【スカッとする話】海外企業への商談資料を用意したのに先輩が商談を横取り…「お前じゃムリw俺に任せろw」全てアラ

俺の食事20万円分お前が払っておけよ
断ったら取引中止にするから取引先担当者
の伊野さんがにやりと見下すような笑みを
浮かべながら言う思えばこの人は初対面の
時からずっと俺のことを下受けだと馬鹿に
していた板野さんが務めている会社は誰も
が知っている大企業一方の俺は下町の工場
経営者だその差は
歴然だけどもう我慢の限界だ俺は板野さん
にある真実を告げるためゆっくりと口を
開いた俺が経営している工場である平公務
店は祖父が立ち上げた町場だ物作りが好き
だった祖父はいつか自分の会社を持つこと
をに
この下町から世界中の役に立つ素晴らしい
物づくりをしていきたい祖父の夢はとても
立派なものだったが経営は困難を極めた夢
を置い続けるソフトは対象的に父親は現実
的な人で一般企業に就職した一方俺は祖父
の血を濃くついで物づくりに打ち込む祖父
の後ろ姿に強く憧れて
この工場はお前に託すよお前が大きくなる
までは専務の見に任せる俺の宝物を頼んだ
ぞ晩年は富士の病を発症しネタきりの生活
になってしまった祖父体は痩を衰えても
その目は昔と変わらずキラキラと輝いてい
た俺が祖父の工場を継ぐために大学したい
とた最初はあのボロ工場を継ぐなら大学に
は行かせないと言っていた父だが最終的に
は俺の情熱に負けたらしい俺は必死で勉強
して高校でトップの成績を収めた成績表を
父に見せると諦めたように大きなため息を
ついてこう言った仕方ない大学には行かせ
てやるだが何があっても後悔はするなよ
それと何が起こっても俺は手助けしない
全てお前の責任だ逃げ出すことは許さない
から
な厳しい言葉だったけれどそれだけ俺の
ことを心配してくれているのが伝わってき
た父さんのためにもおじいちゃんのために
も工場を守ってくれている三田さんのため
にも絶対に失敗するわけにはいかない
逃げ出すわけにはいかない大学卒業後俺は
すぐ平公務店に
そこで三田さんに指導してもらいながら
時期上経営者として経験を積んでいった
その道乗りは決して平坦なものではなかっ
た何度も失敗したし工場の経営があまれた
こともあるお金が足りなくなった時は工場
の仕事が終わった後に夜明けまでバイトを
して稼いだ心身共に疲弊して倒れかけた
こともあった何度もくじけそうになった
そのに俺は祖父から譲り受けた作業技を
握りしめてじっと耐えたその作業技じい
さんのものとはいえボロボロだな社長なら
もっといいものを着ればいいのにこれは俺
の宝物なんです手放すなんてできませんよ
三田さんが呆れたように笑い俺も笑顔で
返した祖父の作業技が俺の体にしっくり
馴染む頃ようやく場のは安定仕事に
打ち込みすぎて根気を逃してしまいいつの
間にか40代に突入していたそんなある日
のことだ実は死者に転勤になりまして
新しい担当者に引き継ぎますので今後とも
お願いしますそうですか残念です寺西さん
にはとてもよくしてもらったのにこの人は
大手企業アーテクト株式会社の営業マで
あるテニさんだアーテクト株式会社といえ
ば知らない人はいないくらいの大企業で
業界の交流会で挨拶したのをきっかけに
こうして取引をしてもらっている寺西さん
のおかげでうちの工場の経営は安定したと
言っても過言ではない大企業に務めていて
もうちの工場を対等な取引相手として接し
てくれてい
た新しい担当者は新入社員なんですよ一流
大学を卒業した期待の新人でしてねそれは
楽しみですまだまだ至らぬ点があると思い
ますが何卒お願いし
ますそして後日新しい担当者がやってきた
どうもいたのっすこれからよろしくですい
のと名乗った新入社員は開校1番ヘラヘラ
とした態度で挨拶した少し驚いたが最近の
若者はこれが普通なのだろう
俺はニと笑い握手を求めただがさせ俺潔癖
症なんで板野さんは俺の汚れたを見て不快
そに顔を歪めた先ほどまで作業していたの
で確かに手は汚れている急いで吹いてもう
一度握手を求めたがじゃあ挨拶は住んだん
で帰りますねえ打ち合わせ
はさんに聞いてるんですそれに俺綺麗な
空気を吸ってないと気分悪くなるんすよ
この工場かなりのボロうん古いですし早い
とこ帰らせてもらいますねそう言い捨てて
伊野さんは本当に帰ってしまった俺は呆然
と彼を
見送る確かにこの工場は祖父の台から続い
ているので少し古いけれど換気はちゃんと
しているし空気が汚れていることはないの
だが
板野さんの顔を
思い出す彼の顔は俺の宝物であるこの工場
を見下しているようなそんな嫌な雰囲気を
まとってい
たその後しばらくの間は寺西さんが
ちゃんと引き継ぎをしてくれていたので
特に問題はなかったしかし納期は来週でお
願いしえでも書面には再来週と何か問題で
もあります板野さんの要求がだんだんと
無茶なものになってきたのだそれにこの
工場ちゃんと掃除してますなんかここに
いると肌が痒くなってくるんすけど毎朝
ちゃんと掃除してますし定期的に業者に
頼んで隅々まで掃除してますよ本当です
かていうか工場のトップがそんなボロ着て
ちゃ全然説得力ないですよね俺の作業技を
見て馬鹿にしたような笑を浮かべながら
そう言ってくるのだ彼なりの
コミュニケーションなのだろうとスルーし
ていたがさすがにこの工程では無理があり
ますよスケジュールの見直しをお願いし
ますはあ断るつもりですかそんなことする
と契約事態を見直しますよそれでもいいん
すか俺が無茶な注文を突き返すと彼は契約
終了すると脅すようになってきたのだ
あれは完全にこちらをなめている今後の
付き合いは考えた方がいいぞそうですけど
全人の寺西さんには恩がありますし無には
できません
よそんな俺の弱気な態度を見抜いていたの
かある日彼はとんでもない要求を突きつけ
てくるうちの会社今期は経営がちょっと
厳しいんですよ
はあいつもは軒先で話を済ませる彼が
珍しく室に案内してほしいと言ってきた
コーストカットしろって上がうるせえん
ですわで今日はそのことで相談があるん
です
よそして俺に1枚の書類を差し出す次の
納品分からその値段でよろしくっすこんな
安く無茶にもほがありますよお願いします
よこの話がうまくいったら上も俺を認めて
くれるんですよ俺ののためだと思
ね無理ですお断りします板野さんは一瞬
不服そうな表情をしたけれどすぐに作り
笑顔になってこう言ったじゃあその代わり
に納期を短くしてください来週までに
100ロット納品ではあこっちがこんだけ
譲歩してんだから受けてくれてもいいっす
よねもう一度無理だと突き返すとしたが
譲歩できるのはここまでっせこれで断る
なら本気で取引中止にしますよこの値段で
引き受けてくれるところは他にもあるん
ですからね板野さんが俺を睨みつけながら
脅してくるそんなボロボ大事に来てる
くらいですしうちと取引中止になったら
困るのはそっちでしょそれは引き受けて
くれますねじゃそういうことでよろしく
す再び作り笑顔を浮かべると彼はさっさと
工場を後にする俺から事情を聞いた三田
さんは血管が切れそうなくらい分外してい
たあんな若像になめられてたまるか取引
中止上等じゃねえかいや今回は引き受け
ましょうはあこんな納期無理に決まってん
だろうフル稼働でやれば大丈夫です社員に
は特別報酬を出して協力してもらいます
はあまあお前の頼みならみんな引き受ける
だろうけどこんなことが続いたら社員から
反発が来るぞ今回だけです2度とこんな
取引はしませんそして俺はとある準備を
始めたなんとか希望分を納品した直後俺は
アーテクト株式会社主催のパーティーに
呼ばれたいやこの前は助かりましたこれ
からもよろしくっすああどうもそれにして
もテラさんはいい下受けを見つけてきまし
たねおかげでできそすこれからも俺のため
にアクセ働いてくださいね野さんが嫌み
たっぷりの笑を浮かべる俺は板野さんが
なんでここまで無茶な要求を押し付けて
くるのか不思議だったけれどどうやら俺の
ことを下請け社員と思っているらしいのだ
下請けだからと言って無茶を押し付けて
いいわけではないのだがその後パーティー
の2次会に誘われたので参加したも縄に
なり払った様の野さんが俺に絡んできた
タレさんちょっとお願いがあるんすけど
ヘラヘラと笑いながら会計を俺に押し付け
てくる調子乗ってここで一番いいワイを
開けまくっちゃったんすよでお会計が
20万になっちゃったんですよねはあつう
わけで俺の食事の20万円分お前が払って
おけよ断ったら取引中にするから
ないつもの調子で脅してくる伊野さんに俺
はゆっくりと口を開いてこう
言い放つあなた誰ですかはあなんで俺が何
の関係もないあなたの会計をしなきゃいけ
ないんですかそんなものは自分で払って
ください俺の言葉に最初はうえた様子だっ
たがすぐに視線を鋭くして俺の胸ぐらを
掴んでくるお前ずとた態だな俺が誰かだっ
てお前の貧乏ボロ工場の取引先の担当者様
だよこれ以上なめた態度取るなら担当者
うちの担当者はあなたではない別の人です
けどはあてめえ何ふざけたこと言ってんだ
伊野さんが手を振り返すしかしその手は
とある人物によって遮られたお前何やって
んだ
さんなんでここにお前がやらかしたことを
謝罪するためだよ上から話を聞いて死者
から飛んできたんだ間一発寺西さんの
おかげで殴られずに住んだ寺西さんお久し
ぶりですああすみません平さんこいつには
俺からちゃんと事情をいえ俺から話します
自分の身に一体何が起こっているのかこの
若にきっちり説明してやります
よさんがした表情で俺と寺西さんの
やり取りを見ているそのまけな顔に向かっ
て俺は真実を教えてやったあの日板野さん
からの無茶な要求を引き受けた俺はすぐに
ある書類を用意したそれはアーテクト
株式会社に取引停止を要請する書類である
要請と言ってもほぼ一方的な取引中断だ
こんなものを提出したら俺の工場の経営が
れるかもしれない一昔前のうちの工場なら
俺の工場の経営は決して平坦な道では
なかった何度も失敗したし経営があまれた
こともあるだけどそんな中でも必死に努力
していたおかげで徐々に業界内で評判が
上がっていったのだあの工場の製品は
レベルが違う品質で耐久性に優れていて
素晴らしい商品だそんなをいち早く
聞きつけたのがアーテクト株式会社のテニ
さんだったとある業界の交流会でテラニシ
さんから声をかけられ取引を持ちかけられ
たのだ自慢じゃないですけどうちの会社は
業界大手ですそこと取引したという実績が
あれば他の取引にもつがるでしょうでも
うちの工場なんかがアーテクト株式会社
さんみたいな大手となんて自信を持って
くださいあなたの物づくりの腕はに誇れる
もだこの素晴らしい商品を世界中に広めて
ほしいと思っています俺に表部隊に出るお
手伝いをさせてくれません
か立場は違うけれど寺西さんも俺やソフと
同じく物作りにかける情熱を持っていた
その情熱に触れて俺は取引を決意した大手
取引先との仕事は初めてだったので最初は
戸惑うことも多かっただけどテさんの
サポートのおかげでを積み今では数多くの
会社と取引をしているだからあんたのとこ
とは取引を中断しても別に困らないんだよ
今まで引き受けていたのはテニさんへの恩
があったからだそれがなければとっくに手
を引いている嘘だろうちの下請けじゃ
なかったのか平公務店とは対当な取引相手
だお前に何度も教えたはずだぞだっていつ
もボロボロの作業来てるしあれはじい
ちゃんの大切な作業技だ馬鹿にするのは
許さない正直あの無茶な要求を引き受けた
後俺は本気で取引を中止するつもりだった
そのための書類を作って本社へ行ったのだ
がどうか考え直してくださいこちらに
できることは何でもしますからでは今回の
取引でこちらが負担した分の支払いをして
くださいそれとすぐに別の担当者に変えて
ください次の担当者も問題があようでし
たら今度こそ手を引かせてもらいますので
トップ企業であるアーテクト株式会社の
役員が座でもするような勢いで頼み込んで
きたので俺はもう一度だけチャンスを
与えることにしたのだ新しい担当者が
決まったという連絡は先ほど直接役員から
いいたこの後伊野さんには処分が下される
とのことだそんな俺の心の夢
がどころかお前は戦だ戸田中の死者で反省
しろい嫌ですせっかくいい大学出て本社に
入ったのに本当は首のところを温情で車戦
にしてもらったんだ感謝しろすると伊野
さんは何を思ったのか俺に向かって土下座
してきたではないかお願いします何でもし
ますから許してくださいあなたの謝罪に何
の価値があるんですか何でもするって言う
なら会社からの処分を素直に受け止めて
くださいね俺が無慈悲にそう告げると伊野
さんはこの世の終わりだと言わんばかりの
絶望の表情を浮かべたその後寺西さんの
言った通り伊野さんはど田舎の死者に左戦
となるそこはいわゆる出ることが有名な
ところらしくて怪談話が大の苦手な伊野
さんにとって地獄のような場所らしいあの
調子ではもうすぐやめるだろうなと寺西
さんが言ってい
たさんのとなった新しい担当者は彼と同じ
くらいの年齢だが礼儀を湧きまえている
最初板野さんの態度は若者だからだと思っ
ていたがあれは単に彼が失礼な人間だった
のだちょっと不器用なところもあるけれど
新しい担当者も物づくりに対する情熱を
持っている人で一生懸命に仕事に取り組ん
でくれているこの調子なら今後も取引を
続けていけそうだ世の中はは決して甘い
ものではない他人を見下しているとどこか
でしっぺ返しを食らうだろう気づかない
うちに俺も板野さんみたいになっているか
もしれないそうならないよう気をつけて
周りへの感謝を忘れずに過ごしていこうと
思っている
[音楽]
よ俺は事実を告げているだけですようちと
しては見るからに貧乏作業員のような奴に
来られては迷惑なんです帰るわけないのに
見学だけして高級者の話を聞こうだなんて
図々しこつたら貧乏人に貴重な時間を割い
ていられるほど暇人じゃないんだもう車を
買わないんだったらとっとと
帰れ高級ディーラーのスタッフはそう言っ
て犬を追い払うようにししと手を振った
農業用の作業儀姿の俺はショールームで方
にくれていたやっぱりこんな格好でのが身
のど知らずだったんだろう
か俺の心は公海に苛まれていた俺の名前は
大森かや年齢は39歳で結婚して10年目
になる子供は2人いて子育て真最中だ今日
は午前中に実家の農家を手伝い昼頃に高級
ディーラーに車を見に行く予定だった
車好きな俺はドライブ用の者を入たと前々
から考えていたのだ幸い妻も俺には
ドライブくらいしか趣味がないことを承知
していて車の購入を認めてくれたあとは
ディーラーに相談に行って車を選ぶだけな
のだ家族を連れてきてもよかったけど初回
なのでとりあえず俺1人で様子を見に目を
つけていた高級ディーラーを訪ねてみる
ことにし
たいけねまたつぎで出てきちゃったの前
まで車を運転してきた時に俺は自分が服を
着替えてくるのを忘れていることに気が
ついた俺の母方の実家は農家で今日も午前
中は草と農業用の機械の修理をしていただ
から作業技としてつなぎをずっと着ていた
のだそして服装に無頓着な俺はうっかり
この作業技のままで子供の日などに行って
しまうことがあってよくにも注意されるの
だったちなみに今日乗ってきた車は親父が
愛用している軽トラックだつなぎに軽
トラックまるで脳作業帰りのようだだけど
もう店の前なのに引き返すわけにもいか
ないまあ大丈夫
だろうそう思って店の駐車場へとハンドル
を切ったところが普通は駐車場に客が入っ
てきた時点でスタッフが店から出てきて
誘導を始めるものだが俺が案内を待ってい
ても誰1人も出てこない仕方がないので店
の正面の駐車場に適当に軽トラを止めたの
だがその時やっとスタッフが店から出てき
たその人は身長が高い40代前半くらいの
男性だった俺は車から降りてこんにちはと
挨拶したのだが彼は開校1番に困るんです
よね軽トラックなんて貧相な車をうちの
正面駐車場に置かれたらあなたここがどこ
だか分かってます高級ディーラーですよ
相手の言葉に俺は耳を疑った貧相な車あけ
に取られていると店の裏側に第2駐車場が
あるので止めるならそっちにしてくださ
高級ディーラーの前に軽トラックが止まっ
ていたら他のお客様に安っぽい店だと思わ
れますからはっきり言って営業妨害です
じゃ失礼そう言い捨てるとスタスタと
歩き去るしまったのだ営業妨害安っぽい店
だと思われるから移動しろだとなんてこっ
た高級ディーラーじゃなくても客に対して
こんな対応はない
だろうその時俺は気がついたああそうか
