文武両道の強豪チーム、東京大学の自転車部の学生たちが、この夏、いわき市で合宿を行いました。なぜ、いわきだったのか、その理由を取材しました。

いわき市の道路を疾走するロードバイク。東京大学自転車部競技班の選手たちです。

チームは、2022年の全日本学生選手権、チームタイムトライアル大会で優勝するほどの強豪です。

主将の篠崎(略字で表記)蒼平選手は、6月に全日本学生選手権の個人ロードレース大会で優勝するなど、大学の自転車競技で注目のチームです。

そんな選手たちがチームの強化を図る大事な夏合宿に、いわき市を訪れた理由が?
■東京大学工学部4年 篠崎蒼平主将
「久しぶりに、こんなにきつい思いしたなって感じです」

この「きつさ」が大事なのです。学生王者にそう言わせるほどに、登りと下りを繰り返す勾配のある道です。
さらに、「あるものが無い」こともポイントでした!

■東京大学工学部4年 篠崎蒼平主将
「信号が少なくてノンストップで走れてしまうので、レースみたいな感じですごいきつかった、追い込めました」

この日のコースはおよそ30キロ、その間になんと「信号」が一つもありません。
山あり谷ありのいわば「田舎道」。さらに、この合宿の背景に福島県の後押しもありました。

■福島県いわき地方振興局の地域づくり 商工労政課 久保佑平さん
「信号が少ない、道幅が広いとか、そういったところをとても重要視しておりまして、逆にそこが田舎であることが強みにつながったのかなと感じております」

津波の被害を受けたいわき市の海岸線に沿って整備された「いわき七浜海道」など、福島県内には、海あり山あり、サイクリストが好む環境が多いんだとか。

■篠崎主将
「きょうは130キロくらい。登りが多いので、関東のコースだと150〜60キロ走りたいですけど、この山がちなところだと130(キロ)くらいで十分って感じです」

こうしたなか、サイクリングを地域の振興につなげたい福島県。
いま目指すのが、北は新地町から南はいわき市まで、全長およそ300キロを自転車で楽しめる「ナショナルサイクルルート」の国からの指定です。

現在、広島県と愛媛県を結ぶ「しまなみ街道」などの6つが指定を受けるナショナルサイクルルートが、新たに浜通りのルートも指定されれば、インバウンド客など観光面の大きな効果も期待されます。
実は、今回の合宿も、地元の住民が応援隊を作り官民あげて宿をサポートしました。

■吉田頌さん(工学系研究科 修士1年)
「愛情がこもった、おいしいおにぎりでした。」
ほかにも、この1年で、日本大学や明治大学など自転車競技の強豪校がいわき市で合宿をするなど、地域の新たな魅力になっています。

■篠崎主将
「こんなに、いろんな方に支えてもらえ本当にありがたくて、すごい恵まれた合宿だなと」

■いわき地方振興局 久保さん
「自転車の合宿といえばいわき、そんな風に言われるようなことを目指して、これからも合宿の誘致取り組んでいきたい」

サイクリングを観光の起爆剤に、これからの盛り上がりに期待です。

<記事はこちら>
https://www.fct.co.jp/news/area_news_2839

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