【感動☆総集編】 高校1年で母が他界…一人になった俺は貧乏で毎日バイトする生活。ある日母の携帯を見てたらある人物とのメールが。その人物に会いに行くと…一枚の手紙を手渡された!それを見た瞬間俺は号泣

[音楽] 母が亡くなってから1年後俺はある人物の 元を尋ねていたこれを君のお母さんから 預かっていたん だ彼が手渡してきたものは母が実質で書い た俺当ての手紙なぜ母の古い友人だと 名乗った彼がこれを持っていたのかなぜ母 は俺に直接これを渡さず彼に託したのか 様々な疑問がのりをよぎったのだが手紙の 内容が気になって読み進めた俺そして読み 終わると同時に涙が溢れ心臓がバクバクと 大きな音を立てているのが分かっ た母さんなんでなんで隠してたんだ よ母の笑顔思い出すと胸がズキッと痛む母 はどんな思いで俺を生みで1つで育ててい たのだろうかただ1つ言えることは母が俺 のことを心から愛していたということだ俺 はとうとう自分の出世の秘密を知って しまうことになっ た俺の名前は大橋孝也片親家庭で育った 16歳だ生まれた時から俺に父親はい ない戸籍をたどっても母が結婚していたと いう事実はなかったし未婚のまま俺を出産 したのだろう先日無事に第一志望の高校に 合格して新しい生活がスタートしたばかり だったのだがその年の秋に母は亡くなって しまった母に病や治療中の病気があったと かそういう話は一切聞いたことがない あくまでも俺の知っている範囲での話に なるがあの日俺は22時までバイトの シフトに入っていた 本来はバイト禁止なのだが俺のように家庭 の経済的事情などを考慮すると例外的に 認められる場合がある らしい俺は母子家庭だったので言わずもが だ が仕事中は基本的にスマホを見ることが ないため控室のロッカーに入れてい た店長から少し早いけど上がっていいよと 言われてタイムカードを切りいつも通り スマホをチェックしようと開くするとそこ に帯び正しい量の着信が入っていたのだ今 でも思い出すだけでぞっとする慌ててその 番号を調べたらこの近くにある総合病院で あることが分かった嫌な予感がした俺は 急いで病院に駆けつけて受付の人に事情を 話す受付の人は俺の名前を聞くなり顔色を 変えすぐさま母がいる病へと案内してくれ た母はすでに意識を失っており母が 横たわっているベッドをぐるりと取り囲む 医療従事者たちが世話しなく動いてい た無気質な機械音が母の最後を告げた時俺 は母に何も伝えることができなかっ たそれからというものあっという間に母の 見送りが住んで気づけば俺は1人になって いた ひとまずは母の姉であるおばさんが俺の 保護者になると名乗り出たのだがおばさん にも俺と同じくらいの子供たちがいるそれ に1番上の長男は大学生になったばかりだ 当然俺の面倒を見るような経済的余裕は 一切ないだから俺はおばさんたちに迷惑を かけないよう大学進学を諦めることにした のだ別に大学へ行きたいとは特にはい なかったし高校さえ卒業したら後はなんと か なるそう思いおばさんの手を患わせない ためにも1人で生きていく決意をしたの だっ た俺がアルバイトをしている居酒屋はもう 20年以上この地域に愛されているお店 らしいシフトは基本的に土日祝だけ平日も 入れると言ったのだが学生は勉強が本分な のだからおろかにするなと店長に言われた それまでは別に週23日の稼ぎで十分だっ たのだが母がいなくなってしまった今そう はいかないお願いします平日も含めて週 56日はシフトに入れてくださいホールで もキッチンでも何でもやりますお願いし ますおばさんがいるので今すぐ 食いっぱぐれるという心配はないだけど なるべく生活費を自分で稼ぎたくて店長に 無理をでほぼ毎日アルバイトをすることに し た高校は公立高校で俺の家庭事情も加して 授業料がかからないのが不幸中の幸いだ おばさんは俺を心配して一緒に暮らすかと 聞いてくることもあったが俺はそれを断っ たいきなり俺が家族としてやってきても おばさんの子供たちは困ると思いますまだ 下の子って俺より年下ですよね俺も今更他 の人の家で暮らすのは結構ストレスたまる んで今のままでいい です本当は寂しかった母を失い1人 アパートで生活するのは息が詰まるそれで もおば家族に迷惑をかけられないと思い 冷たい言葉で突き放したのだおばは優しい 人だきっと俺が遠慮していることに気づい ていたから何度も声をかけてくれたのだが それを断る 胸が痛んだけど最終的にはおばさんの旦那 さんが俺の気持ちを組みとってやろうと 言ってくれて話は終わっただからおばさん から提示された陽子縁組の件も断って いる一応俺は未成年なので光景人は必要と のことでそれだけなってもらっ たそして高校卒業するまでの関係でいよう と思っていたの だそうして俺はバイトざまの日々を過ごす ことになる17時にお店に入って働き22 時には帰る本当は深夜まで働きたかったの だが高校生の俺はそれができなかっただ けど生活費を稼ぐためだとシフトに入り まくっていたせいで成績が若干加工気味で 担任からも心配され たおばさんたちを頼って学業に集中し なさいと言われた時もある俺だってできる ことならそうしたいがちっぽけなプライド がそれを邪魔してい たけれども急に母を失ったことのショック からどの道俺は勉強に集中できずにいた それなら一層働いている方が気が紛れて楽 だと思っていたの だってことを担任の先生に言われてある 程度成績はキープしているから単位落とす とか留年とかないし俺大学行く気ないから 別にいいんですけど ね気がつけば居酒屋の常連客であるげさん に愚痴をこぼしていたそうかまあ高君が いいならいいがとにかく無理だけはするな よお前が倒れたら元も子もないから なあげさんはいつも俺のことを気遣って くれているこうやってしょうもない口を 行っても真剣に聞いてくれるし絶対にたり 上から目線のアドバイスをしたりしない ただ俺に寄り添った言葉をかけてくれてげ さんは俺にとって心のより所となっていた のだ例えるならげさんは優しい祖父のよう な 存在母をなくした俺にとって身内のように 感じられる人がいるというのは幸せなこと だったもちろんおばさんにも感謝している けどげさんとおばさんに感じる気持ちは また違うものであったそうしてあっという 間に月日が流れて新学期に入る去年は母と 一緒に入学式に出てここで写真を撮ったの だが今日は俺1人後輩である新入生たちの 輝かしい笑顔を見ながら俺はたった1人 17歳の誕生日を迎えたのだっ た新年度は特に変わり映えのない日々の 連続だ母はいないので何でも1人でこなさ なければならなくて最初は色々苦労した けど1ヶ月3ヶ月半年そうやって時間が 経てばおのずと家事も率なくこなせるよう に なる気がつけば母が亡くなって1年が経過 していた今日は定休日の水曜日なので バイト先には寄らずまっすぐ家に帰る そして母が生活していた狭い部屋の前で俺 は足を止めたこれまで少しずつ一品整理は してきたがどうしても気持ちが前向きに なれず放置している 状態バイトが休みの日にやろうかと思って はやめて現実逃避をするというのをずっと 繰り返していただけど先日母の一周期の包 を得てからは気持ちにも少し余裕が出てき て遺品整理を再開することに決め たゆっくり新呼吸をして母の部屋に入る母 は意外と貴重面な人で整理をするまでも ないほど部屋が綺麗だったそして亡くなる ギリギリまで俺と撮った写真や俺が学校の 行事などで受賞した賞に関する記事などを ファイリングしていた意外なところで母の 愛を再確認して泣きそうになる俺目元を 強くこすりながらなんとか涙をこらえつつ 手を動かしているとは母が使っていたと 思われる昔の携帯が見つかった今でこそ スマートフォンが普及して姿を見ることも 減ったパカパカタイプのガケだ電源が切れ ているので中は確認でき ないひとまず他のことをしながら携帯を 充電して1時間後電源を入れるとなんと 画面が点灯したのだまだ使えるのかなんて 思いながら開くと1通のメッセージが届い ていることを知らせる画面が 浮かび上がるなんとなく開くと母は誰かと メールでやり取りをしていたようだしかも 亡くなる1週間前までその未読メールを 開くと差し出し人の名前は池崎浩司となっ てい た池崎浩司誰だそんな人会ったこともない し聞いたこともないしまさか俺の 父親色々なことが思い浮かんできたのだが 全く身に覚えのない名前に困惑する ひとまず未読状態であるメールを開いて みるとそこには短くこう記されていたまた 会い ましょうおそらく母はこのメールに気づか ずそのまま放置していたのだろう結局母が 返信できずに1年以上が経過しているので 今更メールの返事を送ったところで意味が がないと思ったけれども俺はその人と会わ ないといけない気がしてならなかったのだ 何か根拠があるわけではないだけど本能が その人と会わなきゃならないと言っている ような気がしてい た気がつけば俺はメッセージを打っていた 初めましてa子の息子の高屋です母は1年 前に開しまし たどういうメッセージを送ったらいいか 悩んだのだが相手返が来るとは限らないで あれば完結に情報を伝えるだけでいいので はと思いこういった文面にしたするとそれ から1時間もしないうちに母の携帯が振動 しその池崎という人物から返信が来たのだ メールにはこう綴ってあった僕はa子さん の古い友人ですもしよろしければ彼女の話 を詳しく聞かせてくれないでしょうか まさかが亡くなったとは思っても見なくて 少々頭が混乱していますただどうしても君 に伝えないといけないことがあるもし よかったら以下に送る住所のカフェまで来 てくれませんか交通費などは後で僕が全額 負担しますのでよろしくお願いし ますとても丁寧なそのメールに俺はハイト だけ送ったのだったそれから1ヶ月後池崎 さんと会う約束をした日の日曜日電車に 揺られ1時間後俺はとあるカフェで彼の 到着を待っていた旗から見ると1人で そわそわしながら辺りを気にする挙動不審 な男子高校生に見えただろうすると約束の 時間の5分前に池崎さんらしき人物が現れ た驚いたもう到着していたとはなんて言い ながら額の汗を拭って いるさんは母より少し年上くらいに見える 男性で俺が警戒しないようすぐさま自分の 名刺を取り出し机の上に置い た改めまして僕は池崎浩司と言います一応 このカフェのオーナーもやってい ます俺は驚きつつも頭を下げると とりあえず好きなものを注文していいよと 言われた少し遠慮しながらもオレンジ ジュースを注文しすぐに届いたそれを喉に 流し込むもう9月だというのにまだ虫厚く セミが泣いているくらいの気温だっ たしばらくの沈黙の末池崎さんはゆっくり と俺の前に手紙を差し出しこう いう君のお母さんから預かっていたものな んだ彼女と音信不通になる少し前に突然 これを渡されてねもし息子であるたが訪ね てきたらこれを渡してほしいって言われて いたんだどうして俺当ての手紙をみず知ら ずの池崎さんが持っているのだろうと思っ ただけど内容が気になってその場で手紙を 開けるするとそこには衝撃的な事実が書い てあり手紙を読む手が震え始め た池崎さんも少し困った顔しながら俺を 見つめている俺はなんとか手紙を読み終え 驚く内容を知ってしまい動揺が隠せず心臓 がバクバクと大きな音を立てているのが 分かったそしてゆっくりと池崎さんに聞い た母はずっと自分の病気を隠していたん ですか幼い頃から心臓に病気を抱えている とか聞いたこともありません母は健康その ものだと思っていたから急に倒れて俺動揺 していたんです母は生まれつき心臓がかっ たもちろん俺を出産する時も心臓に大きな 負担がかかって危険な状態だった らしいそれでも若くしてリスクを抱えてで も俺を見たかったのにはある理由があった そうだ手紙には母の丁寧な字でこう綴られ てい た高屋えこの手紙を読んでいる頃にはもう この世にお母さんはいないこと でしょうそんな言葉からから始まった母の 手紙遡ること10数年前母は18歳で俺を 妊娠し19歳で出産した今でこそ若い母親 は多い明治だがその当時は10代後半での 出産に周りは後期の目を向けていたらしい もちろん終戦以前は14歳前後で子供を 産む人はごまといただろうが時代は常に 動いている若すぎる妊娠にに家は困惑の色 を浮かべたらしいしかも母は手紙にあった 通り生まれながらに病気を抱えている今は 医療の発達でそういった疾感を抱えている 妊婦さんは安全に出産するため無痛分娩や 帝王切開を選択することが多いそうだだ けどまだ医療が不十分だった当時心臓に病 を抱える母の出産は大きなリスクを伴うと 言われていた つまり出産するとなれば母には大きな負担 がかかるだろうし無事に埋めたところで キャリアがほとんどない母が俺を1人で 育てていくことは不可能だと言われたそう だそれはまだ子供を育てたことのない未熟 な子供である俺でも分かりきったこと しかし母は周りの反対を仕切って俺を産ん だお母さんはあなたを絶対に産みたかった あなたはお父さんと私の元に来てくれた けがいのない宝物だったんだ から母は危険を承知で俺を出産した後35 半年ほどで仕事をするようになったそうだ キャリアがなかったのでひとまずスーパー のレジ打ちと深夜は交通誘導などの アルバイトをしていたらしいその間は母の 父つまり祖父が俺の面倒を見てくれていた そうだなぜなら俺の父親がいないから 手紙を読む限り母は父のことを愛していた はずだけどなぜ結婚せずに未婚のまま俺を 産んで居の道を突き進んだのだろう か俺はさらに手紙を読み進め衝撃的な事実 に言葉を失うことに なる祖母は母が出産することに猛反対し 出産後は祖とその件で激しい路に発展した 結果離婚して家を出てしまったそうだだ から俺は祖母とは一切の面識がないし祖父 も俺を可愛がってはくれていたそうだが 残念ながら物心つく頃に祖父は家にい なかったので記憶はないそうして母は体を 駆使しながらもお金を稼ぎ俺が苦労しない よう立派に育ててくれたそういえばこんな ことがあったのを 思い出す当時は両親共に揃って育てをする ことが当然というような空気だったので俺 が片親だからと小学校の同級生にからかわ れたことがあった気が弱くて言い返せ なかった俺が泣いて帰ったあの 日母は鬼のような行子をして相手の家に 乗り込んだのを今でもよく覚えているそれ 以降は俺がからかわれないよう授業参官に も必ず来てくれて持ち物だっっていつも 新品を買ってくれた家で母は継ぎはぎ だらけの服を着ていたのにきっとお金は なかったのに高校受験をする時は塾にまで 通わせてくれた母母はいつも笑っていた その笑顔の裏では目に見えない苦労をして きたに違いないしきっとそれがたって体調 を崩して救世したのだろうそう思うと一気 に悲しみや寂しさが込み上げてきて俺は おえまじりに大泣きし 池崎さんは優しく俺の方に手を置くと 辛かったね大変だったねと声をかけて くれる人切り泣いた後俺は池崎さんにこう 聞い たあなたは一体何者なんですか母とは古い 友人とおっしゃっていましたがこんな手紙 を受け取るくらいに仲が良かったんですよ ねまさかあなたが僕の父親ということは ないですよね 俺の問いに池崎さんは少し困った顔したが ゆっくりと首を横に振っ た残念ながら僕はた君の父親じゃないよ ただ無関係な人間ってわけでも ない池崎さんはふっ笑ったかと思うと さらに言葉を続けたそうだねもうここは ちゃんと言うべきだよね君はもう小さな 子供じゃなくて自分で事を考えられる年齢 だからそれに高君は知る権利が あるそう言って池崎さんは大きく深呼吸を する数秒間の沈黙の後池崎さんは自分の 正体を明かし た僕は高君の叔父なんだ君の父親の兄と 言ったらしっくり来るか な俺はゆっくりと頷いた父の兄だという 池崎さんはゆっくりと当時の話をし 始める実は元々結婚するのは弟とa子さん でなく俺とa子さんだったん だ池崎さんの話によるとその結婚話を進め ていたのは母の母つまり母が俺を生むこと に対して猛反対した祖母だったのだ実は母 の実家はとても裕福な家庭だったらしい何 でも祖父がそれなりに大きな建設系会社の 社長をしていたとか池崎さんの家はその 祖父母の近くにあり家族ぐるみで仲が 良かったそうだ昔ながらというか祖母は とにかく長男主義者で娘たちに向こを取ら せるかもしくはいいところの長男にとがせ て家を安泰に導こうとしていた らしい現に母の姉であるおばさんは旦那 さんに向こ入りしてもらっているけどそれ だけでは満足できなかった祖母妹である母 にも向こを取らせるか事情なのでこの際 良いところの長男に嫁がせようと考えた そうだそれで白葉の矢が立ったのが池崎 さん今では考えられない古い思想だが昔の 人が長男を意識することはよくある話 だろう昔の時代を題材としたテレビドラマ でもそういう長男云々で嫁姑問題に直面し ているシーンを見かけたことがあるだから この話自体は特段不思議に思わなかっただ から本来母は池崎さん改め公事おじさんと 結婚する予定だったがどういうわけか母は 弟である俺の父と恋に落ちてしまった らしい工事おじさんの話によると父は あまりいい男ではなかったそうだいつも ぐーたらしていて父さんたちには迷惑 ばかりかけていたよう学校もそこそこに バイクの免許を取って乗り回していた くらいだから僕からしたらそんな風に自由 に生きる弟が羨ましかったよ僕はただ勉強 以外何の取りえもなかった面白みのない 人間でね長男として真面目で素晴らしい 人間であろうとしていたんだ よそういう工場寺さんの目はどこか 懐かしむような優しいまなざしをしていた しかし父はただの怠け者ではなく真は しっかりしている人だった らしい母と本気で結婚したいと両家の親の 前で土座したが祖母は当然それを拒否した やはり祖母の中では長男である工事おじ さんの元に嫁がせたかったのだろう次男で ある父なんて眼中になかったらしいだから が半ば強引に工事おじさんと結婚させよう と手続きをしようとしたら突然妊娠して いると告げられたそう だそれで工事おじさんとの婚姻話は破断に なり母と父は駆け落ちするかのように家を 出ていったその後何があったのか母は父と 結婚しないまま見込んで俺を出産し心配し ていた母の父が手伝いをしに来ていたそう だ それが妻である祖母にバレて離婚に至った との こと母の手紙には大方そのようなことが 書かれていたしかし肝心の父については 特に記載がないだからこそモヤモヤが残っ たの だそれでなんで父はそんなにも愛していた はずの母を捨ててどこかに行ったんです か俺は呼吸を荒くしながらおじさんに そういかけた工場おじさんはしばらく黙っ ていたがゆっくりと息を吸い込んでこう 言っ たあいつは君たちを捨てたんじゃない君と a子さんを愛していたからこそ離れたんだ よ意味が分からず眉間にシを寄せていると 工事おじさんはある場所の住所と思われる ものが書かれたメモを渡してきた僕は あくまでも無害者なんだ君とは親戚甥っ子 と叔父という関係にあるが茅屋の外僕から はこれ以上言えないだけどここに行けば 高家君が求めている答えにはたどり着ける はず だ見覚えのない住所だったがここまで来た 以上俺は全ての真実を知りたかっ た工事おじさんにお礼を行った後店を 飛び出すここからその場所まではそう遠く なく電車で20分くらいの距離だったので 向かうことにし たそして電車とバスを経由してたどり着い たその田舎のポツンとした一軒屋にその人 はいたの だチャイムを押して待っていると出てきた その人は俺を見て目を丸くするなんで高屋 君 が俺も同じように目を丸くしたなんでげ さん がそう言って俺はげさんの言葉を大返しに し2人ともお互いの目を見合ったまま 黙り込んでしまったげさんは確かにうちの 店まで来るのにわざわざ電車を使ってきて いたと言っていたがここの住人だった なんてしばらくしてげさんはため息をつく とままあとにかく入りなさいと言って俺を 家に入れてくれたギシギシと音を立てる 廊下今に通され椅子に座るようさ れるしばらく待っているとげさんは台所 から冷たい麦茶とおやつを持ってきて俺の 前に置くと自身も迎えの椅子に腰を下ろし た はあ何から話すべき かもごもごと口を動かしているげさんに俺 は担当直入に聞い たげさんは俺のおじいちゃんです かげさんの動きがぴたりと止まり俺の顔を じっと見る扇風機が回る音風林が風に揺ら れてチリンと優しい音を出して揺れる様 そしてうるさいほどの大合唱を披露して いるセミ たち全ての音が大きく感じたその瞬間げ さんは頭をかきながらこう言っ たそうだ高君君は俺の孫なんだよ今まで 黙っていてすまなかった 分かってはいたもしかしたら小さい頃俺の 世話をしてくれていた祖父というのはげ さんかもしれない工事おじさんにここの 住所に行けば分かると言われげさんの顔を 見た時から予想していたことではあっ ただけど改めてそう言われた瞬間俺の心臓 はまたどくんと大きな音を立てたのだげ さんはやはり母の父つまりや問わず働き 続ける母のサポートをしていたあの優しい 祖父だっ た俺は恥ずかしながら子供の面倒なんて見 たことがなかったんだよおふからは家の ことは女房がやるもんだって言われ続けて いたもんでねまあ時代も変わって今は そんなこと言う男はしょうもない男だろう その罪滅ぼしじゃないがせめて娘が困って いるなら子育てに手を貸してやりたくて お前にミルクをあげたりお押し目を変え たりしていたん だそう言って昔を懐かしむように語るげ さん俺には祖父の記憶はないけどげさんの 話を聞くとなんとなく記憶が蘇ってくる ような思いだっ たしばらく昔を懐かしむように語った後げ さんは神妙なおちをしてこう聞いてきた どうやってここを知った俺お前には崇を 隠していたと思うんだ が苦笑いして聞いてくるげさんに俺は 先ほどまで工事おじさんと会っていたこと を説明し た池崎浩司さんっていうおじさんに会って きたんですもちろんげさんはご存知ですよ ね本当は母さんと結婚する予定の人だった から遺品整理を再開した時母さんの携帯を 発見したんですそれで母さんが亡くなる 直前までやり取りをしていた人が工おじ さんだったから何か知っているんじゃない かと思って会いに行きましたそれでここに 行けば何か分かるだろうって言われたん です工場おじさんは母から手紙を預かった 際こう言われていた らしい手紙はたや本人が真実を知りたいと 思った時に渡してやってくださいあなたに たどり着くことができたらきっと高家は 最後まで真実を知りたいというはずです その時は息子の手助けをしてあげて ください今私たちの秘密を知っていて 頼れるのはもうあなたしかいないんですだ から工場寺さんは俺が連絡してくるまで母 の遺言を守って手紙を大事に保管してくれ ていたのだどうも工場おじさんは母が 見込んで俺を産んだことを知って色々と気 にかけてくれていたらしいだから母とは メールでやりをしてお互いの近況を報告し 合っていたそう だきっと母にとって工事おじさんは信頼の 受ける人だったのだろうだから手紙を託し たそう考えたら納得がいったメールの やり取りがえても母の言葉を信じて俺が 来るのを待ち続けてい たきっと工事おじさんは母に心臓の病気が あることを知っていただろうし母が 亡くなったこともメールがえた時点でさし ていたのかもしれないそれでも彼は母の 遺言を守り続けたの だ手紙には父親のことが何も書かれてい ませんでした工事おじさんは何か知って いる様子でしたが自分の口からは話せない と言ったんですだからげさん俺に父親の 秘密を教えて ください俺がふぶかと頭を下げるとげさん はうと唸って黙り込んでしまうしかし観念 したと言ったような表情で言葉を紡ぎ始め た確かに浩司君が言うようにお前には知る 権利があるそうだな分かった話そうなんで あいつがお前たちの元を去っていったのか を父は母と駆け落ちをした時これからも 家族3人仲良く暮らしていくつもりだった らしいだが2人の前に大きな壁がった父は しこそ通った人間だったがどこかぼんやり して騙されやすいタイプだったらしいそれ で友人の口車に乗せられて借金の連帯保証 人になってしまったそうだ数々とか数 10万とかそういう可愛い額ではない結局 は友人が飛んでしまったせいで連帯保証人 である父の元に借金取りが現れたそして あろとか出産が住んだら子供つまり俺を 自分たちの容姿に出すよう命令してきた そう だ俺を育てて働ける年齢になれば呼使える し母たちからは愛する息子を奪って逃げ られないようにできるそう思ったのだろう この時まだ父と母は席を入れていなかった だから父は自分のせいで愛する人と我が子 が苦しい思いをすることを想像すると耐え られず母と何度も話し合って最終的な結論 を導き出したそれが母が見込んで出産を するということ幸いにも母は実家が太いの で借金取りも母の実家には手が出せずにい たそうだそれに未婚のまま出産すれば戸籍 上俺は父の息子であるということにもなら ない家族でも何でもない母と俺に手出し することはできない だから母と父は結婚することなく別々の道 を歩み始めたのだ借金取りには父が自分が 1人で返済すると約束しこなきを得た