あの男は勘違いをしているんだ俺は自分の
服装をまじまじと見て納得したつなぎを着
た男が軽トラックに乗って駐車場に入って
きたのだおそらくさっきの彼は俺のことを
業者の人間だと勘違いしているだから見前
のお客様駐車場に車を止めるなと怒られた
のだやれ
こんなことなら普段からちゃんと妻の子を
聞いておけばよかったさっきの男が不自然
な態度を取った理由に納得した俺は外出
する時は服装に気をつけろと怒っている妻
の顔を思い出しながら店の入り口に向かっ
た俺が業者の人間でないことを説明して客
としてきたんだと理解してもらえれば
ちゃんと接客してくれるだろうそう思って
いたのでフロントで説明するつもりだった
来店の予約だってしているのだ名前を言え
ば分かるはず俺が店内に入るとフロントに
はさっきの男性スタッフがいてこちらを
きりと睨んでいる何しに来たんだと思って
いるに違いないああのすみませんこんな
格好ですけど俺業者じゃないんです今日
ここで車を見せてもらう予約を入れた大森
かやですよろしくお願いします
俺がそう言うと店員は面倒くさそうに
リストをめくっていたが顔をあげると大森
かやなんて名前のご予約はありませんね
大変申し訳ないですがうちはご予約のない
お客様の対応はいしかねますパンフレット
のお渡しだけになりますけどよろしいです
かなんとこんなことを言ったのだえそんな
3日前に電話した時には予約はできてい
るって言われたんですけど何かの間違い
じゃありませんかそう尋ねるとそんなこと
言ってもうちとしては対応しかねます
パンフレットだけ受け取ってお拭き取り
くださいそそんな少しお話だけでもそう
言うとあのね営業はノルマがありますから
ねあんたなんかと話してもどうせノルマに
は貢献してくれないでしょうから時間の
無駄なんです男はそう一方的に述べるだけ
だなんて失礼な人なんだろうとっさに俺は
相手のネームプレートを見たが男の名前は
たまるというらしいたまるさんはつなぎ姿
の俺のことを完全に見下していてまともな
接客をする気がないようだてっきり業者と
間違えたからきつい言い方をされたのだと
思っていたけど関係なかったらしい軽
トラックに作業技で来店した客など最初
から客だと思っていないようだっただけど
ここで簡単に引き下がるのもなんだか尺に
触ったのでいいですよじゃあパンフレット
をください不十分な案内で結構
パンフレットを見ながら自分で展示されて
いる車を眺めますから自分で勝手に見学し
て帰るんだったらあなたの時間を使うわけ
ではないしいいでしょうそう言うとたま
さんは呆れたようにまあ止はしませんけど
あなたに車なんか分かるんですか余計なお
世話
ですまともに相手をされないばかりか完全
に下に見られている俺はたまるさんと話を
するのをやめてショールームを1人で見学
することにした広々としたエレガントな
空間にはピカピカの高級車が並べられて
いる店の対応は最悪だけど車は全て息を
飲むほど美しく是非手に入れたいと思う
ようなしばかりだっただけど俺が見れて
いると触らないでくださいよ後で指紋を
取るのが大変なんで横からたまさんが余計
なチチを入れてくる時間がないと言って
起きながら金魚ののようについてきて
嫌みを言うたまるさんに俺はうんざりした
気分を変えようと接客用のソファーが並ん
でいるエリアを見渡してみるのおは一組
のみで離れたとろにあるソファーにみの
いい年の男性が腰かけている姿があった横
には外国人らしい金髪女性が3歳くらいの
子供を怪しているおそらく彼の妻だろう見
た感じどこかの社長一家のようだった
さっきから別のスタッフがすごく丁寧に
接客しているようで絵に描いたような夕雅
だった俺がその家族の様子を羨ましそうに
見ているとぶクスクスうちのお客様として
来ていただくのならせめてああいったお客
様でないとあの人とあなたでは住む世界が
違いすぎますよなんて横でたまさんが笑っ
ている俺がむっとしてそんな風に言うのは
やめてください確かに服装は作業技です
けど俺だって客としてきたんだからもう
少しまとに扱ってくだ
と言い返すと何を俺は事実を告げている
だけですようちとしては見るからに貧乏
作業員のような奴に来られては迷惑なん
ですどうせ買もしないのに高級者の話を
聞こうだなんて図々しこちとら貧乏人に
貴重な時間を咲いていられるほど暇人じゃ
ないんだ車を買わないんだったらとっとと
帰れそう言って犬を払うようにししと手を
振ったこちらは本気で車を買いに来ている
のに最後まで客として認識されなかった
ようだここで粘って色々話をしてもいつ
まで立っても拉致が開かないだろうこの頃
には俺はもうこの店で車を買う気はなくし
てしまっていたそこで最後にトイレだけ
借りて帰ることにしたのだが俺がトイレ
から出てくるとだから出てけって言ってる
だろ
しし建物の入り口のところでたまさんが別
の1人の男性と揉めていたどうやら俺が
トイレに行っている間に来店した血を
追い出そうとしている
らしい俺はその様を見て入り口の方に
近寄って
いく追い出されようとしている男性は小の
20代くらい彼のショルダーバックには
世界中で人気のゲームキャラクターの
ストラップがいっぱいぶら下がっていた
いわゆるアニメゲームオタクのようだ俺は
彼の顔がはっきり見えるくらいの距離まで
近寄ったのだが俺が声をかける前にたま
さんは男性を駐輪場まで追い返してしまっ
たバイクで店に来たらしいそのオタクの
男性は悲しそうな顔をしながらバイクに
またがると店から去っていった男性が去る
とたまさんはほっとした顔をしてこちらを
振り帰ったそしてああやれやれ今日は変な
客ばかり来てさなんだなあんなアニメ
オタクが来るなんてうちは者専門店じゃな
いって
なそんな風にさっきの客のことを散々に
けなし始めたえでも彼は俺が言いかけると
うるさいあんたもトイレだけ借りたら帰る
んだろうだったらさっさと帰れお前みたい
な貧乏作業員やさっきのキモいオタみたい
なのには絶対にうちの車は売らないそう
言ってどなったその言葉を聞いた俺は
とうとう堪忍袋の尾が切れてしまった自分
のことだけだったら諦めてもう帰ろうと
思っていたけど他の客に対してまでこんな
態度を取って追い返してしまったたまさん
をもう許すことはできなかったなんなんだ
こいつは業の風にも置けないそこで俺は
静かに行ったたまるさんあなたにはもう
我慢できません面接からやり直しましょう
はあ面接だとなん
のたまさんは俺の顔を見ながらポカンとし
ているああそういえば名刺を渡していませ
んでしたね俺はこういうものですそう言っ
て彼に名刺を渡したは人材派代表取締り役
大森かや名刺を見た彼はまさになっている
そうだよ君が登録している人材派遣会社の
社長だよ今日は客としてきたから正体を
明かすつもりはなかったんだけど君の接客
があまりにもひどいからね俺は静かにそう
言ったそんなそんなことあるわけないだろ
チで騙そううったってそうはいかないぞ
はそう言って強がるがいや俺は本物だよ
自分の会社が派遣している人材がどのよう
に活躍しているのか内緒で確認するように
しているのでねちょうど新車を1台購入
しようと思っていたからうちが営業の社員
を派遣しているこの店に来たんだそう実は
俺の父親はずっと人材派遣の会社を経営し
ていて昨年から俺が社長に就任していたの
だ母方の実家が農家の俺は社長をやり
ながら休みの日や午後から出社の日には
農業の手伝いをしていただから今日間違え
てつなぎ姿でここに来てしまったのだ驚い
ているたまるさんをよそに俺は話を
続ける例えばさっき君はアニメファンの
男性を追い返していたけどあの人有名
YouTuberのまね君だよモンスター
を倒すゲームの実況プレイで超有名なだ
けど知らない確か動画の再生だけで年収
3億は稼いでいるんじゃないかなそう言う
と何YouTuberだと年収
3億円全く気がついていなかったのか
そもそも知らなかったのかたまるさんは目
を丸くしているまる猫君最近彼女ができ
たってSNSで発表してたから彼女と
ドライブしたくて車を買いに来たんじゃ
ないのかな君が達成したいとめいてノも
あのお客様をちゃんと接していたら楽々
達成できただろうね逃した魚は大きいな俺
がそう言うとなんだと彼は強い衝撃を受け
たようだっ
たそもそも営業だったら情報収集は基本中
の基本だし自分が興味ない分野のニュース
にも触れて最低限の有名人は顔を見たら
分かるくらいじゃないと君がノルマを達成
できないのはの問題ではなくて仕事のやり
方に問題があるんじゃないのかな彼の様子
を見つつ俺はどんどん話し続ける最近は
個人事業主や在宅ワーク中心の人それに
YouTuberとか組織に属さずに
すごくお金を稼いでいる人が増えている
からねそういう人たちがかっちりした
フォーマルな格好で来店するわけがない
でしょ見た目で判断しないなんてのは
もはや営業の常識君みたいな人材は取引先
に派遣できないな俺がそう告げると彼は
はっとして謝り始めたすみません実は俺
キャバクラにはまりすぎて親にも嫁にも
言えない借金があるんです今仕事を失っ
たら大変なことになるんですここの仕事は
給料がすごくいいからなんとかなっている
んですここをやめさせられたら俺は破滅
ですお願いします助けて
くださいおそらく俺を怒らせたから派遣先
であるこの会社をやめさせられると思った
のだろうだけど失礼な態度に頭に来ていた
俺は今日はもう会社に向かう時間だから
失礼させてもらう反省しなさいそう言って
彼を振り切ると店の裏の注射場に向かった
止めてあった軽トラックに乗り込もうと
するとたまさんは駐車場に土下座して叫び
始めた社長すみませんでした許して
くださいだけどもうこの男の話に興味が
なくなっていた俺は冷たく彼を振り切ると
車を発信させた店から道路に出る時に
ちらりとバックミラーを見るとそこには
地面にはいつくばって情けない表情で俺の
方を見ているたまさんの姿があったやれ
やれこの一見で懲りてくれればいいのだが
正直面接をやり直すとは言ったもののあれ
は冗談社長である俺が個人的な感情でさん
の契約を同行することなどできない
あくまで自分が客を見た目で判断している
ちに気がついて改めてくれればそれで満足
だったのだ彼だって仕事を失えば困る
だろうから食い改めて再出発してくれたら
それでいいと思っていたところがその後
たまさんは派遣先の高級ディーラーだけで
なくうちの派遣会社も首になってしまった
のだ理由は仕事用の携帯でに登録されてい
た顧客の電話番号を外部に流出させて金銭
を得ていたことそれと顧客の中にある家の
奥さんと仲良くなり不定を働いていたと
いうことだった情報浪費に気がついた派遣
先の車社が仕事用形態の一斉点検を行った
ところ全てが発覚したらしいさすがの俺も
接客態度に問題があるだけでも良くなかっ
たのに社会的に完全にアウトなことにまで
手を出していた丸さんをもう許すことは
できなかったこんな問題を起こした人を
雇っておくわけにはいかないそこで彼は
見事に首になってしまったそして他の女性
と関係を持っていたことそれにキャバ嬢に
継ぎこんだ借金の話これら全て奥さんにも
バレて彼は離婚大きな借金を抱えたまま路
に迷ってしまったらしい今ではホームレス
になって暮らしているようだ
まああんな風に人のことを散々けなしてい
たのだから自業自得としか言いようがない
だろう俺は正直ここまでのことになるとは
思っておらず彼が自分から破滅していく
顛末を見てあけに取られるばかりだった
その後俺は別の会社で高級者を手配して
もらって無事に手に入れることができただ
けどあなたまた会社につぎのまま行く
つもりなの今日はの会社との会議の日
でしょえああいけね妻に怒られてやっと
自分の服装に気がつく俺どうやら俺のこの
癖だけはいつまで立って
[音楽]
も俺の名前は上川悟小さな公務店に勤める
18歳だ身長164cmで小柄っていうか
はっきり言ってちび
に体を鍛えていたわけでもなくどちらかと
いえばひょろっとした体格でもそんな見た
目に愛反して体力はそれなりにある方なの
だそんな俺が工業高校卒業後近所の公務店
に就職することになったのだがそれまでに
はちょっと変わった経緯があっ
た俺は親父の影響で釣りが好きだった友人
の部屋にはやアニメのポスターが貼って
あったりするのだが俺の部屋に飾ってある
のは魚覚なかなか渋い趣味だと自分でも
思うその中でも74CMの石台の魚覚は俺
の自慢の宝物だ物心ついた頃から親父と
一緒に海へ山へと出かけたものだがその
親父の釣り仲間の1人が俺の勤める公務店
の社長坂口社長である
川でも海でも俺たち3人を含めた数人の
グループで出かけることが多かったのだが
残念ながら坂口社長は世間で言うところの
下手の横好き
社長さんだけあって道具はなかなかいい
ものを使っていたのだが釣果はいつも今1
つちなみに坂口社長は坊主頭ではないそれ
でも持ち前の明るい笑顔と陽気な性格は
グループのムードメーカーとして君臨して
いたそんな坂口社長は俺のことを体操を気
に入ってくれて高校時代の長期休みは
アルバイトにスカウトしてくれるほどだっ
た俺も坂口社長の人柄が好きだったし勉強
が大の苦手だったこともあってこれ幸いと
宿題もそこそこにアルバイトに開けくれる
毎日そんな俺を親父はしながらも見守って
くれていた周囲が大学受験や就職に大笑し
ている中俺はすでに内定を取り付けており
悠々自適の
毎日就職先はもちろん坂口公務店だ新年度
初日から俺はいよいよ仕事にかかる最も
卒業してから昨日まで坂口社長について
アルバイトにしんでいたりしたのだが昨
年度末で1つの現場が終わりアルバイト
から社員へと昇進新年度から新しい現場に
行くようになったそこは半年前から着工し
ていたショッピングモールを建設する現場
でスケジュールが大幅に遅れているらしい
現場に行くとまずは朝礼に参加する人員
転呼に始まりラジオ体操をしてその日の
予定と注意事項を確認する
そしてお決まりの皇帝遅れに関するくじが
あるのだがこれがだるい壇上でくじ垂れて
いる男はいつもあちこちを見て回り口は
出すが手は出さないそれが管理職だと言わ
れればそれまでだけどたまには口じゃなく
て手を出せばいいのに実際に作業を始めて
気がついたのだが皇帝は決して遅れている
わけではなかった元々のプランニングが
厳しすぎるのである5日間で行う工程を4
日でやれだなんて常識では考えられない
実際6に休憩をしないで作業している
下請けや土日の休日を返上して作業する
下請けもいて労働環境は劣悪といっていい
レベルだっ
たその日の10時俺たちは休憩を取るべく
現場事務所脇にある休憩所で一服していた
だ坂口社長はタバコに火をつけながら
ゆっくりとコーヒーを
すする休憩とはいえ単純に休んでいるわけ
ではなく作業状況の進捗やその後の段取り
など確認し合う大切な場所でも
あるこれはミーティングと言っていい
レベルなのだがおい下請けお前らサボって
んじゃねえよ皇帝が遅れてるの分かってる
だろうたく使えねえ受けだなサボって
ばかりいると契約中止するぞお前らの
代わりなんて吐いて捨てるほどいるんだ
から
な坂口社長の眉がピクッと動いた背後から
聞こえた声に俺は
振り返るそこに立っていたのは元受社の
現場主任矢島だった矢島の評判はし悪い元
会社の役員冷で仕事はにできないけど周り
に対するマウント取りだけは1人
前一応この現場の最高責任者らしいが自分
の仕事は部下に丸投げ肩で風を切りながら
現場を歩き回りまるでそれが自分の仕事で
あるかのように下請けをいびって
回る使えねえ下請けだこれだから下請けは
これが矢島の口癖だっ
たサボっているわけではありません休憩を
取っていただけですよそろそろ戻ろうと
思っていたところです
よそれをサボってるって言ってるんだよ
皇帝が遅れてるの分かってるだろう揃いも
揃ってしけたずらしてんななんだこいつ
厨房かよこんなもやし野郎に現場の仕事が
勤まるのかメンツくらいまともなの揃えろ
よ楽生が間に合わなかったら損害賠償を
請求するからな
矢島は吐き捨てるようにそう言うとわずか
に広角をあげ見下すような視線を俺たちに
向けた矢島が厨房とあざ笑ったのは
おそらく俺のことだろう確かに俺は合体が
いいわけではないしぱっと見仕事ができる
タイプには見えないだろうだがこの男に
そんなことを言う資格があるだろう
か親の胃を借りてらは大した実を作ること
もなく下受けを下げんでいるだけの男に俺
たちは深いため息と共に立ち上がり持ち場
に戻っていくだがこんなことは女性に過ぎ
