろしいラとして増品跡している 男女ばかりがずらりとなんで年々に興奮と 緊張の色をみならせて朝鮮文化の一般問題 だとか朝鮮後による作問題の是非について 熱心に討論し合っていた彼は兵とを洗い つつ決まり悪そうに片隅へ離れてチコなと ごをかけたやはり彼らは自分たち自身の手 で朝鮮の文化を打ち立てそしてその独自性 を張させるべきでそのことはまた結局は 全日本文化への寄与でもありまたは東洋 文化のため世界文化のためでもあるとと 語っていた玄竜は1人1人の顔をじろり じろりと眺めまししつつまるで人を食った ようにニタニタ笑ってばかりいたものだ一 瞬間若い血気盛りの評論仮名色の鋭い視線 と立ち合ったことを覚えている彼は思わず その時ぎくりとしたなんだか理はブルブル 神経の1つ1つをふわせているようである 突然相もは興奮のあまりに喉元を極々させ つつそれは地名なことだと叫ぶのだった 朝鮮後でなくては文学ができぬというわけ ではない僕は言語の芸術性のためにのみ このことを言っているのではない何百年と いう長い間転な感覚の重圧の元で文化の光 を拝むことができなかった我々が曲がり なりにでもだんだんと我党のたい文字文化 に目覚めてきた教ではない か利長500年来の悪性の影に生まれた 文化の宝玉を発掘しそれによって過去の 伝統を受け継ぐために過去30年間我党は どれほどちみどろな努力を払ってこれくら の朝鮮文学でも打ち立てたのであろうか この文学の光文化の目をどういう理由で僕 たちの手でまた葬るべきだというのかだが 僕はこれのためにまたいたずらに的になっ ていうのでもない実に重大な問題は の8割が文盲でありしかも字を下するもの の90%が朝鮮文字しか読めないという 事実なんだその時元龍は突然ききと笑い声 を立てた黙れ黙れという声が嵐のように 起こったまあいいとすもは目をつぶって木 を押し沈めようと務めながらうめくように 震えを帯びた声で論を進めた朝鮮後での 実作がこの人たちに文化の光を与えるため にもはたまた彼らを楽しませるためにも 絶対的に必要なのは論をまたぬことでは ないか今も現として朝鮮文字の3大新聞は 文化の役割を立派に果てしているし朝鮮 文字の雑誌や観光物も民衆の心を豊かにさ せている朝鮮後は明らかに九州の方言や 東北の方言のの類いとは違うもちろん僕は また内後で書くことを反対しているのでも ない少なくとも言語の装備ニストではない のだかける人は我らの生活や心や芸術を 広く伝えるために大いに働いてもらわ なければならないそして内後で書くことを 飽きたらずとするものまたは実際に書けぬ ものの芸術のためには理解ある内地の 文化人の指示と講演のもにどいい翻訳期間 でもこらえて紹介するように務めるがいい 内かかずば筆をオルべしという一派の現の ごときはあまりにもボボ同断であるそこで 急に卓を叩いて立ち上がったそれでだ元龍 君はこの問題をどう考えるんだ玄竜を 睨みつける目からは火が出るようだった彼 は瞬間すみ上がったことであるその未原 はてよく愛国主義のの美名のもに隠れて 朝鮮後での作は愚か言語そのものの存在 さえも政治的な無言の反逆だと残部をして 回るものの1人なのだそれでなくてもこう いう純粋な文化的な術策行動も朝鮮という 特殊な事情からその本来的な芸術精神さえ がややもすれば政治的な色彩を帯びている ものとして同局の誤解を招きやすいと言え ば 言えるに自閉以後その器具は一人叱るべき である玄竜はそれにつけ込んで愛国主義を 振りかざし人々を売り付けながらのさ回っ ているのだったそれでどれほど多くの無実 な人々が不安と競争苦の信淵に突き落とさ れたことだろうか実際この会合は元龍一派 の現に対する批判会だったのである玄竜は その時体をそらしていかにも馬鹿にした ように朝鮮後 と一言あってせせら笑ったここにおいて ついに理名食は心燃え上がり皿を取り上げ てぶち投げた皆はどっと騒ぎ出しただが彼 は頭を打たれて仰向けに倒れてからも ふくされたようになおケラケラと笑い続け 理名食は障害の角で謙虚されたことは すでに母承知である母から彼は会場を出て 1人で新町の店の中へ浮かれんでいって どこか安い名でウイスキーを何杯も 引っかけるなりその足でょかの門をくった ものである彼はそれを思い出すとなんと なく気恥ずかしくもありまたおかしくも なって薬と笑ってしまったそれから 紛らわせるように慌てて立ち上がりかけた いつ頃でしょうかまあいいじゃありません の本当にせっかちですことと言いながら文 玉はちらっと腕時計を覗いたまだ6時前 ですのよそドをコーヒーを早く持ってきて よじゃついでにトストももらいましょうか ねと言って釣り込みれるように再び元龍は 腰を下ろしたそれでです何しろ社長の大村 君が時々やってこられたんじゃねと僕もま いって書いてやったんですよするとやっこ さんすっかり喜び上がって僕を引っ張り 出してねグデグデに酔っぱらうせてあの ノイエシタットに連れ込んだんですよ ところがそれがねメロンのように頬の 黄色い女でしたよそれからこのメロンの ようにという言葉がとても肉感的に思われ て自分ながらすっかり気に入ったらしく もう一度繰り返して強調したメロンのよう にねさすがの女流詩人も彼が臆面もなく 行ってきたというその意味がやっと分かっ たと見えわれ知らず顔をほてらしたがそれ でも自分の気詰まりな様子を見せては 安っぽく見られるに違いないと思い返して いかにもそれはもうとっくによく知って いるけれどと言った調子でこう応じたのだ 良かったんですわね素敵ねそれでもげさん をお寺へ入れるというお方がよくまあ そんなところへ連れて行きましたのねだ からですよと小説家は顔の筋肉を引きつら せて慌てたように叫んだそれだから官僚 たちの気はどうも分からんというのですよ 一種の気まぐれなんですねどするに大村君 は僕という人間がまだ分かっていないん ですつまり尋常でない芸術家が分からんの ですそうね女流詩人は修繕として受けがい て見せそれから不にほほほと笑い出した いや笑うことではないのです乱暴や ボードレールが一般の俗人たちにどんなに 避難されたかを少しでも思い出してご覧 なさい原はいよいよ夕べになって手を 振り上げた朝鮮の芸術かそれは何という 不幸な存在でしよう自然は後輩し民衆は 無知でありインテリはまた芸術の高きさを 知らない僕はここでゴーゴリが ペテルブルグの画家を嘆いたことを 思い出します全てが鈍重で喜びもなくまた 誰1人にも朝鮮の芸術家は大事にされない のです捨てられた悪の中でもがき合って いるだけなんだ僕もつまり悪の中に 吐き出された1人の犠牲者なんですよ なるほど僕は誰よりも大村君とは親しいし どんなことでも相談し合ってきただが今に なっては彼はこの僕に向かってお寺へ行っ て座禅を組めと言のです彼のそういう 気持ちは分かるけれどそれは芸術家には 自殺を意味しますよ坊主になるなんてだが まあよろしいと僕は思うところあって言っ たのですボードレールも歌の言葉で大性必 よ性筆よと憧れましたケドそを結びつつ 口元に笑いを浮かべた彼の顔は妙に痙攣を 起こしたように震えた一種の保護観察なん ですのね思想犯じゃないけどそうなんです よと彼は泣き面を書きながらおろおろ声を 絞った僕は朝日までには坊主になってお寺 へ行かねばならんのですそこで彼はぶるっ と震え上がり膝を乗り出したところがです ね実に素晴らしいことには東京の作家で僕 の親友でもある田中君が京城へ来ているん です是非会いたいということで先ほど朝鮮 ホテルへ行ったけれどとても遅かったので やっこさんはしびれを切らして大村君 あたりと一緒に出かけたらしいのです あまり気の毒なんで僕はこれから探しに 行こうとするところです何なら紹介して あげましょうか朝鮮のジョルジュサンドと してまた僕のリーベとして詩人は目を つぶって見前と笑った彼女はいよいよ若い 