【感動する話】田舎でボロボロな自転車店を営む48歳の俺。ある日、来店した女性客からパンクの修理を受けた。女性客「実は…あなたにお会いしたくて来ました」その後、意外な展開に…【いい話・泣ける話・朗読

夫の容大が急変してしまっ て雪が降ったクリスマスの日早めに 店じまいをしていた俺の元に現れた美さん は息をきらしながらそんなことを言っ た俺のとになんて寄ってないですぐ旦那 さんの元へお願いします山本さんも一緒に わけが分からなかったがきっと夫の容が 急変してパニックを引きしさ状態になって いるのだろうこのまま彼女を放っておく こともできず俺はできるだけ車を飛ばして 美さんの夫が入院しているという病院へ 向かったそこで俺は衝撃的な事実を知る ことに なる俺の名前は 山本和田舎でボロボロの自転車店を営んで いる先日48歳の誕生日を迎えたのだが 家族でお祝いなんてことはしていない妻は 病気で先立ち1人息子であるさおも立派に 成人して家を出てしまったのだだから俺は 父から継いだこの自転車店の収入とたまに 清掃のアルバイトに出て小銭に稼ぎをして ひっそりとした生活を送っている転車店と 言っても大きな店舗を構えているわけでは ない一歩店に踏み入れれば全てが見渡せる ほど早規模な店だ昔はそれなりに繁盛して いたのだが最近は自分で何でもする人が 増えている傾向にあり自転車のちょっとし たトラブルだと個人で対応することが多い DIYブームというやつだろうかその影響 を多少なりとも受けているまた健康思考の 人が増えて自転車よりも徒歩を選び面倒な ので近距離でも車という人も少なからず いるさらにインターネットの発達という ものは便利である一方こういった仕事を 奪うきっかけとなり何とも皮肉なものだと 思っていたただ不幸中の幸い地元の人は父 の人柄を買ってくれ今でもこの店に通い 続けてくれている人が多い子供の自転車を 購入したり日々のメンテナンスで分から ないことがあるとに来てくれたりするそう やって細々とこの自転車屋を続けてきたの だがそろそろ限界を感じていたうちのよう な小さなお店より大型店舗の方が人気だ からだ特にホームセンターに行けばすぐ 好みの自転車が手に入るうちみたいに店頭 に置いてないものはカタログから注文して 届くまで時間を要するよりすぐ手に入る方 が子供たちも嬉のだろうそういうわけで 売上は年々右肩下がりの状態だっった ぼちぼち潮どきだなそんなことを呟いた俺 の元にある人が現れた彼女との出会いで俺 の未来が大きく動かされることになる1人 の女性が自転車を押しながら来店してきて すみませんタイヤがぺちゃんこになっ ちゃってと言いながらそのタイヤを見せて

きたどうやら道に落ちていた釘か何かを 踏んでパンクしてしまった様子自動車の タイヤとなれば話は別だが自転車のパンク 程度なら自分で直すことはさほど難しい ことではないパンク修理は全輪より降臨の 方が難しいが道具の使い方やコツさえ掴ん だら簡単だタイヤレバー修理パッチバケ ゴムのり紙やすり虫ゴムが必要になる最初 は道具やパーツを揃えるのが大変かもしれ ないが1度買って覚えてしまったら次に パンクしても焦らず対応できるだろう自転 車屋などに持っていくと工賃で1000円 ちょっとその他部品台含めて3000円も いかないくらいだ男性の場合それならもう 一自分で直した方が早いと考える人はため こういった修理依頼をするのは大抵作業に 慣れてない女性や子供だ俺がそんなことを 考えながらまじまじと自転車を見ている ものだから女性は心配そうに聞いてくる あのどうです治りますかね私車の免許を 持っていないので移動手段が自転車が徒歩 なんですよできればこの自転車しばらく 乗り続けたいんで治ったら嬉しいんです けど心配そうにしている女性に俺は微笑み ながらこのくらいならすぐ終わりますから 待っててくださいと言ってすぐさま作業に 取りかかる手際よく修理をしている俺を見 て女性はおおとかなるほどと分かりやすい リアクションをしてくれていた人に作業を 見られるのは少し恥ずかしかったのだが 女性の反応が面白くてついここはこうすれ ばほらわあ すごいといった感じで作業工程を丁寧に 教えていたのだそして雑談も交えながら手 を動かすこと1 時間すみませんつい話に熱が入って結構 時間がかかってしまいましたえ全然大丈夫 ですよそれよりたくさん興味深い話をして いただいて楽しかったですそう言って女性 は笑ってくれた自転車の話なんて聞いても つまらないだろうと自分でも思っていた から少し不安になっていたのだけれども 女性の嘘偽りのない笑顔とその言葉を聞く ことができて少しだけ心がほっこりし た足りなかったらどうしようと思ってたん ですけど良かったですそう言って1万円札 を差し出した彼女お釣りを手渡し自転車に 乗って去っていく女性の姿を見送ったの だったその日から俺の日常に変化が訪れる 断るごとにあの時の女性が店を訪れるよう になったのだお菓子を焼いたんですけど ちょっと多めに作っちゃってよかったら もらって くださいそう言って丁寧に梱包された箱を 渡されたことがあったまたある時は実は