なかっ
たある日俺と社長は現場作業を終えた後
会社近くのスナックで飲んでいたもちろん
俺はまだ未成年で飲めるわけもないから
今日はいや今日もだがリンクを飲みつつ
運転手役なのである坂口社長はお酒が
大好きでしかも強い俺が運転免許を取って
からは飲みに行く時に何度も運転手役を
任されていたのだが今日はいつもと違って
いた後部座席にあの矢島を乗せているのだ
へえ下受けにしちゃいい店知ってるじゃ
ねえかま俺を接待するならこのあり最低
レベルだけどな矢島は美人ホステスに囲ま
れながら上期限だったこの店は坂口社長が
好意にしている店の中でも特に美人揃いの
店であるホステス相手にも自分が役員塞で
あることを鼻にかけセクハ連発の乱心ぶり
矢島の目の届かないところで坂口長は
苦笑いを浮かべながらホステスたに
いこんな体の容を日替わりで毎日のように
下請け業者にしてもらっているらしい接待
を断ったりすれば言いがかりレベルの理由
をかざして契約を切る今時こんな独裁者が
いるなんて信じられ
ない桜の時期も過ぎゴールデンウィークも
過ぎ梅雨も開けて暑い夏がやってきたこの
職葉は本当に地獄で直射日光が肌に痛い
エアコンなんて当然あるわけがない炎天か
曇っていたとしても日本の夏は
蒸し暑いまるでサウナの中で仕事をして
いるかのようだこれではいつ熱中症になっ
ても不思議じゃないそんなある日事件が
起きた俺の会社ではなかったのだが熱中症
にかかった作業員がくってのである当然元
会社では大騒ぎになっただが亡くなった
場所が自宅だったため元受社では労災の
申請をしるそんな話を聞いた坂口社長は
ひどく分外し怒りを荒にしていたそれでも
工事は中断されることもなく送れながらも
事は進んでいくいや正しくはスケジュール
だけが先走っている感じだ下請けの面面は
先々
教元請社と主人の野島に口には出せない
不満が積み重なって
いく8月も終わりに近づいたある日その日
も暑い直射日光が照りつける日だっ
た15時の休憩でいつもの現場事務所横の
休憩所に
集まる坂口長はいつものようにに火をつけ
ながら自販機で買ったペットボトルの水を
飲んでいたそこに待たしても矢島がやって
きて信じられない怒号を浴びせてき
た元請けは休憩なし水も飲むなお前の
ところは特に進捗が遅いんだから休憩して
いる暇があったら作業しろよサボって
ばかり嫌がって今度の土日は出てきて遅れ

取り戻せ矢島さんそんなのあんまりじゃ
ないですかまた死亡事故が発生したらどう
するんですか休憩だって必要なんです皇帝
が送れているのは元々スケジュールが厳し
すぎるんですよ前にも見直しをお願いし
ましたよねうるせえてんだよ下請けの分際
でごちゃごちゃ言うな楽生式の日は決まっ
てるんだ仕事を振ってやってることを
ありがたく思えよごばかり抜かしていると
取引中止にするぞお前らみたいな下受け
代わりはいくらでもいるんだからなでは
取引中止で社長もう帰りましょう
はあ思わず出てしまった言葉ではあったが
矢島を睨みつける俺の視線は怒りに
満ち溢れ走た言葉は静かではあったけれど
うを言わせぬ気迫をまっていた坂口社長の
顔は若干の不安を感じているようではあっ
たがこれまでの矢島の立ち振る舞いには
我慢でないがあったのだろう然とした表情
を矢島に向けるときっぱりと言い放っ
た矢島さんとても残念です恩家とはいいお
付き合いをしたいと思ったのですがどう
やらそれは望めないようですね私は自分の
会社の社員たちを守らなくてはなりません
休憩は取るなミズも飲むななんていう元
さんの仕事は長にお断りさせていただく
しかあり
なんだと土辺の下受けのくせに偉そうな口
を聞くなお前らみたいな役立たずなんか
今日限りで取引中止だ後からすがりついて
謝ってきても再契約なんかしてやらない
から
な会社に戻る車の中気まずい沈黙が流れて
いた1階の平社員でしかない俺が社長にじ
て取引中止を承諾する
なんて来ことではないだろうだが口から
飛び出した言葉はもう取り返せない俺は
ボボとつぶやくように謝罪
する社長申し訳ありません俺我慢できなく
てでしゃばった真似をいいんだあの時悟が
言ってくれなかったら俺が言っていたよ
もうあの元請けの仕事は受けないあんな
むちゃくちゃな仕事をさせられてみんなに
何か変だからな悟ありがとよだが俺を本気
で怒らせてしまったことが後々矢島が自ら
の首を閉めてしまうことになるそんな展開
を誰も想像ができなかったことだろうそう
俺以外
は実は坂口社長と俺は親父と約束をしてい
た俺が30歳になるまでは坂口長のところ
で修行を重ね30歳になったら親父の会社
に転職して社長秘書をするそう俺の親父は
そこそこを名の知れた不動産販売会社の
社長であるそして例のショッピングモール
の接種であり矢島の会社にとっては
クライアントであった俺が矢島の現場で
仕事をしていた頃の話を親父に話して聞か
せる人間を人間とも思わない下受けの扱い
6に休憩も取らせず水も飲ませずその上
労災申請をしるだなんて俺の話を聞いた
親父は激怒しそんな会社に仕事は任せられ
ないと言い放っ
たそれから数日後事態を重く見た親父の不
動産販売会社は元請け社との契約解除に
踏み切った労働基準監督書の監査が入り
元受社の工程管理のずさが明るみに出る
そして現場主任である矢島の傲慢な
振る舞いも後にショッピングモールの建設
は別の会社と契約し工事は再開されること
に下受け会社はそれぞれ契約を継続して
もらえることになり坂口公務店も新しい
元請けの会社と再契約することができた
当初の予定からは2ヶ月遅れになったもの
のショッピングモールは2ヶ月遅れで
グランドオープンした矢島のいた元受社は
悪評が業界を駆け抜け業績不審の一途を
たどっている矢島本人は現場での横暴な
振る舞いに加えて車内でのセクハや横領が
明るみに出て警察沙汰になった上に朝会
解雇になったらしいさらには数名の会社の
部下やホステスとの浮気がばれてしまい
激怒して実に帰った奥さんと離婚するはめ
になったのだと
か会社役員の父親からは絶縁され元嫁さん
から慰謝料を請求され会社からも損害賠償
を請求されてしまった
らしいまさに弱り目に祟り目泣きに蜂ボロ
アパートへの引っ越しを余儀なくされいく
つものアルバイトをかけ持ちしながら日々
の食べ物に困るくらいの品生活を送って
いるらしい
今日は渓流釣りに来ている親父と坂口社長
と3人で来るのは久しぶりだ狙いはやめ
そろそろお昼になろうかという時間には
親父が3匹俺が1匹坂口社長はいつもの
坊主だったそろそろお昼になるし引き際
ですかねまったな今日も坊主
かいつも通りの展開お弁当食べましょう
よ俺はお袋が持たせてくれた3人分の弁当
を広げた美味しそうなおかずとおにぎりが
たくさん並んでいるお袋の料理は絶品なの
だその時社長のロッドホルダーから音がし
た社長の釣り竿がホルダーから外れ
ずるずると引き込まれて
いく俺は反射的に弁当を放り出し社長の竿
に飛びついて握りしめた社長早く引いて
ますよマジかよし任せろ大物だ坂口君逃す
な俺は坂口社長に竿を渡した竿の先が
大きくしなる次の瞬間40cmくらいは
ありそうな大物が大きく跳ねて姿を表した
私のこと嫌いなのなんでこんなひどいこと
するのよ妻が泣きながら俺に向かって叫ぶ
妻のエリカとは高校時代からの付き合いだ
が今まで彼女がこんな悲しそうに泣き叫ぶ
姿は見たことがなかったなので少しだけ
躊躇してしまうなぜならこれから俺が妻に
投げかける言葉は彼女をさらに傷つける
ことになるから
俺の人生は一言で表すなら不幸だ不幸の
始まりは些細なことだった小学生の頃
クラスメイトとトッチボールをしていたの
だが手が滑ってボールがクラスメイトの
女の子の顔に当たってしまった彼女は大量
の鼻血を出しその場は一時前その後は特に
女子から責められることになりいつの間に
か俺は周りから孤立するようになるわざと
じゃなかったし女の子には何度も謝罪した
だが彼女は俺を許してはくれなかったその
子はクラスの中心人物で自分に怪我を追わ
せた俺を恨み周りを煽ったのだ鼻を出した
ことが恥ずかしくて復讐してやるという
気持ちもあったらしい最初はからかわれる
程度のものだったがやがてそれが加速し俺
はクラスので人間以下の扱いを受けるよう
になる小学校を卒業した時にはようやく
救われたと思った中学校では新規一点友達
をたくさん作って楽しく過ごそうと思った
のだがあいつ小学生の頃女の子を怪我させ
たんだでも全然反省してないし他にも
たくさん問題起こしたんだぜ関わるとろな
ことないぞ同級生のは俺を率先して
いじり倒していた元クラスメイトだ彼が
周りに風調したせいで再び俺は孤立した
周りから見下し馬鹿にされ時には口に出せ
ないようなひどい扱いも受けた勉強だけは
なんとかできたので机に向かい続けてなん
とか平成を保つそんな俺を周りはガリ弁
やろうとさらにからかったその後俺はでも
トップレベルの新学校に合格入学模では
1番の成績を記録し新入生代表に選ばれた
かも同じ高校へ進学したことはすごく嫌
だったけれど俺が新入生代表に選ばれたと
いうこともあり周りから一目置かれる存在
になったのでかは下手に手出しができ
なかったようだおかげで高校時代はとても
平穏な毎日を過ごすことができたそして俺
は高校で運命の出会いを果たすあの子は
確か隣のクラスの俺は時々1人になりたく
て屋上に行くのだがその日は先客がいた
その子は隣のクラスでとても可愛いと評判
で将来は俺の妻となるエリカだっ
たエリカは屋上で1人ぼーっと空を見上げ
て過ごしていた
気になり勇気を出して彼女に声をかける別
にちょっと疲れただけだよそういえば君
文化祭の実行委員だったよねこの時期は
忙しいもんな俺も文化祭の実行委員だった
ので気持ちはよくわかるだが彼女の事情は
少し複雑なようでうん私本当は実行委員は
やりたくなかったのえ面倒な仕事を
押し付けられたのよ周りにいい顔してる
からうまく利用されたのよね俺のクラスは
全員が一眼となり文化祭の準備を進めて
いるが彼女のクラスはそうではないらしい
エリカはいつも笑顔を浮かべていて
たくさんの人たちに囲まれて楽しそうだと
思っていたけど無理して周りに合わせる
必要なんてあるのか
え自分の気持ちを慢しなくたっていいんだ
本当の君を知ってもそばにいてくれる人が
真の意味での友人だろ離れていくような奴
はその程度なんだよそんな奴らと付き合っ
ている時間がもったいないすると江莉香は
少しポカンとした顔を見せてついで大声で
笑ったああなたて意外と毒舌なのねそうか
なもっと大人しい人だと思っていたわでも
私あなたみたいな人好きよ
そこから俺とエリカの距離がどんどん
縮まっていく同じ文化祭の実行員だったの
で俺のできる範囲で彼女の手助けをした
彼女が嬉しそうにありがとうと俺を言う顔
がとても可愛くてそして卒業式の日俺は
江莉香に
告白遅いよずっと待ってたんだからね
ごめん勇気が出なくて返事はイエスに
決まってるのになんで勇気が出なかったの
よ若干怒られながらも了承の返事をもらい
そこから付き合いが始まった江莉香は短大
へ俺は4年生大学へと進学卒業後は一般
企業に就職し入社して2年後にプロポーズ
したちょっと早いかもしれないけど家を
買わないえ俺そんな貯金ないよ大丈夫
土地はうちの両親が持ってるし資金援助も
してくれるって江莉香の家は昔おじい
ちゃんが工場を経営していたらしく普通の
家よりお金があるらしいご両親は普通の
サラリーマンと専業主婦だがおじいちゃん
から受け継いだ遺産のおかげで余裕のある
生活が遅れているそうだ資金の大半を支援
してもらったけど俺これはローンだと思っ
てるからご両親にはしっかり全額返済して
いくからねそんなの気にしなくていいのに
たるは真面目ね江莉香は呆れたように言っ
ていたがこんな多額のお金を出してもら
いっぱなしというのは納得がいかない俺は
コツコツと働いてお金を貯めて義両親に
返済した最初は断っていた2人だった
がこれは俺なりのけじめですどうか
受け取ってくださいそう頼み込むと苦笑い
を浮かべながら了承してくれたのだエリカ
はいい人と結婚できたな彼は信頼できる人
だお父さんからそう褒められてちょっと
だけ鼻が高かった江莉香も嬉しそうにして
いたのだがやがてその平和も崩れて
いく結婚当初は仲のいい夫婦で通っていた
俺たちだったが風向きが変わったのは
エリカが仕事を辞めた時からだった私仕事
辞めたからえそんな急に家のローンはない
し別にアセ働く必要はないでしょうそれに
私妊活したいのよ妊活まあ確かにそろそろ
子供は欲しいなって思ってたけどそういう
ことだからよろしくね俺に何も相談しない
で急に仕事を辞めたのはちょっとだけ
引っかかったけれど今まで乗り気じゃ
なかった妻が子供が欲しいと言ってくれた
のが嬉しくて結局俺は了承したのだっただ
が妻は一切妊活をしなかっ
たそれどころか俺との夜の生活を拒否し
続けたのだ疲れているのよそう言うけれど
日中妻は家事どころか何もしていない家で
ダラダラと寝て過ごすか友達と遊び回って
いるかそのどちらかなのだ
ある日会社に来ていくワイシャツが残り1
枚になった時俺は我慢できず妻にこう言っ
たなあ頼むから少しくらい家事をやって
くれないかはあ俺は仕事で帰りが遅いから
家にいる君が家事をやってくれると助かる
んだけどしかし妻は俺を鋭い視線で
睨みつけるあのね今時女が家事をやる
なんて考えは遅れなのよ男女平等って言葉
を知らないのそれは男女平等って言うなら
君も俺と同じように働きに出ればいいじゃ
ないか妊活するために仕事を辞めたのに
一切妊活はしていないだろ出かかった言葉
をなんとか
飲み込むそれにあなた言ってたじゃない
本当の自分を我慢しなくていいってそんな
昔のこと本当の私は家事なんか大嫌い
絶対にやりたくないのあなたが言ったよう
に私は本当の自分を我慢しないわそれから
俺が何度頼んでも妻は断固として家事を
拒否それどころかそんなに不満なら離婚し
ていいわよでもこの家も土地も私の名義だ
からねそこら辺忘れないでちょうだい出て
いくのはあなたの方だからエリカが俺に
対してこんなにも上から目線で強気なのは
彼女には家と土地があるからだ離婚すれば
俺の方が不利になると分かっているの
だろうそして俺に対する彼女の態度は
どんどんとひどくなっていったある日俺が
風を引いて寝込んでいると風くらいで仕事
を休むなんてたるんでるわね心配する
どころかそんな暴言を吐いてどこかへ
出かけてしまった俺はフラフラになり
ながら自分でおかを作って風を飲みなんと
か回復したのだっ
たそしてまた別の日には俺の不注意で
スマホを落として画面を割ってしまった
本当にどん臭いわね昔からあなたってそう
いうところあるわよね修理費用はあなたの
お小遣いから出してよねそしてまたある日
健康診断を受けた俺にとある病気が発覚
入院して適切な治療を受ければ治る病気な
なのだが病気になるなんて自業自得よ自分
のことは自分で見なさいよねその言葉通り
エリカは何も手伝ってくれなかった俺は
自分で入院準備をして諸々の手続きも全部
1人でやったさすがに痕尽きてしまい病院
のベッドでくったりしながら1日を過ごす
そんな俺の元へ遠く離れて暮らしている
両親がお見舞いに来てくれた
俺の姿を見た瞬間母親は泣き崩れてしまう
ちょっと母さん大げさだってちゃんと治療
すれば治るんだからあんたなんでそんなに
ガリガリに痩せちゃったの顔色も真っ青だ
しまだ若いのに白髪もこんなに増えて治療
して治るなんて信じられないわよまあ確か
に最近はちょっと痩せたかなと思っていた
けれど大げさだってばね父さん
いや大げさなんかじゃないぞお前一体どう
したん
だ泣き崩れる母の横で俺以上に顔を真っ青
にしている父親そんなに俺の姿は変わって
しまったのか2人に問い詰められ俺はここ
最近の事情を洗いざらい説明するしか
なかった頼むから自分を大切にして
ちょうだいそうだぞお前ちゃんと食べて
ない
だろうまあ最近は忙しかったし言われて
みれば昔の俺はよくご飯を食べるタイプ
だった以前は健康的な体格をしていたが
最近は家事を全くしないエリカに変わり
忙しい合間を縫って家事をこなしていたの
で食事がおろかになっていたようだ不健康
な食生活も病気の原因になっているかも
しれない心する親の顔を見て俺はとある
決意をするその後俺は無事に退院した
エリカは帰宅した俺を見てもう帰ったのと
だけ言ったその日以来俺はエリカに全く
文句を言わなくなった俺が何も言わないの
をいいことに彼女はさらに調子に乗って
いるようだそんなある日のこと夜遅くに