大学生と待ち合わせていることをすっかり 忘れてしまったえありがとう紹介して いただきますわそうしたら玄竜はじっと 彼女の笑顔を見つめていたが瞬間蒼田今晩 は久しぶりにこの女を連れて帰るんだと 1人原で定めこみこれを聞くと田中君のが 焼きましょうぜへへへあらそうでしたの 東京の恋人ってその方のお妹さんおほほ これは面白いわねそうなんですよそうなん ですよと彼はわがままを得たりとばかり いかにも愉快そうに叫んだ僕が東京を 引き上げる時彼女が追いかけてくると言っ て大変だったのですとにかく田中君も今 じゃ大いに目が出てもう中堅の作家ですよ どうでしょう彼を囲んで僕たちが1度集っ たらその時も是非来てくださいねえそれは 無に行きますわところで実はですね田中君 は大村君とは大学の同窓でとても親しい仲 なんですよと後にぐっ身をそらして急に 真剣な表情を作ったがそれにはみじめと まで言えるようなほのかな明るい影が 浮かび上がったそこで僕は田中君に大村君 を口説いてもらおうというわけなんです つまり芸術家を理解させるんですよそう ですこれは確かにパリ娘のあなに会った こと以上に重大なことですそしたらきっと 僕はお寺へ行かないで住むと思うのです そうですわねそれがいいですわそれがいい ですわ女流詩人は肩をゆすりつつ息も せわしく心からの喜びを表した本当にそう なればいいですわね事実小説化原 answerにしてもそう悪い人間では なく少年は至って弱い憶病もので文学の 才能にも伊坂は恵まれていたただ長い間の どうすることもできない凶暴や孤独や絶望 が彼の頭を格してしまったそれに今は朝鮮 という特殊な社会が彼をますます根明に ぶち込んだのである一種の性格破綻から父 や兄には感動され業はならず生活費の当て とてなかった東京での15年間の生活と いうものはそれこそ正しく哀れな野犬同様 だっ たことに悪いことには自分がである ことをどう格闘にも彼の骨組や綿棒が紛れ もなくにできているので下宿へ やろうとしても第一が顔それにボロボロの ズボンと来ているから手もなく断られるの であるで彼はの刑事でも受けたように苦肉 の一作として急に自分は朝鮮貴族の息子で しかも文学的な天才であるばかりか朝鮮 分団では第一流の作家だと触れ回ることに した彼はそれでであるがためにより 余計に受けねばならない別子やきたいこと をも多少は緩和させいくらか暮らしの上で も融通を聞かせようとするつもりである ところが奇跡的なことにはその方法が全く こうをそうして次々と23人の女に買わ れることができたこうして都角12年する 中にすっかり彼は自分が本当の朝鮮貴族で ありまた文学の天才であると錯覚を起こし てしまっただが文学の道だけはどうにも ままならずで悶々としていたがある年女を 切りつけた罪で相関をよぎなくされついに 破れかぶれの気持ちで挑戦へ引き上げたの であるそれからは朝鮮後で木を照るような あるいはイビを極めたような文章を綴って 低俗な雑誌へ方々売り込みに歩いた信玄袋 にはいつも現行を入れて担いで回りバーや カフェを荒らしては巡査に捉えられ食を 聞かれると得意になって文子の原料だと 言い放った呼ばれもしない会に現れては口 を開けばフランス語やドイツ語ラテン語の うを覚えているだけの単語をでたらめに 喋り散らしの前では自分は柔道初段以上だ からトネを張って見せるそしていつも東京 分団で自分がいかにも大活躍していたよう にだらだら自慢話を並べ立てたそれがあか も今の朝鮮での自分の存在を高めるとでも 思っているかのように万事がこういう調子 なのでだだ世間の人は彼をきいとして 取り合わぬようになったがそうなればなる ほど彼は願ったり叶ったりでいよいよ頂点 になって真実の天才なればこそ俗人たちに は入れられぬものだとうぶいただが彼の 素質がおいおいと露見するにつれて とうとう卑属なジャーナリズムでさえ彼の 文章を受け付けなくなり文化人たちはそう を結束して彼を文化圏内から放置すること にし たこうして身動きができなくなったその時 から彼は酒を飲めば柔道のことはもう一切 愚に出さずいつの間にか誰にに向かってで も貴様こそ韓国に放り込まれてのかとコ かしに叫ぶようになったのだ同時に彼は どんなことでも使用せる男として見なから 恐れられだしたこういう男にでさえ癒しく も自局的な言葉で迫ってくる限りビクビク せねばならぬとは朝鮮の文化人のために何 という悲しむべきことであろう かそれにつれて玄竜の心もますますやけに すさび町で一層暴行や教に雑な行為を働き 回るようになったが今度は巡査にとめ立て られてもケラケラと笑い僕のことなら大村 君に聞けと怒鳴りつけるのだった彼がこう いう風に人の前でいつも気つけに呼ぶ大村 というのは実は朝鮮民衆の愛国思想を 深めるために編集される自局雑子由の責任 者で ある内地から渡ってきたばかりの元管理で まだ挑戦やその文化の事情にうか彼は最初 に近寄ってきた玄竜こそ彼の言葉の通りに 朝鮮分断を実際に担う小説家でありまた その性格破綻に近いところなどはいよいよ 彼が非凡な芸術家である遊園だと堅くに 信じ込んだこうして絶望の原answer はわけもなく大村に取り入り徴用される ようになったのだところが洪王師とかで それから間もなく元龍はあるいっって奇妙 な事情からスパイの権を受け平隊にあげ られたのであるちょうどあるうらな日の 午後のこと彼はいつもの本町通りで1人の 年若い要feelなフランスのアと称する 女を見かけたのだった彼は有してボナミと かまどわぜるウイメルシーとか片言を並べ つつ近づいていった青い瞳の女もなかなか 心得たものでたどたどしい日本語ながら 自分は万友に来ていて孫ついていると言っ てやんわりはった彼はますますいい気に なって方々彼女を連れて歩きながら道行く 人々に聞こえよがしにボンジュール トレビアントそンススワルとか知っている だけのフランス語を全部叫んだそして わざわざフル本屋へ引っ張って入り自分の プロフィールの出ている三流雑誌を 探し出してグラビアのページを開き誰で あるかを知っているかと得意に自分の写真 を指さしたと彼女は驚いたふをするそこで 彼は越に入っていきなり人の目を盗んで その写真をちりとり無理やりに彼女の ハンドバッグへ押し込んだその後あんなは トマ皇国教でスパイとして謙虚され彼は 九段の写真が彼女の手元から出てきたため に同じく剣技を受けて留治されたこうして 大変なことになるところを大村が館長の力 で色々と釈名本して身柄をもらい下げて くれたので彼は大村には一斉一代の恩義を 感ずるようになったわけである出なくても 朝鮮の一般の人々に野犬同様に見放された 現在の彼は大村にまで捨てられてはの垂れ にするより致し方がなかっ たが今はもう朝鮮にも愛国熱は前時高まっ て初期の目的はほとんど達せられつつある のに愛国主義を振りかざして社会の考案を 妨げ至るところで悪事を働く原をそのまま 用いることは大村の維新にも関わることと 言わねばならぬその民友原流に関する限り 氏直当局に対する避難攻撃が華々しく警察 でもそろそろ打ちさを始めたのだったそれ で大村は警察に渡すには忍びない気持ちと 持ち前の新人深さからお寺へ赴き座禅修行 をして早く謹慎の上でも見せろと命じたの である事態がこうなってみると元龍はその 命令に背くわけにはいかなくなったのだ いよいよこの2日の中に出かけねばなら なかったそれゆえこの斎藤京の作家であり また大村と同窓でもある田中が来場した ことに一切の望みをかけ自分が自由に足を 伸ばし得るように色々と大村を彼から 口説いてもらおうとするわけであるだから パリ娘のアにあった以上に重大であること は無論だった僕はこれから田中君を探しに チンの裏へ行くのですさあ1つ出かけ ましょうかと玄竜は急に元気になって通す と1度に二切れも口に突っ込みながら尻を あげた私も行きますわあそれいいわよと 