【探訪】エコ&健康ライフ サイクルトレイン

自転車を解体せず、列車内に持ち込める「サイクルトレイン」の導入が全国各地で進んでいる。公共交通と自転車を組み合わせることで、行動範囲を広げ、鉄道利用促進や沿線に人を呼び込むことも期待される。
 ドイツなどの欧州諸国では、環境の観点から、また急坂対策としても古くからサイクルトレインを導入してきたという。
 近畿日本鉄道では観光列車「つどい」サイクルトレインKettA(ケッタ)を運行。東海地方で自転車を意味する方言「ケッタ」が由来で、週末を中心に名古屋・大阪と賢島(三重県志摩市)を結ぶ。自転車を固定する専用のラックが設置されているのが特徴で、乗客は別の車両に座る。
 同社の広報担当者は「エコで健康的な自転車と鉄道を組み合わせて利用して頂き、コロナ禍でお客さまが減少した観光地を盛り上げ、新たな沿線の魅力を発掘するきっかけになってほしい」と話した。
 国交省によると、令和5年度に運行されたサイクルトレインは74社152路線で、年々増加しているという。
名古屋市の円満康之さんは「初めて利用したが、想像よりも簡単に載せられた。自分で運転する車より志摩までの行き帰りが楽で便利です」と話した。
 環境問題や新たな観光需要の発掘の視野に入れた移動手段として期待される。
(写真報道局 鴨志田拓海)

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