今度娘が自転車デビューをするからどんな のがいいか悩んでいるんですネットでも 色々見たんですけどよく分からなくて ホームセンターにも行きましたが数が多く て余計混乱しちゃってなら本業の自転車屋 さんに聞いた方が早いかなって思ったん ですよなんてって言いながらうちの カタログを見せて欲しいと言ってきたお客 さんは1日に数人訪れる程度でその ほとんどが顔見知りださほど忙しくない 状況だったしお客さんが来店されればそれ じゃあと言ってすぐ帰ってしまうので特に 迷惑とも思っていなかった名前も年齢も 彼女が何をしているのかも全く知らない ただ子供を育てている普通の母親という ことだけは分かったそれからしばらくして 彼女は娘を連れて店にやってきたさあ アリサ挨拶し なさいアリサです4歳 です愛らしい笑顔を向ける彼女の娘有さ ちゃん有さちゃんは目を輝かせながらこう 言ったあのねこれ欲しいん だ以前俺が女性に渡したからさちゃんに 買ってあげる自転車を選ばせてあげていた ようだそれをうちで注文すると言い出す ありがたいことではあったのだが俺は素直 な感想を口にしたこういうのはねすぐ乗れ なくなっちゃうからネット通販で買う人が 多いんですよ高校生だとかそのくらいの 年齢の子なら長く続けられるけどちゃんは まだまだ大きくあるから安いものの方が コスパがいいと思うんですよそう言うと 女性は一瞬だけ目を丸くした後口に手を 当ててクスクスと笑い始め た自転車屋さんがそれを言いますあ いや自ら売上を下げるようなことを言った とは思っているがいつの間にか彼女とは 打ち解けていてそんな話ができるように なっていたのだ でもまだ俺は彼女の名前を知らない年齢的 にはおそらく20代後半くらいだろうさお も今そのくらいだ最近は連絡の1つもよさ ず実家に顔を出すこともないので少し 寂しく思っていただからこそ彼女との一時 に安らぎを感じていたの だご助言はありがたいのですがもうこの子 はこれを買うと決めて ますそこまで言うなら注文しておき ましょうそう言うと有さちゃんは飛んで 跳ねて喜びを体で表現した娘と孫を見て いるような気持ちになったのだったそんな ある日いつも通り焼き菓子を持ってきて くれた彼女は唐突なことを口に する実はあなたにお会いしたくてここに 引っ越してきたん