言って女流詩人は彼の手から感情がきを もぎ取って立ち上がったがどうしたのか急 に表情がばって石のように固くなったまも なく彼女は少しおずおずしだしたおやと 思って玄竜が振り返ってみれば入り口の とろに角棒をまくかぶった背のひょろっと して高い大学生が青く引きつった顔をして 突きたっていたそしてチロリと玄竜を睨ん だその時急に悩ましげなスペイン民用の レコードは止まり人々の視線は一斉にこの 3人の方へと向けられていた文ソ玉は いきなりそさと身をかわして入り口の肩へ 行きドアを開け若い大学生を引っ張るよう にして外へ出ていった玄竜は打ち砕かれた ように呆然と立ち尽くしてそれを眺めたぼ 方では皆がキキキと笑い合う声が 聞こえるところがまた像4分もしない中に 彼女は慌ただしく彼の方へ飛び込んできて 私のいこですのと咳込みつつ小さく叫んだ 芝居へ行こうと約束していたのをすっかり 忘れていたんですのそしてはっと思う間に 明日の朝行くわと耳元に囁いて再び飛んで 出ていったのである待て待てと母から急に 老廃したように叫びつつ彼は手を振り ながら飛び出しただがもう外は暗い夜で 2人の影はどこへ行ったのやらすでによう として消え失せていたみくそ忌々しい ちくし覚えとけとうと小説家原流は肩を すめたまま何度もブツブツつぶやきつつ 朝鮮人外で一等賑やかなちょの通りを差し ていかにも浮かれたような足取りで歩いて いったあの女郎やっこまでこの俺をバカに している少々ふざけているぞと彼は自分に 言ったなんだか大事な主柱の玉を奪われた ような気がしてならなかったするといつも のように彼女の不調和にも長い道の下に 続くびに大きなお尻が目の前にちらついて 見えそれに向かって温かい知の常談が ドクドクと流れる切ない快感を覚えるのだ 彼は1人でに気が無線で来てごくりと音を 立てて片を飲んだその時ふとどうしたこと か彼は自分の耳元に彼女の囁き声が聞こえ たように思われたのではっと驚いて 振り向いてみたけれど無論そこに分そ玉の 影もあろうはずがなくただ道行く人が1人 さ臭そうに立ち止まって彼の姿を眺めてい たくそ忌々しいと彼は再び口に出して呟い た白亜県の大きな経営の銀行前を 通っていつの間にかチの四辻の方へ近づい てきた急にあたりは想像しくなり人力者は 走り自動車は流れ電車はもかしげに警笛を 鳴らしている百貨店和信と半チョビルの 高層建築を点と 東大門の肩へ向かって大通りを挟み立派な 建物が海峡のようにつっていたちょうど4 角に立っている旧正規物の女岳の前へ出る とせまっていたおいぼれの乞食たちは手を 差し伸べ汚らしい乞食の子供たちはどこ からともなく稲虫のように群がってきた 今年はめっきり乞食が増えている彼は物々 し手を振り上げて子供たちを追い出した 完成の前あたりからは歩道にも読見が 出張っていて人々の流れでざとしバイス たちの掛け声がかしく響き返っている ちょうどその夜店並びの入り口のところで はもみ高い連中に囲まれて白い頭巾を来る んだ100勝男が酔いつぶれたらしく手を 振りつつ何かを喉に詰まった声で仕切りに めえている一体どうしたのだろうと首を 出して覗いてみれば男の旗にはちが立て られそこには大きな桃の花の1杯ついた枝 が乗っかっていたそれでシシは花束に 生まれた形で首をうれている花々はいかに も痛い気であるわしあかをもらった年に 2人でこの桃の木を植えたんで出すその かかが死にやがっただそのかかがよと百笑 は叫んだ白米の重湯が食べてちゅので地主 さんところへ借りに行った間に死にやがっ たださあわッシア桃の枝をぶった切って 担いできたんでがすぞ勝手したせ一20戦 多くはいらねえ20戦でええ山をなす人々 は面白そうに顔を見合わせながらゲラゲラ と笑い合った玄竜は懐で押したまま人がき を押して中の肩へ塗っ現れ出たそこで しばらくの間目じりを下げていかにも感慨 無料といった様子でしげしげ桃の枝を打ち 眺めたなぜかしら即すトネの中を伝わって くる悲しみを覚える彼は何かに取り憑かれ たようにつかつかとししの旗へ進んでかを 取り上げじっと思いを込めて見上げた今を 満会に先誇っている薄紅色の花が20ほど もつらなりに枝を覆ているさあ旦なかって したせわしはこれを叩き打って酒を飲んで くばって見せまさえ皆どうして笑うんでが 勝てしたせえ笑うでねえ勝ってしたせえ これはありがてえありがてえ片方の手で バラ線を探していた玄竜が白道かを2つみ つかみ出してポンと投げ出したのだ百勝は 強気して頭を血につけおがんだそれを知り 目に玄竜は黙ったまま桃の枝を肩にかける と人々をかき分けるようにして再び人混み の中へ出てきたその時彼は自分の格好から か不にそれといった脈絡もなしに十字架を 終えるキリストを思い出し自分にもその准 教者的な必な運命を感じようとした自分 こそある意味ではの問や卑を一味に しってたったような気がせぬでもなかった なるほど朝鮮という現実であればこそ彼の ような人間も生まれでかつ社会の中をのり 回ることが許されたからである混沌とした 朝鮮が僕のような人物を必要として 生み出しそして今になっては役目が尽きる と十字架を追わせようとするのだ彼はそう いう自覚に立ち入るとますます悲しみが胸 を突き上げてきてどと同国したいくらい だったけれどそういうこともつかのま歩道 一杯の人々が驚いたように皆自分の異様な 格好を眺めているのに気がつくとむしろ 今度はケロリとしていさ得意にさえなった のであるぽこ詩人の女郎やっこ貴様がつい てきたら本当にこの僕の天外な像が分かっ ただろうにバカな女郎やっこと彼は心の中 で分そ玉をニニしげにののしった夜見の前 はおすなおすなの込み合いである先からの 乞食の子供たちは面白そうに56名跡を ついていったその中に突然前の方で喧嘩が 始まったと見え騒ぎ出したので彼は避ける ようにして少しばかりもってくるとイエス 所管の横から折れて薄ぐらい工事を入って いった乞食の子供たちはこの時とばかり もう一度彼の旗へまつわりついてきて手を 出しながら旦那目分でちょうだい目分で ちょうだいと哀れっぽい声を絞った彼は つい木がめいったようになって同かを バラバラと56枚投げあえた子供たちは 規制をあげ暗がりの中で頭をお互い ぶっつけながらもがき出した原はそれを 振り返ってヒヒヒと笑いかけたがふっ涙が こみ上げて慌てて腕をあげて吹いた裏工事 に出ればそこはいわゆるちょんの裏で カフェバー損するちびおでんや麻雀や終戦 や飲食店旅館島が目をピカピカ光らせたり 口を開けたりしりごみしたり地べたに ひっつくようにしゃがんだりしている ギーギーとが想像しあたり一面で唸りたて 洋服や白い着物がうろつき回っている景気 のいい商人や相徳不あたりのコイ 無職で金のある青年モダンボーイそして カフェー音楽かバーマルキスト塔が夜は よくこの界隈で禁煙をあげるのだった中に は大米をばらまきに来た金山男もいる いよいよ目的地へ来たぞと原becaは 考えた 例え田中が大村に案内されていないとして も誰かに連れられてきっとこの界隈へ朝鮮 色を満喫するために来ているに違いなかっ たなるべくは大村君と一緒でないようにと 彼は高念願しつつ1つ1つ飲みえ首を 突き入れて調べてみることにしたその後 やはり子供たちはニヤニヤ笑いながついて くる彼は例え自分を尊敬する人がいて どんなに引っ張りろうとも決して道草は 食いと固く決心したそれコカフェの 会館の扉を開けるや誰かがよげさと叫んだ 時も彼はへへへと笑ったままキビスを返し バーしぎの中を窓を開けて覗いた時追い きちい乞食やろうと見なから罵声を浴びせ られた時も彼はただ自分が柔道初段以上も あることを思い起こすだけでヘラヘラと 笑い去った あるところはうっかり飛び込んで朝鮮服に 要素取り取りの女からお花ちょうだい ちょうだいと襲われたがそれでも彼は女 どものお尻1つ叩かず花を2つ見つなげて やりながら方法の体で逃げ出しただけで