リカが薄で外出するのを黙って見送った
翌日朝帰りをした江莉香は夜まで寝て起き
てくると顔を真っ赤にしてぼーっとした
表情を浮かべていたなんだか風を引い
ちゃった
みたい俺の方をちらりと見ながらそう言っ
てきたがうんそうかえっていうか風くらい
でそんな長時間寝込むなんてたんでるん
じゃないのか前に彼女から言われた言葉を
そのままそっくり
返す呆然としている彼女を無視して簡単な
お粥をささっと作ってやった風邪薬は戸棚
の中だからこれ食べたら飲んで寝れば映さ
れたくないから俺は和室で寝るよえええ
あの時妻は何もしてくれなかったけど俺は
そこまでひどい人間ではない最低限のこと
はしてあげてさっさと和室へ引っ込んだ
その後もお気に入りのワンピースが汚れ
ちゃった
これもらい物なのにどん臭いな昔からそう
いうところあったよなこの時も彼女から
言われた言葉をそのまま返しながら
染み抜きができるクリーニングに持って
行ってやるそれ以外にも何か起こるたびに
江莉香に言われたことをそっくりそのまま
返し続けたこんな生活が続き江莉香は限界
を迎えた
らしい私のこと嫌いなのなんでこんな
ひどいことするのよ
ながらそう叫ぶエリカそんな彼女の顔は
初めて見たので少し躊躇したけれど俺は
この生活に決着をつつけるためにとどの
一言を言い放った浮気するような人間は
嫌いだねえ証拠は全部揃っているんだそう
俺は隊員後更新所を雇い妻の所行調査を
依頼した薄着で夜遅くに出かけたり見慣れ
ない贈り物のワンピースを着ていたり前
からずっと違和感はあったのだ結果エリカ
は真っ黒だったそれどころか驚いたよ浮気
相手は俺のことを散々馬鹿にしていたか
だったなんてなそんなことまで知ってるの
当然だろお前とあいつが俺のことを歩く
ATMって馬鹿にしていたのも知ってるぞ
江莉香とかは同窓会で再開しそのまま浮気
する関係になったら
かは昔莉香に片思いをしていたそうだそれ
にしても浮気相手がかなのは驚いたけれど
それだけ世間は狭いのだろう分かってると
思うけどお前とかに慰謝料請求するからな
そそんなことしたら離婚よこの家と土地は
私のものなのよ出ていくのはあなたの方だ
から別にいいよそれより大嫌いなお前と
このまま一緒に暮らし続ける方が苦痛だ俺
の言葉にエリカは膝から
崩れ落ちる俺に対してあんなにひどいこと
をしておいて俺から嫌われるのは想像して
いなかったのだろうか随分と都合のいい頭
をしているなと泣いてすがるエリカを
冷たい目で見ながら思っ
たその後俺は2人に対して慰謝料請求した
この騒動でかまも奥さんに浮気がばれて
しまったらしいかまの奥さんは旦那と
エリカに慰謝料を請求江莉香のご両親は俺
の味方をしてくれて娘の手助けは一切し
なかった支払いのために江莉香は家と土地
をなくなく手放すそれでも足りなかったの
で今はグレーな風俗店で働いて返済して
いるらしい離婚届けを出す前江莉香は泣い
て俺に許しをこうてきたあなたに離婚され
たら私どうやって生きていけばいいの自
自得だ自分のことは自分でみなよ俺が入院
した時に言われた言葉をそっくりそのまま
返してやるエリカは絶望した顔を見せてい
たがそれに同情するほど俺は甘くないその
まま離婚届けを提出して俺とエリカは他人
同士になった俺と離婚した江莉香だがかと
くっつくかと思ったらそうでもなかったか
は江莉香のことを一時の遊び相手程度だと
思っていて本気ではなかったらしいしかし
そんな言い訳をしても奥さんに許して
もらえず俺より高額な慰謝料を旦那に請求
して今もまだ争っているようだ風の修文は
同級生たちの間で見る見るうちに広まって
いる今後彼が同窓会に呼ばれることはない
だろう一方俺はと言うとしばらく女性は
こりごりなので独り身を満喫する予定だ
もらった慰謝料は迷惑をかけた両親と一緒
にちょっと高級な温泉旅行で使うつもりで
いる残った分は堅実に貯金してこれからも
コツコツと真面目に働いていくつもりだ
無理して周りに合わせる必要はない本当の
自分を我慢しなくていいとは言ったけれど
世の中をうまく生きていくにはある程度の
我慢は必要だ何事もほどほどが1番エリカ
との剣は教訓として心に刻み忘れずに生き
ていくつもりだよ
え全部捨てただったら何何か問題でもある
わけ湧き上がった強い怒りは途方もなく
大きな失望感にかき消されたどうすれば
いいのか分からず死の廃棄物処理会への
連絡やゴミ収集業者への連絡と色々な考え
が頭をよぎるけれどそれらの考えもどれも
まとまらなくなって悲しみだけが突き上げ
ていた俺にとっては宝物でも他人にとって
はただのゴミしかももう何時間も前に回収
されてしまったこれからどうアクションを
起こしたところで何1つ戻っては来ない
だろう何よ邪魔だったんだから別にいい
でしょ男なら割り切りなさいよねこちらの
悲しみも知らず平然とそんなことを言う
妻俺は胸の奥に再び怒りの炎が燃え上がる
のを感じ
た俺の名前はふみや32歳ある専門勝者の
営業マとして働いている仕事は概ね順調で
会社の業績もまずまずだった妻とは仕事を
通じて知り合った知人の紹介で交際を始め
た頃あみは同業他社でジムの仕事をしてい
た3年ほど付き合ってこの人しかいないと
思い俺からプロポーズした結婚したばかり
の幸せな毎日のことは今でもよく覚えて
いる週末が来るたに2人で車を走らせて
行きたいところにはどこでも行ってあの頃
は本当に輝いていた悩みといえば1つだけ
なかなか子供ができないことだっ
た不妊治療を受けてみようこういうのは
なるべく早い方がいいって聞くよ
そうもう少し2人だけで頑張ってみようよ
自然妊娠が一番いいよ子供を産んでくれる
のはあみだ俺は彼女の意思を尊重した
けれどある日俺はとんでもない書類を目に
してしまったあけみが不在の時彼女の
バックから産婦人家のマークが入った書類
が見えて中絶手術の同意症お俺の署名と員
がある中絶手術を受けるには特別な理由が
ない限りパートナーの署名と員がいる帰っ
てきたあみにことの次第を尋ねると彼女は
泣き出したごめんなさい私本当は子供
なんて欲しくないの産みたくないの痛い
思いをするのも泣きはめかれるのも考えた
だけで生理的に嫌なのだという俺は絶して
しまった
それならそうとどうして早く言ってくれ
なかったのだろう嘘の署名と夏陰で
せっかく宿った新しい命を葬ってしまう
なんて俺はこの時あみとの関係について
真底悩んだ悩みに悩んでそして泣いて謝る
彼女のことを許した本音を言えば自分の
子供が欲しいだけどあみとの生活を捨て
たいとは思わなかった俺は子供よりもあみ
を選んだのだ後で自分がどれほどそのこと
を後悔するかも知らず
に中絶事件から2年ほどは仲のいい夫婦で
いられたと思う俺はあけみを尊重しあけみ
も俺を立ててくれたただ自分の子供が
欲しいという気持ちに完全に蓋をすること
は俺にはできなかった商業施設や観光地で
子供連れの家族を見かけるたび俺はそちら
を目で追ってしまったちょっと何を見てる
のあいや悪い悪いそんなやり取りを何度
繰り返しただろうあけみは次第に俺を不
誠実だとなじるようになった自分と2人で
暮らすことを約束してくれたのにまだ子供
なんかに未練があるのかと俺は毎回強く
否定できなくて責められるたびに彼女に
謝ったそんな関係が良くなかったのかも
しれないあけみは次第に俺の全てを
コントロールしようとし始めた見るもの
着るもの食べるもの全てにおいて自分の
管理家に置こうとした果症ぶりは相当な
ものだっ
たうちの母親もうるさい方だったけど
あけみはそれ以上だった
ある日あけみは俺が大事にしていた某
バンドのライブTシャツを勝手に処分した
お気に入りだったのにどうして勝手に捨て
たりしたんだよ私のイメージに合わなかっ
たんだもん仕方がないでしょ俺は危機感を
覚えて大事なものは全てリビングから撤去
し自分の部屋に避難させたその上で俺の
部屋の中のものには決して触らないように
と繰返し願いしたあみも分かったと納得し
てくれたはずだったそれなのに彼女
はある土曜日の午後俺は3日間の出張を
終えてようやく家に帰ってきた出迎えて
くれたあみにお土産を手渡して自分の部屋
に荷物を置きに行ったその時え嘘だろない
子供の頃から大切にしてた本がクラシック
カーのプラモデルが家族写真が寄せ書きが
アルバムが俺が大切にしていたものがどこ
にもない俺はリビングに慌てて戻りあけみ
に問い出したあけみ勝手に俺の部屋に入っ
たのか色々なくなってないか
ああ全部捨てたわよえ全部捨てただったら
何何か問題でもあるわけ
俺はしばし呆然とした捨てた勝手に約束を
破ってどうしてなんとか今から取り戻せ
ないか色々と考えてみただけど疲れた頭の
中に満ちていくのは悲しみと絶望感だけ
だった俺にとっては宝物でも他人にとって
はただのゴミだそれに収集日は昨日なのだ
きっと何1つ戻ってはこない
だろう何よ邪魔だったんだから別にいい
でしょ男なら割り切りなさいよね俺の部屋
のものを勝手に触らないそう約束したはず
だしたかしらそんな約束いつまでも古い
ものにこだわるなんてバカみたいその瞬間
湧き上がった怒りは急速にしぼんでいった
この女に何を期待しても無駄だ分でも驚く
ほど自然にそう思った古いものを捨てられ
たくらいでいつまでもうじうじしないでよ
ねじゃあ俺はお前を捨てる悪く思うなよえ
ちょちょっと
ふみや気がついた時には俺は荷物を持って
家を出ていた湧き上がる怒りを抑えつけて
いないと往来で怒鳴り散らしてしまいそう
だっ
た最近のネットカフェははサービスが充実
していると聞いていたけれどあれは本当だ
シャワーを浴びることだってできたし
コーヒーは飲み放題で漫画も読み放題だっ
た俺が個室でウトウトしているとスマホが
震えた発信してきたのは義父だった岐阜
からの電話は結婚してから初めてのこと
だったはいもしもしふみやですおいこら
お前うちのあけみに何をしたんだ泣いてる
じゃないか
のけから喧嘩越しの義父に俺はびっくりし
てしまった聞けばあけみが泣きながら疑
実家に戻ってきたらしい何を聞いても
はっきりと話さないので容量を得ないと
いうどうせお前が浮気したんだろうがそれ
を責められて逆切れしたんだ違うか違い
ます俺の違いますは届かなかった聞こえた
けれど無視されたのかもしれない義父は
ものすごい勢いで俺のことをのり反論する
隙を与えてくれなかった明日そっちに行き
ますと伝えるまでにどれほどの暴言を測れ
ただろう通話を終えた後もしばらく耳が
キンキンしていたほど
だ翌日の決戦を前に俺は自分の気持ちを
整理した正直あみへの気持ちはすっかり
覚め切っている今更あに何をどう言い訳さ
れても許せるとは思え
俺の父さんと母さんは俺が10歳の頃に
交通事故で会したそれ以来俺はずっと父方
の祖父母の家で育てられた両親が残して
くれたお金もあり祖父母の愛情もあって俺
は子供時代を豊かに過ごせた隣の家の家事
に巻き込まれて祖父母の家が前哨して
しまうまで
は俺はその日両親との思い出のほとんどを
なくした
残ったのは俺が小学校に上がる時に校門の
前で撮った写真だけ笑顔の父さんと母さん
が映ったたった1枚の家族
写真そんな写真を大切な両親の片をあけみ
は勝手に思えば思うほど怒りが湧いてきて
俺はちっとも眠れなかった離婚しようもう
あんな女とは一緒にいられない心のそう
思った翌日久しぶりに訪ねた俺を義父は
強く睨んできたあがれと一言リビングの
ソファーに深く腰を下ろして不機嫌な様子
を隠しもしなかっ
たなんで黙ってる何か言うことはないのか
あみはどこですか話をさせて欲しいんです
がお前とは話したくないと言ってるんだよ
何があったのかといえ頭に血が登るとこう
まで話を聞かない人だとは思わなかった俺
は義父の神経を魚でしないようできるだけ
ゆっくりと話をしたまず俺は浮気などして
いないあけみと高論になり同じ部屋にいる
のが耐えられなくなって俺の方から家を出
た咲夜電話をもらった時はネットカフェに
いたまずはあけみと話をさせてほしい
怒りを持続するのは案外難しいものだ義父
は次第に落ち着きを取り戻していった彼が
一言かけると奥から義母に付き添われて
あけみがやってきたあみは俯いたまま俺と
は目を合わせようとしないだが義母は違っ
た俺が挨拶しても無視してすごい目つきで
睨むばかりだったあけみお父さんと
お母さんには何をどう説明したんだ話して
くれないか俺の呼びかけにあけみは答え
ない俯いたまま小さくなってまるで子供の
ように母親の影に隠れてしまった仕方が
ないので俺は全てを自分の口で説明する
ことにした俺が家を出たのはあけみが俺の
部屋に置いてあった大切なものを勝手に
捨てたからです突然のことで気持ちの整理
がつかなくなって1人になりたくて家を出
ました
俺は時間をかけて丁寧に説明した思い出の
品記念品宝物そして掛け替えのない両親の
片それらの大切なものを勝手に捨てられて
自分の心がどれほど深く傷ついたか捨て
ないで欲しいという約束を破られた
ショックがどれほど大きかった
かあけみと一緒にいることがとても辛く
思えたんです今こうして会ってみて改めて
強い嫌悪感を覚えていますもう夫婦として
はやっていけない申し訳ありませんが離婚
させて
くださいそんな嫌よ離婚なんて嫌突然
あけみが叫び出した髪を振り乱し晴れた目
をちばしらせて反響乱と言った様子だった
ごめんなさいもう2度としないから謝る
から許して捨てないであお前どうして君の
大切なものを勝手に捨てたりしたんだ私
ふみやには私だけのふみやでいてほしくて
ルスの間に部屋を覗いたら私の知らない
写真や品物がたくさんあったからイライラ
してそんな理由で付き合う前の思い出は誰
にでもあって当然じゃないかだってだって
私には関係なかったし私だけのふみやでい
て欲しくてもしかして子供が欲しくないっ
て言ってたのもそういう理由からなのか俺
と2人だけで痛かったからだからせっかく
授かった赤ちゃんも勝手に下ろしたって
いうのかええそれどういうこと義母が目を
見開いた何も聞かされていなかったの
だろうかあけみ子供ができないのはふみや
君がどうしても欲しくないと言うからだっ
てそう言ってたじゃないのあれは嘘だった
のあなた勝手に下ろしたの間違いなく勝手
に下ろしていましたよ同意書に勝手に俺の
署名と夏でしたなんてことだってだってと
あけみは泣きわめき始めた追い詰められる
といつもこれだ見ているだけで嫌な気持ち
になってくる仕方ないでしょ欲しくないの
にできた方が悪いのよふみやだって私が
欲しくないと言ったらそれで納得してくれ
たのもうそれでいいでしょ蒸し返さないで
よおいおいと泣き始めたあけみの背中を
義母がゆっくりと撫でているリビングに
沈黙がり
そのままどれぐらいの時間が経っただろう
義父が大きなため息をついた海君申し訳
なかった私からも謝るよ娘可いさに君の話
をよく聞きもしないでどなったりして
悪かったいえ分かっていただけたならどう
だろう娘もこうして反省している離婚の話
はなかったことにしてもう一度やり直して
もらえないかな考えてみればもを捨てた
くらいでせっかくの夫婦関係をダメにする
なんてバカバカしいじゃないか静まりかけ
ていた気持ちが義父のその一言を聞いて
また荒れ始めた物を捨てたくらいでとは
なんだこの家族の価値観はどうなっている

だあなたは自分の親の片を邪魔だから
なんて理由で勝手に捨てられてもさらりと
受けなせるんですかあなたが大事にして
いるものを今から俺が全て捨てても平然と
していられるんですかだったら今すぐ大事
なものをここに持ってきてくださいよいや
それは違うんだふみや君私はあけみは俺の
大切な思い出を踏みにったんです2つと
ない思い出の品を勝手に捨てたんです物を
捨てたくらいでとはなんだもうこれ以上
あんたたちと縁なんか結んでいたくない
離婚する意思は変わりませんから
ねあ然呆然のギフト義母あけみは突っ伏し
て泣き始めた俺はそんな疑実家の面々を
そのままに黙ってキロについたあみも義
両親もその日はそれ以上俺に連絡してくる
ことはなかったもう2度とあみと義両親に
は会いたくない婚CAS罪顔も見たくない
し話もしたくないそんな強い思いから俺は
弁護士を立てて離婚の調定を進めたこちら
が下手に出ると向こうは付け上がるばかり
だどこまでも厳しく行くつもりだった
案の定上帝は難行したどうしてもあみ川が
離婚に同意してくれないけれど有能な弁護
士の先生は大事なものを失った俺の悲しみ
に深く同調してくれた悪縁を断ち切りたい
という俺の思いに答えて粘り強く交渉して
くれたおかげで俺はとうとうあけみと正式