です俺は頭の中が疑問ふでいっぱいになっ たそもそも俺と彼女の接点なんて自転車の パンク修理をして仲良くなった程度のこと わざわざ会いに来るために引っ越してきた という意味が理解できなかったのだすると 彼女は幼い頃の記憶を語りだしたあれは そうですねちょうど今から20年前になり ます私が7歳の誕生日を向た両親から プレゼントに立派な自転車を買ってもらっ たんです よその日彼女は新しい自転車を買って もらえたことが相当嬉しくて友達の元へ 自慢しに放課後家を出たらしいいつも通り 遊んでから文言の17時までに家に帰ろう と自転車を漕いでいたら道端に落ちていた 鋭利なものが刺さってパンクしてしまった そうだな自転車を押していた彼女に声を かけたのは閉店作業をしていた自転車店の 店主懐かしいですよねあの日もここで山本 さんに自転車のパンク修理をしてもらっ て美さんは山本自転車店と書かれた看板を 愛しげに眺めているそう対応した店主と いうのは俺だったのだ俺も言われてから 当時ののことをようやく 思い出すまだ店を継いで間もい頃その日の 作業を終えて店を閉めようとしていると 泣きながら自転車を押す女の子の姿が目に 入った息子とあまり変わらない年齢に見え 放っておけずに俺はその場で修理をしたの だもちろんお題はいただかなかっ たお嬢ちゃん立派な自転車買ってもらって よかったなこんなところにそも捨てたやが 悪いんだよお題はいいから気をつけて帰る んだぞそう言うと彼女は泣き笑いの表情を 浮かべながら帰っていったその後彼女の 両親がそと言って高級スイーツとお題を 持ってきたのだがスイーツだけ頂いてお金 は彼らの手に戻したせっかく買っていいた ものをお返しするわけにはいきません 受け取らなければあの善意を踏みにじる ことにもなるですからこれはありがたく 頂戴しますがお題は結構ですまたいらして くださいそう言うと女の子の両親は何度も お礼を言いながら頭を下げるそして仲良く 3人で家父に着く背中を眺めていたのだっ たあの時の少女がまさか目の前にいるこの 人だとは思いもしなかった が本当に大事なものだったので壊したん じゃないかと思って焦ってたんですきっと 両親なら怒らなかったと思いますがまだ7 歳だった私はそんなこと考える余裕もなく てあの時自転車を直してくださって本当に ありがとうございまし たそう言って女性は深深とお辞儀をし たそんな別に大したことはしていませんよ

自転のアとしてそして子供を見守る義務の ある大人として当然のことをしたまでだ から顔をあげて くださいそう言うと女性はゆっくりと頭を 上げて姿勢を正した普段俺は人の顔を じろじろ見ることはないのだが改めて彼女 の顔を見ると当時泣きじゃくっていた少女 の影が おげんも考深かったそうかあの時の子が あなただったんですね見えるほど綺麗に なっていたものだから全然気がつきません でしたこちらこそ気が聞かずに申し訳ない ですそう言うと彼女は頬赤く染めお礼を 言った後で自分の名を名乗った彼女の名前 は上村美さんという らしいてっきり名乗ったつもりでいました 山本さんとのお話が楽しくて ついごめんなさい ね職業は保育士をしていると教えてくれ 通りで雰囲気が柔らかく有さちゃんとの 接し方もうまいのかと納得がいった美さん はここから車で2時間ほどの距離にある 地方都市で暮らしていたらしいが旦那さん の都合でこちらに戻ってくることになった のだと か私も夫もこの町出身なので特に引っ越し てきて困ったことはありませんむしろ 生まれ育った地に戻ってこられてとても 嬉しいくらいけど私には物を直すとかそう いう物の知識はないんで夫がいないと何に もできないんです よその言い方に多少の引っかかりを覚えた まるで今は旦那さんの手を借りることが できない状況にあると言っているような ものでしかし相手が話してもいないのに 他人の家族事情に触れるのは物だろうそこ で俺は大変だったらいつでも相談して くださいね車のことも多少なら知識として 頭に入っていますからと当たり障りのない ことを言った他人の俺が踏み入るべきでは ないそう思ったからだその言葉にみゆさん は嬉しそうに微笑み軽く雑談をした後帰っ て行った後日有さちゃんのために用意した 新品の自転車を2人が引き取りに来て有さ ちゃんは目を輝かせながら喜んでいたこう いう光景は久しぶりに見た気がして俺の心 もじんわりと温かくなっていくのを感じる 外装はボロボロになってしまい客足も随分 と減ってしまっただけどそれでも俺がこの 自転車屋を続けてきたのはこの日のために あったのではないかそう思ったの だおじちゃんアリサこれ大事にする ねピカピカの自転車にほりをしている有さ ちゃんを眺めるみゆさんの瞳は試合に満ち ていたそうして美さんと有さちゃんがうち