らしいその話を聞いた時はふざけんじゃね えって思ったよけどまああいつにだって ちゃんと考えがあった今でも借金は返済し ているし関西し得るまでは絶対子供や栄子 に会わない養育費もちゃんと支払うからっ て俺の前に土下座しに来たんだ よげさは窓から見える遠くにある工事現場 を眺めながらそんなことを言ったつまり父 は俺と母が大変な目に合わないようあえて 距離を取ったということになる果たして それが正しい選択だったのかと言われると 俺は納得ができなかっ たそんな綺麗事を言ったせいで父さんのの せいで母さんは苦労したんじゃないですか 母さんは心臓に病気があることを隠して俺 を育ててきましたきっと苦しかっただろう にずっと働き詰めの日々を送って結局 母さんを苦しめていたことに変わりあり ませ んまだ俺の中にある父というのは母を 苦しめるだけ苦しめた悪魔のような存在で あったするとげさんがため息を つきそうだよな まあついてこいと言ってむに立ち上がっ たげさに続いて家を出ると駐車場に止めて あった軽トラに乗るよう言わ れるそうして俺はげさんの車に乗り込んで ある場所に連れて行かれたのだった到着し たのはげさんが先ほど眺めていたあの工事 現場げさんが車から降りると職人たちが 笑笑集まってきて 社長と声をかけてきたそうだった母方の 祖父は建設系会社の社長 だそんなことを思い出しながら職人やげ さんたちを眺めていると職人の1人が俺に お孫さんですかと聞いてきたげさんは少し 考えた後いや行きつけの居酒屋の店員だ まだ高校生なんだよ若いだろ偶然そこで 会っただけだよ と言って俺の存在をごまかしたきっと意味 があるのだと思って黙っていると母と同じ くらいの年に見える男性が爽やかな笑顔で げさんに話しかけた社長お疲れ様ですこの 通り無事に進んでいますよこれから別現場 の見積もりにも行くんですが社長もどう です かげさんはふっ笑った 後もう俺は現役をりいて お前に台を譲ったんだから社長と呼ばれる のはお前だろうと言ったすると職人たちは わははと大笑いするそしてげさんに 話しかけた男性にしっかりしろよ新社長 なんて言っていたなんだかすごくわきあい とした職場だななんて思って眺めていると 新社長だと言われたその男性が今度は俺に 話しかけてき た君高校生かな俺が頷くと男性は優しく 微笑んだ後自分にも高校2年生になる息子 がいると答えた今は一緒に住んでいなくて 養育費だけを支払っている らしい息子さんには合わないんです か俺がそう聞くと男性は頬をポリポリと 書いて恥ずかしそうにこう答え た俺が息子に会う資格はないんだよまそれ でも嫁は俺の代わりに息子を育ててくれた んだから養育費を支払うのは当然だしな 息子が立派な社会人になったら肩を 付き合わせて酒を飲もうと思って いる歯を出してニカっと笑うその顔になぜ か俺は懐かしさを覚えて涙をこぼす男性が 驚いておおい大丈夫か坊主と言うと周りの 人たちが高校生を泣かしたなんて言って ちゃかし始めたオロオロしている男性に俺 は涙を拭って 答えるすみません実は俺にも会ったこと ない父親がいて母が1年前に多したことも あってそのなんか色々思い出して泣いたん ですそう言うと男性は少し戸惑いの表情を 見せたけどゆっくり俺の頭に手を置い てそっかそりゃ辛かったなと言って優しく 撫でてくれ たすると休憩時間が終わったのか他の場所 で休憩していた作業員たちがやるぞと声を あげて いるみんなそれにこうして現場に戻って いき俺とげさんだけが取り残された先ほど の男性は社長と言われただけあって テキパキと周りに指示を出しながら自らも 積極的に動いて その様子を観察していた俺にげさんはこう 言った何が正しい選択だったのかは分から ないよな俺もさ未だにあいつから育費を 受け取り続けているんだだけど英子が なくなってからそれをあいつに伝えるべき か悩んでいたん だそう言ってげさんは自分のバッグに手を 突っ込むと分厚い茶ブートを俺に手渡して きた中には驚くべき数の1万円札が入って おり俺は突然のことに理解が追いつかない でいるしかしそんなのお構いなしにげさん は封筒を俺に押し付けながらこう続けた あいつはずっと言っていた息子が大学に 進学できるだけのお金を用意したいって a子が亡くなった以上いつも通りあの子の 口座に振り込むこともできず俺はずっと 保管し続けていたんだもちろん英子が 亡くなったことをあいつは知っているが それでもあいつは自分の義を通し続けて いるこれはお前が受け取るべきお金だこれ でしばらくはバイトしなくても生活できる だろうそのあいつというのは果たして誰の ことを言っているのだろうかもちろん流れ から俺の父のことを言っているのは分かる そしてげさんが向いている方向は俺がが 黙っているとげさんは優しく微笑んでこう 言っ たあいつのためにも大学に行くんだその後 の学費とかは気にするなここまで黙ってい た俺だって悪いんだからやれることは全部 協力するだからお前の信じる道を 突き進めなんとなくげさんが俺の前から姿 を消して崇を隠していた理由が分かった ような気がした俺はチブートを握りしめ ゆっくりと頷いたのだっ たそれからというもの俺はバイトを週1回 だけにして日曜日に出勤し3年生になる頃 にはやめて勉強に専念することにしたのだ 目指す大学が決まりその大学は入試で1位 から5位に入れば学費が免除になる特大性 制度を独自に設けているそこ一択に絞って 俺は神経を全集中させ寝るまま死んで勉強 する日々を過ごし たそして春インターネットでも合否は確認 できるのだが俺はあえて大学の合格者 張り出しがされている掲示板まで足を運ぶ そこで見た光景は今でも忘れられない だろう二十歳を迎えた俺はあのお世話に なった居酒屋にげさんと共に来ていた アルバイト店員ではなくお客として今日は げさんの会社の飲み会があるのだなぜ俺が そこにお邪魔させてもらっているかという とお前は本当に頭がいいんだなうちの弁護 士もお前にきっと将来すご腕の弁護士にな るって言ってたぞこれからも頑張ってくれ はいありがとうございます俺は現在弁護士 を目指している法学部の学生だげさんの 会社にはとても有名な弁護士の先生が顧問 弁護士としてしているらしく税務のバイト に入ってその弁護士に勉強や実務を教えて もらっているだから俺も従業員の1人とし て飲み会に呼ばれたというわけだしかも 今日は俺の誕生日でもあったのでお酒が 解禁されたことを祝う場でもあった すっかり職人たちとも仲良くなってみんな 酔いも回ってきた頃げさんの後を継いで 社長となったあの男性が話しかけてきた 成人おめでとうって今はもう18歳から 成人なんだっけまあいいやとにかくお めでとうさあ飲んだ飲ん だ女気で乾杯して飲んだ初めてのビールは ほろにがかったあれから俺が大学に進学 することをおばさんに告げた時は驚かれた けどおばさんも旦那さんも最後まで俺たち を応援してくれたきっと母も俺が立派弁護 士になることを天国から応援してくれて いるはずだそんなことを思っているとげ さんが小声で話しかけてき たもう分かってるんだろうあいつが誰なの かあいつとはここではあの若い社長のこと を指す俺はゆっくり頷いてこう言っ たあの人は自分なりの責任の取り方をして いるさ中だまだあの人の罪滅ぼしは終わっ ていないあの人から息子が弁護士になった んだって聞いた日には2人で家族水いらず また今日みたいにお酒を飲みたい ですそう言うとげさんは笑いそうだなと 言ってくれたその時あの人が俺を見つめ ながら何か言っていたのだが周りが 騒がしくて聞こえなかっ たえこ俺たちの息子は立派に育ってる よ夜はまだ長い俺と父が分かり合える日も まだまだ長い道のりになる だろう俺の名前は宮の高野現在26歳で 仕事は弁護士をしている弁護士は刑事民事 の各紛争事案に対して法律をもに依頼者に 寄り添い依頼者のために活動する弁護士は 弁護士事務所に所属して仕事を行うが各 個人や事務所ごとに得意とする分野がある のはご存知だろうか例えば刑事では凶悪犯 祖母犯窃盗犯知能班風俗犯など民事では 家事事件商事事件労働事件行政事件などが ありそれぞれの事案について快知見と専門 性を有するスペシャリストとしての弁護士 が存在 する俺が自分のベースとして定めたのは 民事の家事事件つまり離婚養育費相続青年 貢献など家庭に関する事件全般を言うのだ がその分野の専門化を目指して経験を積ん でいるところだ俺の務める弁護士事務所は その分野のオーソリティとして長通ってい てクライアントが多いし先輩弁護士は経験 豊富な人ばかりでスキルアップする環境と しては最高の事務所なのだ法律家は弁護士 の他に察官がありこれら3者を指して放送 という俺が法律というものに関心を持った 最初のきっかけはその頃流行ったテレビ ドラマを見たからだがそんなことが きっかけだなんて馬鹿にしないでくれよ きっかけがどんなことだってそれが新たな 世界を開く鍵となることはあるものだし 実際俺はそのドラマにより強い刺激を受け て法律という世界の扉を開くことになった のだそののドラマは刑事物で悪を次々と 炙り出し社会的に責任を追求し被害者の 無念を晴らす内容だった作り話ではあるの だがその痛快さにとりこになり俺も世の ため人のために活躍したいと思うように なったドラマでは法律用語や法律について の説明が要所要所で織り混ぜられ法律に ついて知識の乏しい人にも分かりやすい 構成になっていて俺は毎回そのドラマを見 ては取り扱われる法律について自分でも 調べるようになっ た俺は両親からパソコンを譲り受けていて ネット検索はお手のものだったから調べる ことは難しいことではなかった調べること で知識が増えてドラマの内容もより具体的 に分かるようになるドラマは録画していて 知識を得てから見返してみるとまるで 初めて見るように新鮮なものに感じること ができるのだ 見事者の番組だったこともあって俺は検察 家になりたいと思うようになった弁護士や 裁判官にも興味があったがその当時の俺は やっぱり検事に強い憧れを持っていたの だ法律家になるには司法試験という国家 試験に合格しなければならないのだがこの 試験は国家資格試験の中でも難易度ランク がナンバーワンと言えるものだ実は受験 資格を得るためにには予備試験というもの に合格しなければならないのだがこの予備 試験は司法試験よりも難しいとされている 試験だ別に放課大学院を終了すれば受験 資格を得ることができるというルートも あるが大学を終了した後にさらに2年 ないし3年の放課大学院に通わなくては ならないからその分時間がかかる俺は大学 の法学部に進学して3年生までに予備を 突破することを目標に設定した早く資格を 取って法律家になり世のために働きたいと 思ったからだが今思うと我ながら高い目標 を持ってしまったと思う結果として俺は その目標を達成し3年生の時に予備試験に 合格翌年の7月に司法試験を受験し見事に 合格を勝ち取った最初に説明した通り災難 間の試験で涙を飲む受験生が数多くいる中 で合格できたのは管外無料のことだっ た合格後は地方収集生となり1年間の地方 収集を受けて地方収集性交差という試験に 合格後自分の進む分野を選ぶことになる俺 は弁護士を目指すことにしていたあれ賢児 を心ざしていたんじゃないのと思われた方 その疑問当然ですよね実は在学中に俺の 考えを変える出来事があっ た大学生活は勉強一食に染まっていた授業 はもちろん学外のセミナーにも頻繁に参加 していたが2年生から開始されるゼミと いうものに俺は期待していたうちの法学部 のゼミはどこも実践形式のスタイルで有名 でゼミで学んだ知識と経験は将来の実務に おいて役に立つと言われている ゼミ説明会で12あるゼミの説明を聞いた 俺はあるゼミに強い関心を持った他のゼミ がゼミ生による説明だったがそのゼミは 教授自らが登壇し熱く語ったということと その内容に俺は魅了された迷うことなく このゼミの門を叩いた俺は教授の指導のも で具体的事案からその対応策を見出す研究 研修を積み重ねた そしてフィールドワークと呼ばれる実地 研修が行われることになりある自動用語 施設に行くことになったこの施設に入所 する子供たちの実情とその対応に法律が どう貢献できるのかを考察しまとめあげる ものだったが教授によると単なる報告書の 作成にとまらないそうだ支援するNPO 法人と協力して子供たちや困窮する人々を より協力にサポートし社会の安定化に貢献 することを最終目的とするの だ児童福祉法第41条に定められる児童 用語施設は父母がなくなったり行方不明に なっている児童父母などから虐待されて いる児童父母が養育を放棄している児童を 対象に擁護活動を行うもので子供たちを 取り巻く状況は様々だが深刻な問題点が数 多く内されいある意味社会の不条理を表す 事柄の見本一のような場所であることを俺 はその時まで知らずにいた無邪気に遊んで いる子供たちにはかでは思い描くことの できないような事情があることに俺は驚き 立ち尽くした施設長さんたちスタッフから 聞く話は俺の持っている知識や常識をはか に超えてくるものばかりでそんなことが 起こっていいものなのかまず最初は本当の 話なのかという疑問からのスタートとなっ たしかしどの話も真実であり小説やテレビ ドラマの中での作り話ではない両親から 虐待を受けていたこの話ではその内容が あまりに凄まじくこの世の中にそんなこと があっていいものなのかと怒りが湧くその 子は現在この施設で保護されていて身の 安全と食事や寝る場所など生活が保証され ているが今後については心配もある毒親の 元に帰らなければならないのかという今後 の身の振り方が1番の問題だがそもそも そんな親に社会的制裁を与えることが 難しいらしいの だ親子間の問題真剣を有する親乏しい証拠 が壁となり多くの場合子供に不利に働くの だ法律はいかにして弱者に寄り添えるのか それが大きな課題であり今回のフィールド ワークの肝となっている教授はよくもまあ こんな難題を設定したものだと思う一学生 に完全に解決できるものではないのは 明らかだが社会に対して問題提起し解決へ の光を灯すことができるならそれは何より もえがい経験と自信につながるであろう俺 はやりがいのあることに心が震える思いが して母親に今回のこと熱く語ってしまっ た母の町は昔子供を保護する仕事について いたということを聞いていたので母の考え も参考にしたかったのだ母は俺が訪れて いる施設のことを聞くと少し驚いた様子を 見せたのが気になったのだがそんなそぶり はすぐに消えて母なりの考えを教えてくれ た親子間の問題は第3者が介入することが とても難しいのよ家庭内で起こることなの で気づくことができなかったり遅くなって 問題が大きくなってしまったりそもそも 保護の手を差し伸べることに壁が存在する の子供を保護する期間として自動相談所が あり大きな権限があるのだが家庭内という 密閉空間での出来事でありその出来事を 把握するのが 難しいこういう問題に対する社会の認識に より活動が大きく左右されてしまうため 社会的認知度の熟成が必要なの だ訪れていた施設で日という女性と 知り合った彼女は俺より2歳年上で5年前 までこの施設にいたという今は仕事が休み の日などにここへお手伝いに来ているそう だ彼女からの話で知らなかった問題提を 知ることになったのだがそれは俗に18歳 の壁というやつだ だ児童養護施設の対応期間は18歳までで その後は施設を出て自立しなければなら ない最長で22歳までの延長が可能だと いうがほとんどの子供が18歳で自立する ことが求め られる施設を出た子供はケアリーバーと 呼ばれ厚生労働省の実態調査では5人に 1人が収入より支出の多い赤字の生活だっ たなどの理由で親を頼れないだけでなく 子供自身が困難を抱えているケースは多い 資金面で進学することができない就職する にもハードルが高い生活基盤を構築する ことが難しいなど自律を求められても対応 することができない場合が多いの だちなみに2022年に虐待などの理由で 自動用語施設や里親の元で暮らすことの 支援について改正児童福祉法が成立し原則 18歳までだった対象年齢の制限が2年後 に撤廃されることになったそのこと自体は 進歩と言えるのかもしれないが結局自立を しっかりと支援する仕組みがない限り状況 が好転するか疑問が残る俺が日に出会った 時はそんな高改正はされていなかったので 彼女も随分と苦労をしているそうだ そもそもひよが施設の世話になったことも それなりのわけがあってのことだと思うが 自分のことは詳しく話さずに他の子供たち のことを心から心配していた自分のことは 置いておいて施設の子たちを自分の弟や妹 だと言って真味になる姿勢といつも笑顔で いる彼女のことがとても気になった年上な のだけど守ってあげたいそんなにに思って しまう自分がいた一緒のゼミで今回同じく フィールドワークに参加している深夜が俺 の気持ちを見透かしたよう でこやはここで課題についてよりも気に なることを見つけたんじゃないのか法律で はさけない難問だから なあ深夜は俺も認める優秀なやつだったが 人の気持ちに目ざといというか敏感という かそういう力がは学業よりも優れている男 だ将来クライアントや交渉相手の気持ちを 察知して有利に話を進められるじゃないか と胸を張っているがまあそうなのかもしれ ないなと考えさせられているいずれにして も俺にはない能力なので賞賛してはいたが ひよりに対する俺の気持ちを見抜かれた ことは非常に罰が 悪いそして俺と深夜は日の手助けを受けて に調査を進めていった施設の子供たちの お姉さんであるひよが間に入ってくれる ことで子供たちの思いからおしが取れる ようだっ た調査の過程もあり俺は深夜と共同で結果 の取りまとめと必要とされてかつ有効な 法的措置の選定と今後求められる法整備の 方向性を提案するレポートを作成し教授に 提出したレポートは教授に絶賛され支援 するNPO法人や関係部署に共有され活用 と法整備に向けての理論的ベースとして 活用されるという学生によるレポートが こんなにまでも高い評価を得て使われると いうのは異例なことだという俺は自分たち の提案が受け入れられたことが嬉しかった が実際に成果として世に反映させるのは俺 たちではないことが少しいいやかなり残念 だっ た今回のことで俺は将来自分の手で世の中 を変革する仕事がしたいと思うようになっ たこの時から俺の目標は弁護士へと路線 変更されることになったのだそれもただの 弁護士ではない弱者を助けるだけではなく 能動的に発信し世の中を変えていける弁護 士になりたいと思った深夜も俺と同じ思い を抱いたようで俺たちは共通の目標に 向かってより一層勉強に励むことになった 忙しくなって俺はあの施設から距離を取る しかなくなりひよりと再開することも なかった彼女に会いたいという気持ちは あったがあってどうするのか自分でも 分からなくてお呼び越になったということ もある俺は予備試験の合格と在学中の地方 試験合格という目標を見事に成し遂げ卒業 後後の司法収集性も完了し資格を取得弁護 士会に登録し無事に弁護士となって今の 事務所に入り経験を積む日々を送っている 大学の教授からは大学院に進学して研究者 の道に進まないかと提案を受けたが俺は 現場で困っている人に寄り添い1つでも 世の中にはびこっている不条理を打破し たいと思い教授の誘いは丁寧に辞退したの だの所属する弁護士事務所は民事において 力を有する事務所だがそれに続く得意分野 として企業をサポートする顧問弁護士とし てもその力を発揮して いるクライアントは企業内弁護士を持つ ことのできない中小の会社になるがその分 こごまとした問題が発生することも多く 顧問弁護士は頼りになる存在だというわけ だクライアントの不安を取り除きリスクを 回避しトラブルを未然に防ぎまたトラブル が生じてしまった場合はそれを解決する ことでクライアントの事業そしてその従業 員とその家族を含む関係者を守ることが 役割なの だ俺は経験を積むためにある中小企業の 顧問弁護士を先輩弁護士から引き継ぐこと になった安定した企業で軽装が起こった ことは今までないそうで初心者が受け持つ には格好の会だということだが俺は担当 するからにはしっかりとした結果を残し たいと込んでいた事務所と会社が締結して いる顧問契約の一環として従業員向けの 法律相談を実施することになった人は 何かしらの悩みや壁にぶち当たっている ものでありそれを解決できる法的なものが あれば救いを求めたいと思って いる続金銭の貸売買に関する問題離婚葬儀 など色々な問題があり悩む人は多いもので それを解決に導き平穏な日常を取り戻す 手伝いをすることは意義深いものなのだ 多くの人の悩みを解決するために自前に しっかりと開催の告知をして迎えた相談会 当日俺に驚きの出会いが待ってい た最初の相談者を迎える俺は少し緊張して いたおずおずとした感じで部屋に入ってき た相談者はやはり緊張しているようだった これは俺が緊張している場合ではないと 笑顔で声をかけたのだがその声は途中で 止まってしまっ たはめ ましももしかしてひよさんひよりさんじゃ ないですか僕です宮野です大学生の時施設 でお世話になっ た俺の初めての相談者はあの時施設で 出会ったひよさんだったのだ俺は思いがけ ない再会にテンパってしまったが彼女も 大きく目を見開いて驚いていた懐かしさが 込み上げてきて昔感じていた甘酸っぱい 気持ちもにじみ出てくるようだったが今の 俺は弁護士としての立場がある自分を立し て相談内容を聞いてみることに集中した 彼女の話は俺を驚かせるものだったひさん は俺と出会った頃には今の会社に務めてい たのだが3年くらい前に同じ会社に務めて いた男性と結婚したという夫と新しい家庭 を作り今まで自分にはなかった家族という ものを手に入れる喜びに溢れていたそうだ 夫の両親は自分の義両親となり親からの 愛情を受けてこなかった彼女は親という もののぬくもりを感じることができると 楽しみにしていた夫は優しい人で自分の 身の上のことも理解してくれてその上で 守っていくと言ってくれる人だっ たただ夫から語られたのは自分の両親は いわゆる毒という部類の人間だというのだ 幼い頃から育児放棄に近い扱いを受けた こともあり成長してからはアルバイトを 共用しその稼ぎを奪っていくような親だっ たという今も毎月実家への仕送りを要求さ れていると いう自分の両親のせいで私に迷惑がかかる ことを恐れて結婚してほしいと言い出す ことをためらっていたのだというひよは親 というものに理想を描いていたために話 半分で聞いてあまり不安に思うことは なかったそうだがその思いは結婚の挨拶に 行った時に打ち砕かれるとなっ た結婚大いに結構だねあんたも働いている んだろう結婚してもやめたらだめだよせか 稼ぎが倍になってこっちへの仕送りも増額 できるのに専業主婦なんて論外だから ねその言葉を聞いて日は絶望したそうだ 自分の親と同じような人種にまた遭遇して しまったことにめまいがした 夫が自分と同じように施設にお世話になら なかったのは私との違いがほんの少しあっ たに過ぎなかったのだといやその違いは 大きいのかもしれない今の今でも毒に寄生 される暮らしを送っているのは自分よりも 過酷なことなのではないかと思うそれでも 夫となる人は心優しい人でこの人となら 自分が夢見ていた家庭を気づいていけると 思ったので結婚することに何のためらいも なかったと いう結婚生活は幸せなものになったが 優しい夫は義実への仕送りを止めることは できなかった新しい家庭を持ったのだから その生活を優先すべきで義実家へは既然と した対応のもで仕りの中止を申し出るべき だったのだが長年洗脳され続けていて抗う ことができなかったのだひよはそんな清な 夫の優しさを理解して無茶な要求をして くる義両親に対してできるだけの対応を 取っていたのだそれも全て幸せな家庭を 築いていくためだったが運命はそんな思い に冷たい返事を下してきたの だ結婚してわずか1年後に夫が病に倒れる ことになった単なる病気なら少し用すれば 良いのだが彼に襲ってきたのは富士の病で ありわずか年と少しの後帰らぬ人とかして しまっ た愛した人家族を作った人今まで満たされ なかったぬくもりを得られるはずだったの にその人はあっという間にいなくなって しまったそして残されたのは寄生中となっ ている義両親だけになったの だ木の話を聞いて俺は驚きととに会いた口 が閉まらなくなったこんなことがあって いいはずはない今も義両親から不当な要求 が続いているというのだ俺はこんな不条理 なことは絶対に許せないと思うとともに ひよりの力になりたいと思った俺が弁護士 になったのはこの時のためにあったのだと 思うまでになっていたのだ俺は弁護士とし てひよの義両親に面談を求め たいきなり会いたいと言ってきて何のこと かと思ったら人の家のことに口を出す つもりか弁護士だと長頭じゃねえかお前 ごときにああだこうだと言われる筋合いは ねえんだ他人は突っ込んでいろあった途端 にすごんでくるひよりの 