に離婚することができた
俺がめでたく独身に戻ったのは疑実家での
やり取りから半年後のことだったその後俺
は引っ越しをして新規一転新しい住まで新
生活をスタートさせたあみは俺の職場の
ことも知っているから離婚後も干渉は
激しかった会社に乗り込んでこられて迷惑
したこともある仕事帰りに待ち伏せをされ
て嫌な思いをしたこともかず知れない結局
俺は弁護士さんの力を借りて裁判所から
接近禁止命令を出してもらった俺からの
強烈な拒絶をようやく理解してくれたよう
でそれ以来あけみの姿は見ていない会社の
同僚は離婚の理由やあけみの粘着のひどさ
を知って俺に大いに同情してくれた次こそ
は素敵な奥さんを見つけろよとコやコにも
誘ってくれた仲間もいる俺は今度そんな
仲間と一緒にマコンに参加してみるつもり
でいる最初の結婚では散々な目にあって
しまったけれど俺は家族を持つことを諦め
たくない両親を思わぬ形で失ってしまった
からどうしても自分の家族が欲しいんだ
つまらない執着かもしれないがこれが俺の
本心だ失ったものはもう戻らないこれから
は前だけを見て進んでいくいつか
パートナーと出会い子供を産んでもらい
たいそして家族揃って両親のお墓参りをし
て元気にやっているよと伝えるそれが俺の
将来の目標
だおい島田さてはお前出張に行ったふりし
て出張費を盗もうとしてる
だろう上司の小林課長はそう言ってを
睨みつけたまさかそんな俺はちゃんと取引
先を回って仕事をしまし
た慌てて事実を説明したけれど上司は俺の
言葉になど聞く耳を持たず追求して
くるそのうちに部長まで近くにやってきて
な出張費を盗むだとけし
からら課長と一緒になって怒り始めた絶対
明のピンチだどうしてこんなことに
そもそも問題になっている出張は元々課長
が行く予定だったものを無理やり俺に
言いつけたものだそれなのに出張から帰っ
てみると出張自体がなかったことにされた
ばかりか俺は無断血筋
扱い挙句の果てに出張日泥棒にされかけて
いた課長にはめられたんだ
俺の名前は島田コータ31歳の
サラリーマンだ独身で今の会社に入社して
7年目になる仕事は順調で同僚との関係も
悪くなく今まで特に不満はなかったところ
が今年の春から新しくやってきた課長の
せいで困ったことになっているその人は
小林課長といい42歳の男性だこの人は
仕事ができないと会社の中でも有名で色々
な部署をたらい回しになりついにうちの家
に配属されたという噂だった仕事ができ
ないという噂は本当で課長休社との
打ち合わせのメールに返信してないって
本当ですか今先方からお怒りの電話が来て
いるんです
がいきなりかかってきた取引先からの苦情
の電話慌てて俺が課長に尋ねるとえ八島者
のメールああそういえばそんなメールあっ
たかなでも忙しくて読んでねえわ悪い悪い
お前代わりに謝っといて全く反省してい
ない様子の課長俺が何か言いたそうな顔を
しているとなんだその顔はそもそもお前が
確認しないのも悪いんだぞお前は俺の部下
なんだから俺がミスしないに先回りするの
が仕事だろうなんて開き直る始末なんで
こんな人が課長をやっているんだろうと
不思議で仕方がない他にも俺が新しい取引
先に提案するために作った企画書を自分が
作ったと言って勝手に部長に渡したり俺が
何回も取引先を訪問してやっと取った契約
をばばしたりもう散々だったこれではこの
部署でも嫌われてたらい回しにもされる
はずだあげくぬ果てに1番ひどかったのは
会社の飲み会の時のことだ課長は車内でも
有名なカラオケ好きで月に3回は社員を
誘って飲み会を開くのがお決まりだった何
でも何年も応援しているアイドルの女の子
がいるらしく俺が隣でお釈をしていると
自分はファンクラブの会員番号が一桁なん
だとかそのアイドルの子がブレイクしたの
は自分がデビューから応援しているおかげ
なんだとかどうでもいい話を散々聞かさ
れるのが常だったそんなある日のこと俺は
課長に言われて飲み会用にある店を予約し
ていたすると当日開始時刻直前になって
課長から電話が来たああ島だ今日の飲み会
なんだけどパーティールームがが使える店
に行きたくなっちゃって俺が自分でそっち
の店を手配したわお前が予約取ってくれた
店はキャンセルなじゃあとよろしくはえ
課長キャンセルって俺が話をする間もなく
課長は電話を切ってしまい何度も電話を
かけ直したけど繋がらずばっくれられて
しまったまるで当然のようにドタキャンし
たのだ後から聞いた話によとアイドル
大好きの課長はライブに参加する時の
振り付けをみんなの前で披露したかった
らしく俺が予約している店よりも豪華な
カラオケ店を勝手に自分で予約して俺の方
の店をドタキャンすることにしたのだ俺は
事前に当日にキャンセルするとキャンセル
量が発生することをグループラインで説明
していたのにそのことを分かっていてやっ
たの
だこにはの俺も怒りを感じた結局その後
キャンセル量の支払いをどうしようかと店
の前で困っていたのだがちょうど俺の予約
と同じくらいの人数の学生たちが道端で店
を探していて交渉したところうまいこと
代わりに店に入ってくれたのでキャンセル
量の問題は解決しただけどこんなラッキー
なことは滅多にあるわけがないこのまま
小林課長にに振り回されていたらいつか
とんでもない目に会いそうで俺は仕事中
暗い気持ちになることがだだと増えていた
そんなある日のことおい島田お前来週の
月曜から3白の出張
な小林課長はいきなりこう言っ
た古くから付き合いがある取引先数者に
挨拶周りと次回の契約の話の説明をするで
部長の命令だというえでも課長その日には
今進めている案件の重要な会議があって
無理です他の人ではダメですか突然の話に
俺が驚くとうるせえなサラリーマンだっ
たらつべこべ言わずに上司の言うことを
聞け上司が命令する出張より重要な仕事
なんかないんだよ分かったらとっとと準備
しろ
そう言って俺のことを叱った仕方がないの
で俺はしぶしぶ
引き受ける出張先は東北でレンタカーを
借りて課長に指定された取引先を順繰りに
回り挨拶をしたり打ち合わせをしたりした
課長からは何かあったらすぐに自分に相談
するようにと言われていたので出張の報告
は課長に直接電話で行い会社に電話を
かけることはなかった
出張先で疑問に思ったのは今回の出張は
どれも簡単な内容でなぜ俺が緊急で行か
ないといけないのか分からなかったことだ
2日目の昼打ち合わせの時刻まで時間が
空いた俺はレンタカーの中で昼食を取り
ながら暇つぶしにテレビを見ていた
ちょうど人気の歌番組が始まったところで
司会者が挨拶している歌番組はあまり興味
がないのだけどこの日はなんとなく見る気
になってぼーっと見てい
たそして
翌々日無事に出張を終えた俺は東京に戻り
部長に挨拶したのだが俺の顔を見た部長は
あれ島田今日は出社できたのかお前が3日
も休むなんて珍しかったな病気か俺の顔を
見て心配しているを見て驚くえ俺は休んで
なんかいませんけど部長の命令で出張に
行ってたんですが俺がそう言うとなんだと
俺の命令だっていいやお前の出張なんか
知らんぞきょとんとしている部長に俺はそ
そんな小林課長に部長の命令だと言われた
んですがここに領収書も俺が領収書を
見せると
だとお前の何言ってんだ俺はお前に出張
なんか命じてない俺の方を見ている部長の
顔が疑うような顔付きになっているすると
どこから現れたのか小林課長が割り込んで
きてああ島だお前3日間も血筋して会社に
迷惑をかけるとは恥ずかしいやめあなんだ
これは出張中の中傷さてはお前ただの血筋
を出張に行っていたことにしてお金を
もらおうと考えていたんだろうとんでも
ないことを言い出したえそんなことある
わけないでしょ誤解ですあなたの命令で俺
は出張に行っていたんですよだけど課長は
はあ俺はお前に出張なんか命令していない
ね勝手にどこをほっつき歩いていたのか
知らんが無断血した
に出張費を盗みとろうとするなんて信じ
られんやつだベラベラと嘘を喋りまくる
課長まるで犯人扱いだそして俺が計画的に
無断血筋したかのように話を仕立てて
しまったそんな話を続けているうちに部長
はイライラしてきたの
かもうよろしい嘘をつくのは最低な人間が
やることだぞだ事情があって会社を休む
ことはあるそれなのに本当のことを言わず
に出張に言っていたのだと嘘をつくのか
島田君君には失望したそう言われてしまっ
た車内を見渡すと俺と部長の騒動に同僚の
みんなも目を丸くしている島田君3日も
休んでどうしたのかと思ったら無断血だっ
たらしいよみんな迷惑かけないように休み
を調整してるのに何考えてんだあいつは嘘
だってバレバレなのに出張に行ってた
なんて言って
最低ひそひそと他の社員たちの陰口が
聞こえてきた同僚たちにも完全に誤解され
てしまったどうしてこんなことに俺がふと
顔をあげるとそこには俺の顔を見ながら
ニヤニヤと笑っている小林課長の顔があっ
たその顔を見た時にに俺は思ったはめられ
たのだ後から調べてみると俺が出張に行っ
ていた日に課長も出張に行っていることに
なっていた課長は一体どこで何をしていた

だろうその日からというもの社内のみんな
の俺に対する態度は変わってしまった
みんな俺のことを白い目で見て何か頼もう
としてもそくさと逃げられたり勝手に
休めるやはいいよななんて通りすがりに
嫌味を言われたりしたそれに引き換え小林
課長は相変わらず俺のことをこき使って
仕事のミスを押し付けたり成果をばしたり
するのだその行為は俺が車内で孤立して
いるのをいいことにだんだんと
エスカレートしていくもうあの課長を許し
ちゃおけない俺は復讐に燃え機械をていた
だけどただ相手にやり返しただけでは
つまらない部長や同僚たちにも課長の本性
を暴いてやらなければそう思っていると
ある日チャンスが訪れたその日は部長や
同僚たちも集まって時期の経営計画に
関する会議をする予定だった資料作成は俺
が担当している社内でも1番大きい会議室
に社員を集めてパワーポイントをスライド
で説明する予定だこれはまたとない
チャンス俺は与えられた機会を存分に活用
することにし
た予定の時刻になりそれでは会議を始め
たいのですが最初に皆さんに見ていただき
たいものがあります会議室にみんなが
集まったのを確認すると俺はそう言った
おい早くしろよつまんない話をするんじゃ
ねえぞみんな忙しいんだから課長がヤジを
飛ばしてくるが俺は無視して自作のパワー
ポイントを会議室前方の大画面に移し出し
たそこにはななんだこれはお俺のブログの
写真じゃないか内容を見た途端に小林課長
が大きな声をあげるああ本当だ小林君君の
写真だねこれはコンサート会場かなそれに
このピンクのハピみたいな衣装はなんだね
大内にされた写真を見て部長も同僚たちも
興味心々の様子だそこには都内の有名な
コンサート会場の前でアイドル応援の発表
を着て内輪を持ち決めポーズを撮りながら
同年代の中年男性の仲間と一緒に写真を
撮っている小林課長の姿が映っていたこの
ブログの日付を見てくださいちょうど俺が
東北に出張に行っていた期間と同じです
小林課長は自分が行くように言われた出張
を俺に行かせてその間に自分はアイドルの
ライブに行っていたんです俺がそう言うと
はあなんだとそれは本当か小林君君は島田
君が無断血したと言い張っていたじゃない
か部長が怒ると小林課長はとても慌てて嫌
だな部長私の言ったことの方が本当です
そもそも今写っているブログの写真は何年
も前のライブのものなんです日付なんて後
から誰でも修正できるから当てになりませ
んよこんな策略に引っかからないで
くださいそう言い訳をするおいしだ適当な
ことを言うな俺がライブに行っていた
なんて証拠はないだろう
がそうどなるのを聞いて証拠証拠ならあり
ますよ今見せますね俺は待ってましたと
ばかりにそう言ってスライド上にある動画
を映し出した何をする気だ不安そうに見て
いる課長をよそに動画は進み始めるそれは
ある歌番組で司会者がお辞儀をすると出演
歌手を紹介し始めた10月日曜日おの歌の
時間が始まりました本日もたくさんの歌詞
の皆さんに生放送でご出演いただきます
ゲストはアイドル歌手の水島南
さん映像が流れると同時に課長は絶して
いるすかさず俺はこれは俺が出張に行って
いた火曜日の昼間に生放送されていた番組
ですそしてこの歌手が歌う時をよく見て
くださいテレビの画面が観客席を映し出す
と列にピンク色のを着てアイドル内を持ち
巻きをめたおじさんの集団が並んでいる
その中の1人の顔を見てああ小林これは君
じゃないかね部長が騒ぎだす同僚たちから
もあ本当だ小林課長がアイドルの応援をし
てるなどと次々に声が上がるいやこれは
そのあのすっかり困った様子の課長そこに
部長がおい小林お前は出張に行ったと言っ
て何をしているんだお前の説明だとお前が
出張に行っている間に島田君が無断血した
となっていたが本当は島田君に出張に行か
せて自分が遊びほけていたのではないのか
ね部長の怒声を聞いた小林課長は恐怖に
震えながら
すみませんどうしても行きたいライブだっ
たので出張には行きたくなかったんです有
も他のコンサートで使い切って誰も変わっ
てくれないだろうからどうしようもなく
なってと土下座でもしそうな勢いで謝り
始めた俺が小林課長がアイドルのライブに
行っていたことに気づいたのは実は出張中
だった打ち合わせまでの暇つぶしに歌番組
を見ていた俺はちらっと映った歌手の
追っかけ軍団の中に小林課長の姿を見つけ
たのだその後そのアイドルのファンサイト
やTwitterを探してみると案の定
オタク活動に愛しむ小林課長の写真が
たくさん出てきたまた最近はどこのテレビ
局も見逃した番組を後から見れる仕組みに
なっているのでその歌番組を再主張して
人違いでないことも確認今日みんなの前で
流した動画の準備まで
完璧にこなすことができたのだその後小林
課長は今回の件で会社にいずくなりすぐに
退職してしまった風の噂では今はニト同然
で仕事もせずに貧乏暮らしをしている
らしい最終職を諦めたというよりは彼が
ファンだったアイドルの水島みちゃんが
出来こんで電撃結婚をしてアイドルを引退
してしまったのでそのショックで仕事を
探すどころではなくなったということだ
全く40過ぎのいいおじさんがアイドルに
夢を見すぎて人生破滅だなんて恥ずかしい
話だなと思ってしまった島田君すまない
よく確かめもせず小林の話を鵜呑みにして
真実を教えてくれてありがとう私もごめん
なさい島田さん陰口言って悪かった反省し
てるよ
ごめんその後部長や同僚たちから次々と
出張の件で誤解をしていたことを謝罪され
た俺は全然気にしていなかったけれど職場
がまた以前のようにいい雰囲気に戻って
嬉しいもうあんな出張はコリゴリだけど
これからもこの仕事を
一生もしもし富田さん何してるんですか
新入社員の歓迎会スタート10分前です
けど社長も新入社員も誰も来てないんです
何かあったんですか君こそ何してるんだ
みんな君を待ってたんだけど来ないから
とくに始めちゃったよ社長も相澤君はって
ちょっとイラついてるみたいだから早く
来い早く来いって富田さんが受付しろって
言ったから30分前から会場に来てますよ
グランドステーションホテル4階の大
ホールテーブルセットもできてますよ
ちょっと待て石田君が電話変わるって言う
から先輩ホテルの大ホールなんて結婚式
じゃないんだから場所変えようって言った
じゃないすかどうせなら隣町の両の2階を
借り切ってパーっとやろうってさそんな
こと一言も聞いてないぞ実際キャンセルも
してないから会場の準備もできてるんじゃ
ないかもう料理も飲み物も並んでるんだぞ
そんなの幹事の責任でしょさと片付けてこ
ないとまたおじさんいや社長に送られ
ちゃいますよほんじゃねおいちょっと待て
よ工場長に変れっておいおい
はあ俺の名は相澤孝介27歳大学時代に
入ったセミプロバンドでライブハウスに出
てたから卒業してからも就職しないで
ずるずると活動してたんだけど長男としで
はいずれ実家を継がなきゃならないから
見切りをつけて3年前に起業した実家の
部屋の証明を買いに出た商店街の電気屋で
同級生の藤田に再開したから起きした
ばかりで仕事を探さなきゃってことを喋っ
たら偉く上品な感じの店主が藤田君の同級
生だって仕事を探してるなら車の免許は
持ってるかいはい持ってますけどよければ
うちで藤田君と一緒に働いてみないか
ちょうど配送係りが退職するって言ってる
からもし運転できるならちょうどいいと
思ってね
あざラッキーじゃんうちは東通電気の