に来るようになってから半年が経過した 12月25日今年のクリスマスはホワイト クリスマスになった心身と降る雪を眺め ながら今日はお客さんも来ないだろうし 早めに店じまいをしようと思って シャッターを下ろそうとしたその 時山本さんま待って ください現れたのはみゆさんだった走って きたのか息を切らしており花咲が真っ赤に なっている どうしたんですかそんな慌て て夫の容態が急変してしまっ てそこで初めて彼女の旦那さんについて俺 は知ることになったこちらに引っ越してき たのは仕事の都合だと思っていたがそうで はないらしい実は旦那さんの治療のため だった以前暮らしていたところでも治療 できる病気だったらしいがで旦那さんが こう言ったそう だ生まれ育った町の方が地元パワーで早く 治るか も美さんはその願いを聞き入れ旦那さんは この近くにある大きな病院に入院すること になったのだとか余名宣告をされたわけで はないが回復までは1年から長くて3年 近くかかると言われているらしい美さんは 病中の夫支えながら1人で有さちゃんを 育てていたのだそんな彼女の旦那さんが 突然意識を失いすぐ来てくれと病院から 連絡があったのだそうだ有沙ちゃんは急遽 延長保育をお願いし自分は相待させて もらったと言ったそそれならこんなところ で道草を食っている場合じゃない今すぐ 旦那さんの元 へ俺はそういうことしかできなかった今 このタイミングでどうして自分の元へ来た のか分からなかったけど考える余裕は一切 ないタクシーを呼びましょうかいやだめだ クリスマスだし雪も降っているからすぐに は来られないどうしたらみゆさんは俺の 言葉を聞いて一瞬ためらうような表情をし たがすぐ顔をあげると思わぬことを口に する お願いです山本さんも一緒に来てください あ は旦那さんと俺は面識がないはずなので何 を言っているのか分からずすっときな声を 出してしまったきっと彼女は夫の容態が 急変したと聞いてパニックに陥り俺に すがっているのだろう今はそう思うことに したとにかく今は美さんを旦那さんのへ 届けるのが先だ大きく深呼吸をした後俺は 自分の車にスタットレスタイヤを履かせて いたことを幸運に思いながらこう いうとにかく急ぎましょう確か免許は持っ

ていないんでしたよね俺の車でよかったら 乗って くださいするとみゆさんはためらうこと なく俺の車に乗り込みできるだけ早く病院 へ向かおうとアクセルを踏んだのだった 病院に到着して俺は1回のロビーで待とう と思って腰を下ろそうとするだけど美さん はせっ詰まった顔をしてお願いです一緒に 来てください山本さんに来て欲しいんです と言って手を 引くどうして俺が美さんとはここ数ヶ月 色々なお話をさせていただきましたが旦那 さんとは1度も話したことがありません 突然赤の他人が入ってきたら旦那さんも いい気はしないでしょう俺のことはお構い なく早く旦那さんのとこへ行ってあげて ください戸惑いつつもそう言ってみゆさん を説得しようと試みるすると旦那さんを 担当しているという看護師と医師が一を 切らしてこちらにやってきた急ぎましょう と言った後俺の顔を見て不思議そうに首を かしげるあのこちらの方 はそれはそうだろうと思ってあの俺は ロビーで待っているんでと言いかけた時俺 の言葉にかせてみゆさんが衝撃的なことを 叫んだこの方は義父です夫の実の父親です お願いですから通して ください言って医たちに頭を下げたのだ何 を言っているのか全くわからない頭の中は どんどん疑問でいっぱいになって理性が 飛んでいきそうだったしかし美さんの言葉 をもう一度思い出して冷静さを 取り戻すまさかみゆさんの夫というの は実の父親と言われたら通さないわけにも いかないと思ったのかたちは俺に視線を やるとではお父様もお願いしますと言って キスを返す俺は混乱する思考を抑えつけ ゆっくりと深呼吸をしながらエレベーター に乗ったそして8階のとある個室に通さ れる充満する病人特有の匂いと無気質な 機械音によりここは現実でありながら現実 ではないどこかの空間であるかのような 錯覚を起こしたそしてあの時の記憶が フラッシュバックする妻が突然激しい頭の 痛みを訴えた後倒れてからパタリと意識を 失って一週間後には亡くなってしまった あの日のことをああああ ああ俺は呼吸が浅くなるのを感じながらも なんとか歩みを進めようやくベッドに 横たわっている人物の顔を見ることができ たそして絶望したの だおい嘘だろささおお前どうしてこんな ことになっているんだ よ青白い顔でそこにいたのは紛れもなく俺 の息子であるさおだったのだ体はまだ