義父ひよりはねギリとはいえ私たちの娘な のよ娘が親の面倒を見るのは当然のことな の息子がいなくなった分までこの子には 働いてもらわないといけのよ母親も父親と 同じようにひよを金のなる気としか見てい ないのだ俺の面談は一方的な理屈で まくし立てる2人によって散々なことに なってしまった俺は自分の力のなさに嫌気 がさしたがこのままにしておけるはずは ない騎士海晴の手が欲しくて頼った相手は 学生時代からの親友である深夜だった深夜 も俺と同じ時に地方試験に合格して俺とは 別の弁護士事務所に所属して家族館の紛争 を得意とする弁護士として活躍してい たあの時の日さんがクライアントとは腕が 鳴るな話を聞くと呆れた人たちのようだ から根本的な関係を立つ必要がありそうだ な深夜が提案してきたことは俺の目を 覚まさせるような対応策だっ たひよりに話して手続きを進めた結果あの 義両親は面を書くことになっ たなんでひよりと俺たちが他人になるんだ 嫁なんだからギリとはいえ娘だろどうして 今更縁が切れるって言うん だいわめく2人に俺は冷静に説明してやっ た深夜が提案したことは民族関係終了届け の提出だったこれは配偶者の親族との法 関係を立つことを言う手続きとしては民族 関係終了届を区長損訳場に提出するだけで 必要なのは届け出者の印環及び本人確認 書類のみに なるこの手続きによりひよさんとあなた たちは元の他人同士に戻りました今後ひよ さんに金銭の要求をすることは単なる恐喝 と同じになりますので法的措置を取らせて いただくことになり ます俺の宣言に2人は膝をつき頭を抱えた のだっ た結局私には親だとか家族だとかは手に 入らない高の花でそれを欲しがるのは物 ねりの子供のようなおいなの ね全てが片付いたのだがひよりは寂しそう にそういうのだっ たそんなことはないよと言いたいのだが 表面的な言葉が日に届くかどうか自信が なく口から言葉が出てこないただうれて今 にも泣き出してしまいそうなひよりを見て いると自分が守ってあげたいという気持ち にさせ られる自分の本当の気持ちがはっきりと 見えていない状態で安易な行動は取るべき ではないという思いもあって俺はどうし たらいいか分からなかっ た深夜に相談すると彼女が一度結婚してい たことが引っかかってるんじゃないのか そんなこと本当は大した問題じゃないって ことが分かってるはずなのに自分が一歩 踏み出せないのをそのせいにして自分を 納得させてるんじゃない か相変わらず深夜は人の気持ちがよく わかる俺は自分の気持ちをずばりと 言い当てられてしまったことを自覚してい た俺は傷ついたひよりを力づけるために そして真剣にひよりと向き合うために彼女 に寄り添うことを心に決めた ひよの会社の顧問弁護士としてではなく宮 のこやという1人の男としてひよに交際を 申し込むことにしたの だ色々あってまだ次に進む気持ちになれ ないかもしれないけど俺いや僕は初めて 会った時から君のことが好きだったんだ 付き合ってほしいし僕という人間をもっと 知ってからでいいから結婚を考えて ほしいはたようだったが俺の真剣さが通じ たのか交際の申し込みを受け入れてくれた 結婚については言葉を濁してかされて しまったが交際を受けてくれたということ は脈がないわけではないだろう俺は焦らず にひよとの関係を進めていくつもりだっ たひよと付き合い始めてから8ヶ月が過ぎ た頃俺たちの関係が次の段階へと入る気配 があった 私幸せになってもいいのかな家族を持って もいいのか な鳥ぼっちじゃなくなってもいいのか な消え入りそうな声でそういうひよりに 愛しさが炸裂した俺は当たり前だよひより は幸せになれるんだ俺が幸せにする1人 ぼっちにはしない俺はひよりを置いてい なくはならないずっと一緒だ俺と家族に なって ほしいそう言いながらひよを強く抱きしめ たひよは俺の腕の中で声をあげて泣いてい た俺も泣きそうになったがひよりの涙も俺 の出そうになっている涙も悲しいからでは なく嬉しいから出る涙だということを俺も ひよりもしっかりと分かっていたのだっ たこうして俺たちは婚約をかわしたのだが 俺は自分が結婚をするなんて自分のこと ながら不思議な気持ちがあった世の中の ためにと法律家を目指して弁護士になる きっかけを与えてくれたひよりとの出会い がありそしてそのひよを妻として迎えよう としている俺は運命という言葉を頭に 思い浮かべていた俺はひよりを幸せにして ひよが望んでいた家族を作るそれが俺に 与えられた使命のようなものなのだという ことを理解していたのだひよを俺の両親に 紹介する日がやってきたひよは前の結婚で ひどい義両親に苦しめられたきっと俺の 両親に対しても身構えてしまうところも ある だろう自分の親だから言うわけじゃない けど自慢の両親なんだきっとひよりを本当 の娘のように迎えてくれるよだから安心し て2人に会ってほしい 心配していないよだって荒野のご両親なん だから私にもやっとお父さんとお母さんが できるの ね顔合わせの日駅まで迎えに行った俺は 緊張する日よりを優しくエスコートし た気を張る必要はないよと言っても無理か もしれないけどでもね家では今頃俺の両親 が日和り以上に緊張して待っていると思う よ 落ち着かなくて家の中をうろうろ歩き回っ ているかも ねひよりの気持ちを少しでもほぐしたくて あえて驚けた感じで話をするがそれでも 右手と右足を同時に前に出す歩き方をして しまうひよりを見て自然に笑い声が 湧き上がってしまうひよもそんな俺を見て 照れ笑いをしている駅から家までの短い 距離だがその道は俺たちの幸せへと つながる輝く道に違いがなかったの だいらっしゃい高野の母の町です聞いてい た通りの素敵な人ねあなたのような人が 荒野のお嫁さんになってくれるなんて本当 に嬉しい わ母もそして父も満面の笑顔でひよを 迎え入れてくれた大間に通されて改めて俺 はひよを親に紹介したのだが母が何かに気 がつき驚きの表情を見せたの だあなたのその 指輪もしかしてやっぱり ああ名前を聞いてまさかとは思ったけど ひよりちゃんひよりちゃんなのね母が ひよりのつけている指輪を見て絞り出す ような声をあげたのだはい私もやさんの 苗字のミアのという名前に確かな記憶が ありましたのでもしあとは思っていました けどお母様はあのまちさんなのです ね俺には2人の反応が理解できずに何の ことなのか分からなかったのだが語られる 母とそしてひよりの話に運命というものが 本当にあるのだと思い知らされることに なった母とひよの話はこういうことだった 私は町と言って夫と結婚してからも自分の 仕事を続けてい た私の仕事は児童指導員と言って何らかの 問題があり擁護が必要である子供に対して サポートを行う仕事だった虐待や貧困など の問題が深刻化している昨今それらの問題 によって家庭で暮らしていくのが厳しく なった子供たちの親代わりをするのが児童 指導員の仕事でやりがいを感じていたが 息子の荒野が生まれて母となりより一層 仕事に対して真剣に向き合うようになって い た私の務める用語施設にある時1人の 女の子が入所してきたその子の名前はひよ ちゃんと言って母親が亡くなって不家庭と なっていたが父親が妻がいなくなって しまったことに耐え切れずにお酒に溺れ 仕事も育児も放棄してしまったひよちゃん が保護されたことは最悪の事態から免れる ことができた幸運ではあったのだが表に出 にくい虐待が表に出たということはそれ だけ虐待の度合がひどく周囲にまでひよ ちゃんの受けていた被害が知れ渡るレベル だったということに他なら ない実際 護施設に来た時のひちゃんは痩せこけてい て栄養状態が悪く大人を怖がり怯えた様子 だったの だ児童相談所は立ち入り検査を実施しその 結果ひよちゃんは一時保護の対象と認定さ れこの施設へとやってきたのだ心と体に 強い傷を追ったひよちゃんは最初は誰にも 心を開かなかった私はこの子が不便で かわいそうでなんとかしたいと思い根気 よく接していくうちに単にかわいそうと いう気持ちよりも愛しさが募ってきて息子 の荒野のことと思い合って母親のつもりで 接するようになっ たひよちゃんは首にネックレスのように つけている指輪を持っていた私が素敵な 指輪ねと話をするとひちゃんは嬉しそうに 母親の片だというまだ自分の指には大きく てブカブカでつけられないから首から ぶら下げているというのだひよちゃんに とってその指輪は母親そのものでありまだ 優しかった頃の父親を思い出す品だそう だでもお父さんねこの指輪を売ってお金に するって言って取り上げようとするの私は そんなの嫌だから守ろうとしたんだ けどこんな小さな子がどれだけの目に合っ ていたのかと思うといまれなくなった私は 全力でこの子を守りサポートして普通の 子供として安心した生活を遅れるようにし てあげたいと心から思っ た一時保護の期間はその子の状況により 短いこともあれば長いことも あるちゃんの場合は父親の状況に好転が見 られず2年近くを経過しようとしていた その間にひよちゃんは心身共に健康を 取り戻していて園内に友達もたくさんでき て毎日楽しく過ごしていたひちゃんは私に 心を開いてくれて縁のママと呼んでくれて いる小学校入学も目前に迫っていてひ ちゃんの今後のことが心配になるそんな時 清ちゃんの父親が酒によって縁に乱入して くる事件が起こったの だいい加減子供を返せ俺の子だ俺のものだ 俺の子育てに文句言うんじゃ ねえそう怒鳴り散らしながら暴れていた ひよちゃんはもちろん他の子供たちを避難 させつつ警察に連絡したパトカーが来る までの時間が永遠のように感じられたが 父親はやってきた警官によって現行犯逮捕 されたの だこの事件は当時大きく報道もされて世間 は前としたこの件の処理に当たったのが 検察官であった私の夫だった荒野は法律家 になりたいと思ったきっかけはテレビ ドラマだと言っているが父親の影響を強く 受けていたことははっきりしている住居 侵入鬼物損害などいくつもの罪に問われた 父親は刑務所行きとなり夫の友人である 弁護士の働きでひちゃんの真剣は悪され たもちろんそのためには園長が里親となっ て身元を引き受けるということがあった からできたのだが要するにひちゃんはあの 父親から自由の身に慣れたということ だその後少し時間が必要だが落ち着きを 取り戻していたひよちゃんに笑顔が戻って きた時は私は逆に涙が溢れ出てきてしまっ たそれから1年が経過して私はすっかり 2人の子持ちのような感覚になってい た家では息子荒野の母縁では娘ひよりの ママ機械を見計らって2人を合わせて みよう本当の兄弟のような関係になるん じゃない かしらそんなことを考えるのも楽しいこと だったしかしその経画は実現することは なかったのだ夫の転勤が決まり地方の町に 引っ越さなければならなくなった夫の出世 のために避けられない転勤でもあり私も 体動しなければならないつまり今の仕事と 縁とそしてひよりとお別れしなければなら ないのだ どれも捨て去ることなどできない大切な ものだが答えは1つで覆すことなどでき ないの だ待ちままいなくなっちゃうって本当なの ひより嫌だよお別れしたくない よ私のことを知ったひよりは泣きそうに なりながら私にしがみついてきた私は謝る ことしかできなかった 何を言っても言い訳にしかならないような 気がして大人の都合を無理に押し付ける形 になってしまうからだ何より自分の気持ち が揺れ動いてしまうのが怖かっ た別れの日園長からも説得をされたひよは 口をきつく閉めて目をうるませながら私を 見送ってくれ たあの時のひよりちゃんの顔が今でも鮮明 に記憶されている それから10年夫の不妊期間が終了し予定 通り夫は都内にA店という形で戻ることに なった私は地方へ移る時に児童指導員と いう仕事から離れていて長いブランクが 発生していたのでこちらに戻ってから復食 する気になれないでいたきよちゃんのこと は忘れたことはないが再び会いたいと思う 気持ちと会うのが怖いという気持ちがが 交差して自分でもどうしたらいいのか わから ない流れてきた情報では18歳になった ひよちゃんは施設を出て独り立ちをしたと いう今どうしているのだろう元気だろうか そんなことを思うものの行動には映せない でい た月日はさらに流れて息子の荒野は夫と 同じ法律家になるべく大学に通っていて ゼミのフィールドワークで訪れるという 自動用語施設の名前を聞いた私はハっとし たそれは私が昔勤めていてひよちゃんと 出会った縁であったからだ縁のような 不思議なものを感じたのだがまさかそこで 荒野がひよちゃんと出会っていたなんて 思いもしなかったそして今日こやが結婚し たいと連れてきた女性がひよりちゃんだと は名前を聞いた時にまさかとは思ったその まさかが本当になるなんて運命以外の何者 でもないのではなかろう か私清は子供の頃辛い日々を送る時があっ た大好きだった母が突然いなくなりさらに 優しかった父が共編し私に辛く当たるよう になってしまった家族というものは温かく 居心地のいい場所であったはずなのに家は お腹が好き寂しく辛くそして痛い場所と 貸した子供の私はそれらに耐えることしか できず自分ではどうしようもなくただ 震えるしかでき ないある時大勢の大人の人がやってきて私 をあの家から連れ出してくれたが自分が どこに行くのかどうなるのかなんて全く わからない どこに行ったとしても今までと変わらない のであろうと諦めの気持ちがあったのだ しかし新しい場所は温かくご飯が食べ られる私はその変化に戸惑い身を固くして いたがそんな私に優しく接してくれたのが 待ちままだった確かお母さんてこんな感じ だったんじゃないか な少ない記憶をたどりながら私は町ままの ことが大好きになっていっ た父が縁に乱入してくるということがあっ たが私は怖くはなかったきっと縁のみんな や町ままが助けてくれるという確信があっ たからだそれからはさらにまままとの絆が 結ばれて町ままは私のお母さんと同じに なっていっ たまままとの突然の別れが私をまた1人 孤独の闇へと突き落としたが私は負ける ものかと決めていた町ままからもらった いっぱいの思い出がその数の分だけ私を 強くしてくれていると思ったから だ勉強を頑張り入園してくる後輩たちの 面倒を見て縁の仕事もできる範囲で精一杯 手伝っ た18歳になって縁を出ることになったが 園長の人力によっ 小さいながらも有料な会社に就職ができて 一歩一歩ゆっくりだけど自分の足で しっかり歩いていけるようになっていった 兄弟でもある縁の子供たちのために極力縁 を訪れてお手伝いをするのがライフワーク のようになっていたがある時縁にやってき た大学生のほやさんという人と出会っ た自分の目的目標にまっすぐ突き進むが 眩しくて交換を抱き彼の調査には全面的に 協力したの だ彼の苗字を聞いた時私の記憶をくすぐる ような感覚があったがそれが何かはたり 寄せられないでいた今思えば待ちままと 呼んでいて苗字は聞いたことがあるはずだ がはっきりと記憶に定着していなかったの かもしれ ないさんは調査の終了と共に私の前から 消え去ってしまい私は言いよのない寂しさ を感じた昔街ままがいなくなってしまった 時のような感覚があり私は動揺し たその後善夫と出会い家族を作り幸せに なるはずの道を踏み出したのだが夫は救世 し残ったのは毒親と言われた義両親だっ たほとほと困りはてていた時に会社の顧問 弁護士ととして現れたのが荒野だったのだ そして彼は見事に私を救い出してくれた 感謝の気持ちはもちろん彼に特別な感情が 芽生えている自分に気がついていた運命と いう言葉が現実にあるのかもしれないそう 思っていたところ荒野からプロポーズをさ れて私の心は嬉しさで中を待ったの だ母とから話を聞いた俺は驚き固まった人 はあまりの驚きに見舞われた時は固まって しまうのだということが実感でき たひよりの言葉ではないが運命というもの はこの世に確実に存在するということが しみじみと分かるならば俺はその運命の 命ずるままにひよりと家族を作り幸せにし てやるだけだと思ったもちろん俺も幸せに なるしひよりとなら幸せになれると確信が ある母さんを含めて俺たちにそんな関係が あったなんて俺たちの出会いは見えない力 で導かれていたんだ なひよちゃんが娘になってくれるなんて 嬉しいという言葉じゃ表現できないわ感 無料それ以上のことよ私も待ちままの娘に なれるなんて夢のようです会いたかった ママひよが幼い頃から憧れ求めてきた 温かい家族家庭を俺たちは作り上げていく そして俺たちに子供ができたら精一杯の 愛情を注いで育てていくん だ愛する子供を悲しまたり辛い目に 合わせるなどできるはずがないのだ俺の 決意を分かってくれるようにひが 言う幸せな家庭で将来は私たちの子供を 育んでいきましょうでも1つ約束して私 より先に行ったりしないでねもう寂しいの には耐えられない から私の名前は杉田雅子65歳のパート 女性だ夫は2年前に多しており現在は1人 で暮らしている私は別に働かなくても遺産 と年金があるのでそれだけで暮らして いけるのだが働きたくて働いている今務め ているのは近くにある楽器店だ楽器店には いろんな人が来ており私は接客が楽しいな と感じていた以前も接客のパートをしてい たので苦ではない本題の学生さんもいれば 小さなお子さんもいるピアノやバイオリン を習うために楽器を購入するお子さんなど はいつも目がキラキラしていたああ可愛い なと思いながら仕事をしているとなんだか 癒されてしまうのだそんな私には1人だけ ちょっと苦手な人がいるその人はささんと いうお得意さんだささんという女性客はみ が豪華でいかにもセレブといった感じだっ たきっと相当なお金持ちなんだろうと思っ ていたのだが後で他の若い店員さんから 旦那さんが経営者だと聞かされたなるほど だから次々と新しい楽器を買っていかれる のかと思ったささんは昔から楽器を習って いてピアノバイオリンそれからフルートを 現在もやっているいる らしいそれで1つ100万円もする フルートを買ったかと思ったらもっと高い ものはないかと聞いてきたの だこの間買ったフルート寝があんまりだっ たのよねもっといいものはない かしらはあどのようなものをお求め でしょう か高音が綺麗になるものがいいわおれし ないがいいんだけどおすめは あるでしたらこちらはどうでしょうか 優しい寝で人気なのですよ はあこんな安いもの私が買うわけない でしょうあなたバカにしてるの私は高くて 色がいいものしか買わないのこんな安い ものだったらきっと残念な音しか出ないに 決まってるわもっと高いやつをちょうだい お取り寄せでもいい からかしこまりましたでは店長に相談して み ます全く早くしてよね今度の発表会までに なんとかしたいんだから全くとろくさい ばあさんで嫌になるわどうせ楽器のこと なんて何も分かってないの ねささんはぶつくさ文句を言っており絶対 に高級なものしか買いたくないと言ってい たでも楽器そのものが高いからって絶対に いい音が出るとは限らない素人が高い楽器 を使って演奏するのとプロの演奏家が安い 楽器を使って演奏するのだったらどちらが 綺麗に聞こえるかという問題だ芸能人 格付けランキングなる番組がにやってくる ストラディバリウスと安いものを使った 演奏を聞いてストラディバリウスを当てろ という問題が出るのだが結構難しいと 思うでもどちらもプロの演奏家がやって いるから素人では聞き分けられない だろう私は個人的にその人の力量によるの で絶対に高いものがいいとは言えないと 思ったが店長は高いものを売っておけと 言っていたなんだかお客さんを騙している ような気がしてしまったが店は ボランティアじゃないし売上が大事だから 仕方ない結局ささんのお目当てのフルート は店にないのでお取り寄せすることになっ たそれはハイズ者というアメリカのもので 800万もするやつだったささんはここれ よこれまさに私にふさわしいわと言って 受け取ってい たまあ綺麗素晴らしいわ私に ぴったり喜んでいただけてよかったです じゃあねまたのお越しをハンドメイド ゴールドなので金色に輝くキラキラの フルートだ800万なんてもはや高級会社 の値段だし地方なら中古の一軒屋が変えて しまう値段だと思った私の生まれた地方は 田舎だったので多分それくらいの値段で 中古の家が 買えるこんなに高いものをポンポン買える のだからやっぱりささんはお金持ち だそれからある日私は初めてピアノを習う という主婦の田中さんにピアノの説明をし ていた田中さんはご近所さんなので私の ことを知っている夫が亡くなった時も大変 よくしてくれた優しい方だ彼女はずっと 子育てで忙しかったので自分のやりたい ことを後回しにしていた らしいしかし下のお子さんも高校生になっ てほとんど手がかからなくなったのでを 習いに行くとのことだったピアノは小さい 頃からやっていた方が有利ではあるけれど 最近は大人になってから趣味で始める人も 多い別にプロになるわけじゃないのなら いつから始めたっていいと思ったすると私 と田中さんの会話を聞いていたささんは ニヤニヤしていたささんは今度は新しい バイオリンを探しにていたさすがに ストラディバリウスは買えないし今持って いるものより高い他のメーカーのものを 探していたようだ えっとあなた田中さんでしたっ けははいそう ですあなた失礼だけどおい くつ45歳ですえ45のおばさんが今から ピアノを始めるなんて ちょっと言いたくないけど遅すぎだし何も 上達しないからやめといた方がいいですよ お金の無駄ですってドブに捨てるだけだ からそんなのしない方がいいです よちょっとさ さん私は5歳の頃からピアノバイオリン フルートをやってるのでプロ顔負けです けど45歳からって ね私はまあまだ35歳だしあなたより若い から吸収力もありますけど45歳のおば さんは物覚えも悪いでしょうから諦めた方 がいいですよこれは親切な忠告 ですそんなでも私やっと子育てが人段落し たんです だからどうしても昔からやりたかった ピアノを習いたく て はあ今から習っても意味ないのに懲りない 人ですねどうせ発表会で大爆笑されるだけ ですからもっと簡単な楽器にしたらどう ですかあほらカスタネットと かささんはその辺の棚にあった カスタネットを取り出して叩いて笑っいた 田中さんはもう泣きそうな顔をしているの で私は見ていられなかったザさんは確かに 小さな頃から楽器をやっているので アドバンテージはあるのだろうでも人に なってから習う人はそれまで何かの理由で できなかったのかもしれないし放っておい てあげてほしいと思っ た例えば経済的事情もあるかもしれない ささんのご実家はきっと今と同じくらい 裕福だったのだろうだからたくさん習い事 をさせてもらえたのだと思う田中さんは こう言っては失礼だがみも失でその辺に いる主婦といった感じだったきっと苦労さ れてお子さんを育ててきたに違いない そんな田中さんがやっと自分のをように なりピアノを始めると言っているので 意地悪して欲しくなかっ たささんあなたの言っていることは正論か もしれません確かに小さな頃から楽器を やっていた方が有利ですよねだって子供は 吸収力が高いですから何でもすぐ覚えます しでも田中さんはこれから自由な時間を 持って楽しんでピアノをやりたいと思って おられるんですだからそんな意地悪なこと 言わないでください はああんた店員のくせに客に向かって何 言ってるの私はねこの山下楽器店の男様な のよこっちがいくらここにお金を落とした と思ってるの私の言うことにケチつけない でいいえケチをつつけるなんて滅そもない です 確かに正論ではあると言いましたでもさ さんの言い方はきつすぎますし田中さんを 否定して欲しくないのです楽器を始める 理由なんて人それぞれですよね田中さんと あなたの楽器を始める理由と時期が違った だけ ですまあ確かに私って実家も金持ちだった し今の夫も経営者で儲かっている 好きにお稽古させてもらえるのよねそこの 汚らしい田中さんと違っていかにも貧乏 主婦って感じ何そのダサい 服 うささんがあまりにもひどいことを言った ので田中さんは泣き出してしまった私は 怒りでどうにかなりそうだったが相手は 一応客さんであるだからぐっとこらえて 勤めて冷静に公開し た人の格好をどうこ言う前にもう少し礼儀 を学ばれた方がよろしいと思いますご立派 な家庭でさぞ素晴らしい教育を受けられた からそのような言い方ができるんでしょう ねはあばあさん私を馬鹿にしてるのあんた 何言ってんのよいいえどのような家庭教育 を施されたらそのようなも言ができるのか 気になったまで です生意気なばあさんね偉そうなこと言っ てるけどどうせあんたは何も楽器のこと なんて知らないでしょ適当に言ってるだけ だわ私にケチつけてるけどあんたは何様な のよただのパートの貧乏なばあさんのくせ にどうせピアノなんて触ったこともないん でしょう ね はああんた私に喧嘩売ったんだから恥書い てもらうわよいつも楽器触ってるなら ピアノくらい引けるわよねねえばあ さん はあ えっとおやおやどうしました もしかしてピアノなんて本当に1回も引い