子会社でさ電子部品の組み立て工場なんだ
従業員は30人前後の小さな街工場だけど
すごく働きやすい会社だぜ東通電気といえ
ばいわゆる大手とも言っていい一流企業だ
そこの子が会社ならそう簡単に倒産なんて
しないだろうし工場勤務とはいえ配送
ドライバーならそれほど窮屈な思いもし
ないで結構気楽に働けるだろうな社長って
なるほどこのお店もしながら工場も経営
なさってるんですねそうなんだまあ工場の
方は月末の医会に顔出すくらいで全て工場
長の富田君に任せっきりなんだがねそうな
んですか僕なんかでよかったら是非お願い
します一生懸命真面目に働きます運転も
得意ってほどではないですけどしっかり
安全運転で頑張りますそれじゃあ決まりだ
な相澤君でいつから出車できるかな
引っ越しは完了してますしあは自分の部屋
の証明を変えるだけですからよろしければ
明日からでも大丈夫ですけどさすがに
いきなりすぎますよねなんのこっちこそ
助かるよ早速富田君に伝えておくから工場
のことは何でも藤田君に教えてもらえば
いいさ頼んだぞ藤田君こうしてめちゃ
ラッキーなことに起きしてすぐ就職が
決まった大学は出たけれど今までブラブラ
して両親に心配の駆け出しだったから
きっと喜んでくれるだろうその日の夜は
久しぶりの藤田といっぱいやりながら工場
長や従業員たちのことや仕事のアコルを前
情報として教えてもらったおはようござい
ます今日からお世話になります相澤孝介と
申しますいい年して実は初めての就職です
ので慣れるまではご迷惑をおけけするかと
思いますが頑張りますのでどうぞよろしく
お願いいたしますこうしてざっ3年前に俺
の社会人生活がスタートした引き継ぎの菊
さんは口数は少ないけれどとも優しい感じ
の人で1ヶ月ほど前に接触転倒という人身
事故を起こしてもう潮時だなんて決心した
という気真面目な人でもあった電子部品の
組み立てと言ってもごく簡単な部品は外注
いわゆる内食仕事に出していて全部で20
件ほどありそことの連絡渡す部品の仕分
回収も配送がかりの仕事だったこれだけで
早く半日遅くて14時過ぎくらいまで
かかるその後本社に納品する完成品の整理
と積み込み15時前後には本社に向けて
出発した最初から俺が運転させられたのは
先に語った事故のせいではなく早く道を
覚えろていう仕事に対する菊さんなりの
責任感から出たことでたった1週間しか
見守ってやれない俺に対しての気遣いでも
あったまではほとんど渋滞しない感染道路
一直線だからおよそ1時間前後の道乗りで
何より通電気は大きいから迷うこともない
どうだい最初から結構大変だったろいえ
内食されている皆さんもいい人ばかりだし
電子部品と聞いてたので身構えてたんです
けどそんなに複雑で難しい仕事じゃないん
だなって安心しました本社について納品を
済ませた後の課長や担当社員さん方に紹介
してくれてあとは自販機とかトイレとか
休憩室なんかも案内してくれたしたまたま
通りかかった顔見知りの社員さん方にも
紹介してくれたこうしてあっという間に菊
さんは去って言ったたった1週間では菊
さんのやってた仕事全部は引き継げなかっ
たけど1ヶ月もすれば慣れてきたほとんど
外出だから自社の人たよりの方々と話す方
が多かったただし月末には社長が顔を出し
みんな社員食堂に集まってお疲れ会をする
のが定例となっていたすごく豪華な
オードブルが10さ並び1人ずつに寿司
おりが配られ工場長が今月の反省事項を
喋った後お茶で乾杯してスタートその様子
を眺めていればおよその人間関係なんかも
察しはついた藤田お疲れ会ってすごく合成
だなまさか俺のためってことか別に毎月の
ことだよ寿司は大黒の特上だぜこの後は
工場長のおりで定例の飲み会だよ女性社員
はほとんど主婦だしいつも参加希望者だけ
だけどな大黒寿司というのはこの町の
寿司屋で近隣の市町村にまで知られた死の
名店だこの会社って相当かってるんだな
社長が電気屋もやってるからかなあざさん
今夜の2次会はあんたのおりでパっとお
願いしますよ新入社員だって俺たちよが
年上だしさお近づきの印ってことでな今夜
はな相澤の歓迎会なんだよてかお前らいつ
までもガキじゃないんだからいい加減年上
に対する礼儀とか遠慮ってものを覚えろよ
なあったっとこれはすんませんでした
ようやく同級生っていう仲間ができて安心
でしょよかったね藤田
さんなるほどまだまだやんちゃってことか
俺はずっと地方都市のライブハウスに
馴染んでいたから店やバンドに迷惑かけ
ないように喧嘩とかはしなかったけど結構
やばい奴らとも仲良くやっていたし俺たち
のファンだと言ってくれた年上のお客の中
にはマジで裏の人もたりしたので慣れて
るっていうか別に驚きもしなかった結局
その夜は工場長の富田さんほとんどの女性
社員は帰りがてらにちょっとだけってこと
で男性社員は全員参加つまり高瀬君と真辺
君それに俺と藤田ってことで結構
盛り上がったここで富田さんは中学1年と
小学5年の不庭女性社員の佐川さんは5年
前に旦那さんが病したでこなしの未亡人だ
ということを知ったくらいでお開きとなっ
た先輩とはいえ年下の2人が2次会を
せがんでしつこかったけれどまた次の
チャンスなと言って別れて後は藤田と2人
で飲んだ入社してからの半年ほどはこんな
風に過ぎたけどそれからは降って湧いた
ような地獄の日々が始まったのだった
え皆さん今月もお疲れ様でしたそれで来月
からのことですが本社からの通達であの
今後は不良品を出さないようにとのことで
気をつけて
くださいこれまでは本社の会長とうちの
社長との講師を含めた関係でもってうち
から納品した完成品は不良であろうとなん
であろうと全て規定額で買い取ってくれて
いたらしいそんなゆるゆるな取引があるか
と言われても初めて知った俺も同じ気持ち
だったんだから仕方がない本当びっくりし
たよでも本社の会長が社長時代にうちの
社長と取り決めたことだったので本社とし
ては不本意ながらも継続し続けていたの
だったそれが先月の会長引退ととに本社の
経営人も一進された結果として契約も全面
改正された上に子会社としても独立採算性
とすることになったということらしい俺
個人としては相変わらず配送がかりだけど
本社の品質管理化で不良が発見された時に
は全品検査することになった何事もなく
記者しても18時過ぎだというのにだ
しかもうちの会社は総立以来本当に信じ
がいことだけど品質管理するどころか工場
長でさえ品質管理ってどうやるんだという
レベルで従って社員全員が気にしたことも
ないらしく
全く当然に俺が置かれた状況もお察し
いただきたいそれでも最初の2ヶ月近くは
本社の品質関係社員さん方も手伝ってくれ
たし初対面の頃から何かと可愛がってくれ
ている資材化の角田さんまでが手助けして
くれたりした大変だろうけど頑張れよ
やめようだなんて思うなよなざはいつも
ありがとうございますってた
じゃないですから俺はそういうお前が気に
入っているんだからな俺も応援してるんだ
ぞまだ半年余りですけど俺門田さんや本社
の皆さんが大好きですからこれから何が
どうなろうとついに会社が倒産するか一層
首になるまでやってみますよしかしうちの
会社の状況はただの配送がかりの俺の目に
も分かるほどガタガタだった長の富さんは
からの電話に泣きで応しながらも社員に
対しては何1つとして注意せずその口から
は改善の金字も出てこない頼りの社長も相
変わらずの丸投げ状態で月末の会でも2
コニコしながら何も心配することないです
からどうぞ安心して今まで通りに頑張って
働いて
くださいなどと言い続けるばかりそのわは
にがついていたここの社員はみんな電気屋
の顧客なのだ皆さん昨日も2品紙から不良
品が出ましたどっちも少し気をつけて作業
したり完成まで行ったらしっかり
チェックポイントを目視検査すれば分かる
レベルですから担当ラインの1人1人が
意識して目を光らせながら順送りして
くださいあんた配送かかりでしょなんで
毎朝偉そうなこと言うのよ朝から気分壊し
てやる気を急いでいることにに気がつか
ないのかしらねえみんな俺も賛成せ相澤
さん近頃を勘違いしてるんじゃないすか
配送がかりのくせにあしろこうしろって
うるさいよ第一あんたここじゃ後輩じゃ
ないすかあんまりでしゃばってるとろな
ことない
よそれでも工場長は何1つ注意もせず相
変わらず社長が会社に顔を出すのは月末の
数時間だけだし俺は本社に行くたびに全品
検査と苦情と獣医事項を聞かされてそれを
毎朝自社の朝礼で伝達しなければならず
みんなの嫌味は土星へと変わっていった
そのうち俺と佐川さんができてるなんて噂
が社員食堂で囁かれるようになりやがて俺
は過去や死生活でのスキャンダルめいた
ことも誹謗中傷されるようになった社内で
ただ1人の頼りだった藤田さえ飲みに行く
こともなくなってしまった入社して1年半
が過ぎた頃ついに本社の方からそれまでと
は違った動きがあったなんと頭痛電気のお
偉いさん方から呼び出しがかかったのだ
ある日宮谷課長に案内されたのは専務室
だったけどその頃の俺は専務がどのくらい
偉いのかさえ知らなかったし何度か話した
ことののある部長も同席していた昨日清水
社長とお会いしてねじっくりお話しさせて
いただいたんだ
が結局は俺を東通電気の品質会議や生産
会議などに出席させること毎日の配送
ついでに東通の課長や係長や現場の人たち
とのミーティングがあれば参加させること
を承諾して欲しいとうちの社長に頼み込み
承諾してもらったそうだあと君の役職を
配送がかりでなく改善推進とか何かそれ
らしい名称にしてはどうかとこれは本社の
社内人事だから一応提案という形でお伝え
してきたんだよあとは君の残業台これも私
の要望としてご検討いただくようお願い
だけはしておいたんだけどね君自身として
はとんでもなく過重労働になるだろうけど
引き受けてくれないかな
ここだけの話だがこれまでの清水社長や
富田工場長の仕事に対する非常識やそれに
起因する上等電気の車内状況などは
しっかりと私も把握した上で弊社としての
決定事項と要望なんだもちろん君が入社2
年たらずの新人だということも知った上で
弊社の現場の声に耳を傾けたならこれを
やりきれるのは君しかいないんだよ君に
とっては内ですごいストレスになることは
目に見えているもし君が引き受けてくれる
なら私が全力でバックアップするとここで
確約するよ相澤君及ばずながら私もかたも
君を知ってる現場のみんなも君の見方だ
上等電気が今のままではうちとしてもどう
しようもないところまで来ているんだよ
もう上等の中では君だけが頼りなんだここ
まで言われて断るなん
俺にはできなかった数日後俺は配送係り
から改善係りという役職に変えられ配送は
刑務となった一気に車内での風当たりは
それこそ暴風雨を通り越してずっと居り
続ける巨大台風かハリケーンみたいな状況
となった改善がかりさ俺たちいつまでも
笑っちゃいませんよあからただの配送
おっと改善さんよこのまま調子こいてと
痛いよあんた佐川さんとやりすぎて死んだ
旦那にたられてんじゃないの月末の飲み会
で散々ののしられれた挙句泣きの工場長
までがぶち切れたおい相澤いっつも偉そう
にしやがって俺を見下しやがって何様の
つもりだてめえ表出ろどっちが上だか
きっぱり片付けてやらついに出た工場長の
集らこれだけはいくら俺たちでも手に負え
ないぜ初めての時は俺もビビったもん
なとみ田さん暴力はけません暴力は警察来
ますよ
警察俺は藤田に腕を引っ張られて無理やり
外に連れ出されマジの手だからどうしよう
もないんだと泣きながら説得されそのまま
う生と逃げ込んだ俺は社長に現状報告して
助けを来い続けたがあかさに毛嫌いされる
ようになり月末のお疲れ会でも社長は工場
長や従業インサイドを慰めるばかりになっ
ていった俺はその後の飲み会には行かなく
なったが工場はと言えば本社からの注文が
増えそれにつれて売上も伸びていった
ついに倉庫を立てまして作業場を拡張し
新た製造ラインが増設されてからは社員を
倍増するまでになったのだったしかしその
新入社員の中には社長の追いも入っていて
花から副社長気取りだったあんたが噂の
相澤さんっすねいやおじさんから話を
聞かされるたびに会いたかったんすよね
早速ですが新入社員の関係会の感じよろし
くっすおじさんからいきなり30人って
言われてさ俺の必死こいてきめたんすから
こうして冒頭に語った大トラブルになった
のだったおいちょっと待てよ工場長に
変われおい石田君その後俺はホテルの支配
人に余りして支払いも少し待ってもらえる
よう頼み込んでから工場長の携帯にかけて
も出なかったのでそのまま1人で飲んで
帰った翌日の礼では珍しく嫌な工場長が
昨夜の歓迎会を振り返るような話をした1
つだけ残念なのは我が者のホープ相澤君が
無断欠席したことだったね完全に社長を
味方につけた富田さんはこんな嫌味も
はからなくなっていたそっすねあれだけ
事前に言っておいたのにまあ仕事に必死で
人の話なんか耳に入ってこないそうだから
こっちが悪いっちゃ悪いかもですすみませ
んでしたその日から新入社員たちを指導し
ながら新設ラインを稼働させる予定だった
けど結局はダラダラするばかりで目標の
半分も達成できないまま俺は本社へ納品に
走った車を走らせながらあまりの悔しさと
情けなさで涙が出たけど本社では愚痴ら
ないと最初から決めていたから資材化と
品質家での短時間ミーティングに出席した
後記者して荷物を下ろし終えればいつも
より少し早い9時過ぎだった今日は睡眠
時間が稼げるぞそう思いながら帰宅した
両親はすっかり慣れっこになっていてもう
2階で寝ているシャワーを浴びて台所の
冷蔵庫からビールと母が作り置きしてくれ
てるつまみを取り出して飲んで寝た翌朝も
いつも通り修行30分前には出勤し工場内
の点検などしているうちに1人2人と出勤
してきたから相変わらず明るく大きな声で
挨拶したんだけどことに新入社員の多くは
軽く頭を下げるくらいでタイムカードを
押して行室に入っていっ
た相澤君ちょっと社長から話があるから
事務室の方へ来てくれ礼は私がやって作業
開始するからもう気にしなくていいだよ
もう気にしなくていいってなんか
引っかかる言い回しだと思ったらその通り
だった朝1番から事務室に社長がいる
なんて入社以来初めてのことだった
おはよう相沢君長い間本当にご苦労さん
だった
ねおはようございますあの一体どういう
意味でしょうか君には担当直入にた方が
良かったよな明日からは出社しなくていい
よ首ってことです
か今までは私も辛抱してたんだがすっかり
身体性も整ったしもう君がいなくても
大丈夫だっってことで富田君から報告が
あったものだからようやく決断したんだ
なんなら今からでも代謝していいよ今月分
の給料は満額振り込んでおくから安心して
くれそうですか
分かりました私物とかは一切置いてないの
でそれじゃこのまま失礼します長い間お
世話になりましたありがとうございました
今まで散々な目に合ってきたせいだろう
はっきり首だと言われても別に何とも思わ
なかったしむしろ解放されたような気分で
駐車場へ向かった自分の車に乗り込もうと
した時ちょうど黒塗りの高級車がゆっくり
と滑り込んできた降りてきた運転手が後ろ
のドアを開けると降りてきたのは西沢部長
続いて横井専務だっったこんな朝早くに俺
はしばらく呆然としていたいやおはよう
相澤君おはようさん工場長はいるかな
おはようございますええ中に社長もいます
よおお珍しいなでもちょうど
早速案内してもらおうかないえ私はたった
今首になったものですから申し訳ありませ
んそうかそれならなおさらちょうどよかっ
たさあ案内してくれ俺は何がなんだか
わからないまま2人を案内する格好で工場
に戻ったああこれはこれは西沢部長なんと
横専務までご一緒とは社長こそご出とは
驚き
しかも相澤君を首にしたとか長いはでき
ないから私からはっきりと申し上げ
ましょう新入社員歓迎会の顛末はグランド
ステーションホテルの支配人から聞きまし
たよあのホテルは弊社の顧客を接待するの
にも使って常連ですからねこの他ここ3年
あまりの本社の状況とさらに遡って者が
創立以来の経緯も承知しておりますその上
でここからは弊としての決定事項ですが
相澤君に社向上運営の前件を上として上長
にしない限りは来月以降の本社との取引を
きっぱりと完全に打ち切らせていただき
ます以上ですこれは弊社の社長及び会長を
交えた経営会議での決定ですのであかず
それでは失礼しますが今のはだそうですの
で本日は私どもにお付き合いいただきます