あるがこのようにその界隈を西から東へと ほとんどしらみつぶしに探し回ったけれど どうしても田中の一向は検通らない彼は いよいよ苛立たしい気持ちに追い立てられ 戸のない肉にしさと生動をどうすることも できなかった玄竜は再びどこといった 目当てもなしにガニ股の足を重層に 引きずりつつ探し回った今度は所々へ首を 突き入れて女たちに尋ねさえしてみたが かれこれ2時間あまりも歩き回ったけれど 一向にラチが開かず激しく疲れなで空腹を 感ずるばかりだった等々夕間裏ありの大い 寂しいところまでやってきた時は寸法も足 を運ぶことができないまでにクタクタに つかれひとまずそこらのとある汚ならしい 率のみへ潜り込んだのである誇りっぽい 明るみの中ではみすぼらしい人々が各々不 人ずつ一段をなして会い寄り固まって ガヤガヤ騒ぎ立てつつ逆月をかわしていた 玄竜は桃の枝を担いだままみんなの驚きの 視線を浴びながら中央正面の肩へのっそり 進み出た前のの肩に長い板で酒代が 据え付けられていてその向うの肩に顔の 小綺麗な女がちょこなんと座っていた彼は 台の上に出してくれる大きな酒好きを取っ て女から薄黄色っぽい薬手を継いでもらう なり一杯ぶっ飲み干したそれは妙に 酸っぱい味だった顔をあげてあたりを じろっと1度眺め回したが誰1人とて知る ものはいない他の人たちは彼と視線が勝ち 合うとびっくりしたようにぐっ口をつんで 速歩を向いた原becaはそのため一層不 機嫌になりもそっとと動いていって旗の肩 に据えてある網張棚の中から豚の足を 取り出してくるとむしゃむしゃ噛み始めた それは朝鮮特有の安直な酒場で茶碗ほども ある逆月一杯に魚までついてゆいの御船で 飲めるのだった彼はあの好きな明すの みだらな冗談さへ一言も言うもアバこそ 立て続けに何杯も引っかけた外の方から のれの中へひょこひょこ首を出して彼の出 てくる気配を探っていた乞食の子供たちも ついに諦めていつの間にかどこかへ消せて しまった彼はこんなに飲み始めると耳鳴り がし足が動けなくなるまでぐでんぐでんに 弱ねば収まらない将文であるでも彼が泥水 するまでにはこの薬手なら60杯は少なく とも必要とせねばならなかったこうして いっぱいまた1杯と逆月を重ねる中に酔い がけだるく全身に回ってきて次第に胸を 締めつけるような悲しみが襲うてきた今 夜中にはどうしても田中を捕まえねばなら ないのだそうだここからすっかり 酔いつぶれて出てもう一度朝鮮ホテルへを 仕掛けていくんだそして田中に助けを 求めれば全てはうまく運ぶに違いないそう 思うとなんだか自分が寺へ預けられると いうことが急に哀れな悲劇のようにさえ 思われてならなかった自分もあのパチの ようなグリグリ坊主になって今朝を身に まとい鼻汁をよくすすりあげる小学神室 坊主の前で毎日毎晩術を首にかけて神妙に 善をくまねばならぬとは彼はこの悲痛さを 打ち消すように妙に喉に絡んだかん高い声 を出して1人でに笑ってみただが彼は自分 の笑い声にびっくりして慌てて方にかけて いた桃の枝を胸に抱きしめじっと息を殺し たしばらくそうしている気はしずしずと 遠のいていき体中がとけ込むようでふっ かかな工房を帯びて色々な女の影が 取り止めもなくチラチラ動いて見える かけるかけるかけるかけるかける5かけ メロン頬の女その委で女流詩人がニっと 笑っている口を心持ちすぼめて明日の朝雪 かとさくのさえ聞こえるようであるそうだ 今夜はどうしてもあのじめじめした下宿の 穴部屋へ戻って彼女をまたねばすると彼女 の水で洗ったようなかけるかけるかける かけるかけるかけるかけるかける8次血が 空間に浮かび上がりそれがだんだんと腕を 広げて熱いむせるような息を吹きかけつつ 自分の体を襲うてくるような錯覚が起きた それにしても田中は一体どこにいるので あろう彼はこのように現実と無限の間をう をさしている中に今度はまたなんと話に 田中の妹の明子のことを思い起こした田中 もその頃は1一回の文学青年として苦労し ていたが一緒にいる妹の方は女子代に通っ ている美しい娘さんだった当時彼は ありったけの熱情を傾けて彼女を愛して いるつもりだったが田中にしろ彼女にしろ 自分にいい感情を持っていないばかりか 軽蔑さえしていたのだよく彼は一理もある 明子のところまで歩いていっては色々と 大胆差の限りを尽くしてみたが彼女は彼の 図々しいほど異常な情熱を馬鹿にするだけ だった朝鮮の貴族で天才だということも 彼女にはちっとも聞き目がなかったこう いう風に毎日彼女にそっけなくされて帰る 道すがら前々から知り合いの女給の宿へ 行っては止まっていた彼がこの女給を 切りつけたのはいよいよいよ決し田中のい ない中を見計らって明子を襲うたのがじっ たその晩の帰りのことだっ たそのために内地から追放されて朝鮮に 帰りどうやら渡りをつけて娯楽雑誌などに 筆を取るようになったが彼は空想を魔しし てこの若い恋の経験を神秘化し明子という 美貌の純粋な娘に熱烈な恋を寄せられたと いう風なことをバルカンのシサロフと ロシアの乙女レーナとの恋い物語り ツルゲーネフの作品その前夜より間にいつ も方々へ書き連ねたものであるそれで人々 もこれだけはまさか嘘ではあるまいと信じ 自分もそれをいく度も書いている中に本当 のことのように思い違いさえして今は 美しい思い出となったあああの明子は今 どうしているのだろう早く田中に会って 聞いてみたい全てが今になっては自分を 悲しませる種ばかりではないか頭が急に クラクラしてきて何かとっぴなことでも 使用せかねない気持ちである不にまた 先ほどの100勝の絶望的なわめき声が 聞こえてくるようである自分こそあの逆章 のように救いのない絶望のどん底へ 突き落とされてもがいている人間に違い ない 淫乱な言葉もに 書きつけ信用しはし ないわずかばかり知っているドイツ語の 単語もすでに何度となく繰り返して書いた し13画のうえのラテン語も13回以上に 喋ったしフランス語はなおさらのこと文章 の終わりには必ずフィンという字をつけた のにもう今は文章の注文も来なくなったの でそれもおさばになった柔道初段以上と いう脅かしもどうやら利き目がなく2段や 3段は愚か物騒な剣闘選手までうようよし ている家もない妻もない子もない金もない 最後に彼がより所として思い付いたのは 愛国主義者という美名の元に隠れて全てに 向かって復讐を図るばかりか誠意のある 大村に庇われることだったのだだが朝鮮の 文人たちの間にも崩壊として自局認識運動 が高まり鮮やかに水煙を飛ばして彼らが 自分を追い越し去ったのだそれを思えば他 の連中がはぎしりするほど憎くてならない 今では貴様を韓国にぶち込むぞという洞か もできなくなってしまった彼に残されて いるものは方々ゆすり歩いてもんなしでも 酒の飲める口だけであるそれが怪しからら んというので大村はこの僕に寺へ行けと 命じているではないか 大村にまで見捨てられたからにはどこへも 生残のない人間なのだ彼は使うだけ使って 今になりこ新しく自分にお寺へ行けと 命ずる大村が憎くてさえならなかっただが もうほとほと気力も尽きてごとりと桃の枝 を床の上に落とし彼は目頭に涙さえ浮かべ ながらさらに沈んで逆月を重ね始めたし およそ10時頃にでもなったのであろうか 原はヘに酔いつぶれてしまったお客は四重 入れ替わり立ち代わり想像しかったがふと 彼の後の方からまた新しい客の入ってくる 気配がしてはれのいいなぼが聞こえた四国 悠長なにしてはちょっと面白い セカセカしたところですよ親聞いたような 声だぞと思って玄竜はじっと聞き耳を立て たまあ内地で言えば大きくした焼き鳥屋と でも言いますかなあのくだらない予連中 から解放された清々しい気持ちで1つ朝鮮 の酒でも舐めてみませんか全く大変でした ね新しく入ってきた男たち2人は玄竜の旗 へ立ち並んだこう言われている男は今まで 彼らの後をぞろぞろとついて回りながら 