たことないとかそれか猫踏んじゃった くらいしか引けないのかしらそれは笑える わあんたここで引いてみなさいよみんなに 笑われて居場所がなくなればいいの よまあそこまで言われるのでしたら聞か ないわけにはいきませんねではせて いただき ますえあの私のせいでこんなことになって しまってすみませんいいですあのもう かばってくださらなくていいので杉田さん はそんなことしないで ください田中さんいいんですよまあ見てて ください笑い物になるだけなのにピアノの 前に座っちゃってあ みたい私は椅子を引いてピアノの前に座っ て瞑想した落ち着きたい時はこうやって 瞑想したらいいと何かの本で読んだからだ それからピアノの鍵盤に指を置いてまず猫 ふんじゃったを引い [音楽] た本当に猫踏んじゃったを引いてるわ 何これめちゃくちゃ 面白いじゃないのこんなのでピアノが引け るっていうのかしらこれくらいピアノを 習ったことがない子供でもできるってもん よばあさんは私をバカにしてるのかしら まあいいわ楽しいから聞いて [笑い] あげるさくさんは大きな声で高笑いをして いたそれから私はメリーさんのを引いたの だがまたしてもささんは大爆笑だった 何これメリーさんの羊じゃないの私に喧嘩 売っておいてこんなのしか引けないなんて 哀れなばあさんね私はもっともっと難しい 曲を引けるっていうのにメヌエットが 引けるのよ次はノクターンを引くつもりだ けどきっとこのばあさんにはいつまで立っ ても引けそうにないわねだって超絶難しい ものだが私が次にバラキレフのイスラメイ を引いたらさくさんの顔色が変わったのだ ピアノの横に立っていた田中さんも びっくりしたのか目を見開いていた えちょっとなんで こんなはは何これ このばあさん何がどうなってる の曲は最初から細かく指を動かさないと いけない私はまるで体が燃えるように暑く てたまらなかった汗がつっとこかを伝って いくのが わかる店内にいた他のお客さんはこっちに 集まってきておおとかすげえと完成を上げ ていたそれから次に私はスクリービンの ピアノそなた第5番を引いた2分くらい 経ったところからかなり盛り上がるのだが ささんは腰を抜かしそうになってい [音楽] た懐かしいわこれ中学生の頃に引いた かしら はあなんですっ てなんだか昔に戻ったみたい はあまだまだ頑張りますよ私が引きながら こんなことを言っていたのでささんは足を ガガさせていた膝丈スカートを履いている ので足が震えているのが 分かるそれから手に持っていた小さな バッグを落としそうになっていたハイ ブランドバッグなので落とさないように 必死につかんでいるようだった続いて リストのの混ぜらカンパネラそれから アルカンのピアノ独走のための競争曲を 引いたあるカのものはフルオーケストラが まるでそこにあるかのように感じられる曲 だ大変激しいので引いている方は精神的に も肉体的にも消耗してしまうことで有名で ある情熱的な感じがするので私はこれを 聞くとなんだかやる気が 湧くす すごいまるでたくさんの玄学器がそこに あるかのようだわな何なのこれ一体何が どうなってるのこのばあさん魔術しか何か な の杉田さん一体どこでこんな曲をなんて こと素晴らしいわすごいすごいわ はあ はあ息も絶大になりながら私はなんとか曲 を引き終えた最後の方なんて指がもつれる んじゃないかと思えるくらいだったがほぼ 脳ミスで負えられたのだたくさんの人が私 に対して拍手を送ってくれたみんなの拍手 に包まれてまるで私はピアニストになった 気分であった 皆さん聞いていただいてありがとうござい ます拍手もしてくださって本当に嬉しい です杉田さん素晴らしいですコンサートに 来たのかと錯覚してしまいましたうわあ すごい ですあんた一体何者なの化け物じゃない でしょうねなんでこんなに難しい曲が 引けるのよ私のピアノの先生でもおそらく こんなのは引いたことがないはず よだって私はずっとピアノをやっていまし たからまあ大人になってからはほとんど 引けずにいました けど はそれってどういうことな の私問題主席なのですよ東京音楽芸能大学 を主席で出ましたもちろんピアノ家 ですあの国立の東京音楽芸能大学ですって それも主席ええそうですその後 ジュリアード音楽院にも行きまし たじゃああんたも実家が結構な金持ちじゃ ないのよなんであんたがここでパート なんてしてるのいや実家はお金持ちじゃ ありませんよまあ夫は結構稼いでいたので パートしなくても良かったんですが好きで 働いています実家は私を入れて兄弟が4人 いましたがその日食べるのもやっとな貧乏 生活だったのですでも母は教育にはお金を 惜しみませんでした幼い私は勉強や習い事 を大事にするよりもたくさん食べて遊び たかったのですが母は勉強か運動それか 芸術を極めるように行ってきたのです幸い 私には音楽の才能があったようでそれを 発見した母はスパルタ式で私にピアノ レッスンを受けさせました母もピアノを やりたかったそうですがお金がなくて諦め たから私に夢を託したんでしょうね私はの 才能があると自分で分かってから母の言っ ていることは最もだと思って練習を重ねた んです よ何そのどこのアーティストみたいな 話ある時私は知人の紹介で小学校の頃に 外国人の素晴らしい先生に出会いめきめき と力をつけたのです彼はとても素晴らしい 先生で私のことを褒めて伸ばしてくれまし たそこで私は音楽を極めて将来は ピアニストになってお金を稼いで父と母に 贅沢をさせてあげようと思ったん です彼も貧しい家の出身ながら頑張ってい て感銘を受けたからですで結果的に私は 奨学金を得て音楽芸能大学に行ったの です素晴らしい話ですでもそんなこと聞い たことなかった ですまあそれから辛いことが起きてピアノ を封印したからです ね私の実家は結構な貧乏だったでも母は 何かを極めればそれが身を助けると言って 教育にはお金を惜しまなかった私は小さな 頃はそれが理解できなくて母はんで習い事 をさせているのだろうと思っていた私は 自分を入れて4人兄弟だったのだが姉は 絵画の才能があり絵を習っていたそれから 双子の弟のうち兄の主夜は勉強が得意だっ ただから母は家庭教師をつけて主夜に勉強 ばかりさせていた双子の弟の方の幼児には 野球のがあったので幼児はいつも汚い ボールを投げて練習していた私たちはそう して習い事をしたりしていつも頑張ってい たのであるある時私はとてもいい先生を 紹介してもらったそのジョン先生は アメリカ人でピアノを小さな子から大人 まで教えていた彼も大変貧乏な出身だと 知って貧乏でも頑張ればピアノの先生に なれるんだと私は思ったのであるでも ジョン先生は私にピアノの先生になるより ピアニストを目指せと言ってきた彼は私の 才能を見抜いていたのだろう小学校の頃に すでに難しい曲を引けるようになっていた 私は中学でさらに高度な技術を要する曲を 練習して発表に出ることになった周りのお 金持ちの子はみんな綺麗なドレスを着て いるがそんなものは買ってもらえない だろうなと私は諦めていたでも母はドレス を用意してくれたのだ母は小さな魚屋さん で働いていたのだがそのお給料を貯めてい た らしい父と母の稼ぎでようやく食べて いけるレベルだったので到底ドレスなんて 無理だと思っていたが母はやりくりして ドレス代を演出してくれたの だとても綺麗なピンク色のドレスを着て私 はステージに立ったその時のことは今でも 鮮明に思い出せるしとても懐かしい気分に なる練習を重ねた結果私は見事国立の南関 芸大である東京音楽大学に合格したしかも トップの成績だったので学費免除な上奨学 金をゲットしたのである奨学金は下宿題と 譜面などに使うことができてよかった私は 地方から東京の大学に行くことになったの で両親は少し寂しそうだったでも母は あんたにはやっぱり才能があったんだよと 言っておほえんでくれた姉も双子も私の ことを見送ってくれたそれから主席で卒業 した後アメリカのジュリアード音楽院に 行ったジョン先生の母校でもあるから選ん だのだ私はそこでさらに検算しピアニスト になろうと決意していたその時夫と出会い アメリカで同棲してい たは者勤務でアメリカに駐在していたのだ 私たちはそのまま結婚し赤ちゃんを授かっ たピアニストになるのは子供を産んでから でも遅くないと思いとりあえず両親に報告 し た結婚式はアメリカでやったのだがその時 夫がうちの家族を呼ぶためにお金を出して くれていたので ある夫のことを大変にいた親と兄弟は 私たちに子供ができたことを祝福してくれ た子供を育てながらピアニストになるのは 大変だろうから子供が生まれたらアメリカ に来て面倒を見ると母は言ってくれ た早くもおばあちゃん気分だったの だろうだが私の赤ちゃんは天国に行って しまっ た生まれた直後にハンディーがあることが わかっようでお医者さんたちはバタバタと してい たわ私の赤ちゃんは どこねえ一体何がどうなってる のそれから翌日赤ちゃんに合わせてもらえ たがたくさんのくにつがれていてびっくり した心臓に先天的な器形があると言われて 絶望的な気分になった 見た目も普通の赤ちゃんではないことが すぐに わかる外見からもハンディーがあることが 分かるのだがそれでも私にとっては可愛い 赤ちゃんだっ たしかし3日経った頃に赤ちゃんは 亡くなってしまったのだ夫も泣いていたが 私はショックのあり円形脱毛症になって しまった食べることもできずりどころか ガリガリになってしまったの だ夫は慰めてくれたけれど私はいつまでも 立ち直れなかった母から国際電話が来て そっちに行くからねと言われたけれど会い たくないくらいだった惨めな気分で いっぱいで退院してから幸せそうな親子を 見ると嫉妬でいっぱいだっ たなぜ道行く人はあんなに幸せそうなのに 私はどん底にいるのだろうか私と赤ちゃん が一体何をしたって言うの かそれから帰国して私はもうピアノを引か ないことにした辛いことが思い出される から2度と引かないと決めたのである夫は せっかくピアノの才能があるのだから せめて先生になればいいと言ってい たし私はピアノを引いたらまた子供が 亡くなると思って第2市妊娠中もピアノ から遠ざかっていたので ある第2市のとが生まれてから私は少し 落ち着きを取り戻しただんだん息子が 大きくなってからずっと家にいるのもなん だかなと思うようになってしまいパートを 始めた夫は勝者マだったから別にお金に 困っているわけではないでも誰かの役に 立ちたかったので近所の小さな本屋で パートをし始め たしかしその本屋の店主が恒例になって しまったので店じまいをすることになった のである店主は楽器店の店長と知り合いだ からそこで働くといいと言って話をして くれていたまたピアノを見たらあの失った 第一のことを思い出すので嫌だなと思って いたけれど天主がとてもいい人だったので 面接を受けてこの楽器店で働くことになっ たの だそういうわけで私はピアニスト死亡だっ たの赤ちゃんが天国に行ってからずっと 辛くて避けていたんだけど今はここで働く ことが楽しいのよ小さな子供さんがワクワ しながら楽器を見ているのを見てもし私の 第一師が生まれていたらこんな風だったの かな てでももう過ぎたことだし今は乗り越えた のそうだったんですねとても辛い過去が 終わりだったんですねなんだかすみません いいのよ私が勝手に話したことだから気に しない ね私やっぱりピアノが好きだわ亡くなった 赤ちゃんのせいにしてたけどそれって 赤ちゃんに対して失礼よね うう私ピアノが好きだわ聞ける喜びって こんなにいいものなのね引き終わった後の 総会館みんなから喜ばれる楽しさ忘れてい たけどこれが音楽よそう私はただのパート のおばあさんだけどやっぱりピアノが好き なのよ は私は泣きながらこんなことを言って しまっ た確かに辛いことはあったけれどいつまで も亡くなった我が子のせいにしていては いけないそしてやはり私はピアノが好きな のだ夢破れて日本に帰ってきてから第2を って幸せに生きてきたそしてなんとなく 始めた本屋のパートから楽器店のパートに なってそこでもお客さんとの触れ合いを 大事にしてきたそしてピアノを触るたびに 辛いことを思い出していたけれどそれと 同時に再び引きたいという思いがあった 国際コンクールに出た時の紅葉感はずっと 忘れられない 白いライトに当てられて観客や審査イが 見えないくらいになるそしてステージでは たった1人ピアノに向き合って真剣勝負が 始まるのだ他の出場者との勝負ではなく 自分自身との勝負とも 言えるミスをしないようにそれから感情に 訴えかけられるように魂を込めて引くのだ みんなから大きな拍手を受けた時の紅葉感 はとても言葉では言い表せないでも1番 楽しかったのは母がドレスを買ってくれた 時の発表会だあれは地元の発表会で大した ものではなかったけれど人生の中で初めて 興奮した時であるピアノをみんなの前で 引いて光に包まれるのがこんなに気持ち いいのかと思ったのだああなんて楽しいの みんなが私の演奏を聞いて拍手してくれて いる私もっともっとピアノを頑張りたい いつか絶対 にその気持ちをさっき思い出したところだ ただのパート店員の私に対してみんなが 拍手をしてくれる中には泣いている人もい てやっぱり音楽は人の心を揺さぶるんだと 思った私の演奏で少しでも感動してくれた のならこれ以上嬉しいことはない ううごめんなさいあんたがそこまで苦労人 だと思ってなくてあんなにひどいことを 言っ ていいんですもう過ぎたことです から実は 私で悩んでいて赤ちゃんができなくって ううそうですかそれはお辛いです ねだからあんたの話聞いて涙が止まらなく てささんはいつも習い事をしているようだ しあえてお子さんを作らない人なのかなと 思っていた自分で35歳だと言っていたが 確かに私も30代なんだろうなとは思って いた世の中にはいろんな事情がある人が いるのでお子さんのことを聞くのは ためらわれる中にはずけずけとなんでお子 さんがいないのとか早く作ったらなどと いう女性もいる だろうそういう人は悪気なく言っている だけかもしれないが事情がある人にとって はトのような言葉だ不妊症や不育症で悩ん でいるのかもしれないしその他の病気で 埋めなくなってしまったのかもしれ ない私にはとても仲のいい友人がいるのだ が彼女は旦那さんと2人暮らしだ友人は 旦那さんと結婚した半年後に乱層癌が発覚 して手術しなければならなくなったので 子供を持てなかった容子縁組をしようと 思ったようだが周りから反対されて諦めた とのことだこのささんも辛い思いをしてい たんだなと思うとこれ以上責めたりはでき なかっ た私の亡くなった赤ちゃんの話を聞いて もっと辛くなった だろうなんだか逆に申し訳なくなっ たささん本当に申し訳ありません私の話が あなたにとって辛い思い出を引き起こした なら本当にごめんなさいまさかそんな風に 悩んでおられるなんて知らなかったの でいえそれは私の気持ちの問題です私 あんたとかばあさんなんて言って偉そうに してすみません杉田さんあなたの話を聞い て私も少し救われた気持ち ですた気持ちですかどうしてでしょう か私は確かに不妊症で苦しんでいます義母 からのプレッシャーや無神経な言葉に 傷つきながら自分を責め続けていたんです 習い事ばっかりしていないでさっさと子供 を作りなさいと言われてひどく傷ついてい ましたでも杉田さんのお話を聞いて自分 だけがそんな悩みを抱えているわけでは ないことを知りましたみんな苦しみを持っ てるんですよ ねそうですか私の話が少しでもあなたの心 に届いたのならそれはとても嬉しい です子供を持つことに対する社会の プレッシャーや無意識に人々が投げかける 言葉は本当にトのようですよねだからこそ 私たちはお互いを思い合ったり尊重し合う 必要があるんですよね私今ここで大事な ことを思い出させてもらいました今まで偉 そうにしていて申し訳ないですお金がある からって大平な態度を取ってしまいました 私ったらただの大若者 です反省しているならそれでいいじゃない ですかあなたは変われますよそれと子供に 対する世間の心葉に関しては私も同感です みんなそれぞれの事情があるけれど隠して 生きているだけ です私だってささんの苦しみを知らなかっ たそれと同様にあなたも私の過去を知ら なかったただそれだけのこと ですはいそうですよねこれからはもっと 他人に優しくなれるようにします ささんは反省していたようなので私は 優しい口調で語りかけたささんは35歳だ し私の子供とそんなに年齢が変わらない第 2のとは32歳だからなんだか子供と 変わらない年齢の人に対して厳しい言い方 をしたくなかったのだ田中さんはそれから ピアノを購入してくれた 私たちはご近所なのでしょっちゅう遭遇 するのだが田中さんはレッスンに行く時お めかししてて大変楽しそうにしていた まるで私がジョン先生に出会った時のよう だあの時はレッスンが楽しくて仕方なくて いつもステップしながらジョン先生の家に 行っていた日本人の奥さんがちょっと高級 なお菓子を出してくくれるのでそれも 楽しみだったのであるうちは貧乏だったし お菓子なんてものはほとんど食べたことが なかったそれなのにどうして兄弟に習い事 をさせるのか分かっていなかったが母の 気持ちを理解した後は母に感謝したものだ 私はピアニストになれず日本に帰ってきた から母を落胆させると思って謝っていたお 金をつぎ込んで私にピアノを習わせてくれ たのにこんなことになって申し訳ないと 思ったのだでも母はあんたが元気になる ことが1番だよと言って抱きしめてくれた のだだから私は帰国してから食欲も復活し 第2師も無事に出産できたのである私は プロになれなかったけれど姉は有名な アーティストとして国外で活躍している 双子の兄の方の主夜は勉強が得意だった おかげもあり意思になった今では開業位を やっており私も尊敬している弟の方の幼児 は高校の頃に肩を痛めたのでプロの野球 選手にはなれなかったでもコチをして高校 野球に貢献したのだそれからささんがまた 楽器店にやってきた何か新しいものでも 買うのかなと思ったら嬉しい報告だっ た聞いてください杉田さん実は赤ちゃんが できたんです えそれは本当ですか良かったですねいや よかっ たもう嬉しくて私てテンションが高くてで も安心して妊娠生活を遅れるように気を つけないとだめです ねそうですね出産は命がけて言いますから 是非お体を大事にして くださいだからもうお稽古はしばらく休む んです楽器も買いに来るのは減ります ねそうですかちょっと寂しいですけど 仕方ないですね安静にしないといけない 場合もありますから ねそうなんですまあ夫にも色々手伝って もらいます ええご夫婦で協力していってください ねささんはすっかりいい人になっていた きっと彼女ならきちんとした子育てが できると思った以前のように王兵でも 意地悪でもないしきと会心したの だろう私はまだまだこの楽器店で働く つもりだみんなの笑顔が私の言動力だから [音楽] だ俺の名前は花沢ゆ現在30歳になる男性 だこれは俺と妻の物語なのだが結婚する まで色々あったので皆さんに聞いてほしい と思 俺の実家は定食や県居酒屋でいつも父と母 が朝早くに起きて仕込みをしていた両親共 に働き者で大変忙しそうにしていたが俺は とても可愛がってもらっていたゆう朝ご飯 ちゃんと食べたしっかり食べないとまた テストで10点取るようん食べたよそれに 10点取ったのは1回だけでしょそこまで 言わなくてもいいじゃないか そうだったねでもあんたが気になるから 言ってるんだよゆうはおっちょこちょいだ からはあいつも作り置きでごめんね お父さんとお母さんはお店があって忙しい からいやいいんだ父さんたちが頑張ってる の見るの好きだし俺も父さんと母さんが 忙しいのを知ってるからさそうじゃあ行っ てらっしゃい気をつけて学校に行くんだぞ 寄り道しちゃだめだぞ分かってるってもう 父さんもそれ毎朝言ってるね小学校から ずっと母は俺のために朝ご飯を作り置きし てくれていた朝からたこさんウイナーが 食べられてちょっとお弁当みたいだった から俺はそれが気に入っていた朝ご飯を 食べて学校に向かうそして教室に着くと いつも気になる女の子が目に入ったその子 の名前はなみちゃんだなみちゃんはいつも よれよれの服を着ていて洗濯はしてもらっ ているようだったけれどいかにもお下がり といった感じだった噂ではなみちゃんの お母さんが職場の人からお下がりをもらっ てきてそれを着せているとのことだっただ からなみちゃんは流行りの服なんて持って いないようでたまに男子のものを着ていた それを見た他の女子がなみちゃんをけなし たのだなみちゃんっていつも同じような服 だよねそれにさなんか色が変じゃないそう いうのって色合って言うんでしょうちの お母さんが言ってたえっとこれはねえねえ なみちゃんのその服ってお下がりなんだよ ねお母さんの仕事仲間からもらったんだっ てうわあよくそんなの着られるねお下がり なんて恥ずかしくて私だったら着られない それに今日着てるのって男子の服でしょ だって黒と青のトレーナーなんて変だ よう ううれなちゃんと友女子は家がお金持ちだ 確かに俺は友達とれなちゃんの家の前を 通ったことがあったのだがれなちゃんの家 はかなり豪邸で年の離れたお兄さんが でっかい犬を散歩させていたアフガン ハウンドとかいう犬とボルゾイだった後で あれはどんな犬なのか親に聞いたら高級な 犬だと言われたのでやっぱりお金持ちなん だなと思ったでもお金があるからってなみ ちゃんに嫌がらせするのは違うと思う俺は なみちゃんがかわいそうになったので間に 入ることにしたちょっとれなちゃんどうし てそんなこと言うのさどんなものを着てい たっていいじゃないかあんまりだよはあ何 をあんた引っ込んでなさいよなんでそんな 意地悪ばっかり言うのなちゃんは何も悪い ことしてないだろなみちゃんが何を着てい たって自由じゃないかあんたこの貧乏人の 仲間まああんたの家だってどっちかって 言えば貧乏だし仲間なんでしょうねなん だってだってお父さんたちが定食家やっ てるんでしょそれってあんまり儲からない わよねうちのお父さんが言ってたわあんな の底辺がやる仕事だって私は親がそんな変 な仕事してたら恥ずかしくて生きていけ ないわおいそれ以上行ったら怒るぞやだ 怖い女子に向かって怒るのこれだから底辺 の家の子はもういいなみちゃんあっちに 行こうえうんその頃もう俺たちは小学校4 年だったから互いにどの家がお金持ちか そうでないかの区別はついていたれな ちゃんの家はお父さんが外資系金融に務め ているそうでかなり儲かっているようだっ たそれも後で知ったので小学生の頃は外し 系ってなんだ何の意味だろうとにかく 儲かる仕事なのかなくらいにしか思って なかったれなちゃんの言う通りうちは定食 屋なので他の家の子と比べたらそこまでお 金持ちじゃないかもしれない自営業だし いつどうなるかだってわからないのだでも 俺にとっては働き者で尊敬に値する両親 だったので親のことを馬鹿にされたのは 本当に腹が立った俺はなみちゃんの手を 引いて廊下の端っこまで行ったまだ授業 まで時間があったのでそこでなみちゃんを 慰めたのであるううごめんね私のせいで裕 君が嫌なこと言われちゃってごめん ふう気にしないで俺はもう何とも思って ないからそれにあんなことばかり言ってる 人はいつかバチが当たるよそうだよね 意地悪言う人なんてバチが当たるよねうん だからなみちゃんは自信を持ってねどんな 服着ててもなみちゃんに似合ってるよだっ てだって何あなんでもない俺はだって 可愛いからと言いたかったが急に 恥ずかしくなって言うのをやめたクラスは 2年にとある学校だったのだが俺は3年生 からなみちゃんと一緒でその年2年目だっ た3年の頃から可愛いなと思っていたが どうしても恥ずかしくて本人に言えなかっ たのだ学校では女子たちがバレンタイン シーズンになると色めだって誰それに チョコレートを出すなんて言っている そしてチョコをもらった男子も義理として 女子たちにマシュマロやクッキーをあげて いた学校で渡したら先生に募集されるので みんな放課後に公園で集まってそこに好き な子を呼び出していたらしいだが俺は持て なかったので誰からもチョコレートなんて もらったことがなかった唯一母が俺に びっくりマンチョコを10枚もくれたので あれが一応バレンタインということになる 俺はきっとこのままなみちゃんに好きと 言えずに終わるんだろうなと思ったそして 彼女にその気持ちを悟られないまま小学校 卒業するんだと思っていたのだあ授業が 始まるなみちゃん教室に戻ろうかそうだね 先生が来ちゃうねよし急ごううんそれから 午前の授業を終えて給食の時間になったが なみちゃんは給食を全く食べないなぜなら またれなちゃんが意地悪を言ったからだ はいそこの貧乏にあんたって給食代払って ないわよねええとそれには事情があって なみちゃん給食費払わない人間は食べたら ダメなんだよお店でもお金を払わないで 食べたら警察に捕まるでしょうえっと確か 無線飲食って言うんだよ無線 