起業体験の導入による金融教育のレベルアップ~衣類のアップサイクルに挑戦した小学5年生の記録~
[音楽] [拍手] 東京都武蔵村山市立大重小学校からは副 校長の今井和と共有の久保田美山田貴弘が 実践を報告し ます武蔵村山市は東京都西武の多地域に あり東京ありながら多くの自然が残る地域 です北には狭山給料を望み南には商業工業 地域が広がる調和の取れた町 です本港は市の西部に位置し畑と住宅地に 囲まれた環境にあり ます昨年度本港では児童による販売体験 プロジェクトを行事 10勝夏祭りに位置づけることができ学校 全体の取り組みとして金融教育をスタート させることができまし た販売を行ったのは高学年で6年生は企画 外野5年生は生活雑貨をそれぞれ販売し 保護者を相手に接客から現金のやり取り までを体験することができまし たこの体験を通して児童はやお金の価値を 改めて認識し日常生活に変化が出てきまし た買い物を計画的に行ったり農家や店舗 経営を将来の夢とする児童が出てきたりと 販売体験という企画が現在だけでなく未来 にも大きな影響を与えてい ますしかし一方で課題も明確になりまし たそれは経費や利益などの場面ごとのの 認識が不十分だったこと ですとりわけ企画が野菜の販売においては 農家の支援により原価がかかっておらず 袋詰め用の袋などが経費としてかかる程度 でし たそのため売上金のほとんどが利益として 計算され児童にとってはありがたいこと でしたが持続可能なビジネスモデルとして は考えにくい形となっていました この課題をクリアするために東京都産業 労働局が主催している小中学生企業家教育 プログラムに参加し各段階のお金の意味を 着実に理解させることを狙いまし たその同期付けの場面では実際に企業家を ゲストティーチャーとしてお招きし企業化 精神を直接学ぶことから始まりまし たこの会社はのアップサイクルを手掛けて いる会社で廃棄される衣類から家具や インテリア新たな服を生み出す事業を展開 してい ます実際の商品を見た児童からはゴミとし て捨てられる服がこんなにおしゃれな家具 になるのこの服可愛いなどの感想が上がり 児童の衣類のアップサイクルをやってみ たいという思いが固まっていきました 企業テーマや素材などの方向性が決まった ことでいよいよプログラムが動き始めまし た商品の販売日を7月15日の10勝 夏祭りと定めているのでそこから逆算して 各段階の日程を決めていきまし た最初の会社設立の場面では学年で14社 の設立を目指しまし た一社あたりのメンバーは56名で社長 宣伝マネージャー仕入れマネージャー販売 マネージャー会計マネージャー制作比較 マネージャーの6つの役職で構成しまし たそれぞれの役職には段階ごとに重要な 役割がありバランスよく活躍ができるよう に配慮してあり ます分担については自分の得意なことを 考慮し話し合いながら進めていきまし たこの過程を経ることで自分は何が得意で どんなことに興味があるのかなどキャリア 教育的な視点で事故を見つめる機会になり まし た市場調査の段階では10勝夏祭りにおい ての購入者となる保護者に対し調査を行い まし た今回は国語の学習で勉強したことを 生かし質問形式の聞き取り調査を実施し まし た調査結果から各社の社長が制作する商品 について話し合い決められた時間の中で 作成できるものとしてコースターとキー ホルダーが商品として定まりまし た商品企画の段階ではコースターとキー ホルダーの具体的なイメージに迫る必要が ありました商品コンセプトは市場調査から のCのPRやsdgにするものを採用し イラストによるイメージ化さらにどんな 材料材質でそれを再現するかなど各社で 発想を膨らませていきまし た事業計画の段階では考えた商品を元に 資金面を考慮した計画書を作成していき ましたこの後は銀行から融資を受ける段階 なので会計マネージャーを中心に商品1個 あたりの材料費を設定し予定販売個数から 全体の原価を割り出しまし た会社によって販売個数を少なくする 代わりに単価を高めに設定したり逆に個数 を多くして単価を下げたりするなど実際の 