田中に先生先生とペコペコしていた の時代的な文学崩れたちのことに違い なかった原は警戒するように首を縮めた それでもまあ面白いじゃないですかあんな 人たちと会って話してみるのも実際大陸の 気分が出ましてね確かにこのもったいぶっ たダミ声は田中に違いないぞと玄竜は はっと耳をそば立てたおやあなたはそれを 本気で言うんですかと案内役の男は多いた 不服らしに叫んだあなたは妙なところに また関心したもんですな いやそれほどでもないんですけれどだが 実際にあの人たちは自分で言っているよう に分断や劇団等で相当活躍しているん でしょうかねそうですよあの連中が一流 どころですよとせっかちになって先の男は 事実を偽るのだった今度よぼ連中の作品が 内後で翻訳されたのを読んで私はまず安心 しましたねすっかり安心しましたよそれ くらいなら私のような素人でも書けますよ 朝鮮の地方的な文化もやはりここへ来て いる我々の手で突き上げるべきもんですな ところでさあ1つどうですと逆月を 取り上げたやっとその時になって原 becaは横合いの方から臆病層に首を 突き出し慌てたように朦朧とした目を こすって見据え口をばっくりと開けた実に それは紛れもなく東京の田中がある官立 専門学校教授の各位に案内されていたので ある逆月を口に持って行っていた彼ら2人 も原becaに気が付いてびっくりした やあ田中田中と玄竜は叫びつつ大手を広げ てすぐ旗のヒョロヒョロした体へ抱きつい てしまった他の客や女は皆驚いて目を 見張りこの異様な光景にたげた内人を そんな風にして果たしてのだろうかと気に 悪くさえ思うのである田中は一目でそれが 先ほど大村や格衣と3人で噂し合った原 answerであることを知ったがあまり にも意外な場所での開校と突拍子もない 包容に面食らってしまった何よりも息が 詰まりそうで苦しかった玄竜は彼を抱いた まま狂気のようにぐるぐる回るのである 怪しかららん怪しかららん僕は恨んだぞ 大いに恨んだよ 黙ってくるってそんな方があるかよすまん すまんと田中は救いを求めるようにかかな 声でうめえたさあそこでいっぱいやろう 逆月を取ってくれ玄竜は素早く飛びのき 逆月を取り上げた大田中君僕は君が朝鮮に 寄ってくれたので感謝しているぞ本当に 嬉しいぞ田中が大村と一緒でないことが なおのこと嬉しいに違いなかった 彼は再びほとんど抱きつくばかりの格好で やっぱり君はやってきたなよくこの新しい 挑戦を観察してくれよ頼んだぞさあ1杯 ぐっとやってくれそしてつはめを外した あまりさあかいさんあんたも大いに飲んで くださいと彼の背中さえ痛いほどたいた 角岩原とは勇の会で12度あったきりで今 な男に馴れ馴れしくされては自分の険に 関わると考えるのだった元々彼は大学の 放課を出るととに朝鮮組んだりへ来て まっすぐ教授にも慣れたのだがこの頃は 芸術分野の会議までのり出るなど内地人の 原料とも言うべき存在だっ た朝鮮に出稼ぎ根性で渡ってきた一部の 学者とも柄の通のごとく彼もまでは内戦 同人日本帝国主義の植民政策の1つで朝鮮 民族を日本人に同化させるためのスロー ガンえながらも自分はせまれたものとして 民族的に生活的に人一倍ゲスっぽい優越感 を持っているだがただ1つ芸術分野の会合 等に出ると自分が朝鮮の文人たちのように 芸術的な仕事を何もしえないことに秘めを 感じ跳ね返っては彼らを憎しさえ思って いるの だそれで特に朝鮮の文人たちをバカに しようとこれ務め内地から誰か芸術家でも 来ると原料に引けを取らぬほどの熱情で 授業さえ休んで出かけ家法のだけ惜しい ともせずに方々引っ張りて酒を飲ませ ながらこごにつけての悪口を学問的 な言葉で並べ立て口癖のようにああれを見 て安心したとと つぶやく今夜はこにこういう最も癒しむ べき文人の原にあったのでいよ彼の自尊心 は増長したのであるそれでいかにも物々 しく肩をそびやかすてくんと吠えながら背 を向けてしまっただが玄竜も猿ものそれに は振り向きもしないで依然田中を捕まえた ままわめき立てていた大田中僕花君を 探し回ってすっかりくびれ散々恨みながら 飲んでいたところなんだぞよ会えたな全く 6年ぶりじゃねえかそうだ妹のあき子さん は元気か僕は今もあき子さんのことを忘れ て癒しないぞ気の弱い田中は彼の口任せに 喋り立てる言葉にいい加減うんうんと頷き つつ口をすぼめて薬手を少しばかりなめる ふりをしたかいも1人でちょうど2度目の 逆月を口に持っていくところだったが明子 の話が出てきたので吹き出してしまった そしてそれだけでは足りないと思ったのか 母と声を出してをした先ほど原の噂をして いる中に彼は田中からこの男が彼の妹に 無茶をして困ったということを聞かされた からである玄竜はいつも田中のいない頃を 見計らって彼女を尋ねてきては田中のドテ に着替えいかにも主人顔で机に頑張ってい て党の彼が帰ればまるでお客でも迎える ような調子でこれは珍しいねとと言ってい たという話だったそれもある日の夕方の こと田中は街の中でひょっこり原beca に会い大変なことがあるからと持ち金を すっかり巻き上げられたそして後から帰っ てみれば玄竜はりんごやシクリームを どっさり買ってきて妹に無理やりに食べ させながらキキキと喜んでいたのだ格衣は それを思い出したのであるだが今や元龍は 田中に会えたことを思うともう全ての 悲しみも苦しみも無惨し1人でに嬉しく なっいよいよ多弁になっていたこはには 格衣もおり今まで筆を取るたびにいり 散らした手前もあるので思い切って大きく 出てきた帰ったらS先生にもよろしく言っ てくれやは朝鮮に帰ってからもなかなか やりおりますとねあるいはT先生は元気か ねそれからR君はどうしているD君の奥 さんはけれど愛田中はSやTとも親しくし ているような小説家ではなかったので しどろもどろにバツを合わせた何しろ彼は この頃スランプの中にいて書けないので 流行の満州にでも行ってうろついてくれば 違ったレッテルもついて新分野の仕事が できるかもしれないと出かけたまでだっ たそれでも立つ時にある雑誌から朝鮮の 知識階級に関する文章を求められている ため彼は今先まで自分に先生先生と 馴れ馴れしくついて回っていた低級な文学 青年たちを興味深く観察し彼らと別れると 大村や格衣から色々参考意見を聞いた ところだったことに書いの至って人間学的 な説明によれば朝鮮の青年というものは ことごとく臆病で日根性がありおまけに 図々しくしかも党派神の強い種族という ことであるちょうどそのいい標本が田中も 東京から知っている原answerだと 述べていた それ子東京のある知名なサカ方が形状へ 立ち寄った際大村の肝入りで挑戦の育秘と かの文人たちと一石を設けたところその 石場で30分もせぬ中に彼が原料の中に 全部を見てとったのはさすがに鋭い 芸術家の頸がだと散々して付け加えた緒方 がここにありと叫びながら原を 指差した時実のこと朝鮮の文人たちは全ア とセザを得なかったが塔の原料はいかにも 得意層にニタニタと越に入っていたので ある田中はわずか一両日の滞在でしかも酒 にばかり追い回されて観察どころではない が小方に負けないほど辛辣独特な見方をし て書き送らねばならないと決心していた 矢先なのでむしろ代表的なと格衣 から太鼓版を押された原にひょっくり再び あったことをいくらかは喜んだ彼は格衣の 悪意に満た言葉にいさも疑いを挟まなかっ たいよいよ自分の直感の鋭さを示す時が来 たと躍起になって彼は今度は朝鮮民族を 見分するかのような物越で自分から先に口 を切った君は帰ってからは朝鮮後で小説を 書いていたんだってねそうだよそうなんだ よと元龍は待っていたとばかり右頂点に なって叫んだ 僕は朝鮮に帰るなり素晴らしい作品をやぎ 早に出したんだ初めは野郎たち朝鮮にも 天才の乱暴が現れたと言って目を丸くし やがっただがだんだんと僕の読者が増えち