から重ねてからずああそれとホテルへの
支払いは早く済ませた方が良さそうですよ
それじゃあ相澤君すまんが付き合ってくれ
た前社長は思い切って設備投資をした分を
稼がなきゃならないからその夜には俺を
飲み屋に連れ出しそれこそ俺に泣きつく
ようにして通電気の決定事項を丸飲みした
俺は
石田真の不良を首にしたそして新入社員を
含む全社員に残るかやめるかを3日以内に
申し出るように言い渡し富田さんは配送
がかり同級生の藤田を俺の補佐代行とした
がこの2人にも3日以内に身体を決心する
よう申し渡したこうして残った人数に応じ
て来月から3ヶ月間だけは通の生産調整し
てもらうことはあの日の部長当選にお願い
してお2人共に了承いただいたことだった
結局ボスカの野田さんを含めて5さんの
女性社員全員が残り新入社員も17名が
就職続行を希望し富田さんと藤田も俺の
条件を飲んでいったおかげで頭痛に対する
迷惑も最小限にとめることができたのだっ
たそんなある日のこと会社に俺を名指し
する電話がかかってきたひょんなことから
お前のことを思い出してなそっちでも
バンドやってるかいあその声は荒まさん
ですねいや懐かしいなご沙汰してすみませ
んこっちでも近頃やり始めましたよまだ
人前でやれるほどじゃないですけどね荒ま
さんは俺が大学の頃に初めてライブハウス
のステージに立った時に来ていた客で
ステージを降りた俺を自分のテーブルに
誘って1杯奢ってくれた人だ大学生の頃は
格闘技に打ち込む方バンドサークルに入っ
て学園祭で演奏したりもしていたそうで俺
の歌を聞いてたらふとその頃を思い出した
んだとか大学を卒業してからは迷わず広域
指定暴力団に入って腕っぷしでのし上がり
本家の直産となって今ではインテリながら
も舞踏派の組長だった嫌になったかと聞か
れた時そりゃビビったけどますます
打ち解けた俺だったいや俺って職業とか目
で人を好き嫌いするやつでもないんだよね
自分で言うのも照れちゃうけどさ目と目を
合わせて話してて乗りがえば付き合いた
いって思う単純なやだからこそここまで
来れたんだとも思ってるよお前んとこにさ
高士とか真辺とかってちんぴらがいた
だろうなんで知ってるんですか確かにい
ましたけど千だって首にしましたよそいつ
らがこっちに出てきてたまたま俺が飲んで
た店で酔っ払ってさお前の名前を叫び
ながらやっちまうなんて息巻いてたから
ちょいと話を聞かせてもらってなそうだっ
たんですかわざわざありがとうございます
気をつけますそんなのもう一生気をつけ
なくてもいいんだよそれより随分忙しい
らしいけどたまには顔見せろよ俺がそっち
に出張ったら迷惑なんだからな一生って俺
に打ち明けるくらいだからまさか最後ま
でってことはだろけどもう2度と生きがる
ような気が起きない程度に閉められたに
違いない俺が荒まさんを迷惑がるはずない
でしょそっちほどじゃないですけどねいい
店ありますから今夜でもいいですよ声を
聞いたらいやお会いしたいな相変わらず
気持ちのいい野郎だなそれじゃまた連絡さ
せてもらうぜ絶対ですよ待ってますからね
今の時代はやっぱAIだよなおい星野お前
みたいな仕事ができない人間は正直言って
会社のお荷物速攻で首だ社長代りはそう
言って俺のことを笑っている
あああお前うちの会社やめたらマジで最終
職大丈夫なのあからに困って泣きついてき
ても知らねえからな馬鹿にしてくる社長
代りに高卒の俺は何も言い返すことができ
なかった俺の名前は星野まやある建設会社
で働いている年齢は25歳で縁あって数年
前からこの会社で働き始めた主に会社の
経理やシステム運用を任されている俺は
家庭があまり裕福ではなく下に兄弟もいた
ため高校卒業後にITベンチャーに就職し
たベンチャーであれば学歴不問だし若い頃
から業務経験を積むことで大卒で入社して
くる人たちとも十分に競争することが
できると考えたからだところがその
ベンチャー企業は俺が勤め出して数年後
世界情勢が不安定になった影響であけなく
倒産してしまった思ってもいない事態にお
先真っ暗になってしまった俺最終職に困っ
ている時に知り合いのツてで紹介されたの
がこの建設会社だ何でも車内にPCに強い
人間が少ないので短期でもいいからジムで
働いてみないかという話だった最初は就職
先が決まるまでと思っていたのだが社長が
PCに詳しい俺のことをとても気に入って
くれそのまま事務員として就職することに
なったそういったわけで運よくこの会社に
就職した俺は今では社員100名以上の
給与労働時間などの管理を行っている
そんな俺なのだが今年に入ってから困った
ことになっているそれは新しく部長になっ
たチネという人だ彼は未来の社長つまり
創業者である現社長の息子なのだ年齢は
30歳でアメリカのIT企業に就職し去年
までめていたというそれが現社長が今年に
入って体調を崩し病院に入院したことを
きっかけに帰国したのだ最初ネは部長の
役職だったが現社長の病状は思わしくなく
今年一杯で引退することになったので今で
は社長代行ということになっている年明け
には正式に社長に就任するそうだ社長の
息子で海外から帰ってきた彼を見てた社員
は優秀な人物に違いないと期待していたの
だが実際はあいほしのこのリストにある
社員今年で首なあとこっちのリストにある
職人は今後使うなえは彼と働き始めてから
しばらくして俺は突然突きつけられた紙に
面くらった渡されたリストには年配の社員
や下請け職人数名の名前が乗っていたこれ
は何かと尋ねるとそれか流行りの人事査帝
AIっていうやに頼んで首にするべき人間
のリストを出してもらったんだよチネは
社長室の高級ソファーに持たれながら行っ
ただけど冗談ですよねいきなり首だなんて
それにこのリストに乗っている人たちは
みんなベテランでこの人たちがいないと
若手に技術が教えられないですよという俺
の言葉を遮切って
いいかこれからはAIの時代だからな我が
者もこれからどんどん最新技術を投入して
業務の最適化を図っていくちは押し切る
ように話すあはあだからってこはうるせえ
グダグダ言うなちなみに定学歴で能力の
ない人間はどんどん切り捨てていくからな
これからはAIの時代だ聞いたぞ星野お前
卒んだってなまうちの会社にはお前より
PCを使えるやがいないから置いてやって
いるがもしAIで十分になったらお前
なんかも即首だからなチネはわざと脅す
ように言った彼はアメリカでIT企業に
務めていたというからこの発言には驚いた
AIのことをよく知っている人間の言葉だ
とは思えなかったからだそして後日俺の勘
は正しかったと分かった
知り合いの話によるとチネは渡米したもの
の大学を中退しそこで親から送ってもらっ
た金でギャンブルをし30になるまで遊び
暮らしていたらしいアメリカでは何の食
IHも財産もないのが日本に戻って社長を
告げば丸く収まるというので喜んで戻って
きたというのが本当の話のようだまた彼が
査定に使った人事査定AIというのを見せ
てもらったが情報を入力したらなんとなく
それっぽいものができるというだけで俺の
目から見るとAIをよったおもちゃだった
どうにも世の中にAIブームが起きている
のに便乗して商売しているエセシャロ師に
でも紹介されて使い始めたんだろうこんな
ものに引っかかるなんてこんなやが時期
社長でうちの会社は大丈夫なのか俺は不安
に感じたそしてこの不安は的中することに
なる数日後え真田さん本当に首になっ
ちゃったんですかなんと俺が嫌な顔をした
からだろうチネは自分の権限で例の
リストラを進めてしまい本当に数人の
ベテラン社員を首にしてしまったのだそれ
もあんなおもちゃAIの信用ならない人事
査を元にして俺は首になって荷物を片付け
ているベテラン職人の真田さんに声をかけ
た日頃から仲のいい先輩だ彼は悲しそうな
顔をしてしょうがねえよ俺も仲間と抗議し
たんだけどあの新社長自分のことばかりで
人の話聞かねえんだついには自分は
アメリカで何十回もの訴訟に勝ってきた
それでもやる気なら訴えてみろ徹底的に
争ってやるなんて脅してきてなこんな弱い
ものを貶めるようなことをするなんて俺は
話を聞いて分したちなみに田さんはすごい
技術を持っていてどんな構造物でも図面と
ぴたりと合うように完成させてしまう
すご腕の職人だった若手の中には彼から
技術を教わりたいと慕っているものもいる
チネは構造物の数値はこれからAIが出す
からお前みたいな古ぼけた老人はいらねえ
なんて言うんだたくあいつ何も分かっ
ちゃいねえ基本によって建築資材は変化
するし現場の天気と盤の状況を考慮して
工事を進めないと大きなミスをしねない
機械の進歩は認めるが今はまだ人間の力も
必要だよ全くその通りですそれに職人の
技術を継承していかなければ工事の知識が
ある人間が消滅してしまいますからね俺は
真田さんの話に頷いただけど社長代行で
あるチネが決めた決定を覆すことなどでき
ず彼が決めたリストラ大賞の社員たちは
会社を去っ
たしばらくするとチネは今度は俺に保先を
向けてきたジムやシステム運用なんてな
これからは全部AIがやるようになるんだ
からいつまでもお前みたいにちまちまPC
のキーボードを打っているのは時代遅れな
わけははあちは毎日のようにAIAIと
連呼する割には具体的にAIをどう会社の
仕事に生かしていくのかについては全く
議論しようとはしなかったチネはAIの
ことを頼んだら何でも解決してくれる未来
の猫型ロボットみたいに考えているらしい
これには俺もうんざりしたまた困った話は
これだけじゃない彼は社長が入院中の今
社長代行であるにも関わらずオフィスを
留守にしてばかりなのだ最初は現場を回っ
ているのかと思ったがどうも違うらしい
最高責任者がどこにいるのかわからないと
いうのは会社とだめだろう現場で事故が
あったり何かあった時どうするのかと心配
していたのだがある日本当に冷やっとする
ことがあったその日の午後オフィスを1人
の老人が訪ねてきた俺が慌てて応接室で
相手をすると13時にちと約束をしている
との
ことなんとちは予定していた来客を
すっぽかしてどこかに行ってしまっていた
のだすみません少々お待くさい朝ちは現場
に行ってくると言っていただから現場の
事務所に連絡したのだが現場監督はちは
今日1回も来ていないという結局来客のお
じいさんにはお詫びをして帰ってもらい
夕方になってちと電話が繋がったがな来客
バカ野郎そんなつまんねえことで電話を
かけてくるんじゃね今日は忙しいんだよ
また別の日に出直してこさ
そう怒鳴りつけられてしまったその時怒っ
ている彼の向こうでクスクスと女性の
笑い声がしているのを俺は聞き逃さなかっ
た一体彼は仕事中どこに行っているん
だろうかその謎はすぐに解けた同僚から
聞いた話だがチネはどうやらキャバクラ
中毒で毎日のようにあちこちの店を回って
は合有しているらしい俺が電話した時も昼
から空いているガールズバーにタロして1
日潰していたというのだ部下は汗水垂らし
て働いているのに自分はキャバクラがいで
やりたい放題おまけに変なAI査で気に
入らないやは首にするこれにはさすがの俺
も怒りが込み上げてきただけど彼が社長
代行であり俺がこの会社に務めている以上
一緒に仕事をしないわけにはいかない前の
社長には恩義があるし会社をやめるのは
忍び
そう思いなんとか我慢していたのだがある
日とうとう俺は会社を辞めることになって
しまったそれは下請けからの1本の電話が
きっかけだったえ1000万円不払いに
なってるそんな話寝耳に水だった下請けの
会社はあなたの指示であなたの邸宅の工事
を行ったと言っていますよその工事の請求
書はどこに行ったんですか
せなあの下請けは勝手に赤字になるような
工事をしてその代金を上乗せして請求して
いるひどい会社なんだそれに工事期間中も
不真面目な職人ばかり起こしやがってだ
からあんな会社に払う必要は1円もない
請求書はお前がなくしたんだろ俺が追求
するとチネは吐き捨てるように言った
きっと金を払いたくなくて意図的に請求
どこかへやってしまったのだ後で調べた話
によるとこの工事はチネの話とは真逆で彼
がコロコロと気分を変えて追加工事を
申し込んだので費用が重んだという話だっ
た下請会社の社員は真面目に毎日現場に来
ていたがチネの方は録に顔を出して挨拶も
しなかったというおい星野これは経理で
あるお前のミスだろ下請けからの請求書を
噴出したののはお前だだからお前が責任を
取れえやめろってこですかなんとチネは
工事費用の不払いを俺のせいにする
らしいそもそも請求所の管理もできない
ような無能をいつまでも置いておいたのが
間違いだったんだ時代はAIだからよお前
の仕事はもうすぐなくなるさ半人前以下の
仕事しかできない高卒は速攻で首だ彼は
そう言って邪悪な顔をして笑ったさすがの
俺も頭に血が登ってくる今まで一生懸命に
会社に尽くしてきたのにこの仕打ち濡れぎ
の罪を着せられるなんて全社長のために
我慢していたけれどもう堪忍袋の尾が切れ
たそんなにおっしゃるならいいです俺は
やめさせてもらい
ますまるで負け犬の遠吠えだな面白がって
いる様子のちのふんなんとでも言えばいい
さ俺は未練を捨てて翌日会社に退職届けを
提出したちのは俺に向かって
あああお前うちの会社辞めたらマジで最終
職大丈夫なの後から金に困って泣きついて
きても知らねえからなそんなことを言って
バカにして笑っていたそれから数日後俺が
街中を移動している時のことだった電話が
かかってきたので出てみるとおい星野なん
ですぐに電話に出ねえんだよワンワンと
響く大声血だなんで辞める前に言わなかっ
たんだな何のことでしょうかふざけんな
10億円の契約の話だよその言葉を聞いて
俺はああなんだ今更気がついたのかと呆れ
てしまった聞いたぞお前駅前の10億円の
マンション建設の接種と知り合いだった
そうじゃねえか接種がお前がいないなら
うちとの契約はなしだと言って断ってきた
んだそんなことを言われてもあなたの自業
自得ですからななんだとなんだその口の
聞き方はお前何様のつもりだ怒り狂って
いるネに俺は説明するいや接のおじさん
このマンション建設の件の打ち合わせで
オフィスにお見えになられていたのですが
ほらあなたが勤務中にガールズバーに行っ
ていた日ですよえねなんだとなんでその時
言わねえんだ言うも何も何回コールしても
電話に出ないし夕方繋がった時には接手
さんはもう帰られていましたからねまさか
お前その時接手に何か余計なこと言って
ねえだろうな余計なことというか事実はお
伝えしました何実はその接種のおじいさん
はこの町に複数の土地を持っている王子主
役所や銀行税務所に行くたびに慌てて担当
責任者が出てくるほど顔の知れた資産家
だった彼はうちの会社のお得意様だったの
だが今までずっと付き合ってきて社長が
約束をすっぽかしたことなんか1度も
なかった何か良くないことがあったんじゃ
ないかな知っていたら教えてくれオフィス
を訪ねてきたあの日そう言って俺のことを
話してくれないので結局ちのや彼の横暴な
行動で会社が混乱していることを話して
しまったの
だなに従業員をほっぽり出して真っ昼間
からキャバクラに行っているだとなんと
けしからん前の社長は立派だったのにその
息子がこんなドラ息子だとは
に起った接さんはネの会社に任せるつもり
だった10億円の工事の契約をやめて
しまったのだった頼む星野お前その接しの
じいさんとやらと仲がいいんだろうお前が
会社に戻れば契約をうちにしてくれない
だろうかそれに今回は無理でも今後大きな
工事があった時には是非うちと契約して
もらいたい全くどこまで自分かってなやつ
なんだちは自分の都合を一生懸命に喋って
いるそんな彼にあのすみませんが接手さん
はあなたのような不真面目な人物が社長の
会社とは絶対契約しないし俺は2度と
あなたの会社には戻りません実はもう俺は
最終職を決めているんです富ま建設って
言うんです
けどなんだと実は先に辞めていたベテラン
職人の田さんたちに誘われてライバル会社
に雇ってもらえることになったのだ
ライバル会社だった富ま建設は優秀な職人
やPCが使える人材が不足していて俺や
真田さんのようなベテラン職人が喉から手
が出るほど欲しかったらしいチネの会社
よりもいい待遇で俺たちを迎えてくれたの
だったこの事実を知ってちは電話の向こう
でなんとかしてくれと叫んでいたそこで俺
はそんなに困っているんだったら頼りにし
ているAIにどうすればいいか聞けばいい
んじゃないですか
そう皮肉を言って電話を切ってしまった