衣食そうお金を持たずに勝手に食べる行為 のことそれってつまりなみちゃんあんたの ことよね警察に捕まるかもしれないわよ それでもいいなら食べたらいや私警察に なんて捕まりたくないええでも私が警察に 通報しちゃおうかなぷぷそうなったら警察 に捕まって刑務所に行くんだよあでも子供 だから少年院ってとこかなそこって とっても怖いとこらしいよやめてやめて そんなとこ行きたくないれちゃんはちゃん がもしを食べたら無線飲食になると言って いた確かになみちゃんはいつも給食代の 入った袋を持ってこなかったその度に 申し訳なさそうに俯いていたのでよっぽど 家が貧しいんだと思った俺の家だってお 金持ちではないけれど給食代くらいは普通 に払える訳があるに違いないのにれな ちゃんはなみちゃんをからかっていた給食 費を払わないからと言って警察に捕まる こともないし刑務所や少年院に入れられる わけなんてないのだが子供だったからなみ ちゃんは本気で怖がっていた俺もその時 まだ小学4年だったのでなみちゃんが連れ て行かれてしまったらどうしようと焦って いたでもわのある人を警察が連れて行く なんて思えなかったので立ち向かったのだ おいれなちゃんまたそうやって意地悪 ばかり行って楽しいかなみちゃんだって 事情があるんだはあどんな事情ですかそれ は知らないけど私の家母子家庭だからえ私 にはお父さんがいないのお母さんと2人で 暮らしててお母さんだけが働いているから 貧乏なのだってさ母子家庭ってつまり底辺 の人間ってこと でしょやばいうちのお母さんが母子家庭の 家の子はろでもないってって言ってたよ つまりなみちゃんはろでもない家の子って ことよねそんなのがこの3組にいると思う と吐き気がするわもう給食食べるのも嫌に なっちゃう ふなんてこと言うんだ謝れはああんた女子 に向かって謝るですってあんたこそ何を さっきからなみちゃんのことかってるけど 好きなのうわやばそれはまあ底辺同士お 似合いなんじゃないの笑える わそれ以降なみちゃんは全く給食を食べ なくなった元からガリガリに痩せていた けれどもっともっと痩せてしまったのだ そっか彼女は母子家庭だったのかと知って 俺は何と声をかけたらいいのか分からなく なった俺は4年生だったけれどテレビの ドキュメンタリー番組で母子家庭の貧困に ついて見てい だから母子家庭の家の子はとても苦労して いることを知っていたなみちゃんの家も お母さんしかいないからとても大変なん だろうでもどうしてお父さんがいないのか は分からなかったある日公園で友達と遊ん でいたそれから夕方になったので家に 帰ろうと思ったらなみちゃんとばったり 遭遇したのだなみちゃんはフラフラしてい て今にも倒れそうな感じだったなみちゃん こんなところで何してるのあゆうく実は お腹が空いてコンビニに行ったんだけどお 財布に3円しか入ってなくて買えるものが なかったのそれで帰ろうと思っ てそうだったんだああ彼女はやっぱりお金 がなくて困っているんだなと思ったとても 顔色が悪いし何か食べさせないと本当に 倒れてしまうかもしれない俺はちゃんを 近くのベンチに座らせてちょっと待って いるように言った俺何か持ってくるから そこで待っててえゆうくちょっといいから そこにいてねえうん家に帰ると父と母が夜 の準備をしていた昼は定食屋を昼の3時 までやるが夜は居酒屋に返信する夜の オープンは6時だったので仕込みで忙しい 時間だったが母に相談したお母さん俺 おにぎり食べたいえでも夕飯はもうでき てるからそれを食べたらいいのにでもまだ 4時だしちょっと早いかしらうん今夕飯を 食べたら夜中にお腹空くでしょ夕飯は7時 に食べるからおやつ代わりにおにぎり作っ てよそうじゃあ今から握るわね具何がいい つまがいいな 分かったじゃあつまよね母はつまおにぎり を作って俺に渡してくれたいつも母は ラップでおにぎりを作るのでそれをその まま持ってなみちゃんが待っているベンチ まで戻ったのだお待たせなみちゃんあの これよかったら食べてくれないこれ おにぎりうんうちのお母さんのおにぎりは 世界一なんだはい食べてねあありがとう じゃあいただくね あうんおおいしいわあ本当はうんは おいしいすごくおいしいよゆうく ありがとういやいやいいんだよううう私 こんなに優しくしてもらえたの初めてうう えどうしたのなみちゃんだって私学校で 嫌われてるから れなちゃんにも貧乏人とか底辺って言わ れるしみんな私が貧乏だから嫌いなんだっ て思って私の家が星子家庭だから誰も遊ん でくれないのよね ふうそんなででも俺はなみちゃんのこと 嫌ったりなんかしないよなみちゃんはいつ もうさぎ小屋の掃除だってきちんとやっ てるし花壇に水やりしたり優しいし俺そう いう ところ何 あとても尊敬して るってこと待たしても好きと言えなかった だから尊敬してると言ってごかした4年生 にもなると大体異性を意識し出すから 仕方ない俺はなみちゃんのこと優しくて 可愛い女の子だと思っていた私のお父さん ね最低な人だったの急になちゃんがそう 言ったえお父さんとお母さんは離婚しんだ けどそれはお父さんが借金をしてきたから なんだそんな競馬とかやってて400万の 借金を作ってきたんだでも連帯保証人とか いうのにお母さんがなってたらしくてそれ どういうことお父さんが払わなかったら お母さんが代わりに払わないといけないん だって大人の言葉は難しいけれどそういう 仕組みなんだって なんだその変な仕組みそれでなみちゃんの お母さんは大変なことになってるのかそう なんだお父さんが作ってきた借金の返済の ためにお母さんは朝から晩まで働いてるの でも私のお母さんは中卒で資格もないから 安い時給のパートしかできなくて中卒って 中学校卒業するだけの人だよねうんお給料 ががいいのは大卒って言って大学を出た人 なんだって義務教育は中学まででしょでも みんな高校とか大学行くじゃないお母さん の実家も貧乏で高校に行かせてやれなかっ たんだってそっか中学を出ただけだと高い お給料をもらうのは難しいんだねそう らしいよだからうちのお母さんは何として も私に大学に行けっていうの私を大学に 行かせるために毎日頑張ってるんだあ そうそうれなちゃんは私立中学を受けるん だってねすごいよね中学から私立なんてお 金持ちだよね確か聖母園のひかり学園女子 中古を受けるんだってえあの聖母園の光 中学受験しない俺でも知ってるお嬢様学校 ってやつだよね私なんかとは生きてる次元 が違うのよねああ私も家が貧乏じゃなかっ たら聖母園のひか学園に行きたかったな 可愛い制服来たかったななみちゃんは頭が いいのでお金さえあれば有名女子校である 聖母園のひかり学園に入れるんじゃないか と思ったでも現実は残酷でお金がなければ 受験事態もできないたまにバス停でその 学園の生徒さんたちを見かけていたが まるで漫画の世界みたいにキラキラしてい た頭のいい学校だと両親が言っていたので そこそこ勉強ができるれなちゃんも受ける のだろうそれにしてもお父さんは最低 すぎるなみちゃんのお母さんがそんなに 苦労しているのはお父さんのせいなのかと 思うと俺までイライラしてしまったのだ それから俺は彼女にたまにつまをおにぎり を渡していた俺も一緒になって食べていた からちょっとデートみたいだなと思っての だ4年生の秋になってなちゃんは引っ越し のために転校することが分かった俺たちが 住むのは東京だったのだがなみちゃんは 母親の実家がある大阪に引っ越すらしい 母親がそこでいい仕事の紹介をもらった らしくそちらで働くことに決めた らしいもうこれでお別れだねねえこれから 分してくれるうんもちろんだよ俺たくさん 書くからなちゃんもお返事ちょうだいね もちろんすぐに書くようにするねじゃあ またねいつか会えたらまたよろしくね俺 たちはそうして文通を始めた小学校卒業し て中学に上がってからも分数をしていた 高校に上がる頃だんだんとなみちゃんから の返事が滞るようになった特に2年生に なる頃にはお互い忙しくなって分もえがち になったのだああなみちゃん今頃どうし てるかなもうそろそろ受験に対して真剣に 向き合う時期だし忙しいのかななみちゃん の高校進学校だもんな俺の高校は新学校と いうほどではなかったがなみちゃんは新 学校に進んでいた文通で知ったのだがなみ ちゃんの高校は大阪府内でトップの新学校 だったのだだから大変勉強も忙しいの だろうし大学受験だってするのかもしれ ないなみちゃんのお母さんが大学進学の ためにお金を貯めていたみたいだから きっと大学に行くんだろうなと思った俺は 高校を出たら実家の店を手伝うつもりだっ たそして高校を出る頃には完全に文通がえ た俺は店で働き出しそれなりに仕事も覚え ていたそんな時父親が急に苦しみ出したの だ うくははあ父さんどうしたのはあ ああ父さんしっかりして母さん助けてあ あなたどうしたのよとにかく救急車だ俺は 救急車を呼んだしかし父は心臓発作で帰ら ぬ人となったのだあまりに急だったので俺 と母は呆然としてしまった悲しいけれどと ショックの方が大きくて現実だと認識でき なかったのであるだが葬儀になって初めて 父がもうこの世にいないことが分かって俺 と母はひどく悲しんだ特に母なんて少水 しきって顔も土色になっていた俺には他に 兄弟なんていないしこれから母をしっかり 支えないといけない俺は父が残した店を母 と共に守ることを誓ったそれからはもうに なる忙しさだった店を2人で切りもりする ために早朝に起きて仕込みをやり定食屋を やるそれで夕方になったら居酒屋に変身 するためまた仕込みをやるのだまともな 休日なんてほとんどなかったがそれでも 2人で食べていけるだけのお金が得られた のでよかったしかし近くにファストフード 店が乱立してから店の経営は悪化した みんな安くて早く提供される牛丼店や チェーンの定食やハンバーガーショップ うどん屋さんに行くようになったのだうち の常連だった人たちもあまり来なくなって しまいとうとう赤字になってしまったもう ダメかもしれないわねそうだねこれじゃあ お父さんが残してくれたお店なのにこんな ことになって悲しいようんでもこれも運命 なのかもしれないさあ店じまいするか 俺別のところで働くから母さん心配しない で ね別のとってあんたここでしか働いたこと ないのに大丈夫なのきっとなんとかなるよ 俺まだ24歳だし若いからでもさああと1 週間で閉めよう最後だと思って 頑張ろうそうだねそれまで頑張ろうか食材 の発注もしていたのであと1週間でこの店 を畳むことにしたそれまで少しでも多くの お客さんに来てもらって喜んでもらえたら 嬉しいなと思ったでもやっぱりお客さんは あまり来なかったので落胆した最後の日俺 は店先ののれを外したこれで最後だな 悲しいけれどその時とても綺麗な女性が 近づいてきた眼鏡をしていたけれど顔が 整っているのが 分かるあのお弁当を予約したいのですがあ すみませんもう今日で店前なんです確かに お弁当も扱っていましたけどこれから反 永久的にお弁当を発注すると言ってもやめ てしまわれますか えここのお弁当うちの会社の従業員の福利 構成のために支給しようと思ってははお 弁当ににはつまおにぎりを入れてくださる と嬉しいです思い出の味ですからえつまよ あらまだ気づかない私よなみよえなみ ちゃんそうだよ裕く久しぶりだねででも なみちゃんは大阪に行ったんじゃなかった の実はあれから母が再婚してまた東京に 戻ってきたの母が出張中だった父と大阪で 出会ってそれから再婚したの私がもう高校 を出た後のことねそうだったのかお手紙を なかなか返せなくてごめんなさい高な時期 に母が再婚するのが決まってバタバタして たから返すことができなくていやいいんだ そっかなみちゃんは東京に戻ってたんだね 新しいお父さんはどんな人今の父は社長 やってるの私は秘書として父を手伝い ながら雑用もやってるわうわじゃあ社長 令嬢 かでも他の社員と同じ待遇だから特別扱い なんてないのそれにしてもどうしてうちに うちの社員が花沢屋のお弁当が美味しいっ て言ってたからそれを福利構生の1つとし てお昼に支給しようかなと思ってでもその 社員がもうすぐ花沢屋は閉店するって言っ てて気になって裕君の家に何かあったのか なと思ってああ実は父さんが亡くなって から大変だったんだ母さんと2人で店を 回してたんだけど近くに安いチン点が たくさんできてお店にお客さんが入らなく なったしお昼に売っている弁当の売れ行き も悪くなって夜は居酒屋やってるんだけど それもお客が入らなくてさだからもう店を ことにしたんだそうでもこれからうちの 会社が続く限りゆう君のお店に1000人 分のお弁当を注文したいんだけどだめ かしら えうちの本社で働く1000人分お願い できないかしら1つ1000円でどうえ今 うちの弁当は50000円で売ってるのに 1000円なんて高いよそれに1000人 分って100万円の 発注もちろんすぐにとは言わないわ人手 だって足りてないでしょうしあうん今は 母さんと2人だからねもし店員さんが増え たらよろしくわかったじゃあ連絡したい から電話番号とか教えてくれるかなあこの 名刺渡しておくわねこれがうちの会社だ からこれってちょっとワンダーコーポレー ションって超大手じゃない かまあそう言われてるわねよしじゃあなみ ちゃんのために頑張るから店員を雇うね ありがとうそうしてなみちゃんは帰って 行った小学校の時はガリガリに痩せていた けれど今は健康的な体験になっていて安心 したきっと今のお父さんはいい人なん だろう俺はなみちゃんの母親が再婚して よかったなと思った確かに高な時期に親の 再婚が決まったら分どころではないだろう それからなみちゃんは元から東京の大学へ の進学が決まっていたようだからきっと 忙しかったのだと思うなみちゃんは頭が 良かったので都内の有名私立大学に進学し たようだそしてその大学を出た後父親の 会社に入って秘書として働いているらしい うちの店はお弁当も扱っていて昼にはお 弁当を数種類売っていたしかし店にお客 さんが来なくなってからはお弁当の廃棄率 も高くなったのだ毎日お弁当を捨てる母は とても悲しそうで俺は見ていて切ない 気持ちになったしかしこれから毎日お弁当 の発注が永続的に行われるなら店を 頑張ろうもう定職屋としてではなくお弁当 に専念してお弁当屋になろうと思ったのだ 母にその話をしたらまた頑張ると言って くれたでもやっぱり店員さんを雇わないと 2人で1000人分のお弁当なんて作れ ないので早速弁当屋さんのスタッフ募集の 張り紙と広告を出したすると4人の主婦の 方が応募してくれたみんなやかで元気そう な人だった早速彼女たちをパートさんとし て雇って定食屋からお弁当の花沢屋に返信 させたそれで準備ができたのでなちゃんに 電話したなちゃんは喜んでくれて早速うち のお弁当を注文してくれた毎日大量のお 弁当を作るのは骨が折れる作業だった けれどみんなが喜んで俺たちの作ったもの を食べてくれるのだと思うと嬉しいなみ ちゃんも食べてくれたようで俺に電話して 感謝してくれた俺はこんないい発注を もらえて本当にありがたかったのでなみ ちゃんにお礼が言いたくて彼女を食事に 誘うことにしたあまりお金がないので高級 レストランなんて予約できなかったけれど それでもなみちゃんは喜んでくれたなみ ちゃんはお金持ちの家の娘になったけれど 昔とちっとも変わっていないとても控えめ だし笑顔が可愛くて癒された俺はその笑顔 を見ていて自分はやっぱりなみちゃんが 好きなんだと思ったそれでなみちゃんに 告白することに決めたのだなみちゃん俺 なんかで良かったら付き合ってほしいなみ ちゃんは今では大手企業の娘さんだし身分 が違うけれどそれでも俺はなみちゃんの ことが好きで諦められそうにないんだ俺 みたいな弁当屋の男でも良かったらどうか 付き合ってくれないかなゆうくありがとう 実は私もずっとゆう君が好きだったのえ 本当にそれはいつから実は小学校の頃から よそそうだったのねゆは私のこと昔から 好きだったんでしょ実は私気づいてたんだ でも言ったらゆう君が真っ赤になるかなと 思って黙っていた のバレてたのかやだな恥ずかしいなそうな んだよ俺なみちゃんのことが好きだったん だでもなみちゃんも俺のこと好きだった なんて嬉しいよこれでりもいってわかった わね本当に嬉しいこれからもよしねうん こちらこそこうして俺たちは付き合うこと になった休日には俺が車を出してなみ ちゃんとドライブデートなどを楽しんだお 弁当の発注があってから儲かるようになっ ていたけれど俺が以前から乗っている軽 自動車になみちゃんを乗せた本当は会社と かに乗せられたらかっこいいんだろうなと 思ったけれど身のたに合わない気がしたし これで十分だったなちゃんは文句も言わず 軽自動車の中でアイスコーヒーをすすって ニコニコしていた1年経った頃俺はなみ ちゃんにプロポーズした100万するよう な婚約指輪は無理だったけれど俺なりに 奮発したものを買ったなみちゃんに似合い そうなハーフエタニティの指輪を箱から 開けて 取り出すなみちゃんこれ俺の気持ちだよ どうか俺と結婚してほしいお願いだ婚は わあとっても綺麗ありがとう裕君私も結婚 したいこれからもずっと一緒にいたいわ どうかよろしくね一生大事にするからね私 もいい奥さんになれるよう頑張るわその後 なみちゃんの実家に行った新しいお父さん は大変優しい人で俺が苦労したことを至っ てくれたそしてお母さんもニコニコして いる俺たちの結婚を心の底から喜んでくれ ているようだったそれからうちの母親に なみちゃんを合わせたどうも初めまして 山田なと申しますあらあなたがなみちゃん ねええ実は小学生の頃にお母様のおにぎり に救われたんですえ おにぎりゆさんがおにぎりを持ってきて くれたんですゆあんたがたまに食べたつを おにぎりなちゃんに渡していたのああそう なんだ私の家は今でこそ母が再婚して普通 に暮らせていますが当時母子家庭で大変 貧乏だったのですだからお菓子もなく夕飯 もしそで常にお腹をすかせていました学校 で意地悪を言われて給食を食べるのも ためらっていたんですそれでフラフラに なっていた時ゆさんがおにぎりを持って つけてくれたんですあらそうだったのゆう あんた優しいじゃないのあなんか放って おけなくてさゆうくあの時はありがとう 本当に嬉しかっただから今でもお弁当に つまおにぎりが入っていると嬉しくて泣き そうになるのそっかなみちゃんはそこまで 思っててくれたんだね喜んでくれて何より だよいい子じゃないの あんたしっかりなみちゃんを支えなさいよ 分かってるよゆさんはしっかり者なので 大丈夫だと思いますよ お母様そうこの子ちょっとドジだから気を つけて ねそうして俺たちは結婚してなみちゃんは 妻となったみんなが祝ってくれて本当に 嬉しかった結婚式には小学校の同級生も 呼んだけれど俺たちのために余興もして くれただがれなちゃんは来ていなかった 彼女はあの有名私立女子校に行ったはいい けれど親が離婚して貧乏になり惨めだから 来たくないと言ったそうだそれは妻から 聞いたその後妻は子供を3人産んで職場 復帰も果たした俺たちは一軒屋を立てて そこで家族5人で暮らしている母の様子を たまに俺たちが覗きに行っているが母は 元気そうだ俺は今でも弁当屋をやっている けれど妻は父親の会社で働いているお互い 違う仕事をしているけれど支え合っている ので家庭はうまく回っている20代は とても忙しかったが30代はもう少し ゆっくりできそうだでもまだまだ子供に手 がかかるから50歳くらいになったら妻と 温泉旅行にでも行きたいなと 思う 俺の名前は朝倉翔もうすぐ就活を始める 大学3年生だ4年生から本格的な就活が 始まるがすでに就活を終えている人間も いる外し系に入る人間はもっと早い段階 から準備をしていて3年の空くらいには 内定をもらってい た俺は日本の会社が良かったので4月から 本格的に始めようと思ったそこでウブ テストやSPI対策の本を買ってきて俺は 勉強し たでも数学が苦手だった俺には数的推理系 の問題は 難しいちょっとパズルみたいな問題とかが 出るのだがあまり好きじゃないなと思っ た英語や漢字のテストも出ることがあるが そっちはまあまあ 解ける大学生になってレポートなどを パソコンで書くから漢字を筆記で書くこと は減った大学の筆記試験の時に漢字で書か ないと原点されることもあったので俺は いつも原点されていたと思うそんな俺でも ウブテストを通過して面接に進むことが でき たの死亡業界はアパレルだ日本の ファッションは独自の進化を遂げていて 世界から注目されているし海外に委託して いるとはいえ法制だってしっかりしている 日本のファッションの良さを世界に広めて いきたいなと思った俺は第一志望として グローバルフィットという大手アパレル 会社を受けてい た手 こんなところにエントリーシートが通過 するはずないと思ったが通過して一時面接 に呼ばれることになったので あるやったグローバルフィットからメール が来たぞよし面接対策にも力を入れないと なえっと自己紹介から始めるはずだけど 完結にしてそれから大学時代に力を入れた こと は俺は家でトレを何回もやったそれで一時 面接に向かったのだが緊張で足がもつれ そうだっ た面接官から自己紹介をしてくださいと 言われた時俺は神々になってしまった けれどなんとか無事に終えられたその2日 後に一時面接通過のお知らせが来ていたの で俺は飛び跳ねて喜ん だ俺は学生が住むよう安いアパートに住ん でいるのだがうるさくしていたので隣の人 からゴンと壁を叩かれたそういや隣の人は ちょっと怖いお兄さんだったなと思っ た何の職業をやっているか知らないが いかつくて怖だから完全にヤザだと思って いるヤザがこんなところに住むかは知ら ないが俺はあまり関わらないでおこうとと 思っ たそれから2次面接のために俺はもっと もっとイメトレをした脳内で何回も聞か れるであろう質問に対して答えていく一次 面接ではそこまで深いことは聞かれなかっ たがやりたい仕事に対してどういう アプローチができるかなど聞かれる だろう俺は大学では経営を学んでいたので グローバルの服を世界に売り込むための 戦略を立てたいいわゆるマーケティングが したいのでそれについて語ろうと思っ たそして2次面接に行ったのだがもう本当 に手のひらから汗が出まくってスーツの スラックスに染みができそうだっ た足の上に手を置いているわけだがふもが じっとりしてきた俺は後でトイレで見て スラックスがみともなくついているのに気 がつい た汚れたのでそのスーツはクリーニングに 出すことにしたこのスーツは面接の時に着 ていくものだが父から譲ってもらったもの である父が着ていたものだけどリクルート スーツとして使えるシンプルなもので色は 濃い紺色だ大事な大事なスーツなので クリーニングから帰ってきて綺麗になるの を待ったその間メールを待っていたのだが なんと最終面接の案内が届いたのだこれを 通過したら俺もグローバルフィット車で 働けるってことになるグローバルフィット 車はカジュアルな普段着それから女性用 ドレス男性用のおしゃれなデート服男女の スーツを扱 それぞれブランディングされていて会社と しては1つだけれど部門が違う らしい俺はどの部門に配属されてもいいな と思っていた男性だけれど女性用の服に だって興味はある変な意味ではなく日本の 女性のファッションは本当に可愛いと思っ ていたロリータ原宿系モガール系ギャル系 などなど様々なファッションを楽しむ女性 は魅力的で ある俺は海外に旅行に行った時あちらの 女性はみんなシンプルだなと思った日本は 没個性的だと言われるが女性の ファッションやメイクを見ていたらそうと は断言できないこんなに多種多様な表現の 仕方があるのは日本だけかもしれないなと 思っ た俺はクリーニングから帰ってきたスーツ を着て最終面接に向かっ た最終面接を通過した第一次志望の会社に 入れるわけだから緊張も今までの日では ない全身の感染から汗がドバっと出る感じ がして俺は早速気持ち悪くなってしまっ たワイシャツの下に来ている下着が肌に じとっと張り付いて いるまだ本社ビルのエントランスなのに俺 はこんな状態だった案内されて俺はA会議 室で待つことになったそして時間が来たの で俺は隣の部屋に行くように促された失礼 します本日最終面接に参りました朝倉シと 申し ますはい朝倉さんねではお入りください 失礼しますではそこにかけてください ありがとうございます私は専務の河田です よろしくお願いします私は人事部長の羽山 ですよろしくお願いし ますでは最初に自己紹介を簡単にして もらいましょうかいいですよね専ああそう ですねはい私は と申します神田国際学園大学の経営学部の 4年生ですゼミはマーケティングについて のゼミに入っております飲食店のバドをし てミスを減らすように後輩の指導を担当し ています本社の素晴らしい商品を世界中に 広めたくて受けさせていただきましたはい わかりました確かにうちの服は素晴らしい ものばかりですね値段もそれなりにし 売行も良くて10年で大企業に成長したの ですから皆さんからのお住みつきを得て