も高まってくると分断の奴らは嫉妬して ホームろーとさえしたんだ大体君も見れば 分かる通りちゅのはしようがねえん だいいかこすくてそれに憶病なんだから 東葉を作って人が偉くなろうとすると 突き落とすんだその自覚意はそれごらんと 言わぬばかりに田中に向かって顔をしって 見せた田中は受けがいた奴らは僕が東京 分団でみんなの注目を引いて活躍していた ことさえ知らないんだよそしてちらっと 格衣の肩を盗みにて無知だよ全く無知だよ 内人と向い合った時には一種の屈さから の悪口をダラダラと述べずには折れ ないそうして初めてまた自分も内地人と 同等にものが言えるのだと信じきっている 彼であるいよいよ元龍は火のような熱情に 燃えて激しい息遣いをしながら叫んだ僕は こういうどがい民族性を考えると悲しくて ならないんだ田中お君僕の気持ちを分かっ てくれるか彼は声を出してよっぽど泣こう かと思ったがただ手で顔を覆て しゃくりあげただけである田中はすっかり 感動して分かるとも分かるともと共に泣く 気持ちになりやはり挑戦にも来てよかった と思うのだった内地にくすぶっていては 島国文学しかできないというのは全くだ ここに大陸の人々の苦しむ姿がある箸にも 棒にもかからないような男だった原でさえ もっと大きな本質的なもののために全身を ゆって悩んでいるでは そうだこれこそ朝鮮の知識階級の自己反省 として内地に知らせよう小方に俺の目が 負けてはなるものかとりきみつつしみじみ 喜びを感じたシナ人は分からんという連中 は具の骨頂だをわずか2日で分かっ たこの調子でなら俺は4回で十分分かって みせるぞとも心の中で叫んだともかくそれ のためには勢い原をの代表的なインテリに して書かねばなるマトまで頭でちゃんと 構想を練っていたが格衣にしては元龍の ことが国旗でならないので等々外化をあげ たい気持ちになって意味ありげに彼の方を じろりと見合ってから馬鹿に大村君は遅い ですな1人で帰ったのでしょうかなと田中 に向かっていった彼は玄竜が大村を雷の ように恐れていることを知っているからで あるえ大村君果たして玄竜は一時に酔いが 覚めたように目を大きくしてぐっと体を 起こした大村君大村君と一緒だったんです かうんそこらで何か買い物をすると言って いたがね軽減そうな顔をしてから答える 田中の話を聞いてあこれはけないと慌てて そうなんだとけの分からぬことを叫んだだ から大村君と力を合わせて朝鮮民族を改良 するために努力しているんだ問題は簡単な んだことごとくが今までのような苦 な思想から抜け出て東亜の新事態を確認し そして人へに大和魂の洗礼を受けることな んだそれがため僕は人から気違いとまで 言われながらも大村君の勇志にいつも センセーショナルな論文を書きたてたんだ そこで急に声を潜めて首を突き出し 大村君は僕のことを何とも言わなかったの かいと聞いたいや別にと田中はお茶を濁し たが玄竜はまた急に元のような調子に 変わって大村君は実に東大稀に見る立派な やだよだから僕など民間にいながら率先し て全力を尽くし助けているんだだが惜しい かな交感大村君も芸術家が分かっていない んだよ真の芸術家というのがだから田中君 のような作家が大いに啓蒙してやるべきだ と思うんだよハムレットでもある前に僕に お寺へ行けと無茶を言うんだから愉快なん だよそれがねニジへならともかくハゲ坊主 のところへなんだよねえ僕がオフェリアか よ僕はこう見えてもはばかり様ながら頭は しっかりしているんだ格はいかにも哀れむ ように田中にはて見せつつすっぽかして出 ていこうという風にその洋服の裾を 引っ張ったところが玄竜が妙に喉に絡んだ 声を張り上げて強がりを言っている時塔の 大村が優先と入り口の方から入ってきた 見るからに40がみの堂々とした立派な 紳士である玄竜はすっかりうたえて兵と 笑いながら首筋に手をやるとペコンと頭を 下げた格は旗で悪い声を出してケケケと 突然笑うのだった大村はここに玄竜がいる のを見て急に不機嫌になって怒鳴ったどう したんだ君はまたこんなところへ来てくを 巻いているのかへえ大村さんえどうもと 玄竜はまつわりつきながら越をかめた実は その田中君を1日中探し回ったんですよ それで腹ペコになったもんですからついえ おいどうしたんだお寺にはグズグズしない で1日も早く行くんだはあとかしこまって 下流はバ悪そうにもじもじするのだそれは もうよく分かっているんです大村はかいや 田中ににやりと目くばせをしてみせそれ から遠来の客もあることなので自分が朝鮮 にいていかにのためを思っているか を身を持って示さねばならぬと考えた早く 謹慎の女を見せるんだ警察の手に君を渡す に忍びない気持ちがあるからこそ立派な尚 さんのとろへ行って頭を直して来いという のじゃ要するに君のような人間たちの魂を 引き上げるためなんじゃ煩悩を立つんだぞ 煩悩をはあだから僕も分かったかよろしい そこで得意に1度肩を張った客たちは開目 を巨とさせてこの光景をていたがさすがに 田中は考無料そうに目をつぶったまま聞い ていた今はどういう自局だと思うはっきり 自局を認識しなくてはいかん酒場を 飲み直したり女を強奪したり人を強する などもってのほじゃ君は内戦一体内戦一体 ときいのように叫び回るけれどは誰 1人君を相手にしないそうじゃないかもう 少し反省するだまともな人間に帰れという のじゃ分かったかわしが君を応援すること につけ込んで人の行為を利用するなんて 絶対に許されんバカやっこそんなに恩知ら ずだとはわしは初めてわかったそれから 自分のご長に感動しついには興奮して しまった全く音知らずの悪いやめまだ君の 悪いことが分からんのか内戦一体中のは君 のような人間の魂まで引き上げて内地人 同様にしてやることなんだぞそれはそう ですだから僕は人に気違いとまで言われる ほどの熱情でそれを主張してきたんです そうですとも実際分の日本が目分の朝鮮に 手をのして仲良く結婚しようというのに その手に唾を引っかける理由はないです からね1つの体になることによって初めて 朝鮮民族も救われるんです 僕は感激しているあまりに誤解さえ 受けているのです朝鮮人中のは一体に再議 深い劣等民族ですからそれは待ったと大村 は手をあげて思いぶかに差し止めた の金たちはあまりに自虐性にかかっている わしの周囲にいるは皆自分の民族の 悪口ばかり行ってくるがそれがまず第1館 ことじゃわかかもちろん反省し自分たちの 悪い点を直すことは肝心じゃだが自分を 大事にしなくちゃいかん大事にそれができ ないのが他の民族に劣る点じゃ内知人を ご覧内地人は決してそんなことはないそう ですよだってそうじゃないですかと元龍は 慌てふめきつつ何の前後脈もないことを 叫び始めた彼は自分がいつか書いたことの 至って学術的な文句を先から思い出して それで頭がいっぱいだったのである少なく とも地理的に見ても考古学的に見てもそれ から人類学的に見てもすなわち アントロポセンロポジーじゃなくて そうですよその アントロポファジーは僕は掛け替えのない 親友なんですよだが大村は言うだけ行った というような調子でくるりと田中や格衣の 方へ向き直っていったさあもうそろそろ 引き上げましょうかな大抵どんなものか 検討がついたでしょうなああ大村さんもう お帰りになるんですかと原becaは びっくりして急にバネ仕掛けにでも弾かれ たように大村の腕へしがみつくように 飛び出したがその途端に落ちていた桃の枝 に足元が引っかかったので彼はとっさに それを救い上げて抱え込みながらあええだ 大村さん大村さんどうしたんだねそれは またと大村は不審そうに体をそらして じっと見つめたかと思うとそんな様をして また歩いているのか君のことはもう足は 知らん大村さん大村さん玄竜は急に へなへなに腰が砕けて悲しに叫んだあまり に花が痛いけないので街で逆勝から買って きたまでなんですその時自分の飲みまで 