温かいものの命のとしが目の前で消して いるあの時の妻のように俺はまた家族を 失うのかそんな感情が押し寄せてきて自然 と涙がこぼれ落ちてい たさおおいさお俺だよ父さんだよ目を目を 覚ましてくれ よ俺は周りの様子など気にすることもなく さおの手を握り何度も大声で息子の名を 無慈悲にも反応はなく手は温かいものの俺 の背中にはひんやりとした何かが伝うのを 感じたこの際美さんが俺に何かを隠してい たことなんてもうどうでも良くなるほど俺 の心は恐怖に支配されていたのだ一度整え たはずなのにぜいぜいと呼吸が乱れる美 さんたちが何か言っているが全く聞こえ なくて俺は何度も息子の名を呼び続けた そんな俺の方に手を置いたのはさの主だっ たお父さん取り乱す気持ちも理解できます がまずは落ち着いてくださいさおさんは 現在昏睡状態にありますが緊急手術によっ てひとまず一命は取り止めましたただ意識 が戻る見込みは30%から50%といった ところでしょうかもし戻らな その後のことは語らなかったが何を意味 するのかは瞬時に理解できてしまった人は とんでもない恐怖や驚愕の事実に直面した 時声が出なくなるというのは本当のようだ 俺は石や美さんに色々と聞きたいことが山 ほどあるのに頭の中は真っ白になっていて 何も考えられない状態に陥って いるさんがして何か声をかけてきたがそれ に返事をするような余裕は一切なかった気 がつけば俺は病室を出てすぐのとろにある 待合室で沈みゆく太陽を眺めながらぼーっ としてコーヒーを口にしていたあんなに 好きで毎日コーヒーを飲んでいたのに全く 味がしないそして沈んでいく太陽のように 息子の命も尽きてしまうのかと思うと怖く て怖くてたまらなかったもし今眠ったら次 に起きた時にはもう息子はこの世にいない かもしれないあの日妻を失ったように俺は また大切な人を目の前で失わないといけ ないのだろうかこの世に神がいるなら一体 どれほど俺から奪えば気が済むのだろう 普段神様なんて信じてもないのに混乱した 俺の頭にあるのはそれだけだった現状を何 も理解できずただうれることしかできない 真っ黒になって閉ざされた俺の心を こじ開けたのは幼い少女だっ た自転車屋のおじ ちゃんその声にはっと我に帰った俺が ゆっくりと振り返るとそこには有さちゃん がいたのだ先ほどみゆさんが迎えに行った らしくちょうど病院に戻ってきたらしい アリサちゃんの顔を見ると少しだけ心の

ざわめきが落ち着き一瞬だが冷静さを 取り戻せた気がした聞くなら今しかない そう思って俺は有さちゃんの背後に立って いたみゆさんにこう言っ たあなたは知っていたから俺をここに導い たんですかこれまでどういうつもりで俺と 関わってきたんですかもう何がなんだか さっぱり理解ででない美さんを責める つもりは一切ないこの半年という短い時間 ではあったがみゆさんが好き好んで嘘を つくような人には一切見えなかったからだ しかし俺の心のどこかではどうして黙って いたんだという見にくい感情が見え隠れし ていてそれが無意識のうちに言葉の橋場に 現れていたのかもしれない自分でも驚く ほどきつい言い方をしてしまったのだが 余裕のない俺にはあのように問うしか なかったのだそれは美さんも理解してくれ たらしくただただ俺に同情するような目を 向けてこう言っ たこれから全部お話ししようと思います けどこれだけは分かってください私もさお 君も決してあなたを騙そうだなんて思って い ないその言葉に俺はゆっくりと頷い たアリサお父さんの容態が落ち着いてきた から少し顔を見ておいで母親にそう言われ 何かを察したのか有さちゃんは待ち合い室 を出ていくそしてさおの病室に入ったのを 確認するとみゆさんはゆっくりと口を開い たまずはあなたがさお君のお父さんだと 知っていて全部黙たことをここに深くお 詫び申し上げ ますあまりにもかしこまった態度に俺は 恐縮していや俺の方こそ責めるような口調 で申し訳なかったあなたを責めているわけ じゃないんですただこの状況に困惑して どう接したらいいのか分からなくてという 言い訳を口にしたするとさんは肩を字にし て笑を 浮かべるいいえ山本さんが謝ることはあり ませんからこの件を隠したいと言ったのは さお君本人だったんですそして私も彼の 意見に同意したちょっと長くなるんです けど聞いてくださいそう言って美さんは 真実を語りだした美さんがここに引っ越し てくる前そしてさと出会う前はマザーとし て1人で有さちゃんを育てていたらしい その日も美さんは有さちゃんを迎えに行っ た後彼女を連れて近所のスーパーで買い物 をしていたそうだその時まだ押さなかった 有さちゃんがぐずってしまい怪していた ところうるさいな子供の声が耳障りでなら ない最近の若い母親はしつけというものが できてないんだよと恒例の男性に指摘され