その後も何回か着信があったので拒否にし
たその後チネの会社は今回の事件を
きっかけに客が離れ退職者も続出小規模な
工事をする職人さえも集められなくなり
最終的には崇のよくわからない日雇いの
職人を書きて仕事をしていたらしいその
ため施工ミスを連発してしまったもちろん
依頼主はカカに起こり手抜き工事の賠償金
でさらに経営が悪化するという悪循環に
なってしまったようで最後には営業すれば
するだけ赤字になっていたらしく目の玉が
飛び出るくらいの借金を背負って倒産して
しまったチネは今では自慢の豪邸から何か
全て失いホームレスになってしまったと
いうちなみに駅前の10億円のマンション
は俺が富ま建設に移ったことを知った接種
のおじいさんが俺たちに仕事を回してくれ
て自分たちの手で建設することができた数
年後俺は新しく就職したライバル会社で
AIを使った建設業用のシステム開発に
携わっているこれは以前から俺が理想にし
ていた人間をサポートするAIシステムを
作るための第1歩だ具体的にはAIを使っ
てまず人手不足の解消を目指す単純作業を
AIに任ことによって人間をより重要な
作業に集中して使うことができるからだ
それから安全性の向上現場の危険余地を
AIにしてもらい作業する人間を守ること
ができるついこの間もベテランの真田さん
におい星野お前が作ったこのAIの指示の
おかげで作業の見積もりが立てやすくなっ
たわと褒めてもらった先輩や他の職人たち
も安全面での安心感が高まり的な負担が
減ったと言ってくれておりとても嬉しい
これからも働く人を大切に役に立つ
システムを作っていけるように自分の仕事
を頑張りたいと思うAIに限らずどんなに
科学技術が優秀でも使う人間がバカであれ
ば全く役に立たないあの横暴なチネの顛末
を見て改めてそう思ったのだった
はあどうして俺が無能の世話なんかして
やらないといけないんだ意味がわからない
と肩を進める課長場が凍りついたホテルの
スタッフも戸惑っている意地悪な課長は
ニヤニヤと笑いながら追い打ちをかけてき
た考えても見ろ無能のために部屋代を
支払うなんてもったいないだろうお前の
部屋なんて最初から用意していないんだよ
文句があるなら社長へどうぞどうやら社長
も自分と同じ考えだと言いたいらしい
まさかそんなはずはないこんなことを社長
が許すはずはないなぜかやけに自信
たっぷりな様子の課長に俺は困惑せずには
いられなかった俺の名前は琢磨24歳今
から半年ほど前にある会社の営業マになっ
たばかり大学の同級生たちと比べると
ちょうど1年遅れの就職だった社会人に
なるのが遅れたのはあるショックな出来事
に見舞われたから最愛の母の高いだ惑星の
主要が全身に転移して見つかった時には
手遅れだった打ちひしがれて何もできなく
なった俺を一歩先に立ち直った父は励まし
てくれ
た辛い気持ちは父さんにもよくわかるだ
けどいつまでもこのままでいるわけには
いかないたくま一緒に前に進もう母さんも
そうして欲しいと思っているはず
だ確かにそうだと思った今の俺の姿を見
たらきっと母さんは悲しむだろういつも俺
にしっかりしなさいと葉っぱをかけてくれ
た母さん力をした俺は父の全面的な
サポートのおかげでどうにか就職できた
ただ配属された部署にとんでもない人がい
て辛い目に合わされることになっ
たそもそも俺は小さい頃から気が弱い
タイプだった内行的でインドア派で他人と
の交流に慣れていなかった対人関係の苦手
意識は特に小学生になってから増したよう
に思う
当時妙にテンションの高い奴や底意の悪い
やが周りにゴロゴロしていたからだ
ネガティブで人に心を許さないところが
あってコミュニケーション能力に乏し俺が
そういう難儀な人間であることを会社の
先輩や同僚たちはすぐに見抜いたらしい
営業部のある先輩社員が俺に対する苛立ち
やもどかしさをストレートにぶつけてきた
何を言っても反応が
いつもおどおどしてるし見てていらつくな
堂々とそういう元木課長に周りの社員たち
は苦笑いを浮かべていた強引で歯に木に
着せないところがあって地声が大きい営業
部のムードメーカー誰に対してもグイグイ
迫っていくし容気だしなんと言っても
ものすごく意地悪それが元木課長41歳彼
は俺が苦手なタイプの人間の集合隊のよう
な存在だった弱い相手を積極的にいじって
周囲の笑いを取ろうとするところが何より
も嫌だった言うまでもなく彼も俺を毛嫌い
していたその上嫌いだという思いを隠さ
なかったたくまお前マジで邪魔だわ視界に
入るとイラっと
する遠慮なくズバズバと物を言うことは時
には重要なことだし仕事の上でもうだと
思うだけど明けな態度がいつも歓迎される
わけじゃない沈黙が必要な場合だってある
元木課長はそのことを知っているのに実践
していないのだった彼は会うたに俺のこと
を邪魔者扱いした俺を早くやめさせようと
していたのだろう実際さっさといなくなれ
といったニュアンスの言葉を浴びせられた
こともあった足でまといなんだよ暗いしめ
悪いしノりも悪いし何のためにいるんだ
なあ教えてくれよお前この会社に何しに来
たんだよ役立たずのくせに最初から何でも
できる新入社員なんていない元木課長に
反論したい気持ちを俺はぐっ飲み込んだ
正直あんな意地悪な上司がいる会社なんて
すぐにもやめたかっただけどそんなことを
したら父の顔に泥を塗ってしまうそれだけ
は避けたいそれに今度こそ他人との関係を
大事にしたいそう思っていたのも事実だ
学生時代俺は人との関わりをできるだけ
避けてきたこれからはそうはいかない俺が
人の輪の中で生きていくことを天国の
母さんもきっと願ってくれているだろうだ
から逃げない俺は元木課長からどんな態度
を取られても歯を食いしって耐えた
だけどそうやって意地悪を受ける苦しみは
思っていたよりも辛くて悲しいものだっ
た仕事のことなどろにわからないのに1人
で電話版をしろと命じられたことがあった
全体会議が行われると連絡があったのに俺
だけ来なくていいと言われたりもしたどれ
もこれも元課長の指示だったからどんなに
辛くても誰にも助けてもらえない辛かった
密かに俺の身を暗示てくれていたのは総務
部の朋先輩ただ1人だったたくま君はい
これこの前の全体会議の資料コピーして
おいたのとえ先輩ありがとうございます
いつもすみません琢磨君が謝ることはない
よ諸悪の根源は元課長だしそんな課長に
対して何も言えない私たち他の社員にだっ
て問題があるんだから本当ごめ
[音楽]
先輩は俺より2歳年上の26歳笑顔が素敵
で話しやすいおっとりとした感じの女性
だった後から知ったことだけれど彼女には
俺と同い年の弟がいるらしいそれで俺の
ことをどうしても放っておけなかったのだ
とか悩みがあったら何でも話してほしい俺
はそんな朋先輩の優しさに甘えたうな性格
のせいで人とコミュニケーションを取るの
が苦手なこと母の高があまりにもショック
で就職活動もままならなかったこと俺は
全てを朋先輩に話した彼女は俺の話を最後
まで根気強く聞いてくれた話してくれて
ありがとう私これからも琢磨君のことを
応援するからねだから元気を出して朋先輩
はそう言って俺を励ましてくれた
[音楽]
自分には味方がいる何でも話せる相手が
いるそう思えることはある種の強みだ俺は
前よりも出勤するのが嫌じゃなくなった
間違いなく朋先輩のおかげだと
思うだがいくら俺が前向きになれても
嫌がらせがやむわけじゃなかったむしろ俺
が何も言わないのをいいことに元課長のは
したムードメーカーを辞任する元木課長だ
けどフロアを明るくするなんてただの建前
弱い相手をサンドバッグにしてストレスを
解消したいというのが本音に違いなかった
例えば彼は俺のことを名前で呼んだりはし
ない呼ぶ時は必ず別所を使ったおいむお前
だよ帝皇野郎脳なしが自覚が足りないん
じゃないか俺は意地でも返事をしなかった
そのせいで余計に関係が悪くなった残念
ながら俺は脳なし呼ばわりされてヘラヘラ
と返事ができるような性格じゃない俺が
もっと敬白なお調子者だったら今みたいな
状況に陥ることはなかったのだろうか元木
課長は積極的に俺を邪魔者扱いして何を
するにも頭数に入れようとしなかった
こんなこともあった土曜の夜何気なく
スマホを見ていた時のことだ会社の
グループラインにある画像がアップされた
映っていたのは飲み会の様子課長以下同じ
部署の同僚全員が一同に返して久しぶりの
飲み会を楽しんでいたただしその場に俺は
いないそんな飲み会が開かれるということ
自体知らなかった1人だけ仲間外れ俺は
強い阻害感に苛まれた自己肯定感はただ
下がり朋先輩の存在がなければ俺はもっと
落ち込んでいたに違いない飲み会のことを
LINEで連絡すると朋先輩からすぐに
電話があっ
たたくま君こんなことで落ち込んじゃだめ
よ向こうがやっているのは低レベルな
いたずら以外の何でもない大人として
すごく恥ずかしいことなんだから朋先輩
そうですよねありがとうございます
つくづく嫌な上司だよね元木課長って
ムードメーカーみたいなところがあるけど
あの人を煙たがっている社員本当はすごく
多いよ嫌がらせに負けないでねはい本当に
ありがとうございます先輩と話してよかっ

です実際他の部署では元木課長の評判は
それほど良くなかっ
た先輩の言う通りにもげなくて意地悪な
ところばかり目立つからだだけど俺がいる
部署は依然として元木課長の支配下にあっ
て誰も逆らえなかったそんな元木課長は
やがて部下たちもどん引きするような
嫌がらせを連発し始め
たある日俺は教育係りを務めてくれていた
同じ部署の先輩から見放された一方的に
距離を置かれた形だった元課長がもういい
とたらしい部署の一員として俺の活躍には
期待しないそうだったその後命じられたの
は雑用俺は毎日毎日お茶味をさせられ弁当
台を集めさせられ郵便物の配布をさせられ
た誰かがしなきゃいけない作業だと自分に
言い聞かせないとどうにかなりそうだった
逆に日常の業務は何1つ任せられない同僚
たちは忙しそうなのに俺だけは暇な状態楽
と言えば楽だけれど手持ちぶさでどう
しようもなくてすごく居心地が悪かった
たまりかねて同僚の1人に手伝いを
申し出るとその話を聞きつけた元木課長が
おいこら無誰がお前にそんな勝手なことを
しろと言っ
た課長いえ別に誰からも命じられてはい
ませんが手が開いていたので余計なことを
するなお前が何かしても足を引っ張るだけ
だろうがと単純作業ならそんなことには
なりません私にも何かさせてください俺は
どうにか食い下がった静まり返るフロア
舌打ちする元木課長元木課長は俺を孤立さ
せて退職に追い込もうとしていた何しろ
弱い俺だきっとすぐにやめる課長はそう
思っていただろうだけどこうして真光から
反発された元木課長はすごく腹立たしそう
だったそこまで言うなら仕事させてやる
ただし他の場所でな与えられたのは誰もい
ない会議室での資料整理の作業だった雑多
な資料を必要なものとそうでないものに
分け不要なものをシュレッターにかける
孤独な単純作業を続けていると気がめいっ
て仕方なかったそれにすごく悔しかった
犯人前扱いされされるのがこんなにも辛い
ことだなんて生まれて初めて知ったおい
サボってないだろうな元課長はたまに自分
の方から俺の様子を見に来たどうやら俺が
必要な書類まで処分していないか確認して
いたらしい重要度が高い資料は俺が黙って
いても元木課長が勝手に持っていっ
たそんな時だった珍しいこともあるもの
会議室にふらりと社長がやってき
た社長お疲れ様です途端に笑顔になる元木
課長俺も黙って頭を下げた社長は頷いた俺
の作業が気になったのか社長は首をかしげ
た今書類の整理と処分をさせているところ
ですこいつは本当にダメダメでまだこれ
くらいの単純作業しか任せられませんから
本当にレベルのやつですよまさか社長の前
で馬鹿にされるとは思わなかった俺は反発
したい気持ちをどうにかこうにか
押さえつけたここで無きになって言い返し
ても何1ついいことはないそれに俺がまだ
1人前の仕事をできないのは本当のことだ
じっと悔しさに耐える俺笑う元木課長
厳しい表情の社長すると社長はヘラヘラと
笑い続ける元長のことを鋭く睨んだ君たち
先輩社員の教育は完璧なのにかきちんと
指導してそれでも使い物にならなくてだ
からダメだと言っているのかその辺りを
はっきりさせなさいいえあはいそその教育
はまだ完璧とまではだったら低レベル扱い
するのは気が早いんじゃないか違うかねは
はいおっしゃる通りです
元木君はっきり言わせてもらうが君は評判
が悪いぞ人間どこにいても和というものを
じなければいけないそのことについてよく
考えてみなさいはい申し訳ありません肝に
命じますさぎは社長は俺に努力を続け
なさいと声をかけてくれたそのいつになく
厳しいまなざしを受け止めて俺は深く頷き
かした社長が立ち去った後元木課長は近く
にあったパイプ椅子を蹴り飛ばしたあんの
クソ社長何がわだほっとけバカ野郎なんて
ろでもない人なんだろう俺は上司が影で
社長に体をつくのを見ていられなかった
苛立ちを募らせた元木課長はその後一層俺
に意地悪をするようになっ
たそれから数ヶ月後毎年高齢だという旅行
の日がやってきた費用は会社持ち今年の
行先は沖縄みんなとても楽しみにしていた
ところがだったいざホテルに着いてみると
宿泊名簿に俺の名前だけがない困惑する俺
とホテルスタッフのところに幹事の元木
課長がやってきた課長すみません私の名前
が名簿にないので確認をお願いしたいん
ですがはどうして俺が無のなんかしてやら
ないといけないんだ意味がわからないと肩
をすめる元木課長その態度ではっきり
わかったこれは課長の意地悪だいつもの
ように俺だけを仲間外れにしようという
魂胆らしい元木課長はカウンターに体を
預けてニヤニヤと笑いながら続け
た考えても見ろ無能のために部屋代を
支払うなんてもったいないだろお前の部屋
なって最初から用意してないんだよ文句が
あるなら社長へ
どうぞ社長も課長と同じ考えだと
おっしゃるんですかああそうさお前みたい
に使えないやはいらないとおっしゃる
だろうよだからさっさと別のホテルにでも
行け自腹で勝手に泊まれいいな冗談にして
はあまりにも立ちが悪い笑って流すこと
なんて俺にはできなかったしかもその直後
元課長は超えてはならない一戦を超えてき
た聞いたぞお前不家庭らしいな母親はどう
したダメな息子が嫌になって逃げたのかだ
としたら懸命だな俺が親ならこんな息子は
どぶにでも捨てたいよ多した母のことまで
持ち出されるとは思わなかったつづく6で
もない男だもう我慢できない我慢する必要
はない俺は少し離れた場所で幹部と断捨し
ていた社長に手を振り声をかけた父さん
ちょっといいかなその瞬間の同僚たちの
驚きよと言ったらなかった黙ってやって
くる社長もい俺の父無善とした表情だ無理
もない会社では父とは呼ばないと約束して
いたのだからカウンターの元課長はまさに
なって口をパクパクさせいと父さん
親子父さん課長首でいいよこんな最低な人
とは一緒に働けないよ俺は自分が元木課長
から何をされ何を言われたか詳しく話した
父は言い訳をしようとする課長を精し俺の
話を最後まで聞いてくれた課長が母のこと
を持ち出して俺を馬鹿にしたと知ると父は
ふの表情にななったもとき貴様は何様の
つもりだ息子だけでなく妻まで苦労するの
か申し訳ありません社長のご則だとは知ら
なかったんです1人の社員として扱うため
に親子関係を伏せていただけだそもそも
貴様部下を何だと思っている目下が相手
なら何を言っても許されるのか私と血縁が
あろうとなかろうと関係ない人の輪を
おじろと言われたことを忘れたか
申し訳ありませんでしたエントランスで土
下座する元木課長急遽課長は漢字役から
下ろされることになったさらに旅行が
終わると課長は遠方にある関連会社の工場
に出行することになった社長曰くきつい
環境に身を置かせて自分を見つめなすため
の機会を与えるらしい課長はがっくりと肩
を落として会社から去ってその後もう戻っ
ては来なかっ
た意地悪なムードメーカーがいなくなった
ことで会社は前よりずっと風通しが良く
なった俺も社長との親子関係を明らかにし
たせいでもあるけれど以前より働きやすく
なった少しずつだけど成長しているし仕事
の成果も出せているとえ先輩も助けて
くれるこれからますます頑張って会社に
貢献していきたいと思っている
[音楽]

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