隔意な払を済ましている様子なのを見て彼 は決まり悪くなったのか慌ただしく田中の 方へ回ってきて袖を引っ張りつつ咳込み ながら田中君田中君実は君に折り入っての 話があるんだよと愛願するようにうめえた もっと付き合ってくれなもっとほうこれは いい花だねと田中は紛らわせる様に しどろもどろに呟いたそこで玄竜は急に 勝ち誇ったように元気を出して桃の枝を肩 に担ぎ上げるやそうだろういい花だろう桃 の花だよう桃の花なんだと小高にドラを あげつつまるで兵隊ごっこをする子供の ように戦闘を切って出ていったやはり自分 もこの偉方たちにくっついて一緒にや回り たくもあったのである大村や格衣と田中は 後から仕方なさそうに笑いながらぞろぞろ と出てきた然とした月がぼっかり空に かかっているけれど工事は愛も変わらず 薄暗かった彼は少しく驚けて桃の枝を担い だまま体を揺りながら2神軍していったが 突然立ち止まって胸を張り空を見上げふい に桃の枝をまたの下に引きずりこんで 乗っかるようになったかと思うとに合図 するかのごと手を振り上げて1度ケラケラ 笑った他の3人は知らぬふりをして彼の横 をすごすごと過ぎていく彼は慌てて声 高らかに叫んで曰に僕は天に登るんだ天に 登るんだ玄竜が桃の花に乗って天に登るん だそこであかも木場に乗った勇志のように すっすっと彼らの旗を突き進んでいった 位相天外なこの神秘主義者を見てくれと 言わぬばかりに花が無惨に首を折られ 花びらを汚して所々に落ったがふと 思い出したように振り返ってみると田中が 1人暗がりの吐きために正面を垂らして いるそれで原はこの時だとばかりその旗へ 飛んで戻るや息をハーハー切らしつつ田中 君と喉になじった声でさいた大村君に僕の ことを頼んだぜお寺へ行かぬようにして くれお寺へその声があまりにも絶望的な 悲しみに打ち震えていたので驚いて田中は 下流の顔を見つめたぞっとするように 引きつって見える軽装が急に崩れて君悪い 笑顔が浮かんだそれから彼の片方の手が 自分の肩をひくつそうに打ってきたあれは どうも完了だからへいへい言わないと喜ば んのだよ芸術家というのも分かっていない んだよ明日ホテルに行くぜと言い捨てると 再びこれ身ばしに桃の枝にまたがって 引きずりつつ点を青いでおめき始めた元龍 が天に登るんだ天に登るんだその際に大村 とかいは田中を横商事の肩へ引っ張って 大通りに出ると自動車を止めるために手を 上げた工事ではますますいい気になった 玄竜のわめき声が続いていた 点には登れなかったのだ翌朝彼はやはり いつものように穴部屋の中で苦しそうに悲 を上げると共に目をおぼした誰かに縄で首 を閉められる悪夢に取り憑かれたのである 体は汗びっしりだった何しろ体を動かすの が恐ろしいようで再び目をつぶり行き ばかり激しく会えだ本当に首の肩は大丈夫 なのだろうかとワクワク震えつつみようと して手を持っていこうとした途端に何か ごついもに手先が触れたのでびっくりした 本当だなと思い目をつぶったままじっと息 を殺した全く祈るような気持ちになって 今度ははかるようにそっと反対の方の手を 出して用人深そうに首筋の肩へ近づけよう としたおやそうでもないらしいぞと思う 矢先に何かがまた指先に触れてぎょっとし そのまま仏のように固くなった物の23分 もしたであろうかやっとこさ心を落ち着け てそれは一体何だろうかともう1度ついて みようとした気のせいか今度は触れたもの が少しばかり揺れたようであるなんだか おかしいぞと思って2つの指で挟んでみて 親親と引きずられるままにそれをまさって いたかと思うとなんだと呆れ返ったように 叫びながら彼は首筋ののところへ追いかけ いるものを慌てて払いのけるのと同時に羽 をきたそれはガサガサと物音を立てて 吹っ飛びオドルの上で揺れている他ならぬ 泥まみれになった桃の枝だったのだ彼は ふうと大きく息を吐き出してで首筋の汗を 吹いていたが急に気でも触れたように ケラケラと笑ったが瀬戸物でも壊れたよう な自分の声までちっとも変わっていないの で彼はいよもう大丈夫だと胸を撫で下ろし たむさ苦しい部屋の中が少薄暗いところ からすればまだ朝は早いようである1日中 これれっぽっちもよの当たらないアブの ようなところではあるがでも彼には上張り 少子の明るさ加減が時計の代わりになって いた裏の肩に続いた台所のどでは老婆が 今日も亭子と喧嘩をしているらしく何かを つけん丼にわめき立てながら滝口に火をべ ていたどまに一杯立ち込めた煙が温しの 破けたところや生子のケ壁の割れ目とから モヤモヤと侵入してくる彼は息が蒸せる ようで23°ぐしそうに咳をして消防を 険しく歪めたまま不機嫌だしげにじっと桃 の枝を見つめたもう花はすっかりなくなり 枝の先も折れ見る影もなく泥に汚れている 触らぬ神に祟りなしとどんな男からも恐れ られた流がそれ式の夢にこれはまた何事だ と思えば急に忌々しくもなってきた惨めな 残骸をさらしている桃の枝が今の自分の姿 とも思われるのだすると咲夜の花売り勝の 哀れな像が大で現れそれが両手を振り ながら絶望的にめえている声が聞こえて くるどうして皆笑うんでがす笑うでねえ わっしやくばっちまうんだ笑うでねえ部屋 の中はまるで円Discを張られたようで ある玄竜はこういう絶望的な声から 逃れようとして急に腕の間に頭を抱えて耳 を塞いだそしてごろっとその場に倒れ身し たそうだ僕こそいよいよへえってやるぞ チンの四つ辻の真中で自動車と電車の間に 挟まって爆弾のようにはねって死んでやる ぞ事実彼は昨から自分のしばかりを考えて いるのだった死ぬには交通自殺に限る 大通りの真中で無たらしく死んでやって こそも最後の復讐ができると思っているの だそれで僕ももって名するぞするとその時 部屋の中はし暗くなり天井と言わず壁と 言わずオドルの底と言わず方々から自分の 残骸をあわう群衆の笑い声がわっははと 湧きのった彼は耐えかねて追い出すように 羽を着て僕は死にやしない死にやしないぞ と悪魔のように叫んだ激しく格闘でもする かのごと両手をめちゃくちゃに振り回し つつ慌てふめたもう煙りで目はくみ息さえ 苦しい彼はついに正気のさではなく ぐるぐるとオドルの上をはい回り出したが 膝頭がガタガタ 震えるわっははわっははという声声は行手 を塞ぎまたホボから赤いホムがメラメラと 燃え上がって迫りくる 銀影に襲われたのだいよいよ彼は恐怖に 突き抜けれて何かを叫び叫びつつ出口を 求めてあき回った老婆はこのきちい男は またどうしたのだろうかと戸口の方へやっ てきてブルブル震え出すだがちょうど うまく彼の逃げ惑う体が生じにのしかかっ たのでいきなり明るみの地べたへ投げ出さ れた 老婆はキャッと叫んで飛びのいた少しは 息遣いも苦しくなくなりしばらく倒れて いる中に恐ろしい幻覚も収まって彼はただ 方針状態に大きな目だけをグリグリさせて いる空には激しく雲が流れていたその時 約束通りに女流詩人分ソタが爽やかないで たちで現れたのである彼女はその光景を見 て驚いて立ち止まったがすぐ大げさに手を 打越をゆってキアキアと笑いこけてから おおどうなさいましたのと駆け寄ってきた が玄竜は気でも触れたようにただじろじろ と彼女を物珍しそうに見上げただけである 老婆はたげたと言わぬばかりにぶつくさ つぶやきつつ台所の方へ消え失せた文そた は1人で投してしまったがやっと気を 立て直し渾身の力を振り絞って彼を抱き おこした 彼は咲夜酔い潰れて帰ったなり寝床へ うつ伏せになっておおと亡くなに寝付いて いたので洋服着のままであった詩人は彼の 洋服についた誇りをはてやりながら一体 どうしたと言うんですのと言ったええ元龍 さん今日はまた何かの霊感でも得たようね 早く行きましょうよもうすぐ時間になり ますのよ原は知れのように座って君悪気に ニタニタ笑ってばかりいたがその時ほんの 少しの意識のかけらでもひらめいたので あろうか軽減そうに首を長くして尋ねた何 