てしまったそうだ何度も頭を避けて有さ ちゃんを怪も彼女の機嫌は治らない男性が さらに舌打ちをして再び文句を言おうとし た時さおがやってきてこう言ったそう だこの子とお母さんが何をしたって言うん ですかまだ見たところ1歳くらいの子だし 泣いてる子供を怪しているお母さんに 追い打ちをかけて楽しいですかそういう風 に立場が弱そうな人にあたって恥ずかしい 大人です ねさおにそう言われ男性は顔を真っ赤にし ながら立ち去ったらしいこれがさおと美 さんの出会いだったそう だ実は有沙の父親には浮気をされて離婚し ましたその時から男性不審になってて男の 人が怖かったんですだけどさ君には自然と 怖いっていう感情が湧いてこなくてそれ どころか助けてもらってどうやら私彼に 一目惚れをしていたよう です美さんは頬を染めながらその当時を 振り返って思いを口にし たさおさんもそのスーパーの近くの アパートに住んでいると言っててその日 から買い物の時間が被る度お話をするよう になったん です有さちゃんもある程度のことが分かる ようになった年齢から幸夫が一緒にいる 環境に慣れてしまい2人はあっという間に お付き合いを開始したそうだそうして2 年間の真剣交際を経て結婚したのだという 有沙ちゃんがすでに保育園へ通っていた ことから苗字を変えるのもと言い幸男が美 さんの苗字である上村を名乗ることにした そうだだけどそんな幸せは長く続かなかっ た幸夫君が急に倒れて緊急搬送されすぐ 手術も行われましたそこで病気が発覚した んです病名を聞いて俺は頭痛がした妻が 倒れた時と同じ病気だったからだ遺伝性の ものであることは当時の意志から聞いてい たが幸男に遺伝しているとは思っても見 なくてやるせない気持ちでいっぱいになる ただ幸男は早期発見だったのでこれから 根気強く治療すれば治る見込みはあると 言われていたそう だ実はさお君がここに戻って治療を受ける と言った時父さんには黙っていてほしいと も言われました幸夫は俺が妻を失い悲しみ にくれて抜け殻のような生活を送っていた 頃をまのにしている子供ながらにさおも その状況を理解しそして俺が2度と妻を 思い出して悲しまないよう自分の病気を 隠すことにしたそうだけどもうすぐ50歳 になるお父さんを1人にしておくのも気に なるし自分にもしものことがあればと言っ て私に全部話してくれたんですどうやら俺

の健康を見守るためにさんは俺に近づいた ようだったさおの意志を ついでだけどあなたにとって俺は夫の父親 であることに変わりない自転車の件もあり ますが特別な関係ではないです特にこれと いった思い入れもないでしょうしさおの わがままに付き合わせて申し訳ありません でしたそう言って頭を下げる突き放すよう な言い方になってしまったがこれが俺の 本心だったのだこれは俺の問題であって 幸夫と美さんは関係ないそれなのに俺の心 が弱いばかりに2人には余計なものを 背負わせてしまったその申し訳ないという 気持ちを言葉にしたのだったしかしそれは 違いますと言って美さんははっきりと俺の 言葉を否定する彼女の大きな瞳が揺れた それとにさんはゆっくりと自分の気持ちを 語っ た私がこうして山本さんのお店に通ってい たのは幸夫さんが心配していたこともあっ たんですけど私が決めてやっていたことで もあるんですお菓子のことや有さちゃんに 自転車を買ったことそしてさおの状態が 悪くなったからと俺に知らせに来てくれた こと全て美さんが自分で考えてくした判断 だと言い切ったの だ実は山本さんに直してもらったあの自転 車が両親からもらった最後のプレゼントに なったんです翌月両親は亡くなり私は 祖父母に引き取られれました山本さんに 修理してもらった自転車は乗れなくなる まで乗り続けましたよ両親の片でもあるん ですその恩返しがしたかったっていうのが 私の素直な思いなんですよだからご自身を 責めないで くださいそういう美さんの目からは大つぶ の涙がこぼれていた俺からしたら困って いる女の子の自転車を自転車屋の天使とし て直しただけにすぎないしかし彼女にとっ てそれは命と同じくらい大切な代物だった のだ俺の保にもいつの間にか温かいしが 伝って いるさんさおを選んでくれてありがとう さおを信じてくれてありがとうそして こんなにも親民になってくれる人が息子の パートナーだというだけで俺は幸せだよ するとみゆさんは涙を拭いいつものような 明るい笑を浮かべ たさお君は何度くじけそうな場面に遭遇し てもめげずにのし上がってきましたきっと 今回も大丈夫だから一緒にさお君を応援し ましょうそういったタイミングで有さ ちゃんが病室から出てくるなり大声で何か を叫びながらこちらに走ってくるのが見え たママパパがパパ