いるわけですよそうですよね専務ええそう ですね我が社の商品はどれも一級品で皆 さんに満足してもらえるようなものだと 思い ますそんな素晴らしい服を扱う会社なのに 君のスーツはちょっとね朝倉さんそれどう にかならなかったのえっとこのスーツが どうかしましたかどうかじゃないよ はっきり言ってそのスツダサいよそれさあ ゴミかなゴミ捨て場で拾ってきたのかな ちょっと羽山さん何を言ってるんですか そんなダサいスーツで最終面接とか本当に どうしちゃったんですかもうちょっとマな 格好できないのですか ねもしかしてお金がなくて買えなかったと か ああこのスーツはいいものだと思うんです [音楽] けどそのダサくてボロ雑巾みたいなものが いいものなわけないですよあなた神が 大丈夫ですか朝倉さんは相当古くていもが お好きなようですねゴミをいいものだ なんていうのですから笑っちゃい ますあのこれ本社の社長が仕立てたものな んですけど えななんですってだから本社の社長さんが 仕立ててくれたもので私は父から譲って もらいまし たそれでもダサいと言います かそんな社長がスーツをあなたが持ってい たなんてなんであなたはそんなものを持っ ているのです か話すと長くなりますが時間内に納めます ので聞いてくださいますか面接のことは もうこの際いいです から私も興味がありますので是非話して ください社長さんは以前オーダーメイド スーツの会社を経営されておりましたよね グローバルフィットの全身となる グローバルテーラーという小さな会社です そこにうちの父が転職のために入ろうとし たんです父はその前の仕事でリストラされ てしまいましたから ああそうだったんですねじゃあお父様も グローバルテーラーの社員だったわけです ねはいそうですねしかし父は不当な リストラで退職金ももらえませんでした それで一家は大変貧乏になってしまったん ですまだ私が小さい頃の話ですがあまりお 菓子などを買ってもらえなかった記憶が あります父はなんとか仕事を見つけようと 思って求人雑誌に掲載されていた グローバルテーラーに電話をかけました それで面接に来てもらいたいと社長さん から言われたのでスーツで向かったの ですしかし父が面接に向かう最中に道路 から飛び出した子供がいました父はその 子供を助けるために飛び出していったん です幸い子供も父もかすり傷程度でしたが 父の着ていたスーツはボロボロになって しまいまし たそれは大変でしたねでも勇気あるお父様 ですねはいそれから面接にそのまま走って 向かったのですがあまりにボロボロな格好 をしているので社長さんがどうしたのかと 聞いたらしいのです そこで父はあったことを全て正直に話し ました父のその話を聞いて感動した社長 さんはそれなら新しいスーツを作ろうと 言って採寸もしてくれたようですもちろん 面接は合格しまし た はあじゃあお父様もこの会社にいるのです かグローバルテーラーは全身だからその 社員もグローバルフィットにそのままいる はずです けど 父はもういません父はグローバルテーラー の時代に病気になって多してしまいました だからうちは母子家庭なのです はあそうやって私たちを感動させてお涙 ちだってわけですか私はそんな話を信じ ませんよどうせ作り話ですねえ専務こんな 話があるわけないでダサいスーツのことを 馬鹿にされたからって即興で作ったに違い ありません よ え羽山さんどうしたんですかそんなに怒っ て私はこうやって人を騙す人間が一番嫌い なんですほらよくお涙頂戴番組とかやっ てるでしょあんなのを見て感動する人間は アホしかいませんよ私は騙されませんよど どうせあなたの話は全部出たらめだそんな 話を考えつく暇があるならバイトでもして スーツ代を稼げばいいの です はあ信じてもらえないようですねそれは 大変残念ですそりゃそうでしょうあなたの 話なんて聞く価値なし真剣に聞いた私の 貴重な時間を返していただきたいですね 羽山さん何もそこまで言わなくても本当か もしれないじゃないです か人の良さそうな専務の方は泣きそうに なって目をうるうるさせていたけれど人事 部長の方は俺の話が作り話だと言っていた 俺の話は作り話なんかじゃなく本当にあっ たことなのだ俺がまだ小さい頃に父は以前 勤めていた会社を首になったそこは専業の 会社だったのだが相当ブラックだったのか リストラ対象者には退職手当ても払って くれなかったおまけに何度も給料未払いが あったそうだからかなりやばいところなん だろう父は中卒で額がなかったので未払い があってもどこに相談したらいいのか わからなかったようだ それも本人の責任と言えばそうなるのかも しれないが誰からも教えてもらう機会も なくただ毎日仕事に追われていたんじゃ 仕方ないとも 言える父はとにかくみんなが食べていか ないとホームレスになってしまうので 新しい仕事を探したそれで見つけたのが この会社の社長が以前やっていたオーダー スーツの小さな会社だった社長は元々 テーラーでスーツを1から仕立てる仕事を なりわいとしていたその後会社を大きくし てスーツだけでなくいろんな服を扱う グローバルフット者となったので あるうちの父はもういないので部長が言う ように証明の使用がないだから俺はこの話 を信じてもらえないのが悔しかった専務は 信じてくれているようだけれどこの意地悪 な部長はきっと俺が何を言っても信じない だろうそう思って俯いているとドアを誰か がノックする音が聞こえ た ちょっともう時間が来ているから早くし なさいあすみませんこの変なダサいスーツ を着ている学生さんがおかしな話をするの でさが押してしまいましたいやあこのゴミ みたいなスーツを社長が仕立てたって言い はるんですよそんなわけないのにありえ ませんよねこんなダサいデザインのスーツ 誰が着るって言うんですかね えはさんにはこれをダサいと思われるの です かはいそうですとてもダサくて私でしたら 燃えるゴミの日にしてしまいそうです こんなのは誰も来ません よそうですかそう言われると悲しいです ねそれは私が魂を込めて作ったスーツなの にえ はそれはその学生さんのお父様に作って 差し上げたものです全身のグローバル テーラー時代に ねそんなまさかあの話が本当だった なんてほら信じないであんな意地悪を言う からこうなるんです よはやさんあなた失敗してしまいました ねえ ちくしこの朝倉さんのせいで私は人のせに するのはやめた方がいいですよみともない ですからあなたはは面接感として向いてい ませんねそれにそんな調子でよく人事部長 が務まります ね河田さんの言う通りですね羽山さんは この朝倉さんに意地悪を言っていたん でしょ本当にみいましたあなたには結構 信頼を置いていたのに面接感をしてくれと 頼んだ私が馬鹿でしたねもうあなたは接感 をしなく結構ですそそんなそれから私は今 からこの朝倉さんとお話がしたいので借り てもいいですかええお気になさら ず専はニコっと笑って社長にそう言ってい た専務の笑顔はなんだか癒されるマイナス 異が出ていそうな感じだったこんな人と なら働きたいけれどの方は嫌である人事 部長がこれだったらまともな査をして もらえなさそうだなと感じてしまっ た俺は社長に連れられて社長室まで来た 一体これから何が始まるんだろうと思って ドキドキしてしまい緊張のあまりこけそう になってしまっ たさあ朝倉さんそこのソファーにおかけ くださいあはい失礼しますありがとう ござい ます朝倉さんあの淳さんの息子さんがここ に来られるとはびっくり ですお父様がお亡くなりになって大変だっ たでしょうはい結構大変といえば大変でし たね母と2人で生活しなくてはならなく なったので私も母を助けるために家事を 仕込まれました母は朝早くから仕事に行っ ておりましたし帰るのも夕方過ぎだったの で作り置きのご飯を食べたりしてまし たそうでしたかでも大学には行かれたん ですねはい遺族年金はそのまま母が丸ごと 貯金していましたいつか私に大学に行って もらいたいからだそう です父も中卒だったのですが母の実家も 貧乏で高校に行かせてもらえず中卒だった のですだから母は私に額があった方がいい と思ってたんでしょうね年金が振り込まれ てもそれは使わず自分のパート代だけで やりくりしていまし たそうでしたかご立派なお母様です ねそのおかげで大学に行くことができまし た父も母も私が小さい頃から勉強して大学 に行っていい仕事を見つけるように言って おりました就活を始めるにあたって私は ファッションに興味があったのでここを 第一志望にしたのですもちろん父が社長に 助けられたこともあって恩返しもしたいと 思いまし たそれはありがたい話ですでは面接の続き をしますがあなたはうでどんなことをやり たいですか そうですねマーケティングがしたいです私 は大学でマーケティングについて勉強して いますが日本のファッションは独自の進化 を遂げていますし世界中にも日本の服の ファンがたくさんいると知ったのでもっと 本社の服を売り出したいと思います フランスなどでは日本文化ファンが多い ですがロリータやパンクファッション原宿 系が多いように思われますでももっと伝統 的なものも売りたいと思っています ほうそれは具体的にはどんなものです か本社が去年出した部屋着の簡単浴衣です 簡単に着られるので気つけができない 外国人でもすぐに着られますし和服に興味 を持っていただく最初のきっかけになるの ではないかと思っていますああれね楽チン 浴衣シリーズですねおかげ様で好評なん ですよ最近はつけができる人も少なくなっ てますし夏祭りとか花火大会に行く時に パパッと切られますしね結構若い女性から 人気でしてねそれともちろんスーツも広め たいですねスーツは元々外国のものです けど本社のスーツは布字もいいですし様々 なデザインが選べるのにフルオーダーじゃ ないので値段が高くないですよね会社で 働くような方にはってこいだと思います ちょっとアクセントをつけたい時は裏地を 赤にしたりして他と違うテーストを出せ ますしこの父のスーツも世界に一着なので 他にはないです見た目はとてもシンプル ですが裏に名前の刺繍も入っていて オリジナル感があります ああそれはサービスでやり始めたものです がかなり好評でしてね愛着が湧くと皆さん からってもらえるん です褒めていただけて嬉しいです確かに スーツは元々外国のものですけど我が社の スーツは布も糸も全部日本のものを使用し ており工場も日本国内ですまあいつか海外 進出できたら信頼のおける工場を探して そこで生方を頼んでもいいかもしれません ねはい外国の方は日本よりなんというか 体型が様々なのでフィットするものは喜ば れると思います最近はプラスサイズモデル と言って大きめのサイズを切るモデルさん も登場していますし幅広いサイズ転換が あるといいと思い ますさすがアパレルを死亡されるだけの ことはあります朝倉さんあなたは今後の 我が者の発展にとって大事な人物だと思い ました是非我がグローフィットで働いて くれませんかえ本当ですかそれって泣て もらえるってことですよ ねはい普通のルートからは外れますけど私 から内定を出し ます先ほどは羽山さんがとても失礼なこと を言ったようで本当にすみません私からも きつく注意しておくのでもし嫌でなければ 我が者で働いてくれませんかお願いします いやこちらこそ働かせてもらえるなら 嬉しいですどうかよろしくお願いします 一生懸命頑張り [音楽] ますまああまり気負わずにやっていて くださいね期待していますけどあなたの体 が1番ですからもし体を壊したりなんかし たら天国のお父様に私が叱られちゃいます ようちの息子をつかったなて ねそんなこと言わないと思いますよ父は もっともっと頑張れっていうに違いあり ませんま体に気をつけながらやっていき ます ねそうして俺は内定をもらった4年の秋の ことだったそれからは大学のゼミに出たり 卒論の準備をして忙しくしていたまた バイトもやっていたから俺はトの数も 増やし たもうゼミと他にいくつかの講義しか取っ ていなかったので空時間が増えたからだ 社会人になれば俺はそこそこいい給料を もらえるが現在は母と2人暮らしである俺 もバイト台を家にいくらか入れてそれで 生活していた母にもあまり負担をかけたく なかったしバイトを増やすことにしたのだ 食のバイトをやっていたがそれをしている 理由はまなが食べられるからである俺は 大学には入ったものの周りの学生とは やっぱりなんか違うと思っていたみんなは 高級ブランド品を持っていたりするけれど 俺はそんなものは持てないお金持ちの家の 子が結構多い大学なので入ってみて びっくりしただって1年生から社に乗って いやがいたからだでも俺は自分のことを 惨めだなんて思わない遺族年金を貯めて 大学に行かせてもらえただけありがたいし 母が頑張ってくれたから生活もできている だから母にはこれからもっと俺を頼って もらいたいなと思った講義やゼミに出て バイトに行ってそして家に帰って卒論のに 資料を まとめる大変な毎日だったけれどこの生活 もあとわずかだと思うとちょっと寂しいな と思うようになっ たそしていよいよ卒業式の日がやってきた 女の子はみんな袴姿だったり振り袖を着て いる男子ももつ袴とかどこかで仕立てた 高級そうなスーツを着ていたでも俺が着て いるのは父の残したあのスーツであるこの スーツは俺にとっての相棒だから晴れの日 に着るのにもふさわしいと思った大学を出 た俺はグローバルフィット車の入社式に 行くことになった4月の温かい日差しの中 俺はさそと街中を歩くそして入社式の行わ れるドームまでやってきた 専務のスピーチはちょっと眠たくなって しまうこの人からはやっぱりマイナスイオ か何かが出ているのかなと思っ た皆さんとこれから一緒に働けることを 嬉しく思いますどうぞ新たな決意を胸に 頑張っていきましょうでは社長からの挨拶 に移り ますそれから社長の番になった社長は会社 のこれからのあり方そして社員に求める姿 などを語っていた俺は社長の言葉を 噛みしめて会社に貢献できるような人間に なろうと思った俺は希望していた通り マーケティング部に配属された大変 嬉しかったが俺よりレベルの高い大学を出 た人ばかりでびっくりだ中には国立の超 有名大学の人もいたのでなんだか腰が引け たしかしみんな仲間だと思って頑張ること にしたの だ俺は同期のゆりさんという女性に 一目惚れしてしまい彼女のことで頭が いっぱいになってしまったゆりさんは有名 大学を出ているが鼻にかけておらずとても 優しい雰囲気の人だったけれど意見を言う 時は自信を持って言うので早くも先輩から 一目置かれていたの だ俺は生きんでいたはいいけれど先輩に面 と向かって意見を言うのが苦手だった入社 前はあんなに頑張ると意気込んでいたくせ に情けないと自分でも 思う俺はある日仕事でちょっとしたミスを してしまい大変落ち込んでいたそこで しょんぼりしながら帰ろうとしていたらゆ さんが声をかけてくれたのだ朝倉さんなん だか打ち込んでいる様子だけれど大丈夫 ですかあはいちょっと今日先輩に注意され てしまって自信をなくしてしまっ てそんなことでめげたらだめですよ私 なんていろんな失敗してきてるどうしよう もない人間ですから えでもゆりさは失敗なんてしなさそうに 見えますけどねだっていつも仕事の最中は ハキハキしてます し私実は臆病なんですだから主情を知られ たくなくて会社とかでは精一杯背伸びして 意見をバンバン言ってるだけなんですよ 本当の私はビビリで人1倍臆病で失敗 だらけの人間 ですそれでもみんなが支えてくれると思っ て頑張れてるん ですそうでしたか なんかそんな風に見えなかったから意外 です励ましてくれてありがとうございます いえいえ困った時はお互い様です何か 相談事があれば私でよかったら乗ります からねまた行ってくださいねはい ありがとうございますこんな俺のために わざわざ時間を取ってもらっ てだってなんだかあなたのこと放っておけ ないんですえ そうなんです かはい同じマーケティング部の仲間として 頼りがいあると思っていますから面倒みが いいんでしょう ねそんなこと言われたら照れます よまバイトで後輩の主導とかしてました からね ああだから面倒みがいいんですね納得 ですその日から俺はもうさんに告白しよう かと考えるようになった眩しい笑顔で俺を 励ましてくれたゆりさんのことが大好きに なってしまいもう言葉に表せない俺は 金曜日の仕事終わりにユリさんを居酒に 誘うことにしたゆりさんはお酒が大好きな ようなので喜んでついてきてくれたその後 俺はちょっと大人ぶってこじれたバーに 入ったゆりさんはは綺麗な色のカクテルを 頼んで頬をあめていたでも本気で酔って いるようではない俺は酒の勢いを借りて 告白することにし たゆりさん俺ゆりさんのこと好きになって しまったんです同僚としてだけではなく 異性としてもう気になる存在なんですだ からどうか俺と付き合ってくれませんかえ 朝倉さんそれ本当はい本気ですもう俺は ユリさんのこと異性として意識してしまっ てるんですもう毎日ドキドキが止まりませ んだから責任取ってくださいお願い です朝倉さん面白いですね責任取るって何 です かわかりましたお付き合いしますだって私 も朝倉さんのこと異性として気になって ましたからはえちょちょっと待って ください異性として気になってたですって そうですよ異性としていいなって思ってた んですいつも視線を感じなかったですかえ あのそれはあなたのことずっと見ていたの にえそんな好き通しだったなんて 恥ずかしいでも嬉しいです俺の体はかーっ と熱くなってしまった酒のせいではなく 照れているからだろうマスターも俺たちを 見て若いっていいねなんて言っていて 恥ずかしい俺は恥ずかしくてその場に 埋まりたかったけれどゆりさんは平気そう だそして俺たちが付き合っていることは マーケティング部の全員に知られてしまっ た先輩も俺たを応援してくれるので 嬉しいそれから俺とゆりさんは時間が会え ば一緒に帰るようになった俺は社会人に なってから1人暮らしのために会社から1 駅のところにアパートを借りて住んでいる ゆりさんは俺の家まで来て手料理を 振る舞ってくれることもあったどれもこれ もおいしかったけれどゆりさんが作る肉 料理は本当に絶品だったそれからなんと 専務と社長にも俺たちが付き合っている ことがバレてしまった別に車内恋愛禁止と かではないのでいいのだがなんだか 恥ずかしいおやお2人とも仲がいいですね 今日も一緒にカフェテリアでランチですか いいですね見ていて微笑ましいですえっと お弁当を作ってきたので外で食べようと 思っています おほうそれはいいですね彼女さんの手作り 弁当なんて最高じゃないですかねえ朝倉 さんあはいそうですねいつも美味しいお 弁当を作ってくれるん ですのけられちゃいました ね見ていて和みますねそうですね私の若い 頃を思い出しますよなんだか愛らしいです [音楽] ねどかいいランチタイムを私たちはこれで 失礼しますね はいゆりさんは毎日俺のために手作りのお 弁当を持ってきて くれる彼女は朝から色とりどりのものが 入ったお弁当を作るために早起きしている ようだった俺のためにそこまでしてくれる なんてなんて優しい彼女なんだろう 俺はゆりさんのためにもっと男らしくなっ て頼れる人間になろうと思ったそこで仕事 もバリバリ頑張ったすると2年であっと いう間に成果が出て先輩や上司からも認め られるようになったの だ俺の出した案が部署で大絶賛されて採用 されたのでゆりさんもお祝いしてくれた家 でのパーティーだったけゆさんはまたして も豪華な肉料理を作ってくれ たその頃俺は真剣にゆりさんとの将来を 考え始めてい たまだ若いけれどずるずる付き合っている より結論を先に出したいと思ったの だそこで思い切って彼女にプロポーズした の だゆさんは俺のプロポーズを受け入れて くれて結婚が決まっ た結婚が決まったことを社長にも伝えたら にっこり笑ってくれ た専務も嬉しそうな顔をして いる先輩からもおめでとうと言われて最高 に嬉しかっ たそうして俺たちは都内の式場で結婚式を あげ た専務も社長も来てくれて俺たちを祝って くれた 俺はドレス姿の綺麗なユリさんを見て泣い てしまっ たそういやあの部長はもうい ない人事部長だったけれど人事部で彼は 女性社員に嫌なことをして首になったの だもう関わることもないしこれで安心だな と思っ た今はゆりさんと都内のマンションで 2人で暮らして いる将来ゆりさんは妊娠してお母さんに なるかもしれ ないその時はもっと大変になるだろうから 俺が頑張って支えてあげたいなと思っ た面接の時はどうなるかと思ったけれど今 はこの会社に入れて嬉しいこれも父の残し たスーツのおかげ だこの 父の眠るお墓に夫婦でお参りをし たどうか天国から見守ってほしいと [音楽] 願う俺の名前は手島秀夫55歳の男性だ 職業は清掃員で今は大学病院で働いて いる大学病院には様々な患者さんが 来るよその病院では手術が難しいと言われ て断わられた人もいるようでそういう人 たちはぱっと見で わかるこれから受ける手術に対して希望も 持っているが不安でたまらないといった顔 をしているから だ俺は幸いこの年になっても元気で大きな 病気なんてしたことはない風も1年に1回 引くかどうかで健康に産んでくれた母に 対して感謝しなければならないなと思った 俺の母はすでになくなっているがいつも俺 は健康でいられるのは母のおかげだと思っ て いるそうそう父もかなり頑丈 だはまだ顕在だが俺と同じくらい病気 なんてしたことないだから父の遺伝子にも 感謝しないといけ ないそれから今の俺を支えてくれているの は間違いなく家族である俺には妻それから 社会人になった娘と息子がいる妻は俺が どんなに忙しくても愚痴を1つもこぼさず いつも温かく見守ってくれていたそれから 子供たちも俺のことをいつも応援してくれ ていたので本当にありがたい限り だある日俺は廊下でとある男性とすれ違っ た俺が清掃のため作業をしてかんでいたの だがその人は俺に気づかずに何かの書類を 見ていたようだ俺も下を見てい不注意だっ たからその人だけを攻めることはできない が彼は俺に対して舌打ちをしてさらに ひどいことも言ったので ある清掃のじいさんがこんなところで かがんでるから俺がぶつかってしまった じゃない かマジで鬱陶しいな俺の白衣が汚れる だろうがこれだから汚いじいさんは嫌なん だよ目障りだな あません私もかんでいて気がつきません でしたお怪我などないです か怪我はないけどもし俺が怪我してたら どうしてくれるつもりあんた責任取れるの 天才外界と呼ばれる俺が手を怪我したりし たらオペができなくなって大勢の患者さん が困るんだぞあんたが怪我しても誰も困ら ないだろうけど よそうですねこれから気をつけます本当に 申し訳ありませんでした本当気をつけろよ じいさん汚ねえんだ よ俺だって悪いけれど何もそこまで言わ なくてもいいんじゃないかと思った俺も別 にわざとぶつかるとしたわけではないし ゴミ集めのためにかがんでいたから だ全くその年になってゴミ拾いてめだよな それしかやることができないなんて無能の 証だは はあ俺は定年までずっとこの国立トト大学 の教授かつ医師としてバリバリ働くつもり だでもあんたはずっとゴミ拾い はあかわいそう にこんな意地悪を言う彼はこの国立トト 大学の心臓外科に所属する明智先生である 彼はまだ40歳なのだが若くして教授に なったようだどうやら彼のお父様もこの トト大学の教授だったようでみんなに金を 握らせて彼を教授にした らしいお父様もずっと第一外科の教授だっ たのだが最後の最後にライバルにいいとろ を持っていかそうだライバルの意思は とても穏やかで常にエミを絶やさないが オペになると鬼のようになる目つきが 変わって一心フラに手を動かして短時間で 難しいオペをこなすの だそれでライバル医師は周りから尊敬され てついには有名な医学師で世界の権威ある 医師ナンバー2になった どうしてもその雑誌のランキングに乗り たかった智先生のお父様は怒りのあまり 部屋をめちゃくちゃにして帰ったそう だそれはもう随分前のことである俺は明智 先生や彼のお父様みたいな意志はたえ大学 病院の教授でも尊敬できないなと思って しまっ た明先生は難しいのペをいくつもやって いるみたいだけれどもし俺が心臓の病気に なってもやってもらいたくなんてないなん だかこんな人にメスを入れられるのは怖い から だ俺は惨めと言われても清掃の仕事に誇り を持ってやっている大学病院に来る患者 さんはみんな不安そうだし少しでも清潔な 空間で快適に過ごして欲しいから だ患者さんだけでなくそのご家族だって 廊下やトイレを使うもし汚れていたら不 愉快だろうしもう来たくないと思って しまうだろう俺が男子トイレを掃除して いると小さな男の子とお父さんがいたああ すみませんと声をかけて掃除をしていたら 男の子子はおじさん頑張ってねと言って くれ た小さな子にこんな風に言われるのは とても嬉しいでもその男の子は車椅子に 