商品開発の思考過程を踏んでいきまし た非常に難しい計算が続きましたが算数で 学習したことを生かし児童は粘り強く計算 しながら取り組みまし た銀行からの有の段階では銀行員を招きし て融資を受けます全体説明は体育館で行い ましたが体育館近くの図書室に融資会場を 設定しそこに各者が融資相談に行く流れと しました希望する額を獲得するため商品の コンセプトや金額設定の根拠などを設定 確認しプレゼンの練習を何度も行う姿が見 られまし たしかしいざ相談に行ってみると商品 コンセプトの弱さや単価設定の甘さなどを 指摘されなかなか融資を受けられず再検討 を強いられる会社がつぎまし た普段の授業ではそこで諦めてしまうよう な場面でしたが何度も車内で練習し修正し プレゼを繰り返しました全ての会社が融資 を受けるまでには1時間以上かかりました がこの貴重な経験によりやり遂げる力が身 につくとともに相手を説得するための話す 力が伸びまし た銀行から融資を受けることができた会社 はトヤで材料を仕入れる段階に移りまし た材料となる衣類は保護者会などで事前に 呼びかけをして集めたりアパレル企業に 依頼して破の提供を受けたりしましたキー ホルダーやコースターの部品ラッピングの 材料については各社の商品イメージから 想定して事務局側双方で事前に購入しまし たその結果東屋にはたくさんの材料が並び ましたが有子額の中で計算しながら購入 する必要がありましたまた融資額の5%分 を利子として支払わなくてはならないため 利益が出るようになるべく原価を抑える 必要がありましたがここではシデ マネージャーを中心に管理表にまとめ ながら材料を慎重に購入していまし た商品制作の段階では総合的な学習の時間 だけでなく家庭化の時間も活用しました4 月5月に裁布を学んだ児童は手縫いの技 技術を使ってステッチを入れたりボタンの 止め方を活用してビーズを縫いつけたり 学んだばかりのスキルを生かすことができ まし た会社によって制作数は違いますが20 から40個ぐらいの商品を6時間ほどか かけて制作し丁寧にラッピングしまし たここでは制作企画マネージャーが中心と なり役割分担や作業工程の計画を立てて いきました が途中作業が思うように進まずメンバー感 で揉める場面もありまし たそれでもめげずに頑張ったのは会社とし て本物の商品を制作するという使命感や 責任感が子供の中からが生まれたからだと 思い ます宣伝活動の段階では商品に関する ポスターやCMを制作しまし た各社はポスターは1枚につき100円 CMは1分につき100円として宣伝する 権利を購入しまし た児童は宣伝にもお金がかかることを知り テレビコマーシャルなどを見る目も変わっ てきまし たここでは宣伝マネージャーがポスターや イメージCM構成を考え制作は会社の メンバーで分担して行いまし たポスターは校内に掲示しCMは7月上旬 の集会や保護者会で公開後学校からの メールでも配信をしまし たいよいよ10勝夏祭りでの商品販売 です1店舗に長机1台のスペースが与え られ販売マネージャーを中心に店舗装飾を 行いまし た前後半50分間ずつの販売をメンバーで 分担して担当しましたが普段の授業では 味わえない課題が直前に迫り子供たちは そわそわしていまし たお客さんに声をかけられるかな商品の良 さを伝えられるかななど緊張している様子 も伺えました 販売開始となりお客さんに積極的に声を かける店がブレーキを伸ばす 一方引っ込み事案になっているお店は苦戦 している様子も見られまし たそういったお店には授業で練習した接客 法を思い出させることで次第に声をかけ られるようになり売上を伸ばしていきまし た今年度から中学生に加え高校生にも ボランティアのをかけたのでこの行事は 小中校の3世代が集まる場となりまし た高校生には5年生の金銭樹の補助をお 願いし共にお店に至ってもらえました児童 がお釣りの支払いで伴う場面もありました そういった場面で手助けをいただき大変 心強かった です事業報告 の段階では再び銀行院を招きし活動全体の 振り返りを行いまし