が山彼女は玄竜の顔月にびっっくりして 後ずさってもじもじした今日は祭日じゃ ありませんの神社へ行きますのよ神社彼は 何かろかしいことでも思い出すように 問い返すたそうよすると玄竜は急ににどう したことかけっけと笑い出した神社という 言葉が彼には突然忌々しく思われたのだ 神社の神は内地人の神であると誰も拝に 行かなかった頃率先して内地人の軍に当時 社頭に抜かづいた当初の彼は誠に重大な 人物でご校さえさし色々な役目もあった けれど今はもうそうではないのである むしろう無三神社へ神社へと雲のように 押しかけていくたちが憎くてなら ないくらいだったブソタは身の毛もよつ ようにぞっとして身をすめたと思うと行っ てきますわとかかに一言言い捨てて方法の 体で逃げ出したそれを見て元龍は義よに ケラケラと笑ったがつと驚いたように 立ち上がった空はますます鬱陶しくなり雲 が北の方へ北の方へと押し寄せていく とっさに彼はソの温かく締めっぽい死体に 対する欲情に駆られこれは今こそ捕まえね ばならぬぞと考えたのだその足で彼は慌て て崩れかかりそうなくぐり門を抜けて庭を 飛び出したじめじめした路地にいいえは ゴミ箱のようにいがみ合い下水には肺や 汚いものを捨てたり流したりしているので 悪臭がムンムンと群れ登り激しい風に肺や 誇りが吹き飛んでいた工事を抜けて遠くの 肩へ倉庫と逃げていく女流詩人の姿が ヒラヒラとなびいて見える玄竜はケラケラ 笑いながらガニマタを懸命に泳がせて意地 悪く追いかけ始めた逃げ足だっている彼女 は一度振り返ってみた途端に両手を ふりふりやってくる原becaに一層たげ て悲鳴をあげんばかりになりつつ走って いった彼はだんだんと追いつくようになる につれますます面白くなって何かを叫ん だり和えたりさえした 土壁のそばで土遊びをしていた23の子供 たちが手を叩きながら生やし立てたが やっとのことで転げように文そ玉は路地を 抜けて黄金大通りへ逃げ出したちょうど その時だった元龍が最後の路地を曲がろう とした瞬間に突然大通りの方からラッパの 音が流量と響いてきた原はぎくりとして 立ち止まったかと思うと急にどうしたこと かブルブと体をふわせ始めたのだ次の瞬間 自分の方から逃げ隠れるように旗の家の 煙突の後ろにぴったりと体をすりつけて息 を殺し目をランランと光らして大通りの肩 を睨んだ楽体を戦闘に立てた長い行列が 神社の方へ向かって更新しているなんだか それが自分を法意し迫ってきそうに思わ れるのだったゲートルを巻きつけた中学生 や専門学校のの生徒たちが池ども池ども 続き小方には国防服をつけた先生やその他 新聞雑誌の人や顔見の文人たちがぞろぞろ とついていく両立が通りすぎてしまうと彼 はまた球に慌てて出口まで飛び出した物影 に息を潜めてどんよりとした目で眺めれば それはもうひっそりとして遠くに消え かかっているもはやどこか行列の中へでも 紛れ込んだらしく姿を消した女流のことは 忘れ去って玄竜は行列の進んでいった方向 とは反対の方へ誰かかに追われてでもいる かのように逃げていった頭の中が砂を いっぱいぶち込まれたようにクラクラと 混乱しているのだ時々ホテルお寺という年 が生物ごとくギラギラと光を帯びて正面に 塞がるけれど 立ちどまり作風に多いまくられてしまう なんだか薄ら寒い日である今に月でもだ そうな朝であると彼の心の一宮に別な人間 がいて思うようだっただが月どろか小雨が しょぼしょぼと降り始めたロイク人々の足 が目立って忙しくなっていく原becaは 電車路の真中を狂犬のように当てどもなく 進んでいったもボボの頭が雨に濡れて渦を 巻き肩は雨で重そうに垂れていた自動車が 旗をかめて走り電車は後ろの方で激しく 警笛を 鳴らすその音がようやく耳に入ると彼は 黙ったまま静かに避けるのだった時には 避けると共に振り返って拳を振り上げて 野郎僕を殺すきかと狂人のように叫んだ けれど半時間あまりも歩いて市販学校を前 あたりまでやってきたかと思うとふと何か に取りつかれたように右に折れて暗い工事 の肩へ入っていった泥が靴には寝つき靴は 水を蹴るその中に雨はほりになりだした 路地をバタバタ走っていた人々は驚いて 立ち止まり振り返って見て首を降った彼は どこまでもどこまでも工事の続く限り無が 夢中に左へ曲がったり右へ抜けたりしつつ 縫い歩いていくのだ今自分は寺を探して いくんだと散り散りにほぐされた神経の1 つが遠いところでのようにさく その工事をしまいまで登り詰めれば明工事 になると思われているのだった再びあの新 町浦光子の雲の巣のような迷路に入ってい たのである原becaの幻覚においては それはポプラの底として立つ広いナキの ように見える泥だらけの下水は綺麗に水の 住んだ小川の流れのように思われるそこで は盛にカエルが口を揃えてぐわっぐわっと 泣きたいでいるよな耳をローするばかりの 幻聴を聞いたその上風がヒューヒューと 吹きんでポプラの枝がへし折れそうに 見えるもはや彼の足はつまづいたりのめっ たり水溜まりに謝って落ち込んだりしてい たでも彼は夢中になって生のるその時に 突然足元の方で帰る友がよぼよぼと騒ぎ 出したように聞こえたのである彼は怯えた ようにいきなり耳を塞い逃げ出しながら 叫んだよぼじゃねえよぼじゃねえ彼は であるがための今日の悲劇から同 部類してでも逃れたかったので あろうところが突然彼の鼓膜が合音を立て て爆発したように思われたが不思議にも先 のカエル友音は消えうせ何かしら急に 当たり一面から不思議な音が聞こえ出した それがだんだんと複雑に大きくはっきりと 聞こえてくるいつの間にかもう何千何万の 人々が唱えあってでもいるようなな明法 連下教な明法連下教という人物が太鼓や 木魚の音に乗って海のように彼の周囲に 広がってしまった彼はその中をあかも泳ぎ もがきながら救いを求めるように慌てふめ つつ彷徨い回っただが迷路は思いのままに ぐるぐると筋を引いているのでどんなに ほどほど果てしがない混乱の中ではあると はいえ玄竜は極度の層に追い立てられて アーボズとのお経や念仏が一斉に僕を呪っ て追い回しやがるぞと叫びつつ めちゃめちゃに走ったそれでつまづいて どさりと倒れることもあるのそのそまた 生いのるこうして彼は目だけを赤赤と燃え たらせ狂った泥牛のように恐ろしい格好に なっただがその身今度こそ経や念仏の漂う 開封に煽られてふわり天井へ登っていき そうな気になったところがそうではない かの心の心底ではちゃんと自分が消化界隈 へ入っていることを知っているのである 本当は自分の止まったことのある家々を あきつつ探し回っているわけなのだけれど どこにもかしこにも同じような赤や青の ペキを塗りたくったやばかりで檻からざっ と土砂ぶりになった雨の水煙にけって見え なくなる彼は腕を振り上げて何かをふみ 厳正高に叫んだそれから突然またさっき だった断末魔の闘牛のように恐ろしい勢で 駆け出し1つ1つの家の大門を叩き回り 始めたのであるこの内人を救ってくれ救っ てくれ彼は息をゼゼさせながらおめくの だったそしてまた他の家へ飛んで行き大門 を 叩きつける開けてくれこの内人を入れて くれ また駆け出す大門を叩くもう僕はよぼじゃ ねえ現の上竜之助だ竜之助だ竜之助を入れ てくれどこかで雷がボロボロと唸っていた 底本光の中に禁止量作品集高段者文芸文庫 後段者 1999平成11年4月10日第1釣り 発行底本の親本金子料前週1川出処防新社 1973昭和48年2月所出文芸春US 1940昭和15年6月後入力コンパス 構成土谷孝志2010年1月26日作成 青空文庫作成ファイルこのファイルは インターネットの図書館青空文庫 httpc www..jp /mた入力構成制作に当たったのは ボランティアの皆さん ですOG

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