乗っていたので何かの病気なんだろうなと 思った外来の車椅子ではなく自前のものの ようだったから先天的にどこか悪いん だろうおそらく5歳くらいだと思われるが あんな小さ体でも病気と戦っているんだな と思っ たそんな患者さんを救うのが医師の仕事な ので医師は絶対に傲慢になってはいけない と 思う患者さんの不安を取り除きそして安心 させてあげることこそが意思の務めなの だある日けたたましいサレがなったいつも バンバンと救急車は来るが俺がたまたま 玄関にいた時たごではない様子だったので 驚いた何人もの医師や看護師が顔色を 真っ青にして患者さんの容態を確認して いる救急車から下ろされた患者さんの顔色 は土色でいかにも苦しそうだった心臓の 辺りを抑えてうめき声を出して [音楽] いるはさんはさんすぐに運びますからね ちょっとそこどい て明智先生が看護師さんたちに怒鳴って 自らストレッチャーを押していっ たそれからその患者さんはどうやら救急に 運ばれていったしばらくして明智先生が 救急から出てきた すぐにオペをやるようだもうだめだ緊急 オペをやるははいすぐに準備をしろこの ままでは患者が 危ない分かりましたではオペの準備をし ますオペナースに指示を出して明智先生は 手術室に向かったあの林さんという患者は 大丈夫なんだろうか俺は不安でいっぱいに なってしまった それもそのはずあの林さんは大企業の社長 さんだからだもし何かあったらただでは 済まない だろう大学病院には審議会議員だの銀行の 遠だの大企業のお偉いさんなんかも来る彼 らは1番上にある最高クラスの特別室を 当てれ丁寧に なされもはや病室というよりは高級ホテル のような部屋 だドキドキしながら俺は掃除を続行したで も頭の中ではあの林さんのことでいっぱい だっ た林さんが亡くなったら会社はかなり混乱 するだろう俺はそわそわしてしまい掃除が 手につかなくなってしまった しばらくして手術室から明智先生が出てき た あだめだこれは俺にはできないえなんで すって突発性拡張型真近症のオペなんて どうしたらいいん だどうしたらってなんとかならないんです か林さん助かるんですよ ねででも ではもういいです私がやり ます俺は明智先生の前に立ちはかったそう してこう言ったのだ私が出頭しますので 明智先生は女子を務めてくださいはは あんたはただのゴミ拾いのじいさんだろ何 とち狂ったこと言ってんだこれはお遊び なんかじゃないんだぞおペごっこなら家で やり な本気で言ってるんです林さんがどうなっ てもいいんですか早くしないと命に関わり ますでもでもじゃない行きます よ俺はそれから術に着替えた念入りに手も 洗ったし手袋もつけた7半の手袋はなんだ か懐かしい ああこのサイズをいつもつけていたなと 思ってしまっ た酔をているさんは眠っているそして胸を 開かれていて他の若い医たちがどうにか オペを続行しようとしていたしかし彼らも どうすることもできずこのまま閉じて しまおうかと思っているようだ長時間の オペは患者の体力を消耗させるもし開いて みて何もできないと分かったらすぐに閉じ て方がいいのだ例えば癌で開いてみて あちこちに転していて取り切れないと 分かった時はもう閉じてしまうやっても 意味がないからだでも林さんの状態を見た 俺はなんとかできるんじゃないかと思っ たvadをやるしかないなえ補助人口心臓 だってああもうそれしか道はないいつかは 心臓移植を行うべきだろうが今やれること はvadの装着ですででもvadなんて この病院ではまだそんなに実績がないし あのお父様だってやったことないんだぞ ただの清掃員のあんたにやれるはずはない そもそもここは神聖なるオペ室だ石免許も 持ってないあんたがやれるわけ ない石免許なら持ってますが専門四角も たくさん持ってますよななんだっ て私は落木大学心臓外科で学びその後この トト大学に来たんですあなたは知らない でしょうけどここの教授でしたから は俺はそう言ってからオペなーに指示を 出したメスお願いしますははい声減る クーパーもはい明智先生ここサクションし てくださいえはあ 早くそこ乱人で見えるようにしてください えははいあアレストですくそえい えい一旦林さんの心臓が止まった俺は胸の 中に手を突っ込んで心臓を掴んでもんだ すると彼の心臓は再び動いたので ある俺は冷汗がつっと米神を伝っていくの を感じたこんな修羅場は何回も経験して いるが慣れないものだバイタル確認して spo2は88 ですだめだ早くしないと捨ててしまう今 から本気を出しますのでついてきて くださいは はいなんで手さばきだまるでの手だすごい 腕が何本もあるように見えるわこれは 一体頑張ってくれ林さん絶対に捨てちゃ だめだあの世に行くにはまだ早い頑張れ 頑張れペナーが俺の額の汗を拭ってくれた 俺は一心フラに手を動かしvadを彼の体 に取り付け たこんなペは一体ぶりだろうか数十年分の 疲れが俺にどっとのしかかってきたような 記え する俺は息を切らして林さんの様子を見 た彼のバイタルはもう安定していてこれで 病室に戻しても安心 だろう一応念のためにしばらくはICUに いてもらうvadつまり補助人工心臓をを つけたのだからそれくらい厳重な看護と 術後管理が必要なの だすすごい林さんはずっとここにかかって いてでこっていたの にきっと薬がもう効かなくなってたん でしょうね利尿もあまりきついていけませ ん から林さんは以前から病気のために神不全 状態だったらしいこれを意思はデコると いう薬での管理で良くなる人もいるが林 さんの病気は何病してされるほどのものだ だから薬でどうにもならない場合もある そういった場合は心臓移植を待つことに なるが適合したドナーがいないと何年も 待つことになるし最悪命の終わりを見る はめになるそれをなんとか避けるために vadをつつけることにしたのだ ああんたは石免許持ってたって言うけど どうして清掃員なんてやってたん だそれはトト大学に来てから嫌がらせをさ れたからですよなんだってあなたのお父様 にね え俺は現在55歳そして明け先生は40歳 であるそれから明先生のお父様は歳でもう 年されている俺がまだ35歳だった頃に俺 はけち先生のお父様に嫌がらせされて意を 辞めたその頃明智先生のお父様は50歳で 油の乗った下界だったのだが俺のオペが 上達して周りに認められていたのが気に 食わなかった らしく嫌がらせばかりしていたのだその時 明智先生はまだ20歳で医学生だったから 俺がそんなことをされていたなんて知ら なかったん だろうそれにもう俺が辞めてしまってから 意思になったので俺がここで意思として キャリアを積んでいたことも知らなかった の だ俺は自分で言うのもおかしいけれど優秀 な石だったどんなに難しいオペでも断っ たりしなかっ 緊急オペも毎回成功させてきたそして海外 への留学も33歳の頃にしていたので明智 先生のお父様である明智正隆先生からは 大変嫌われていた正隆先生は俺がいつか 自分の座を狙っていると言ってよその研究 室にも根も歯もない噂をしたそして看護師 に嫌がらせしているとまで言ったのだ俺が 看護師の着替えを覗いていただとか いやらしいことを言って困らせていたとも 言ったそう だそれを信じた取巻き連中からもはられて 俺には居場所がなくなっ たそうして俺は意志を辞めたの だでも免許は生涯有効だし実は俺はこの 大学病院で清掃員の仕事をしながら医師の バイトをよそでやっている医師でも アルバイトがあり若い人はよくよその病院 の夜勤に行ったりする救急でまったり待っ ているだけの人もいれば麻酔科や外科で しちこき使われている人もいる俺はこの都 大学では尊を週に3日やっているが残りの 2日はよその病院で外科として働いている の だそこはこの病院から電車で1時間半も かかるところだだからかなり遠いし明地 先生も俺がまさかよそでバイトしてた なんて思わなかった だろうその病院は古くて汚いが俺が来る ことを喜んでくれていたあの党大学で働い ていたお医者さんなら安心ですと言って 報酬も育んでくれたのだだから俺は今でも なんとか暮らしていけている俺は残念 ながらトト大学では教授になれずに終わっ たそれでも妻は俺をいつも励ましてくれた し応援してくれた等で意志をやめると言っ た時もあなたがそれでいいならと言って くれたので [音楽] あるあなたのお父様のことは確かに恨んで いますでもよそで意思として働かせて もらえるだけありがたいの です そんなでもどうしてここで清掃員なんてし てるんだそれすらもやらなければいいの にここで衣装をやることはもうしないって 思いましたあの時辛かったですからねでも あなたのお父様が辞めてから声がかかった んですよ えまた戻ってきてくれないかって言われた んですでもその時意思としてまた復帰する か迷っていましただから違う仕事ならやり まって言ったん ですそれが清掃員だっていうのか ええそう ですちょうど清掃の仕事に募集があったの でそれから清掃院をしたいと思った別の 理由もありますそれは何なん だ前に私がこの病院で意思として働いてい た時とてもよくしてくだすった清掃員の 男性がいたん ですでも彼はある日倒れてしまって我の 先生曰くまっかとのことでした え彼はいつも私に挨拶してくれてそれから 丁寧に仕事をする人でし た私が嫌がらせされているのを知って大変 心を痛めてくれましたそして励ましてくれ たんですそんな彼の代わりになれるのなら と思って清掃をやろうと決意したん ですそそうだったのか ええですから私は彼の意思を継ぐつもりで こうして掃除をしてたんです ね俺は明智先生に過去にあったことを全て 話した正直話すのはとても辛かったけれど 俺は自分に振りかかったことを話さずには いられなかった 俺は家族にしか今までこんな話はしたこと がないずっと黙って生きてきたのだでも その時はもう話してもいいかなと思えたの だ俺が嫌がらせをされてトト大学を辞めて いたことそしてまた打身があったこと なんかも話してちょっとすっきりでき た明先生は難しい顔をしいてそれから 押し黙ってしまっ たお父様のせいでそんなことになっていた のかなんか申し訳なかった え俺はお父様こそ最高の医者だと思って 生きてきたでもあんたを退職に追い込ん だって知ってもう考えが変わった よそうですか俺もあんにひどいこと言って ごめん俺あんたのこと尊敬するよさっきの オペでは助けてくれてありがとういいえ俺 を言われるまでのことではでもあんたがい なければ林さんは捨ててたかもしれない あんた こそ神の手を持つ人間 だ私は神様でもなんでもないですただの 人間です医者っていうのは神様のように 偉いと思ってしまってはいけないんです ほら確か聖書にあったでしょう神様に 変わるものになれると思ったルシファーが 打点したのは彼が傲慢だったからです神様 のようになれると思ったから天使長だった のに彼は打点してしまったんです ねそんな話あったっけあんたクリスチャン かいや信者ってわけじゃないんですけど 母校がキリスト教主義の中高でたまたま 学校で習ったから覚えているのかもしれ ません ね私は京都の生まれである京都の落had 大学に進学する前はキリスト教主義の中高 一貫男子校に通っていたその頃聖書の時間 なんてつまらないし全く面白くないと持っ ていただけど天使や悪魔の話だけは 面白かったので覚えて いる聖書の先生は別に信者になれと言って いるわけじゃなくてこの物語を通じて どんな人間として生きるべきかを教えて くれた俺は人間っていうのは傲慢で欲張り で見えっぱりで嘘つきな生き物だと社会に に出てから分かるようになった大学病院と いうところは閉鎖的で権威を持った教授が 幅を聞かせているだからあの天使や悪魔の 話は人間の世界でもあり得ることなん だろうなと思っ た事実明智正隆先生に媚を売って他人を 蹴落とし偽の論文を書いていた同期は大学 を追放されたそして明智正隆先生の ライバルであるさ先生をけ落とそうとした 人間もたくさんいただが彼らはみんなバチ が当たったかのようにミスをして患者さん から訴訟を起こされていたの だ明智先生の父である正孝先生は丁年間際 に女性医師への嫌がらせでえられていた 正隆先生は金に物を言わせてその女性意志 を丸め込むとしたようだが結局離婚されて いるつまり現在明智先生の親子さんはもう バラバラなの だ明智先生だって他人を見下したり毛 落とそうとしたらどうなるか分かっている はずだだから俺は今後そのようなことはし ないようにとだけ言っ た明智先生は反省した様子で小さくこう 言っ た分かったじゃないわかりましたもう私は そんなことはしません偉そうにするのも やめ ます分かってくれたならいいんですよ あなたは優秀な意志だからこそやめるはめ になって欲しくないんです ありがとうございますこれからはあの手島 先生って呼んでいいですか えまあいいです けど手島先生のように実直に生きてそれ から患者さんに向き合える意思になろうと 思い ます今からでも変われるでしょうか ええ変われますとも人間はいつだって 変われますよその気があればね では生まれ変われるように努力し ます明智先生はそうしてお辞儀をして俺の 前から去っていった俺も着替えて帰る前に 林さんの様子を見に行こうと思っ たはさんのいるICUではピッピッピと モニターの音が するさんはたくさんの機につがれて生命を 維持していた彼のバイタルは安定していた し熱もそこまで高くなさそうである ちょっと苦しそうにしていたが早く安定し て欲しいなと願っ たそれから着替えて俺は家に戻った家では 妻がいつもより俺の帰宅が遅かったので 心配だったと言ってい た 俺は今日緊急でオペをやってきたと言った のだが妻はびっっくりしていただって東都 大学でのバイトの日だからオペなんてやる と思っていなかった だろうまた俺がトト大学で嫌がらせをされ ないか不安だったようだが俺はもうなんと もないと思うよとだけ言っ たそれから俺は翌日も唐大学での アルバイトだったので大学病院へと向かっ たすると看護師たちが俺に駆け寄ってきて 俺を言ってくれたの ださらにジムの人やらいろんな外科の教授 もやってきて俺にまたここで意思として 働いてくれないかと頼んでき た俺は一瞬迷ってしまった俺は今の生活 スタイルに満足しているしもしトト大学で 意思としてまた働き出したらよその大学で のバイトをやる時間なんてないかもしれ ないあっちの病院は [音楽] 石不動之町先生どうかここで働いてくれ ませんか清掃員としてではなく意思として でも私はよそでの意思のバイトもあるから ででは非常勤でもいいのでどうかお願いし ます私は手島先生の主義を見て感動したん ですもっともっと学ばなければならない ことがあると分かりましただからどうか ここで意思としてまたメスを握って ください うん俺はまだ意思としてもっと多くの人を 救うべきなのではないか俺が意思になった のは苦しんでいる人を救うためじゃなかっ たの か林さんのように大変な病気になってオペ を待っている人がいるかもしれ ない清掃員として頑張るのも大事なことだ けれど 俺はオペをやるべきだと思った手島先生 どうかでは非常勤として働きますでもその 代わり約束がありますはあ何でしょうか私 に優しくしてくれた清掃員の方の思いも 継ぎたいので掃除も続けさせてください もちろん清掃員としてバリバリは働けない でしょうでもできるだけ 自分の手でこの病院を綺麗にしたいのです え そんなここに来てくれる人に快適な思いを して欲しいのもありますだから私は意思と して働きますがお掃除だってしますよ お分かりまし た俺の条件を上の人も飲んでくれ た俺は持ってくれていた生存員の方の意思 を継ぎたいそれにここに来てくれる患者 さんに少しでも快適な思いをしてほしいだ から自分の手でどうしても掃除をしたかっ たもちろん募集したら清掃員は集まる だろうでも俺にとってここは大事な場所だ 嫌な思いだってしたけれど大嫌いにはなれ ない俺にはいい思い出だってあるからだ だってここは妻と出会った場所でも ある実は妻は唐大学病院に入院していた 患者だっ た俺が落木大学を出てこっちに来てから 出会って交際を始め たその頃俺は最高に楽しかった うちの妻は思い全速を患っていて今も アレルギー体質だ俺は彼女がそれまで大変 な思いをして生きてきたのを知ってなんと かしてあげたいと思った俺の専門は呼吸機 ないかではないので詳しいことはわから ない意志でも専門外のことはあまり勉強し なくなるから だ俺は妻をドライブに連れて行ったり デートをして将来のことを考えるように なった呼吸機ないかの同僚に話を聞いて できることは何かも聞いたそれから妻の 病気が開放に向かったので俺たちは結婚し た妻だけじゃないここにはいろんな病気の 人が来るそれも結構重度の人たちだ よそで断られたり紹介場を書いてもらって きた人たちはみんな不安そうだそんな人を 救うために意志がいるんだと思って俺は また復帰することにし た復帰して俺は林さんの様子をまた見に 行った彼の体にはvadがつけられている ので激しいなんかはできないだろうでも林 さんは命があるだけありがたいと言って くれた私もうダメかもしれないと思いまし た薄れゆく意識の中で三途の顔を見たん ですでも向こう側にいる亡くなった妻が まだ来ちゃだめだっていうのでなんとか 頑張りまし たそうでしたか奥様がそういておられたん ですねええ私はまだ会社の社長として 頑張らないといけませんしねうちのが立派 になって後を継いでも大丈夫になるまでは 私はおちおちあの世になんていけません よご四則も心配されているでしょうし今は ゆっくり休んでくださいねそれが何より 大事ですからはいそうします本当に助けて いただきありがとうございまし た林さんはベッドの上で泣きながらそう 言っていた彼の奥さんはどうやら数年前に 病気で亡くなっている らしいその奥さんが三途の川をまだ渡って はだめだと言ったそうなので林さんは戻っ たよう だあれから半が立った俺はまだオペにい た林さん何か聞きたい音楽はありますかと 言ってもまあ麻酔かけてしまうので聞こえ ません けどあじゃあメンデルスゾーンの結婚更新 局でああちょうどありますねまたなんで それ を妻が好きだったものですから そうなんですかではきっと奥さんが見守っ てくれます ねそうです ねおペ中に患者のリクエストで曲をかけ たり医師の好きなものをかけることもある 全身麻酔だと患者さんは聞くことができ ないが麻酔がかけられて眠くなる直前まで に少しでもリラックスしてもらいたくて やるのだ俺は大した病気はしたことがない と言ったが怪我ならしたことはあるあれは 研修の頃だったスキーに行って足を骨折し たのだが手術をすることになって極所麻酔 をかけられただがその時の意がロックを かけていたので俺は手元が狂うんじゃない かと思ってドキドキした記憶があるそんな を思い出しながら曲をかけ たそれから林さんに麻酔が注入されて彼は 眠りについ たではお願いしますはいではこれから林 裕三さんの心臓移植を行い ます今から俺たちは林さんの心臓植オペを 行うさんはドナーが見つかってと心臓移植 を受けられることになったのだ俺がしいと なって明智先生は大一女手だ林さんの胸に メスを入れそれから骨を外した心臓を一旦 止めて取り出しそして他人の心臓をそこに 移植 する言葉にすると簡単かもしれないが かなり骨の折れる作業だだ人間はロボット でもおもちゃでもないので簡単に内臓を 入れ替えることなんてできない内臓は患者 が眠っている間も活動しているからだそれ に人間の体には血管リンパ節それから筋肉 など様々な組織があるちょっとでも手元が 狂ってしまったらもう何もかもおしまいに なる可能性が高 俺は今までにないくらい緊張していたが 絶対にこのオペを成功させて見せると誓っ た時計の針がカチカチ進んでいたようだが 全くそれにも気づかないくらい俺と明智 先生は集中してい た機械出しのオペなーも慌しく動き俺たち にメスやコッヘルクーパーなどを渡して くるメスそれからラゲはいここもう ちょっとあげてください明智先生ははい よしバイてるわ大丈夫ですうも問題あり ませんいいぞいいぞこのまま持ち答えて くれ俺たちはみんな真剣な顔をして林さん のオペに取り組んでいた林さんの新しい 心臓が定着して拒否反応を起こさないこと を祈って移植を行っ た麻酔がまだ切れていない林さんは眠って いる彼の体の状態を適切に管理してもらう ために看護師たちに後を頼ん だそれから林さんは心配していた拒否感能 もなく元気になっていったのだ心臓も きちんと動いており変なもしない新しい 心臓は林さんの中でドクドクと音を立てて い たまさかこんな風に新しい心臓で生き られるとは思っていませんでしたもう 息切れも痛みもなくて安心ですそうですか それは良かったですこれからも気をつけて ください ね本当にありがとうございます先生方の おかげで私は元気に過ごせそうですいえ いえ全部手島先生のおかげです よではさようなら 林さんはそうしてまた退院していった彼は これで大丈夫だろう今はご四則が会社の 仕事の大半をやってくれているそうなので 現役をりこうかなとも言っておられ た俺は玄関にゴミが落ちているのを目にし たそれを拾ってゴミ箱に捨てたの だ汚いゴミが他にもあったのだがそれを 拾った時明智先生も手伝ってくれた やっぱり綺麗じゃないとダメですよね病院 に来て嫌な思いされたくないですし でしょうだから私はゴミを拾うん ですあの時は手島先生のこと汚いじいさん とか言って本当にすみませんでした最低の バカ野郎ですよ ねもういいんです よ俺は誰かを恨んで生きていくのはもうし たくない過去にあった辛い出来事は忘れる ことはできないだろうでもそれに囚われて いつまでも腐っていてはだめだ俺は今日も ゴミを拾いながら患者さんの様子を 見るまたあの車椅子の男の子に出会っ た男の子はお医者さんになったのと無邪気 に聞いてきただから俺はそうだねと返した の だ俺を必要としてくれる人のためできる だけ働くつもり だ 俺の名前は中山優馬30歳の男性だ俺の 実家はテレビに出られるくらいの貧乏だっ た大家族貧乏でも仲良く暮らしてます みたいな番組に出られるレベルである中学 で同じクラスだった亮太は俺のことを 見下しておりいつも鼻で笑っていた彼の家 はお金持ちだから俺みたいな貧乏人が嫌い だったのだろううちはに食べることもでき ないので中学の給食ではお代わり争奪線に 参加していた家ではしそなものしか食え ないから給食では美味しいおかずをみんな と取り合っていた大体じゃんけんでやるの だが俺はなぜかじゃんけんが強い運用素も あると思うけれど異様なまでにじゃんけん に強かったので欲しいおかは大体もらえて いたそれでガツガツと給食を食べていたの だそんな俺を亮太はうわ貧乏草と言って 見下していた彼は気に入らない食べ物が あるとゴミ箱に捨てる嫌なやつである そして俺の持ち物にもケチをつけてきた 短くなった鉛筆を使っていたらけなされた のだ俺は新品をバンバン変えるわけない から小さくなった鉛筆でも大事に使ってい たなぜこんなに貧乏なのかと言うと両親が 中卒で額がないからだ中卒ができる仕事事 なんて限られているし2人で稼いでも生活 は豊かにならないだから俺は常に腹ペコ だったし私服もボロそして制服も近所の人 のお下がりだった俺は両親が毎日懸命に 働いてくれているので尊敬していただから こそ亮太に親を馬鹿にされた時は本当に腹 が立ったのだ父と母は俺には高校にだけは 進学しろと常に言っていた自分たちが中卒 で苦労をしているから俺にはそんな思いを させたくなかったのだろうだが俺は高校は 普通の前日性に通わずに定時性に行こうと 思った定時性なら開いた時間を有効活用し てバイトだってできるから家のために 働けるそれで俺は定治性高校を受験して 進学することになったのだ定治性を出た後 俺はとある会社に入った仕事は大変でいつ も先輩や上司から怒鳴られてばかりだった けれどお金を稼ぐためだと割り切って我慢 していたいつか父さんと母さんに恩返し するためだだからどんなに悔しくても我慢 しよう俺の中学の同級生のほとんどは専門 学校とか大学に行っている特に大学の キャンパスライフは羨ましかったサークル とやらに入ってみんなでコンパしたり本当 に楽しそうであるこっちが怒られている間 みんなは青春を王化しているのかと思うと 泣けてきた自慢話をされていいなと思う こともあるが俺が働かないとうちは貧乏な ままである俺が社会人になった頃父が怪我 をしてしまって仕事を休みがちになっただ から俺が働かないと母にだけ負担がいって しまうのだ母は俺にばかり苦労させて ごめんねと泣いていたが俺が望んだことで ある貧乏なのは確かに中卒の親のせいも あるがいつまでも親のことを頼れないし親 のせいにするなんてダサい俺は自分の仕事 を頑張って両親にうまいものでも食わせて やりたいと思っていたそうして働いてい たらあっという間に30歳だもう仕事して 家で寝るだけの生活で毎日バタバタしてい たそんな時Facebookを使っている 