た各社は売上金から利子を含む融資額を 差し引き利益を算出し事業報告を作成し まし た融資返済の際には銀行院の前にメンバー 全員で並び事業報告とともに有の返済を 行いました全14社のうち黒地6社赤字8 者となり単価の設定や制作数宣伝の積極性 などによってその明暗が分かれていきまし たその要因について銀行院の方々から原価 と販売個数のバランスが良かった商品の 魅力を伝えるための宣伝戦略がうまくいっ た商品の予想を言葉で伝える部分が弱かっ たなど全社に対して丁寧にアドバイスを いただけたことがこの活動の大きな財さん となりまし たこのようにおよそ3ヶ月の間企業家の 体験をした児童からは様々な感想が聞こえ てきました企業家の話を聞いて自分で会社 を作ることができると初めて知った商品 開発を通してSDGSについて知りその 解決について考えを深めることができ た現金を使うので会計に不安があったが みんなで確認しながら間違えずにお釣りを 渡すことができ たこれらの感想からは将来の職業選択や スキルアップに大きな影響があったことが 伺え ますまた次のような感想もありまし た事業報告に向けたお金の計算は大変だっ たが融資を受けた金額以上の利益が出た 仕入れ価格と販売価格の意味がわか 授業報告では赤字になったことを報告した 利益を出すことは簡単ではないと学ん だ失敗してもいい何度でも立ち向かうと いうことの大切さを実感した将来自分の 会社を作りたいと思っているので今回の 経験を生かし たいこれらの感想からはより具体的な金融 のイメージが見られ成功や失敗それぞれ から学んだことが伺えます この長期間にわたって児童が投げ出さずに 取り組むことができたのは実際に商品や 現金を扱ったり企業の流れを実際に体験し たりしたことで責任感が生まれたからだと 思い ますこのような体験をするかしないかに よって将来に向けた選択肢は随分と変わっ てくるのではないでしょう か企業体験は一学期に行いましたがその後 の活動も発展していきまし た山岳期には市内のショッピングモールの 16店舗にご協力いただき1時間のミニ 職場体験を行いまし た1時間働くことによって得られる賃金の 価値や働くために必要なことを体験的に 学ぶことができまし た多くの店舗で挨拶と笑顔が大切であると 教えていただき日常的に意識する児童も 増えました また夏祭りで制作した商品を改良し アパレルショップにおいてノベルティ配布 も実施しましたジーンズの破をアップ サイクルしたノベルティに対して来店者 から多くの応援メッセージをいただきまし た夏祭りで培ったスキルや思いを実際の 店舗にまで広げることができ児童たちは 大きな達成感を感じていまし たこの企業化教育 金融教育の取り組みは児童の将来だけで なく町の将来も見据えて実施してい ます少子高齢化が進み全国的に人口減少に 歯止めがかからず地方では過疎化が一層 進んでい ます東京も例外ではなく多地域では 2050年過ぎに人工現象が予想されてい ます地域に魅力を感じ地域源を出しながら 起業する人材を育成することは急務であり そのために学校教育が果たす役割はとても 大きいと思ってい ます昨年度から続く金融教育の取り組みが 10年後20年後の町を支えることに つながると信じて今後も継続発展させて いき ますまた金融教育は成人するまでの継続性 がとても大切だと思います 小学校で培ったことを中学校や高校では どのように発展させていく か徐々に実践も蓄積されてきているので その学びのつながりをみんなで作っていく 必要があり ますそれぞれの立場で実践できることから 始めていただき共に未来を生きる子供たち を育てていくことを望みます
2024年度先生のための金融教育セミナー動画
武蔵村山市立第十小学校
副校長(現 校長) 今井一馬 先生
教諭 久保田 萌海 先生(現 国分寺市立第二小学校)
教諭 山田 貴弘 先生(現 練馬区立上石神井小学校)
小学校5年生を対象に行った総合的な学習の時間での実践です。前年度に行った販売体験の取り組みを発展させ、衣類のアップサイクルに着目した起業家体験に取り組みました。