がその後看護師や医師たちが病室に入る姿 を俺は透明に見ていたのだっ たさおが目を覚ましてから数後ようやく俺 は息子と話す決意ができ たさ調子はどうだ緊張しながらもなるべく 平常心を よう えっと父さん 最初は驚いていたさおだったがみゆさん から話を聞くと力なく 笑いはなんださんがたのかそっかそっか親 高校がしたかったんだけど難しかったなと 言って頭を書くさおにとって自分が健康で いることが1番の親高校であると考えてい たらしいだから病気になったことを言え なくてみゆさんと有さちゃんと家族3人で 助け合いながら頑張ってきたそう だお前自分の知らないところで息子が 苦しんでいたって聞かされた俺の気持ちも 考えろ よ少し強めの口調で言うと言葉をつまら せる さおそんなさおの頭に手を伸ばし優しく ポンポンと撫でてやっ たお前なりに俺のことを思って隠してた ようだがそういう気遣いはいい俺はお前の 父親なんだお前が昔母さんをショックを 受けていた俺を慰めてくれたように今の お前が背負っている重俺にも背負わせて くれよそう言って微笑むとさおは困った ような笑を浮かべ たやっぱ父さんには叶わないよ父さん みたいな立派な男になるそれが俺の目標な んだ今も昔もな俺まだまだ行きたいちゃん が成人して結婚するまでを見届けるって 決めたんだ からそういうさおはぎゅっと拳を握りしめ ていたすると病室の戸が開く音が聞こえて きて有さちゃんとみゆさんが手をついで 入って くる パパ無邪気に笑いながらさおの元へかけて いく有さちゃんを美さんはそっと見守って いた医師の話によるとまだ余談を許さない 状態らしいそれでも少しずつ回復しており あと数ヶ月頑張れば退院できるかもしれ ないとも言ってい た驚くほどの生命力 ですまだまだ長きしなきゃいけない理由が あるんでねそう言って社長は俺たちを見 ながら歯を見せて豪快に笑ったのだった 病院を後にして2人を家まで送っていると ちゃんがこんなことを 言う自転車屋のおじちゃんあのね有さね 今度友達とママと新しい自転車に乗って

公園に行くん だそうかいそれは良かったね自転車の調子 が悪くなったらおじちゃんのとに持って くるんだよまだ有さちゃんは俺が義理では あるものの祖父だということを知らないそ は幸夫と美さんそして有さちゃんの3人 家族の輪にまだ加わらないことを決めてい たためそのことはこの2人にも話して理解 を得ていた幸男たちが乗り越えるべき壁が あるように俺にも同じくそれがあるだから 俺はしばらく田舎でボロボロの自転車屋を 営む主人として頑張っていくつもりだ妻の ことをいつまでも引きずらず健康第1で 生きるその気持ちが固まるまで何年かかる かは分からない俺にとって妻を失った 出来事はショックで今もまだずっと心の 奥底に根を張っているからだだけどありさ ちゃんが大きくなって色々なことを 受け入れる余裕ができたらいつかはこう 言ってほしいおじいちゃんじゃなくてお じいちゃんて な [音楽] DET

【感動する話】田舎でボロボロな自転車店を営む48歳の俺。ある日、来店した女性客からパンクの修理を受けた。女性客「実は…あなたにお会いしたくて来ました」その後、意外な展開に…【いい話・泣ける話・朗読

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