人が使えるメッセンジャーというアプリ からメールが来た誰だろうと思って開けて みたら亮太だったFacebookでは 繋がってなかったがきっと検索して俺を 探し合ってたんだろうなと思った久しぶり 元気にしてる今度の土曜日に合コンをやる から来て欲しいんだけどお前どうせ暇だよ な美人な秘書さんとの合コンで2対2の 小さな合コンなんだこのメール呼んだら 電話くれはあと思ってしまった面倒 くさかったが俺はメールに書かれていた 電話番号にかけてみた彼はヘラヘラした 口調でこう言ったようひじ電話サンキュー なコなんだけどA社の秘書さんであんなさ んって人とみほさんって人が来るんだ俺の 知り合いが紹介してくれたんだけどガチで 可愛いんだへえそうなんだまお前は単なる 引き立て役だけど俺様が呼んでやるんだ から来いよなじゃあなは こいつ何言ってんだと思ってしまったでも 面白そうだったので行くことにしたので あるそうして土曜日になったので俺は指定 されたダイニングレストランマリアージュ に行ったよう定時性の底辺来てくれて サンキューなお前は今日は引き立て役だ からエリートの俺の隣に座ってニコニコし とけよはあ最近マジで仕事が忙しくて大変 なんだわお前み性卒の辺と違って俺は エリート大卒のエリートな外系コンサルだ から何回エリートって言うんだよと思った こいつは確かに頭がいいし中学の頃も成績 はトップだったけれど自分に酔いしれて いる感じがあるしなんだかなと思った ちょっと残念な人間であるへえそうなんだ ねかなり忙しいんだまあ俺も結構忙しく やってよだから女の子と遊ぶ時間とかない からコ楽しみにしてきたよはあ何言ってん だお前はどうせ暇人なくせに女の子と遊ぶ 時間がないんじゃなくて相手にされないの 間違いだろまあ俺はお前と違って女の子 からチラチラ見られるけど俺はブスな女 なんて相手にしたくないからさほら やっぱりエリート大卒のエリートコンサル は綺麗で花があって賢い女性としか 付き合いたくないってことふうんそうなん だそうなんだよ俺はやっぱり釣り合いの 取れる人間しか相手にできねえのよだって 結婚するってなった時見た目が悪くて頭の 悪いアホな女だったら親が怒るに違いない からなあそうなんだねなんでこいつが 女の子をジャッジする側なんだよと思った 確かに頭はいいけれど見た目はそこまで 良くないと思われるもしかしたら自分の ことをジャニーズアイドルとかそれくらい 行けてる男性だとでも思ってるのだろうか はっきり言って顔面偏差値だけなら俺の方 がマだと思ったがこいつは怒るとすぐに ギャーギャー騒ぐので黙っておいた そもそも合コンしている時点で彼女がい ないのだからモテてないってことなのでは と思ってしまうだがそれも言ったらこいつ が発狂して手がつけられなくなりそうだ から黙っておいたそうしているうちに2人 の女の子が入ってきたお待たせしました ちょっとタクシーが前に進まなくって渋滞 がひどかったんですすみませんいいよいい よへだってまだ集合時間にもなってないし 俺たち早く来て懐かしい話してたんだよ さあこっちに座りなよ2人ともこにおいで えへはいじゃあ失礼します失礼します とりあえずみんなで自己紹介しようじゃあ 女の子からお願いしていいかな私は山本 あんなです社で一匠をやっています趣味は 映画とかですへえ映画好きなの俺も好き 映画館で見る方それとも自宅えっと私は 映画館が好きですねあそうなんだ俺も映画 館の方が好きだよやっぱりくがりっていい よねえはあ今度俺とロマンチックな映画館 に行こうよねえいいでしょう えそうですね俺ははっきり言ってこいつ 気持ち悪いなと思ってしまったなんだか あんなさんが困惑しているし嫌がっている のに気づいてないのだろうかは鼻の下を 伸ばしてデレデレしている私は佐々木美穂 です同じくA社の受付をやっています あんなさんと仲良しで一緒によくお買い物 に行ったりします趣味はお菓子作りですえ お菓とか作るのいいなすごいなねえねえ俺 にバレンタインとかくれないなんちってへ あほ俺もみほさんからチョコもらいたいな とショコラがいいな あそれで俺にあてしてね うへそれは ちょっとまたしても気持ち悪いことを言っ ていたのでみほさんもどん引きだった両た は嫌なことを言っているっていう自覚が ないんだろうかなんで初対面の人間に こんなこと言えるんだろうと思った全く こいつの頭の中は不思議である俺は亮太 大学は王大学だよそうあの天下の王大学ね で今は外しコンサルやってるんだまああの 有名なB社だよ本当にマジで毎日大変だよ 俺ってできるサラリーマンだからさもっと もっと自己検算するために朝早く起きて 近くのカフェで自己啓発本とビジネス本と ニューヨークタイムズ読んでるのだから 時間がいくらあっても足りないって感じ でもそのおかげでこの年齢でもうすぐ 1000万だよえぐい でしょまあ俺ってエリートコンサルだし 当然だよねもし俺と結婚したら専業手させ てあげるよ毎日エステでも行ってきなって いうよあんなさんとみおさんは冷めた目で 太を見ていたそれから俺も自己紹介しよう と思ったのだが太が邪魔してきたの だこいつはゆ俺の中学時代のクラスメイト なんだこいつ定治性高卒のクズなんだ親子 さんがどっちも中卒の底辺でさこいつは親 を支えるためとかなんとか言って高校は 全日生に行かなかったんだようちの中学で 提示性に行ったのこいつだけ受けるでしょ 多分今はフリーターやってるんだと思うよ やば 笑えるもうとどうしたんですかえあのどう したのあんなさん会長こんなところで何し てるんですかもう驚きましたそうですよ 会長何してるんですかえちょっと待って あんなさんそれどういうことこいつが会長 ってだからうちの演者の会長なんですって もうなんでこんなとこにいるのかなって 思っちゃいましたよあごめんね本当何かの ドッキリかと思いましたいや俺もなんで うちの社員が来たのかなと思ったけど あんなさんとみほさんはどうしてここに 亮太さんの知り合いから紹介されてああ そうだったんだ亮太まあそういうことだよ この2人はうちの秘書なんだごめんね俺が 会長で意味わかんねえよなんだそれはお前 なんて貧乏家庭の定時性高卒のくせに何か 裏があるに違いない裏なんてないですよね 会長会長は自分で会社を立ち上げたすごい 人なんですよあの亮太さんこそさっきから 人を見下して見ともないですいい年して 学歴とかでマウント取るのってダサいです よそうですよ本当にダです王大卒とか外と か言ってますけど学歴が泣きますよ マウントとって何が楽しいんですかだだっ て俺はこいつより全然上の人間だし タワマン住んでるしタワマン住んでるから 何なんですそんなのどうでもいいですえで も女の子はみんなタワマン好きだろいや セレブガボある人だけじゃないですか身 のたに会ってればそれでいいですそうです 身のたに会ってるのが1番ですね俺は タワマンじゃないけど満足してるよまだ あのボロアパート住んでるのかよ受ける いや白金に家立てたよまあごくしたかなは なんだよそれそうやって逆に俺のこと 見下してたのかいや別に他人なんてどうで もいいからさ亮太みたいにマウント取る ことでしか生きられない人間じゃない ガチで腹立つなお前本当に最低だでもお前 の学歴は定時性高卒人権なんてねえんだよ 俺からしたら奴隷身分だあの今の言い方 ひどすぎます亮太さんいい人だと思ってき たのに本当に気分を返しましたもう帰り ます私もこんな人と思ってませんでした 最低の人間性ですね 俺のどこがそんなに悪いんだよもういい俺 は帰る亮太は財布からお札を取り出して バンとテーブルに叩きつけた悔しくて たまらないといった感じの顔をしていたし 顔なんて真っ赤である俺は確かに定時性 高卒だからみんなからしたら底辺だと思わ れても仕方ないでも俺だって頑張ってやっ てきたのである会社に入った後俺は自分で アパレル会社を立ち上げた俺は以前から 綺麗な服に憧れていたのでアパレル会社を やりたくてたまらなかったのだ俺は子供の 頃から汚いお下がりばかり着ていたので 綺麗な服にとても憧れていたんだと思うだ から会社で得たお給料を家に入れつつ資金 として置いていたそうしてアパレル会社を 立ち上げ大儲けしている今でこそ会長に なれたがそれまでクロの連続だった 亮太は俺がA社の会長だと知らなかったと 言っていたがホームページに載っているの になと思った勝手に脳内でフリーターだと 思っていたのは潜入間からだったんだろう 定時性高卒だからってフリーターになると は限らない俺の先輩だって定治性高卒だ けれど大企業に入っている人もいるし資業 をしている人もいる本当会長が来てて びっくりでしただってお付き合い方がい るって聞いてましたから浮気目的かとえ 付き合ってる人なんていないよそれ誰が 言ってたのえっと営業部の田田さんがそう 言ってましたよそうそう女の影が見えると か可愛いゆるキャラグッズ持ってるのは 彼女のためだとかいや実はそれいこの娘の ために買ったやつえあの猫のグッズをの娘 さんにあげるために買ってたんですか なんか可愛いあれって並ばないと買えない 検定品ですよねいいな私も欲しかったん ですよそれそういやあんなさんって家で猫 飼ってるって言ってましたもんね私は犬派 だけどあのキャラのファンだから欲しかっ たな並んで買うなんてすごいですねいや その子がめちゃくちゃ可愛くてさなんか みたいになってますよ 会長便利なおじさんて感じだよ俺最近俺は 猫のゆるキャラグッズを持っているのだが それはいこの娘にあげるためのものだった いこは俺より年上なのだがそのいこには4 歳の娘がいる彼女がめちゃんこ可愛いので 俺はついつい甘やかしてしまうのだそして 早く帰ってその子に会いに行っていたので 勝手にがいる認定されてしまったようで あるだが俺には彼女なんていないこの先も いないままだろうなと思った田田さんも なんで俺に彼女がいるなんて言ったん だろう田田さんは営業部の女性なのだが なぜそう思ったのか気になるなと思った ねえもしかして田田さんは焼きもち焼いて たんじゃないですかあそれあるかもしれ ないわね会長たたさんもも彼氏いないよう ですからアタックしてみてはどうですかえ 俺がたたさんにそんなの無理だよもしかし て田田さんが綺麗でモデルさんみたいだ からビビってますもう会長もなんだか 可愛らしいですね田田さんも会長のこと気 になってると思うんですよねだっていつも 会長の話してますからえ俺の話してるの それって本当ええ会長のことばっかり言っ てますしあれは完全に恋する乙女ですねだ から今度デートに誘ってみてはどうですか そうですよまずはお食事とか誘ってみて くださいよちょっと俺はそんなのできない よじゃあ私たちが田田さんにデートを 取り付けておきます ねいやいや待ってくれってそれは勘弁だよ 俺は2人を止めたが月曜の朝になんと田田 さんからデートのお誘いについて感謝され てしまったもうすでにあんなさんとみお さんが勝手にデートの約束をしてしまった ようである次の日曜に俺と田田さんは レストランに行くことになった俺は女性と 2人だけでご飯なんて生まれて初めてで あるあ母親と2人で食べに行ったことは あるがそれはノーカウントだとにかく 美しい女性と2人でお食事なんて本当に どうしていいのかわからない俺はいつも スーツ姿だが私服はどんなのがいいかなと 思ったとりあえず自社のブランドのものを 着てビシっとかっこよく決めたらいい だろうか俺はラフな血のパンにそれから ジャケットインナーは襟付きのシャツにし たそして待ち合わせの場所に向かった田田 さんは黒のワンピースに白いサンダルそれ からレのバッグを持っているあんなさんと みほさんも綺麗な人なのだが田田さんも 負けずらず美しい田田さんはお母様が外国 の人なので堀が深くて色が白くてお人形 さんのようだったしかも身長も174cm あって俺とほとんど変わらないモデル みたいな美しさでクール系の美女だった あんなさんとみほさんが可愛い系だとし たら対局にある感じの綺麗系だとだろ彼女 は英語もペラペラだし営業部では重宝され ている優秀な社員であるしかも大学は アメリカの大学を出ているので俺みたいな 定治性の男と食べに行くのなんて嫌じゃ ないかなと思ってしまった今日はデートの お誘いありがとうございますとても嬉しい ですいえこちらこそ来てくださって ありがとうございますでは行きましょうか はいとても楽しみですそれならよかった俺 が案内したのは高級フレンチだここは評判 がいいし前から気になっていた店である 田田さんは目をキラキラさせて中に入った コースを頼んでいたのだがどれも美味しく て俺はほっぺたが落ちそうになってしまっ たこんなにうまいフレンチは初めてである 会社を起こしてから異業種交流会だとか 接待だとかで高級な店にはたくさん行って きた でもこのアンジュという店の料理は別格で ある田田さんもニコニコして美味しそうに 料理を食べていた会長ここのフレンチ本当 に素晴らしいですねこんなに美味しいもの は初めてですそうですねここの料理は別格 ですよね特に私は魚が気に入りましたはい 私もお魚美味しいと思いましたあとこの デートは私にとって特別ななんですだって 会長と一緒にいられることが本当に幸せ ですから えそのままの意味ですよ俺は田田さんの 言葉を聞いてドキッとしてしまった今まで 意識なんてしてなかったのに急になんだか 胸の奥がチクチクし出したのだ あそうですかそれは嬉しいですねお店の スタッフがデザートを運んできた愛らしい デザートで女性が好みそうな見た目である 田田さんこのデザートも美味しそうですね さあ召し上がってくださいええとっても 美味しそういただきます事前に田田さんは 何でも食べると聞いていたけれど本当に何 でも食べるし美味しそうに食べてくれて 嬉しいなと思ったこちらも店を選んだ会が あるというものだそれから俺たちは店を出 て少しその辺をブラブラすることしただが その途中で田田さんのお腹が鳴ってしまっ たのであるやだ私たらうんどうかされまし たかあの引かないで聞いてくださいね私実 は結構食べる方でしていつもフレンチの後 にはラーメンを食べてるんですえラーメン ですかやっぱり引きますよねそんな たくさん食べる女なんて見ともないって 思いながらもコースの後にラーメンを 食べるのが癖になっててやめられないん です よそれならそうと言ってくださればよかっ たのに実は俺もラーメンとても好きなん ですあの俺の知ってる店でよければ 美味しいところがあるので今からでも行き ませんかえ一緒に行ってもいいんですか ちょっと汚いとこなんですけど味は最高に うまいですよそうして俺と田さんは屋さん に行ったそこは俺が子供の頃に何度か来た ところであるだが実家は貧乏だったので 汚いラーメン屋さんでも食べに来られるの は誕生日とかだけだったうちは外食なんて 贅沢なことほとんどしたことがないでも俺 の大好物がラーメンだと知っていた両親は 俺の誕生日にはそのラーメン屋に連れて 行ってくれたのだ普段は袋麺を分け合って 食べるほどの貧乏だったが誕生日は どんぶりに入ったラーメンを1人で食べ られる俺にとっては思い出の味なのだ ラーメン屋についた田田さんは目を輝かせ ていた豚骨の匂いがしていてさっき食べた ばかりなのに腹が減ってくる俺の腹も鳴っ てしまったので2人でラーメン屋に入った 店員さんが俺たちを奥の席に案内してくれ たので俺たちはそこに腰かけたそして2杯 の豚骨ラーメンを頼んだのである田田さん は豚骨ラーメンの汁をまず飲んでニコっと 笑ったそして公開に麺をすすったのである 俺も麺をすりそれからチャーシューに くらいついたここのチャーシューは2コ まれてトロトロなので俺の大好物だ大事に 最後まで取っておきたい気もするがうまさ のありペロっとチャーシューを先に食って しまったそして俺と田田さんは満腹になっ たフレンチの後にののラーメンってどうな んだと思うがまこれはこれでいいどっちも 美味しかったからよしとしようじゃないか と思ったああ美味しかったですあのご馳走 していただいてすみませんいえいいんです よ気に入ってくれたみたいで嬉しいです あのまた一緒に行ってとしてくれませんか えわ私会長のことが好きでその好きで たまらないんです秘書のあんなさんとみほ さんから彼女がいないってこと聞いて安心 しちゃいましたもし大丈夫でしたら私と 付き合ってくださいああの逆に俺でいいん ですかだって俺は定時性高卒の底辺だし 田田さんとは不つり合いなんじゃないか なって思うんですが私は会長がいいんです お仕事されてる時もかっこいいなって思っ てますしいつも尊敬してますだからどうか 付き合ってください女の人に告白されたの は初めてだったので面食らってしまった しかもこんな綺麗な人にだ俺はもちろん OKしたそれから俺と田田さんは交際を 始めたそうしてデートしてお互いの時間を 大切にし俺たちは互いの趣味や興味を共有 しながら楽しい思い出を気づいていった ある日俺は田さんにこう言った 田田さん明日は特別なデートをしましょう 本当ですかどこに行くんですかそれは サプライズです明日の朝まで待っていて ください田田さんはニコニコして待って ますと言ってくれた翌日俺は田田さんの家 まで車で向かったあのどこに向かっている んですかもう少しで着きますよ楽しみにし ていて くださいはあそして車を走らせた先には 恋人の聖地と呼ばれる絶景が見えたここで みんな願い事をエマに描いて飾ると カップルは幸せになれるという俺と田田 さんも2人でハートのエマに願いを描いた 俺は田さんとこれからも一緒に過ごせます ようにと書いたが田田さんはエマを見せて くれなかったそれから俺は田田さんの 誕生日に合わせてプロポーズをしたさんに 婚約指輪を渡したら泣かれてしまったので ちょっとびっっくりしたこんなに素敵な ものをもらえるなんて嬉しいありがとう ございます喜んでくれて嬉しいですとても 似合ってますよ優馬さんが選んでくれた指 は大事にしますね私はかなさんのこと一生 大事にしますもう俺たちは恋人同士なので 互いを下の名前で呼んでいたいつまでもと 呼ばれるのも他人技だし優馬と呼んで もらったのだそれから俺たちは結婚式を 上げることにした結婚すると分かって秘書 のあんなさんとみほさんはニコニコしてい た彼女たちが恋のキューピッドになら なかったら俺と田方さんはいつまでも 付き合っていないだろうだからある意味 この2人には感謝なのだ結婚式には たくさんの人が来てくれたうちの社員だけ でなく取引の人まで来て俺たちを祝って くれる俺の両親も息子が立派になって よかったと泣いて喜んでいた妻となったか さんは本当に綺麗だウェディングドレスを 着た彼女は何かの物語に出てくるお姫様の ようである結婚式の会場は愛と祝福に包ま れていた華やかな装飾と美しい花々が幸せ な雰囲気を一層引き立てていて幻想的でも ある 俺とかなさんは視界の言葉をかわし指輪を 交換する瞬間に勘極まってしまって涙が 溢れた司会者がおめでとうございますと 言うと会場からは大きな拍手と完成が 湧き起こる俺たちは笑顔で会場の皆に感謝 の気持ちを伝えた本日はお集まりくださり ありがとうございます祝っていただけて ありがたい限りですみんな俺たちををやか に見守ってくれているそして余興も大変 素晴らしかったなんとあんなさんとみお さんがダンスを披露してくれたのだがう すぎてびっくりであるこの2人は高校の頃 からダンスをやっていたらしい笑い声や 幸せな祝福の言葉が絶え間なく飛び交い 温かな雰囲気が広がったその後は俺たちは 二次会に行くことになった結構疲れていた けれど楽しい二だったのでいい思い出と なった結婚をきに新たな家庭を気づくため に互いの価値観や希望を尊重しながら日々 を過ごしていった俺たちの新たな家庭では 笑顔溢れる日常が広がっていったかなさん 一緒に未来を歩むことができて本当に幸せ だよ俺もっとかなさんに頼られる夫に なれるように頑張るからねええもっと私も 頼られる妻にになれるようにするわその後 妻のかなさんに妊娠が発覚した妊娠が発覚 したのは本当に嬉しくて泣きそうになった かなさん本当に嬉しいよ僕たちの愛の決勝 が授かったんだねうん私もとっても嬉しい 一体どんな子が生まれてくるのか楽しみだ ねどちらに似てるんだろううん俺はかな さんに似ててほしいなやっぱりかさんは 綺麗だからあら嬉しいこと言ってくれる じゃないのでも私は優馬さんに似ていたら いいなって思うわ俺たちは赤ちゃんが 生まれるのを心待ちにしながら穏やかな 日々を送っていったかなさんの妊娠期間は 俺たちにとって特別な時間だった初めての 子育てなので分からないことだらけだが なんとしてもうまくいくようにと俺は必死 に考えたそれで妊娠中のかなさんの健康を 最優先に考え俺は彼女をサポートすること に全力を注いだ俺は仕事と家庭を両立さ せるため効率的なスケジュールを建てる ことにしたいつまでに何をやってそれから どう過ごすか決めたのであるまたかなさん に栄養を取ってもらうために食べられそう なものを使って俺は料理を覚えた今まで 料理は下手だったけれど料理を頑張って いるうちにだんだんとうまくなってきた かなさんからも上手だと褒められてとても 嬉しくなったのであらゆるメニューを作っ ていたのである妊娠期間が進むにつれて かなさんのお腹は大きくなり家族にとって の喜びと期待が一層膨らんでいったもう いつ生まれてもおかしくない感じだった そして町に待った日が訪れたかさんが3 気づいたので俺は急いで病院に連れて行っ た病院まではそこそこ近いし救急車を呼ん で待つよりも連れて行く方が早い病院に 着いたのでかさんは車椅子に乗せられた 出産の瞬間を迎えるための準備が整い ドクターや看護師の指導のも俺はかなさん の手を握りしめたかなさん頑張って俺たち の子供が無事に生まれてくるように祈っ てるからそれに俺もここにいるから ありがとう頑張るはかなさんは優しく 微笑みながら俺に返事してくれたそして俺 はそのまま立ち合い出産の場にいた新しい 命がこの世に誕生する瞬間が迫っていた 分娩室にはおぎと赤ちゃんの声が響き渡っ た看護師さん曰く元気な女の子だそうだ 赤ちゃんはまだしわくちゃの顔をしている が目が大きいことだけは分かっただから きっとかさんに似ている子供なんだろうと 思った俺は自分の子供が生まれた実感が なくてなんだかまだふわふわしていた まるで夢を見ているようだでも実際にこの 子は俺の子供なんだと思うととてつもなく 愛しくなったあれからかなさんは退院して 子育てに奮闘している俺もできるだけ 子育てを手伝いいいパパになろうと務めて いる今こうして幸せを手にしているのも 苦労したがあるからだと思うだから苦労し た人には報われてほしいなと思っているの であっ た

〜本日の総集編〜

①【感動する話】 高校1年で母が他界…一人になった俺は貧乏で毎日バイトする生活。ある日母の携帯を見てたらある人物とのメールが。その人物に会いに行くと…一枚の手紙を手渡された!それを見た瞬間俺は号泣
(2024/2/12公開)

②【感動する話】未亡人で年上彼女にプロポーズした俺。家族と顔合わせの時に彼女の指輪を見た母は顔面蒼白に「ねぇ、そんな…まさか!」彼女の壮絶な過去を知った俺は…【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】
(2023/6/12公開)

③【感動】65歳楽器店でパートの私にセレブ意地悪客「いつも触ってるなら弾けるわよね?w婆さんw」「はあ…」→私がピアノを弾いた結果【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】
(2023/6/22公開)

④【感動】貧乏な母子家庭の同級生。痩せこけた彼女に母のツナマヨおにぎりをあげた俺。ある日実家の定食屋が廃業寸前「店じまいするか」→「あの、お弁当予約したいのですが」【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】
(2023/6/29公開)

⑤【感動】大手アパレル会社の最終面接へ父のスーツで行くと、「ダサwそのスーツゴミ捨て場で拾ったの?w」俺「御社の社長さんが仕立てたものですが…」「え?」【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】
(2023/7/7公開)

⑥【感動】大学病院の清掃員として働く55歳の俺。年下エリート医師「ゴミ拾いとか惨めだなw」後日、高難易度の手術に立ち尽くすベテラン医師の前に俺が立ちはだかり…【いい話・泣ける話・感動する話・朗読】
(2023/7/10公開)

⑦【感動】美人秘書たちとの合コンで俺を引き立て役に使うエリート大卒同級生「こいつ定時制高卒のクズw」→居酒屋の従業員が俺に向かって「会長、こんなとこで何してるんですか?」【いい話泣ける話感動する話朗読】
(2023/7/12公開)

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